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4 妖精の宝物庫
アルスター 34
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「たぶん、あれはキマイラね。ライオンの頭に山羊の胴体、そして蛇の尻尾。間違いなさそうね」
キマイラというのは、聞いたことのない名前だ。羊や蛇は分かるけど、ライオンはサーカス団が連れている猛獣としか分からない。
いろいろ、分からないことはあるが、僕に出来ることは一つだ。
「とりあえず、応戦するけど、何か注意とか、そう言うのはない?」
「そうね……とりあえず、尻尾の蛇はたぶん毒蛇だから噛まれないように。あとは……どこまで再現されているか分からないけど、火を吹くって話もあるわ」
「火!?」
そんなドラゴンのような生物が……いや、そう言えば、ベリルさんの家でドラゴンが済む浮遊大陸に行くと言っていたか。
「その盾の性能はさっきので分かったし、火ぐらいなら大丈夫よ」
本当に大丈夫なのだろうかという不安はあるけれど、信じる他ない。
「それより……なんかおとなしくなった……?」
こうやってメリルと対策なんかを話している間、攻撃を一切してこなかった。それどころか、座って休憩する体制に入っている。
「これ、こっそり横を通り抜けれないかな?」
僕たちに興味を示していないから、忍び足で行けば大丈夫な気がする。
「試してもいいけど……」
「分かった」
そう言われたので、忍び足で通り抜けようと、一歩、部屋の中へと踏み込んだ瞬間だった。
「えっ……」
さっきまで興味を示さなかったのに、急に立ち上がってこちらを威嚇してきた。
「まあ、この部屋に入ってきた者を攻撃するように作られているとは思っていたけど」
「思っていないで、先に説明してよ」
そんなことを言い合っている間に、キマイラが突進してきたので、慌てて盾で防いだ。
今回は吹き飛ばされることもなく、その場で耐えた。
「同じ攻撃には耐性が付くのかしら……」
「のんきに分析してないで、倒す方法を教えて……」
そんな隙を狙って、尻尾の蛇が盾の隙間からこちらをのぞき込んでいた。
「っと危ない」
慌てて剣で切り落とすと、痛そうにキマイラは引いた。
「これで尻尾の蛇は気にしなくてもいい」
そう言った瞬間、切り口から新たな蛇が顔を出した。
「そんな……回復なんてズルいだろ」
「魔法で作られているから、心臓を突き刺しても魔力がなくならない限り倒せないわよ」
「そんな……」
なら、魔力が尽きるまで戦うしかないのだろう。
キマイラというのは、聞いたことのない名前だ。羊や蛇は分かるけど、ライオンはサーカス団が連れている猛獣としか分からない。
いろいろ、分からないことはあるが、僕に出来ることは一つだ。
「とりあえず、応戦するけど、何か注意とか、そう言うのはない?」
「そうね……とりあえず、尻尾の蛇はたぶん毒蛇だから噛まれないように。あとは……どこまで再現されているか分からないけど、火を吹くって話もあるわ」
「火!?」
そんなドラゴンのような生物が……いや、そう言えば、ベリルさんの家でドラゴンが済む浮遊大陸に行くと言っていたか。
「その盾の性能はさっきので分かったし、火ぐらいなら大丈夫よ」
本当に大丈夫なのだろうかという不安はあるけれど、信じる他ない。
「それより……なんかおとなしくなった……?」
こうやってメリルと対策なんかを話している間、攻撃を一切してこなかった。それどころか、座って休憩する体制に入っている。
「これ、こっそり横を通り抜けれないかな?」
僕たちに興味を示していないから、忍び足で行けば大丈夫な気がする。
「試してもいいけど……」
「分かった」
そう言われたので、忍び足で通り抜けようと、一歩、部屋の中へと踏み込んだ瞬間だった。
「えっ……」
さっきまで興味を示さなかったのに、急に立ち上がってこちらを威嚇してきた。
「まあ、この部屋に入ってきた者を攻撃するように作られているとは思っていたけど」
「思っていないで、先に説明してよ」
そんなことを言い合っている間に、キマイラが突進してきたので、慌てて盾で防いだ。
今回は吹き飛ばされることもなく、その場で耐えた。
「同じ攻撃には耐性が付くのかしら……」
「のんきに分析してないで、倒す方法を教えて……」
そんな隙を狙って、尻尾の蛇が盾の隙間からこちらをのぞき込んでいた。
「っと危ない」
慌てて剣で切り落とすと、痛そうにキマイラは引いた。
「これで尻尾の蛇は気にしなくてもいい」
そう言った瞬間、切り口から新たな蛇が顔を出した。
「そんな……回復なんてズルいだろ」
「魔法で作られているから、心臓を突き刺しても魔力がなくならない限り倒せないわよ」
「そんな……」
なら、魔力が尽きるまで戦うしかないのだろう。
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