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4 私の想いが届かない

町一番の支援魔法の使い手は 42

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 あれは、一昨日まで一緒に狩りに行っていた正規ギルドに所属している3人だ。そう言えば、いつもここで待ち合わせをしていた。今日も私が来るのを待ってくれているのだろうか。
 でも、彼らは私を騙し利用していた。荒野の書庫の団長さんから聞いた話が本当なら許せないことだ。
 でも、本当に彼らは私を騙して利用していたのだろうか。私なんかと一緒にダンジョンで狩りをしてくれて、楽しく夕食を共にして、そして、魔石を換金したお金も4人で等分じゃなくて私だけ4割貰っていて、そんな優しい彼らが私に嘘を付いていたなんて、そんなこと考えられない。
 でも、ダンジョンで下の階まで滑落したとき、誰もすぐに助けに来てくれなかった。私が支援魔法しか使えなくて、攻撃は一切出来ないと知っているのに、それでもあの3人は自身の安全を優先して、私が滑落した場所から飛び降りるなんてことはしてくれなかった。
 でも、でも……でも……。
 そんな「でも」の中で堂々巡りをしていると、あの3人と目があった。
「あっ……どうしよう……」
 あの3人も間違いなく私のことに気づいた。その証拠に、私へ向けて笑顔で手を振っている。
「あぁ……どうすれば……」
 彼らは私と一緒に狩りへと出かけるつもりなのだろう。もちろん、私は彼らと今日ダンジョンへ行くという約束はしていない。ただ、それが日常だったので、行かないと伝えるべきだったのだろうか。ただ、私も忙しかったし、私には休日に彼らと接触する方法がなかった。だから仕方がないのだが……。
 そんな言い訳を自分に言い聞かせていると、私がなかなか来ないのを見て、私の方へと、近づいてきた。
「はぁ……どうしよう……断って怒られでもしたら……」
 幸いなのは、ちょうど人が混んでいたことだろうか。彼らは人に阻まれ、なかなかこちらへたどり着けない。
 今の内に音便に済む言い訳を考えなければ……。
 しかし、最悪のタイミングでその人は戻ってきてしまった。
「馬車がとれた。早く行くぞ」
 馬車の手配が出来たコンさんが帰ってきた。
 最悪のタイミングと言っていい。あの3人も私とコンさんが一緒に居ることに動きを止めている。
「おい、何してる。さっさと行くぞ」
「は、はい……」
 コンさんにはぐれないように、ちゃんと後ろに付いて歩いた。
 途中、ごめんなさいの意味も込めて、あの3人に頭を下げてから、コンさんと共にその場を去った。
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