オメガ殿下と大罪人

ジャム

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真の力

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ロト「おりゃぁぁぁ!!」

ロトがイシュルに切りかかる

イシュル「甘いぞ!!」

イシュルは簡単に防ぐ

トト「隙あり!!」

トトが隙をつき後ろから攻撃する

イシュル「気配ですぐにわかるわ!!」

「灰になれ!!」

ハルトは強烈な炎を放ちイシュルを包んだ
しかし・・・

イシュル「ぬるい!!ぬるすぎるわ!!!」

トト「なんなんだよ!!化け物かよ!」

ロト「攻撃の手を緩めるな!必ず弱点はあるはずだ!」

イシュル「俺に弱点などない!すべてを克服したのだ!」

「・・・」

トト「くそ!あんな奴に勝てるのかよ!」

「攻撃を続けて!」

トト「だ、だが・・・」

ロト「御意!!」

ロトは攻撃を続けた

「凍り付け!!」

氷魔法をハルトは放つ

トト「くそ!!やってやるよ!!」

トトも攻撃を加える
しかし、すべての攻撃は防がれたりかき消されてしまう

イシュル「持久戦になっているぞ?俺の勝ちは確定だな!」

トト「はぁはぁはぁ・・・マジ何も聞かないのかよ・・・」

ロト「はぁはぁ・・・トト、攻撃を続けるぞ。ハルトからの命令だ」

トト「ああ。わかってるよ!」

「光よ!!降り注げ!!」

どんな攻撃も魔法もイシュルには通用しなかった

ロト「なにか・・・なにかカラクリがあるはずだ・・・」

トト「そんなのどこにあるんだよ・・・あいつ・・・マジつえ~」

「・・・もう少し・・・もう少しだよ」

トト「なにがもう少しなんだよ・・・」

ロト「・・・あとどのくらい持ちこたえればいい?」

「・・・」

ハルトはイシュルを見た
いや、イシュルの着けている”ある物”を見た

「・・・あと30分!!」

トト「はぁ!?30分も続けるのかよ!?」

ロト「了解!行くぞ!トト!!」

トト「はぁ・・・了解!」

ロトとトトはイシュルに向かって行く

イシュル「なにをしているか知らないが、俺の勝ちは決まっている!潔く諦めることだな!」

「僕たちは諦めない!お前を倒してこの国を取り戻すんだ!!」

イシュル「たわけが!!俺に勝てると思うな!!」

・・・30分後・・・
ロト「う・・・」

トト「ぐ・・・」

ロトとトトはイシュルの攻撃に耐えられず倒れた

「はぁはぁ・・・」

ハルトは辛うじて立っているのが精いっぱいだった

イシュル「フハハハハ!!レムリックを継ぐ者がこうも弱いとは!俺がこの国を・・・いや、世界を引っ張って行かないといけないようだな!」

「もう少し・・・もう少しなんだ・・・」

ハルナールからもらった想いの魔法も弱くなっているのをハルトは感じた

イシュル「その細剣は飾りだったみたいだな!」

「くっ・・・」

ハルトは剣を強く握りしめる

イシュル「さぁ、アカトシとハルナールの元へ行くがいい!!」

イシュルは手を空へと向けた
その時

イシュル「う・・・グハッ!!」

イシュルは腕を抱え倒れた

イシュル「な、なんだ!?ゆ、指輪がぁぁぁぁぁ!!!」

イシュルの着けている指輪・・・”魔王の指輪”が赤い光を放っていた

「やっと・・・。やっと指輪の魔力が尽きたんだね」

イシュル「なに?!指輪の魔力が・・・尽きただと!?」

「はい。魔王の指輪は無限に近い魔力が秘められてます。ですが、無限に”近い”だけです。いつかは尽きます」

イシュル「ま、まさか・・・尽きるのを・・・待っていたというのか・・・?」

「はい。あなたが無敵なのは指輪のおかげですよね?指輪から魔力の波動を発してロトやトトの動きを把握していた。僕の魔法は目視で確認して防いでいた・・・ってところですよね?」

イシュル「くそ・・・お前を甘く見ていた・・・ガキだと思って・・・」

「さっき母上が言いましたが、継承でのみ所有権が移ります。継承もされていないあなたが扱える代物ではありません。もちろん、継承をしていない僕も扱えないでしょう」

イシュル「くそ!!くそ!!!言うことを聞け!!」

イシュルは無理に魔王の指輪を使おうとした

「やめた方がいいですよ。無理に使えばあなたもただでは済みません。命が惜しいならここでやめてください」

イシュル「黙れ!!ここまで来て諦められるか!やっとの思いでここまで来たんだ・・・今更諦められるか!!!」

イシュルは腕を空に掲げ

イシュル「魔王の指輪よ!俺の命に従え!!お前の力を俺にすべて寄越せ!!この世界を俺の手に!!!」

「無駄ですよ。もう指輪には魔力は・・・っ!?」

その時、イシュルの言葉に指輪が答えたかのように光り出した
その光はとても暗く・・・漆黒・・・いや、深淵といっていいほどに真っ黒な光だった

イシュル「さぁ!!俺に従え!!」

「これは・・・一体何が・・・うぐっ!」

それは一瞬だった
一瞬でイシュルはハルトの前に現れ大きな手でハルトの頭を掴んで持ち上げた

イシュル「これが真の力か・・・。いいぞ!実にいい!」

ロト「ハルトを離せ!!」

ロトはイシュルに飛びかかりハルトを掴んでいる手を切り落とした
だが・・・

イシュル「無駄だ!」

切り落としたはずの手は一瞬で治ってしまった
まるで霧や雲を切ったかのように

ロト「ば、馬鹿な・・・っ!?」

イシュル「貴様も一緒に葬ってくれる!!」

イシュルに首を掴まれたロト
捕まれた手から真っ黒な霧みたいなのが現れた

「い、いけない!!光よ!!!」

ハルトは嫌な予感がして光魔法を使った
光は真っ黒な霧と共鳴し

「っ!?・・・」

光と霧が爆発したと同時にハルトもロトも気を失ってしまった・・・
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