オメガ殿下と大罪人

ジャム

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覚醒と花の結界

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「お前にこの国は渡さない!」

ハルトから魔力があふれ出す

イシュリット国王「これが・・・”血”と言うことか・・・」

ハルトの魔力に圧倒されるイシュリット国王

「ここでお前を打ち倒す!僕の命に代えても!」

炎、氷、水、雷
四属性の無数の魔法弾を放つ
イシュリット国王は指輪を使い応戦する
しかし、すべての魔法弾を防ぐことはできなかった

イシュリット国王「ぐっ・・・さすが王族。血に宿る魔力に偽りはないということか」

「お前は所詮指輪の力を借りているに過ぎない!僕には勝てない!」

ハルトは光に乗り空中を舞いながら魔法弾を打ち続けた

イシュリット国王「俺も負けられないんだよ!もう少し・・・もう少しで叶うんだ・・・ここで諦めるわけにはいかない!!」

イシュリット国王も応戦し、魔法弾を打つ
ハルトの魔法弾とイシュリット国王の魔法弾がぶつかり合い爆発する
その爆風は凄まじく城を壊していく

イシュリット国王「コバエのように舞いやがって・・・撃ち落としてやる!」

イシュリット国王の腕に光が集まり

イシュリット国王「落ちろ!!!」

大きな光線をハルトに向かって放った
ハルトはそれを素早く避けた
が、光線は城の屋根に大穴を開けた

「くっ・・・ここまで強いとは・・・それにお城が持たない・・・」

ハルトは光に乗り大穴から外に飛び出した

イシュリット国王「逃がすか!!」

イシュリット国王は機械の大きな羽を装備するとハルトの後を追った

レムリック城の空では激しい戦いが起こっていた

???「ダメ・・・このままではハルトが・・・」

その戦いの中、城門から空を見上げる者がいた

???「ハルト・・・あなたにはまだ及ばない・・・イシュルに勝つには・・・もう一歩足りないの・・・」

謎の人物は光を纏い飛び交うハルトを見つめる

???「時期早々だと思うけど・・・仕方ないわね。私が助けなくちゃ!」

謎の人物は城門を通り謁見の間に向かった
ハルトを助けるために・・・

・・・・・・・・・
「やぁぁぁぁぁ!!!!」

イシュリット国王「はぁぁぁぁぁぁ!!!!」

魔法と魔法がぶつかり合う

イシュリット国王「ちょこまかしてるんじゃねぇ!!さっさと落ちろ!!!」

光線が無造作に放たれる
それをハルトは避け魔法弾を撃ち込む

「魔王の指輪を使いこなしてる・・・」

イシュリット国王の放つ魔法は強力で一発でも当たれば致命傷になりかねない
でも、それはハルトの魔法も同じだ
イシュリット国王にとってはハルトの魔法も致命的となる

イシュリット国王「大人しく落ちろぉぉぉぉ!!!」

「それはお前だぁぁぁぁ!」

二人は魔法を纏い全力でぶつかり合う
そのぶつかり合いに決着はつかずお互いに距離を取る

「しつこいな!!」

イシュリット国王「お前もな!王に逆らう!!」

「それはお前だ!!僕に逆らうな!!」

ハルトはイシュリット国王に接近し光線を放った
その光線はイシュリット国王の機械の羽に当たった

イシュリット国王「っ!クソ!!ならば!!」

「っ!!」

イシュリット国王はハルトの腕を掴み

イシュリット国王「お前も道ずれだ!!」

二人は勢いよく落下していく
ハルトは抵抗するがイシュリット国王は離さない
そして、二人は謁見の間に勢いよく落ちた

「う・・・」

イシュリット国王「・・・フ、ハハ・・・俺の勝ちだな!」

ハルトはイシュリット国王の下敷きになり地面に強く叩きつけられたのだ

イシュリット国王「トドメだぁぁぁ!!!」

大槌でハルトにトドメを刺そうとする

ハルト「・・・負け・・・ない!!」

イシュリット国王「ぐっ!」

ハルトは光を爆発させた
その爆風でイシュリット国王は吹き飛んだ

イシュリット国王「小癪な・・・」

「はぁはぁはぁ・・・」

ハルトもイシュリット国王もボロボロだ
それにハルトは魔力を使い果たしてしまった

イシュリット国王「魔王の指輪に対抗したことは誉めてやろう。だが、ここまでだ」

大槌に魔力を送り光り輝く巨大な大槌に変わった

「嘘・・・。まだ魔力が残っているの・・・?」

ハルトは膝をついた

イシュリット国王「これで最後だ!!死ねぇぇぇぇ!!!」

巨大な大槌はハルト目掛けて振り下ろされた
ハルトは目を瞑った

(ごめん・・・守れなくて・・・ごめん・・・みんな・・・)

すべてを諦めたハルト
その時・・・

イシュリット国王「な、なんだ!?」

イシュリット国王の声にハルトは目を開ける

「な・・・に・・・?」

巨大な大槌による攻撃は花形の大きな結界により防がれた

???「間に合ったわね!」

二人は声のする方を見た
そこには・・・

「え・・・花売りの・・・女の子?」

謁見の間の入り口にはハルトに花をくれた少女が居た

イシュリット国王「お前は・・・俺に石を投げた下民の娘・・・か?」

花売りの少女「イシュリット国王・・・いえ、イシュル。久しぶりね」

イシュリット国王「・・・久しぶり?どういうことだ?」

イシュリット国王と花売りの少女は知り合いのようだ
でも、イシュリット国王は少女を知らないみたいだ

花売りの少女「まぁわからなくても仕方ないことね。こんな姿だもの」

少女は二人に向かって歩んでくる

イシュリット国王「よくわからんが、下民風情が王の名を呼ぶなど許されることではない!」

イシュリット国王は少女に魔法を放った

「ダ、メだ・・・逃げて・・・」

ハルトは少女を守るため手を伸ばし結界を張ろうとした
だが、今のハルトにはできなかった

花売りの少女「大丈夫よ。私はそう簡単にやられないわ」

少女が手を掲げると花形の結界が魔法を消し去った

イシュリット国王「俺の魔法を・・・お前は一体・・・」

花売りの少女「まだわからないのね。私のこの結界魔法を見ても・・・」

イシュリット国王「結界魔法?・・・お前は・・・まさか・・・ハルナール・・・なのか?」

「ハルナール・・・母・・・上?」

ハルトの母親の名前
”ハルナール・レムリック”
だが、目の前の少女が母親のわけがない

イシュリット国王「そんなはずはない!お前は・・・死んだはずだ!大罪人の手によって!」

ハルトもイシュリット国王も混乱していた
少女が嘘を言っているようには見えない
だが、見た目はハルトよりの幼いのだから・・・
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