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本編

始まる・・・

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猫「うげ~・・・これはひでぇな・・・」

学園は黒い靄みたいなのが漂っていた

猫「これは・・・瘴気か・・・また厄介なものを・・・」

「瘴気・・・?」

猫「ある種の結界みたいなものだ。人を寄せ付けないためのな・・・ってことは・・・もう始まるのか・・・」

そういうと剣を構えた

猫「行くぞ!時間がねぇ!」

そして学園の中に入った
瘴気が僕の鼻を通り肺を締め付ける

「う・・・」

猫「おいおい・・・大丈夫か・・・?」

「酷い・・・臭い・・・」

猫「でも、死ぬほどではねぇだろう?」

「はい・・・」

猫「守護神さまに感謝しろよ。少ない力でお前を守ってくれてるんだ」

「伏見が?」

猫「ああ。だから立ち止まらず進むぞ」

そして僕たちは地下への入り口に立った

猫「この下から・・・礎の力を感じる・・・真っ黒な力を・・・」

「ここって・・・礎の間・・・?」

猫「なんだお前色々知ってるじゃねぇか」

「前に来たことがあるので・・・」

猫「そうか・・・中はもっと酷いと思うぞ・・・覚悟しろ・・・!?」

ガキン!

猫「クッ!」

「伏見!?」

そこには剣を持った伏見がいた

猫「よく見ろ!違うだろうが!」

僕は目を凝らしてみた
最初は伏見だったが、よく見たら伏見の形をした別の生き物だった

猫「こんなコピーまで・・・一体どこまで守護神さまを侮辱するつもりなんだよ!!!」

と猫獣人は剣を振り伏見コピーを倒した

猫「ちっ!まだまだいるみたいだな・・・」

周りにはたくさんの伏見コピーがいた

伏見コピー「宇佐野~?おいでw」

「!?」

伏見コピー「僕・・・一人は寂しいよ・・・宇佐野が欲しい・・・」

「・・・」

猫「惑わされるなよ・・・こいつらはただのコピーなんだ・・・」

「わかってます・・・」

地下への入り口は伏見コピーで塞がれている

猫「さすがにこの数を今の状態では・・・きついな・・・」

「・・・」

猫「・・・道を作る・・・お前は先に行け!」

「え!?でも・・・」

猫「ここでお前を失うと意味がねぇんだよ!!」

「・・・わ、わかりました・・・」

猫「そんなに期待してねぇよ・・・ただ・・・陽斗を・・・守護神さまを・・・頼む!!」

そういうと地下への出入口の伏見コピーをなぎ倒した

猫「行け!!!」

僕は地下に向かって走った
振り向かずただ下へ・・・


・・・猫視点・・・
「・・・これで少なくとも希望は残せたな・・・」

コピーどもは少しずつ近づいてくる

「たかがコピー・・・この俺様に勝てると思うなよ・・・」

俺は深呼吸をした

「リミッター解放!我の中に眠りし獣よ・・・目を覚ませ!!!」

周りが熱気に包まれる

「形態変化!!!ジャガーモード!!!!」

身体が・・・張り裂けそうだ・・・
でも・・・これが・・・

「気持ちいいんだよな!!!!!」

鎧は砕け、身体が大きくなる
そして四足歩行になる

「いいか!!これが・・・テメェらの見る・・・最後の光景だぞ!!!」

そして咆哮が響き渡る

「もう・・・テメェらは終わりだ!!!!」

俺はコピーどもに飛び掛かった・・・


・・・亀視点・・・
「やれやれ・・・先走りよって・・・」

わしは学園の屋上からガーディアンキャットの闘いを見ていた

「最近の若いのは・・・もう少し頭を使わないといかん・・・」

ザッ!

後ろに何人かいるようだ・・・

「わしの相手はお主たちか・・・これまた・・・悪趣味よの・・・」

そこには我が主のコピーがたくさんいた

「やれやれ・・・ここで体力を使うのは勿体ないのう・・・」

わしは扇子を取り出した

「わしもまだまだ若いもんには負けぬぞ?」

一斉にコピーが襲い掛かってくる
わしは扇子を一回コピーたちに向かって扇いだ
風が巻き起こりコピーたちは吹き飛ばされて消滅した

「コピーするならもっとちゃんとコピーしないか・・・主ならこんな攻撃いくらでも避けられるぞ・・・」

さて・・・わしも行動を起こすか・・・

「お主ばかりに苦労は掛けぬ。わしとて守護する者の一人じゃ。役目は果たす」

わしは扇子を空へ掲げた

「我の声が聞こえるならば答えよ・・・この暗黒の霧を浄化したまえ・・・」

潮風が流れてくる
そして瘴気が消されていく

「これがあっては街や人々に迷惑じゃ・・・消えてもらうぞ」

そして瘴気は消えた

「まだやることが残っておるか・・・老体に鞭をと言うが・・・限度があるぞい・・・」

部下「お頭!下は制圧しました!」

「うむ。学園から外には出してはならぬ」

部下「はい!もう学園を囲って戦闘態勢に入っています!」

「そうか・・・手際が良いな・・・さすがわしが作り出した者たちだ・・・一匹、野良猫が混じっておったみたいじゃがなwホホホホw」

部下「すみません・・・」

「いや、気にするでない。あやつはあやつなりに考えてのことであろう・・・さて・・・」

準備は整えた
あとは・・・主の帰還を待つのみ・・・

「頼むぞ・・・『宇佐野 吉助』・・・いや、新たなる資格者よ・・・」

そして周りでは戦いが始まったみたいだ

「わしも・・・行くとするかの・・・」

杖を突きながらわしは向かった・・・


・・・宇佐野視点・・・
「・・・」

僕は階段を降り礎の間に着いた

「真っ暗だ・・・」

???「ようこそ!我がステージへ!」

そして照明がついた

「!?」

学園長「まさか君が来るとは思いもしませんでしたよ!」

「学園長・・・」

学園長「『宇佐野 吉助』・・・まさか君が・・・」

「もう・・・やめてください!こんなこと間違ってます!」

学園長「なにが間違っているというのだ?」

「何もかもです!歴史をなかったことにしてこの土地に必要な礎を奪うなんて・・・」

学園長「礎は私、青海学園学園長の物・・・私がなにに使おうが私のものであれば問題はないであろう?」

「だからってこの土地を・・・」

学園長「代々学園長を継ぐ者はこの礎を守ってきた・・・でも、少しくらい自分のために使ってもいいではないか?」

「あなたは・・・何をしたいんですか!?」

学園長「それは・・・この世界が欲しい」

「え?」

学園長「この世界は腐りきっている・・・横行する犯罪、咎めない政治・・・それをすべて消し去り新たな国を築く・・・」

「・・・」

学園長「それが私の願いだ・・・どうだろう・・・力を貸してはくれないか?」

「え・・・」

学園長「守護する者たちは礎を守るためにいる・・・だから礎を手にすればいつかはやってくると思っていた。だが、私は世界を綺麗にしたいのだ!」

「・・・」

学園長「もちろん、いじめもない世界にだ」

「いじめ・・・」

僕の脳裏には先輩から受けた数々のいじめがフラッシュバックする

学園長「君を助けてやれなくてすまなかった・・・でも、もう怖がることはない・・・これから世界の浄化をする・・・そうすれば君も・・・この世界の人々は幸せに暮らせる・・・いじめ、犯罪、罪・・・すべて私が浄化する・・・」

「なくなる・・・いじめが・・・?」

学園長「そうだ!そうすればこの学園ももっといい学園になる。君も友達と笑い合える学園生活が送れる」

「笑い合える・・・学園生活・・・」

いじめもない・・・楽しい学園生活・・・
僕が・・・ずっと望んでいた・・・生活・・・

学園長「君のご両親も一緒だよ?」

「!?」

学園長の両隣にはお父さんとお母さんがいた

父「吉助・・・」

「お父さん・・・」

母「一人にしてごめんなさいね・・・」

「お母さん・・・」

涙が出てきた
僕はずっと会いたかった・・・

父「こっちにおいで・・・もう寂しくないよ」

母「そうよ・・・もう一人にはしないわ・・・」

僕は一歩ずつ前に進んでいく
両親が僕を呼んでいる・・・
やっと会えた・・・

学園長「それでいい・・・これから先の未来は私が作ってあげるよ・・・」

「お父さん・・・お母さん・・・」

笑顔で両手を広げて僕を呼ぶ両親
僕は・・・その腕の中に向かってゆっくり歩いていた
その時

???「騙されるな!!」

「!?」

僕の影から獣が出てきた

「ふ、伏見!?」

獣「騙されるな!それは偽物だ!」

父「なにを言っているんだ?本物に決まっているだろう?」

獣「神様でも死んだ者を生き返らせることなんてできないんだ!」

学園長「だが、この礎ならそれが可能なんだよ」

獣「礎にそんな力はない!嘘を言い宇佐野を惑わせるな!」

学園長「嘘?君の方が嘘を言ってだましているじゃないか・・・初代青海学園長・・・『青海 陽斗』くん?」

「え!?伏見・・・が・・・?」

獣「・・・」

学園長「そう・・・一番側にいて君を騙していたのは彼なんだよ・・・」

「・・・」

獣「・・・」

学園長「わかっただろう?彼らは嘘つきだ・・・私と一緒にこの世界を浄化しよう!」

「・・・」

僕は・・・
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