84 / 91
次の段階
しおりを挟む
とある日・・・
議員「議長!今こそ絶好の好機です!」
「なにがだね?」
議員「ハルト・デュオスとその子供の捕獲です!」
私たちは会議でもめていた
いや、これはもうそういうレベルでない
「捕獲?誰が?いつ?どうやって捕獲をするのだね?」
議員「それは・・・ここの警備を総動員してでも・・・」
「そんなことしてどうするというんだい?それに総動員って・・・ここの守りはどうするつもりだね?」
議員「守りはそもそも必要ないんですよ。ここは一番安全な場所なんですから」
でた・・・
平和慣れしすぎた結果の言葉が・・・
「なぜ、安全と言い切れる?」
議員「今まで何も問題は起きていません。現に事件などはここ数年、いや、このアンダーヘブンズができてから起きていません」
「それは我々が把握していないだけで起きている可能性があるのではないだろうか?不満を持たない者はいない」
議員「不満?そんな物持っている奴がいるというのか?」
「現に私は君たちから『不満』をぶつけられているのだがね?」
議員たち「・・・」
議員たちは全員沈黙した
議員「ふ、不満もあって当然だ!」
「先ほど、不満を持つ者はいないと聞いたような気がしたのだが?」
議員「そ、それは議長、あなたに問題があるからです!」
「私に?どのような問題があるというのかね?」
議員「情報によれば地上の者と密かに会っているというではないか」
「それは地上の状態を把握するためであり、必要なこと」
議員「でも、我々はそれを知らされていない。不満を抱いても仕方あるまい?」
「では、私からもあなた方に『不満』を言わせていただこう」
議員「我々に不満があると?」
「ああ。私が忙しくしている時、密かに会議を開いて話し合いをしているようだが、それはなぜかな?」
議員たち「・・・」
「この会議には『全員集まって行う』というルールを設けているはずだが?」
議員「そ、それは・・・」
「その理由をぜひ聞かせていただきたいね」
議員たち「・・・」
誰一人答えようとしない
それはそうだ
答えられないのだから
「不満などない人はいない。どんなに安全な場所にいようともね。それが人というものだ」
私は席を立ち会議室の出入り口に向かった
議員「ぎ、議長!まだ話は・・・」
「私が居なくとも話をしているのだろう?なら私が居なくともいいであろう」
そういい会議室を出た
「・・・計画を早めに進めた方がよさそうだな・・・」
このままだと私の計画に影響が出てしまう
いや、頓挫(とんざ)しかねない
「失礼するよ」
私は機械研究室に来た
部下「議長?どうされましたか?」
「計画を繰り上げることにした」
部下「!?で、ですが!あの計画はまだ準備段階です!それに・・・ベースとなるDNAがありません」
「それならもう手に入れてきてある」
そういい私は真っ赤に染まったタオルを渡した
部下「な、なんですか!?これ!?」
「この血のDNAを調べてみてくれ。もしかしたらハルトくんのDNAかもしれない」
部下「わかりました。調べます」
そういい部下は調べる
このタオルは私がゼッタくんにお願いして手に入れてきてもらった物・・・
部下「・・・結果がわかりました。ハルト・デュオスさんので間違いありません」
「そうか!では、抽出して早速取り入れるんだ」
部下「了解しました」
そして私の計画は急遽進められた
「急がせてすまないね」
部下「いえ、議長の無茶ぶりには慣れていますので!」
「ハハハ!頼もしいね!」
部下「ですが、なぜこんな急いで?計画ではまだ先の予定でしたが・・・」
「議員たちが私を疑い始めている。なにをしているかまではわからないだろうが、急いだほうがいいだろうからね」
部下「議長が疑われている・・・。それはまずいですね」
「ああ。だから早く初めてしまおう」
部下「わかりました」
「まずはハルトくんのDNAの抽出からだ」
部下「はい」
機械がタオルからDNAを抽出する
「慎重にな・・・」
部下「はい・・・」
システム『DNAの抽出に成功』
「よし!」
部下「ふぅ・・・では、次に移行しますね!」
そして私の計画は進んでいった・・・
「・・・後は任せる。私は少しでも時間を稼ぐ」
そういい私は緊急会議の招集をかけた
議題は疑いや不満というどうでもいい話で進めた
相変わらずの平行線の話し合いだが、時間稼ぎにはうってつけだ
議員「こんな話し合い・・・無駄だ」
「無駄?」
議員「ええ。私も同じ意見です。無駄な話し合いでしかない」
「疑いや不満を言い合うのもこの会議では必要なことであろう?」
議員「ですが、話は平行線・・・意味が見出せません・・・」
「確かに・・・でも、話すことで解決することもある」
そういい無理に納得させて私は時間を稼いだ
約一時間後・・・
ピーピーピーピー
私の端末が鳴った
相手は部下からだった
部下『完了しました』
「・・・よし。もうこの話は終わりにしよう」
私の時間稼ぎは終わり
あとはこのまま様子を見るだけ・・・
議員「いきなり終わりにするとは・・・一体何だったのだ・・・」
「不満はもう聞き飽きた。解散」
そういいみんなが会議室を出ていく
「・・・やっと終わった・・・」
あとは・・・このまま・・・
「手を下すのは私ではない。お前たち自身だ」
窓から議員たちが歩いているのを見ながら囁く
これで私の計画は終了・・・
あとは・・・お前たちが行動を起こすだけだ・・・
議員「議長!今こそ絶好の好機です!」
「なにがだね?」
議員「ハルト・デュオスとその子供の捕獲です!」
私たちは会議でもめていた
いや、これはもうそういうレベルでない
「捕獲?誰が?いつ?どうやって捕獲をするのだね?」
議員「それは・・・ここの警備を総動員してでも・・・」
「そんなことしてどうするというんだい?それに総動員って・・・ここの守りはどうするつもりだね?」
議員「守りはそもそも必要ないんですよ。ここは一番安全な場所なんですから」
でた・・・
平和慣れしすぎた結果の言葉が・・・
「なぜ、安全と言い切れる?」
議員「今まで何も問題は起きていません。現に事件などはここ数年、いや、このアンダーヘブンズができてから起きていません」
「それは我々が把握していないだけで起きている可能性があるのではないだろうか?不満を持たない者はいない」
議員「不満?そんな物持っている奴がいるというのか?」
「現に私は君たちから『不満』をぶつけられているのだがね?」
議員たち「・・・」
議員たちは全員沈黙した
議員「ふ、不満もあって当然だ!」
「先ほど、不満を持つ者はいないと聞いたような気がしたのだが?」
議員「そ、それは議長、あなたに問題があるからです!」
「私に?どのような問題があるというのかね?」
議員「情報によれば地上の者と密かに会っているというではないか」
「それは地上の状態を把握するためであり、必要なこと」
議員「でも、我々はそれを知らされていない。不満を抱いても仕方あるまい?」
「では、私からもあなた方に『不満』を言わせていただこう」
議員「我々に不満があると?」
「ああ。私が忙しくしている時、密かに会議を開いて話し合いをしているようだが、それはなぜかな?」
議員たち「・・・」
「この会議には『全員集まって行う』というルールを設けているはずだが?」
議員「そ、それは・・・」
「その理由をぜひ聞かせていただきたいね」
議員たち「・・・」
誰一人答えようとしない
それはそうだ
答えられないのだから
「不満などない人はいない。どんなに安全な場所にいようともね。それが人というものだ」
私は席を立ち会議室の出入り口に向かった
議員「ぎ、議長!まだ話は・・・」
「私が居なくとも話をしているのだろう?なら私が居なくともいいであろう」
そういい会議室を出た
「・・・計画を早めに進めた方がよさそうだな・・・」
このままだと私の計画に影響が出てしまう
いや、頓挫(とんざ)しかねない
「失礼するよ」
私は機械研究室に来た
部下「議長?どうされましたか?」
「計画を繰り上げることにした」
部下「!?で、ですが!あの計画はまだ準備段階です!それに・・・ベースとなるDNAがありません」
「それならもう手に入れてきてある」
そういい私は真っ赤に染まったタオルを渡した
部下「な、なんですか!?これ!?」
「この血のDNAを調べてみてくれ。もしかしたらハルトくんのDNAかもしれない」
部下「わかりました。調べます」
そういい部下は調べる
このタオルは私がゼッタくんにお願いして手に入れてきてもらった物・・・
部下「・・・結果がわかりました。ハルト・デュオスさんので間違いありません」
「そうか!では、抽出して早速取り入れるんだ」
部下「了解しました」
そして私の計画は急遽進められた
「急がせてすまないね」
部下「いえ、議長の無茶ぶりには慣れていますので!」
「ハハハ!頼もしいね!」
部下「ですが、なぜこんな急いで?計画ではまだ先の予定でしたが・・・」
「議員たちが私を疑い始めている。なにをしているかまではわからないだろうが、急いだほうがいいだろうからね」
部下「議長が疑われている・・・。それはまずいですね」
「ああ。だから早く初めてしまおう」
部下「わかりました」
「まずはハルトくんのDNAの抽出からだ」
部下「はい」
機械がタオルからDNAを抽出する
「慎重にな・・・」
部下「はい・・・」
システム『DNAの抽出に成功』
「よし!」
部下「ふぅ・・・では、次に移行しますね!」
そして私の計画は進んでいった・・・
「・・・後は任せる。私は少しでも時間を稼ぐ」
そういい私は緊急会議の招集をかけた
議題は疑いや不満というどうでもいい話で進めた
相変わらずの平行線の話し合いだが、時間稼ぎにはうってつけだ
議員「こんな話し合い・・・無駄だ」
「無駄?」
議員「ええ。私も同じ意見です。無駄な話し合いでしかない」
「疑いや不満を言い合うのもこの会議では必要なことであろう?」
議員「ですが、話は平行線・・・意味が見出せません・・・」
「確かに・・・でも、話すことで解決することもある」
そういい無理に納得させて私は時間を稼いだ
約一時間後・・・
ピーピーピーピー
私の端末が鳴った
相手は部下からだった
部下『完了しました』
「・・・よし。もうこの話は終わりにしよう」
私の時間稼ぎは終わり
あとはこのまま様子を見るだけ・・・
議員「いきなり終わりにするとは・・・一体何だったのだ・・・」
「不満はもう聞き飽きた。解散」
そういいみんなが会議室を出ていく
「・・・やっと終わった・・・」
あとは・・・このまま・・・
「手を下すのは私ではない。お前たち自身だ」
窓から議員たちが歩いているのを見ながら囁く
これで私の計画は終了・・・
あとは・・・お前たちが行動を起こすだけだ・・・
0
あなたにおすすめの小説
ウサギ獣人を毛嫌いしているオオカミ獣人後輩に、嘘をついたウサギ獣人オレ。大学で逃げ出して後悔したのに、大人になって再会するなんて!?
灯璃
BL
ごく普通に大学に通う、宇佐木 寧(ねい)には、ひょんな事から懐いてくれる後輩がいた。
オオカミ獣人でアルファの、狼谷 凛旺(りおう)だ。
ーここは、普通に獣人が現代社会で暮らす世界ー
獣人の中でも、肉食と草食で格差があり、さらに男女以外の第二の性別、アルファ、ベータ、オメガがあった。オメガは男でもアルファの子が産めるのだが、そこそこ差別されていたのでベータだと言った方が楽だった。
そんな中で、肉食のオオカミ獣人の狼谷が、草食オメガのオレに懐いているのは、単にオレたちのオタク趣味が合ったからだった。
だが、こいつは、ウサギ獣人を毛嫌いしていて、よりにもよって、オレはウサギ獣人のオメガだった。
話が合うこいつと話をするのは楽しい。だから、学生生活の間だけ、なんとか隠しとおせば大丈夫だろう。
そんな風に簡単に思っていたからか、突然に発情期を迎えたオレは、自業自得の後悔をする羽目になるーー。
みたいな、大学篇と、その後の社会人編。
BL大賞ポイントいれて頂いた方々!ありがとうございました!!
※本編完結しました!お読みいただきありがとうございました!
※短編1本追加しました。これにて完結です!ありがとうございました!
旧題「ウサギ獣人が嫌いな、オオカミ獣人後輩を騙してしまった。ついでにオメガなのにベータと言ってしまったオレの、後悔」
ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる
cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。
「付き合おうって言ったのは凪だよね」
あの流れで本気だとは思わないだろおおお。
凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?
僕の恋人は、超イケメン!!
刃
BL
僕は、普通の高校2年生。そんな僕にある日恋人ができた!それは超イケメンのモテモテ男子、あまりにもモテるため女の子に嫌気をさして、偽者の恋人同士になってほしいとお願いされる。最初は、嘘から始まった恋人ごっこがだんだん本気になっていく。お互いに本気になっていくが・・・二人とも、どうすれば良いのかわからない。この後、僕たちはどうなって行くのかな?
【完結】抱っこからはじまる恋
* ゆるゆ
BL
満員電車で、立ったまま寄りかかるように寝てしまった高校生の愛希を抱っこしてくれたのは、かっこいい社会人の真紀でした。接点なんて、まるでないふたりの、抱っこからはじまる、しあわせな恋のお話です。
ふたりの動画をつくりました!
インスタ @yuruyu0 絵もあがります。
YouTube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。
プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら!
完結しました!
おまけのお話を時々更新しています。
BLoveさまのコンテストに応募しているお話を倍以上の字数増量でお送りする、アルファポリスさま限定版です!
名前が * ゆるゆ になりましたー!
中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!
オメガのブルーノは第一王子様に愛されたくない
あさざきゆずき
BL
悪事を働く侯爵家に生まれてしまった。両親からスパイ活動を行うよう命じられてしまい、逆らうこともできない。僕は第一王子に接近したものの、騙している罪悪感でいっぱいだった。
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました
美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる