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雨宿り
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マーケットから出てバイクに乗り東を目指した
「・・・」
僕は二輪に座りながら俯いていた
初めて・・・人を・・・
「・・・」
クルス「・・・酷いこというが・・・」
「・・・はい」
クルス「慣れろ。この世界ではああいう奴らがいる。そいつらに出会ったら戦うしかない。だから、慣れろ」
「・・・はい・・・」
慣れろ・・・
その言葉が心に刺さる
慣れるなんて・・・無理だよ・・・
「・・・」
クルス「・・・」
クルスさんはそれ以上なにも言わなかった
そして・・・
ポツンッ
「?」
おでこに何かが当たった
「・・・水?」
クルス「!?汚染雨か!?」
まずい!
このままじゃ・・・
クルス「掴まってろ!」
そういい乱暴にバイクを運転して近くの家の車庫に入った
それとほぼ同時に
ザーーーー!
大雨が降ってきた
クルス「ギリギリセーフだな!」
「そうですね」
雨は激しさを増していく
クルス「しばらくは移動できそうにないな・・・」
そういいバイクを降りる
クルス「止むまでこの家で過ごそう」
そういい車庫から家に入った
クルス「・・・」
クルスさんはピストルを手に持ち警戒しながら中を散策する
クルス「・・・大丈夫そうだな。何もいない」
そういいピストルをしまいソファに座る
「・・・」
僕は無言でクルスさんの膝の上に向かい合わせに座った
クルス「・・・」
クルスさんは無言で強く抱きしめてくれた
「すみません・・・しばらくは・・・」
クルス「好きなだけ甘えていいぞ」
「・・・ありがとうございます」
僕はクルスさんに抱き着き続けた
クルスさんは頭を優しく撫でてくれた
「・・・聞いてもいいですか?」
クルス「ん?」
「クルスさんは・・・慣れてるんですか?」
クルス「・・・ああ」
「最初から?」
クルス「いや・・・初めての時は・・・吐いたな・・・」
「・・・」
クルス「あの時は生き残ることに必死だったからな・・・安全が確保されてから恐怖が来て・・・吐いたよ」
「・・・」
クルス「だから、お前の気持ちはよくわかる。だから、無理して強がらなくていい」
「・・・うぅ」
クルス「・・・」
僕はクルスさんの肩に顔を埋めて泣いた
どれだけ泣いても恐怖は消えなかった
「怖かった・・・怖かったよ・・・」
クルス「そうだよな・・・」
「うぅ・・・うわぁぁぁぁん!!」
大声を出して泣いた
クルスさんはただ強く抱きしめてくれた
外の雨音以上に声を出して泣いた
こんなに声を出して泣いたのは初めてかもしれない
しばらく泣き続けると少しだけスッキリした
「・・・」
クルス「少しは落ち着いたか?」
「はい。ありがとうございます」
クルス「ああ」
そう言ったが僕はクルスさんから離れなかった
離れたくなかった
クルス「まだくっ付いていたか?」
「はい・・・」
クルス「わかった」
クルスさんは僕を抱き締めながらソファに横になった
そして・・・
クルス「っ!?」
僕はキスをした
最初は驚いていたクルスさん
でも、舌が入ってきた
「ん・・・」
クルス「はぁ・・・」
舌がお互いの口の中を動き回る
クルス「ど、どうしたんだ?いきなり」
「キスしたくなって・・・すみません」
クルス「いや、キスは構わないんだが、少し驚いた」
そういいキスをしてきた
しばらくキスをしていた
クルス「ここまで!」
「え・・・?」
クルス「これ以上は・・・な?」
「・・・っ!?」
気が付いたら僕の下腹部あたりに固いものが・・・
クルス「ここじゃ・・・な?帰ったら続きをしような?」
「は、はい」
僕はクルスさんの胸に耳を当てた
ドクン・・・ドクン・・・
クルスさんの鼓動が聞こえる
その鼓動を聞いているとすごく落ち着く・・・
クルス「・・・可愛いな・・・」
「クルスさんは優しいしかっこいいですよ?」
クルス「ありがとう!・・・なぁ?」
「はい?」
クルス「そろそろ敬語はいらないんじゃないか?」
「え?」
クルス「俺たち恋人だろう?」
「はい」
クルス「なら、敬語はいらないだろう?」
「・・・そう・・・ですが・・・」
クルス「じゃあ、敬語はなし!」
「・・・」
クルス「な?」
「・・・わかりました」
クルス「ん?なんだって?」
「え・・・?・・・あ・・・わ、わかった」
クルス「うん!よろしい!」
そういいキスをしてくる
クルス「少し休もうか」
「は・・・うん!」
そして僕たちは雨音を聞きながら眠りについた
・・・・・・・・・
寝ているといい匂いがして目が覚めた
クルス「お?目を覚ましたか?」
クルスさんがキッチンでお肉を焼いていた
「火、使えたんですか?」
クルス「小さな焚火を作って焼いてるんだよ!あと敬語はダメ!」
「あ!」
クルス「ハハハ!さて、そろそろ食べれるぞ!」
そういい串に刺さったお肉を渡してきた
「・・・おいしい!」
クルス「うん!うまい!」
串にはジャガイモも刺さっていた
「ジャガイモもおいしい!」
クルス「よ~~く焼いたからな!」
「バーベキューみたい!」
クルス「そうだな!あとは・・・白米とか欲しいな~」
「白米・・・稲か・・・」
そんなのこの世界にあるのかな?
小麦・・・ならあるかもしれないけど・・・
クルス「今度ゼッタに聞いてみるか!」
「そうで・・・だね!」
クルス「フフフ!慣れるまで無理しなくていいぞ!」
「・・・うん」
そして食事を終え
クルス「・・・止まないな・・・今日はこのままここで一夜を過ごさないといけないな」
雨は相変わらず激しく降り続いていた
「予定では今日か明日には付けたんだよね?」
クルス「そうだな。でもこれだともう一日かかるかもな・・・」
そういいため息をつくクルスさん
クルス「食料をマーケットで手に入れておいてよかったな!」
「あ、ため息はそっちだったんだ」
クルス「ん?」
早く行きたいっていうため息かと思った
「何でもないよ!」
クルス「そうか?」
そういいクルスさんはお菓子を食べ始めた
クルス「うん!うまい!いける!」
僕も少し食べてみた
「!おいしい!」
さすが密封されているだけのことはある
300年経っても変わらない味だ
でも、少し・・・汚染が心配だな・・・
クルスさんは気にすることもなく食べていた
「・・・フフッ!」
もう食べちゃったしおいしそうに食べてるからいいかな
いや、よくはないけど・・・
クルス「ふぅ・・・うまかった!さて!明日に備えて寝るか!」
「うん!」
そして僕たちは寝袋を敷き眠りについた・・・
「・・・」
僕は二輪に座りながら俯いていた
初めて・・・人を・・・
「・・・」
クルス「・・・酷いこというが・・・」
「・・・はい」
クルス「慣れろ。この世界ではああいう奴らがいる。そいつらに出会ったら戦うしかない。だから、慣れろ」
「・・・はい・・・」
慣れろ・・・
その言葉が心に刺さる
慣れるなんて・・・無理だよ・・・
「・・・」
クルス「・・・」
クルスさんはそれ以上なにも言わなかった
そして・・・
ポツンッ
「?」
おでこに何かが当たった
「・・・水?」
クルス「!?汚染雨か!?」
まずい!
このままじゃ・・・
クルス「掴まってろ!」
そういい乱暴にバイクを運転して近くの家の車庫に入った
それとほぼ同時に
ザーーーー!
大雨が降ってきた
クルス「ギリギリセーフだな!」
「そうですね」
雨は激しさを増していく
クルス「しばらくは移動できそうにないな・・・」
そういいバイクを降りる
クルス「止むまでこの家で過ごそう」
そういい車庫から家に入った
クルス「・・・」
クルスさんはピストルを手に持ち警戒しながら中を散策する
クルス「・・・大丈夫そうだな。何もいない」
そういいピストルをしまいソファに座る
「・・・」
僕は無言でクルスさんの膝の上に向かい合わせに座った
クルス「・・・」
クルスさんは無言で強く抱きしめてくれた
「すみません・・・しばらくは・・・」
クルス「好きなだけ甘えていいぞ」
「・・・ありがとうございます」
僕はクルスさんに抱き着き続けた
クルスさんは頭を優しく撫でてくれた
「・・・聞いてもいいですか?」
クルス「ん?」
「クルスさんは・・・慣れてるんですか?」
クルス「・・・ああ」
「最初から?」
クルス「いや・・・初めての時は・・・吐いたな・・・」
「・・・」
クルス「あの時は生き残ることに必死だったからな・・・安全が確保されてから恐怖が来て・・・吐いたよ」
「・・・」
クルス「だから、お前の気持ちはよくわかる。だから、無理して強がらなくていい」
「・・・うぅ」
クルス「・・・」
僕はクルスさんの肩に顔を埋めて泣いた
どれだけ泣いても恐怖は消えなかった
「怖かった・・・怖かったよ・・・」
クルス「そうだよな・・・」
「うぅ・・・うわぁぁぁぁん!!」
大声を出して泣いた
クルスさんはただ強く抱きしめてくれた
外の雨音以上に声を出して泣いた
こんなに声を出して泣いたのは初めてかもしれない
しばらく泣き続けると少しだけスッキリした
「・・・」
クルス「少しは落ち着いたか?」
「はい。ありがとうございます」
クルス「ああ」
そう言ったが僕はクルスさんから離れなかった
離れたくなかった
クルス「まだくっ付いていたか?」
「はい・・・」
クルス「わかった」
クルスさんは僕を抱き締めながらソファに横になった
そして・・・
クルス「っ!?」
僕はキスをした
最初は驚いていたクルスさん
でも、舌が入ってきた
「ん・・・」
クルス「はぁ・・・」
舌がお互いの口の中を動き回る
クルス「ど、どうしたんだ?いきなり」
「キスしたくなって・・・すみません」
クルス「いや、キスは構わないんだが、少し驚いた」
そういいキスをしてきた
しばらくキスをしていた
クルス「ここまで!」
「え・・・?」
クルス「これ以上は・・・な?」
「・・・っ!?」
気が付いたら僕の下腹部あたりに固いものが・・・
クルス「ここじゃ・・・な?帰ったら続きをしような?」
「は、はい」
僕はクルスさんの胸に耳を当てた
ドクン・・・ドクン・・・
クルスさんの鼓動が聞こえる
その鼓動を聞いているとすごく落ち着く・・・
クルス「・・・可愛いな・・・」
「クルスさんは優しいしかっこいいですよ?」
クルス「ありがとう!・・・なぁ?」
「はい?」
クルス「そろそろ敬語はいらないんじゃないか?」
「え?」
クルス「俺たち恋人だろう?」
「はい」
クルス「なら、敬語はいらないだろう?」
「・・・そう・・・ですが・・・」
クルス「じゃあ、敬語はなし!」
「・・・」
クルス「な?」
「・・・わかりました」
クルス「ん?なんだって?」
「え・・・?・・・あ・・・わ、わかった」
クルス「うん!よろしい!」
そういいキスをしてくる
クルス「少し休もうか」
「は・・・うん!」
そして僕たちは雨音を聞きながら眠りについた
・・・・・・・・・
寝ているといい匂いがして目が覚めた
クルス「お?目を覚ましたか?」
クルスさんがキッチンでお肉を焼いていた
「火、使えたんですか?」
クルス「小さな焚火を作って焼いてるんだよ!あと敬語はダメ!」
「あ!」
クルス「ハハハ!さて、そろそろ食べれるぞ!」
そういい串に刺さったお肉を渡してきた
「・・・おいしい!」
クルス「うん!うまい!」
串にはジャガイモも刺さっていた
「ジャガイモもおいしい!」
クルス「よ~~く焼いたからな!」
「バーベキューみたい!」
クルス「そうだな!あとは・・・白米とか欲しいな~」
「白米・・・稲か・・・」
そんなのこの世界にあるのかな?
小麦・・・ならあるかもしれないけど・・・
クルス「今度ゼッタに聞いてみるか!」
「そうで・・・だね!」
クルス「フフフ!慣れるまで無理しなくていいぞ!」
「・・・うん」
そして食事を終え
クルス「・・・止まないな・・・今日はこのままここで一夜を過ごさないといけないな」
雨は相変わらず激しく降り続いていた
「予定では今日か明日には付けたんだよね?」
クルス「そうだな。でもこれだともう一日かかるかもな・・・」
そういいため息をつくクルスさん
クルス「食料をマーケットで手に入れておいてよかったな!」
「あ、ため息はそっちだったんだ」
クルス「ん?」
早く行きたいっていうため息かと思った
「何でもないよ!」
クルス「そうか?」
そういいクルスさんはお菓子を食べ始めた
クルス「うん!うまい!いける!」
僕も少し食べてみた
「!おいしい!」
さすが密封されているだけのことはある
300年経っても変わらない味だ
でも、少し・・・汚染が心配だな・・・
クルスさんは気にすることもなく食べていた
「・・・フフッ!」
もう食べちゃったしおいしそうに食べてるからいいかな
いや、よくはないけど・・・
クルス「ふぅ・・・うまかった!さて!明日に備えて寝るか!」
「うん!」
そして僕たちは寝袋を敷き眠りについた・・・
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