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無法者の街 ブレイクタウン
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僕たちは街に入った
カリム「どうだ?いい街だろう?」
街並みは・・・
クルス「スラム街みたいだな」
そう
そんな感じの街並みだ
カリム「まぁ一応みんなお前の言う『無法者』だからな!そういう街並みになるだろう」
でも、一応お店なんかもあるみたいだし、その辺はクリスタルシティと一緒だね
カリム「着いたぞ!ここが我が家だ!」
目の前には電波塔に家をくっつけたような感じの建物があった
「すごい・・・」
クルス「電波塔に家を・・・」
カリム「ああ!ひぃじいちゃんが一生懸命作ったんだよ!眺めも最高だぞ?」
そういい中に入った
「・・・これを・・・登るんですかね・・・?」
クルス「・・・きついな・・・」
中に入ると階段があった
その階段は信じられないほど多かった・・・
カリム「ん?階段で上に行くのか?じゃあ、俺はエレベーターで行くかな」
クルス「エレベーターがあるのか?」
カリム「当たり前だろう?こんな高い建物、階段で登るわけないだろう?」
「よかった・・・」
僕たちはエレベーターに乗った
しばらく乗っていると最上階に着いた
扉が開くと
「!すごい!」
目の前にはすごい景色が広がっていた
ブレイクタウンだけじゃなく門の外も一望できる
カリム「だろう?ここからの景色は最高なんだよ!」
クルス「確かにいい眺めだ」
カリム「さ!景色は後でゆっくり見てくれ!まずは部屋に案内する!」
そして部屋に着いた
カリム「ここが俺の使用している部屋だ!」
思っていた以上に綺麗に片付けられていて広い部屋だった
「綺麗に片付けられてる」
カリム「こう見えて綺麗好きなんでね!好きなところに座ってくれ!」
僕とクルスさんはソファに座った
カリム「さて・・・で?」
クルス「でってなんだ?」
カリム「隠すことはないだろう?ここには俺たち三人しかいない」
「隠す?」
カリム「お前たちの正体だよ」
クルス「・・・」
「・・・」
カリム「デッドやミュータントのことを知らないのはおかしい。一番の脅威だからな」
僕たちは答えられなかった
カリム「それに今はもういないはずの人間がいる。それもおかしいと思うんだよな~」
クルス「どこがだ?生き残りがいても不思議じゃないだろう?」
カリム「そうだろうけど、俺は小さいころからいろんなところに行った。でも、人間なんてあったこともない。今まではな?」
「・・・」
クルス「・・・」
カリム「話してくれないか?口外はしないって約束する」
クルス「・・・」
カリム「信じてくれよ。ここまでお前たちには一切手を出してないだろう?」
クルス「・・・わかった。話すよ」
クルスさんは全部話した
信じてもらえるとは思えないけど・・・
カリム「・・・」
カリムさんは腕を組み真剣に聞いてくれていた
クルス「って感じだ」
カリム「・・・」
クルス「信じられないだろうけど、事実だ」
カリム「いや、信じるよ」
「!?」
クルス「ホントか!?」
カリム「ああ。嘘をつくメリットがないだろう?あったとしてもこんな話を普通は信じない」
「では、なんで信じてくれるんですか?」
カリム「そうだな・・・人間がいないって言うのもそうだが、生物に詳しくないこと、それに・・・これも知らないだろう?」
そういうとカリムさんはメダルを指で弾いてクルスさんに渡した
クルス「・・・これはさっきの・・・」
カリム「ああ。この街で使えるコイン。ブレイクコインだ。それとこの街に入ることができる証明にもなる」
クルス「そうなのか」
カリム「それを知ってたらあんな罠になんかかからなかったと思うぞ?」
クルス「・・・」
カリム「そもそもあの罠は人用じゃなくモンスター用だったんだよ」
クルス「モンスター用?」
カリム「ああ。デッド用のな!」
「デッド用?」
カリム「デッドの爪や牙って高く売れるんだよ。武器にもなるしな!」
クルス「なるほど。で、なんでコインをあそこに?」
カリム「デッドは光る物に興味を示す。これは誰でも知ってるぞ?」
クルス「・・・」
カリム「このことを知らない時点でお前たちの話は本当なんだろうなって思ったんだよ」
クルス「・・・そうか」
カリム「ああ。だが・・・シェルターか・・・そんなのがあるなんて知らなかったな・・・」
カリムさんは首をかしげながら考えていた
カリム「・・・まぁいいか!で、どうだ?」
クルス「なにが」
カリム「ここ気に入ったか?」
クルス「俺はあまり好きじゃない」
「僕も・・・苦手です」
カリム「そうなのか?いいところなんだけどな~」
クルス「なんでそんなことを聞くんだ」
カリム「ん?実はクルスくんに一つお仕事を頼もうかと!」
クルス「くんって言うな。で、仕事ってなんだ?」
カリム「じゃあ、クルスでいいな!ここら辺のモンスターが少し増えて来てるんだよ。その数を少し減らしてほしい」
クルス「断る。俺たちはここに住むつもりはない」
カリム「だよな~。危険な仕事だし。でも、コインを稼ぐにはいいと思うけどな?」
クルス「何度も言わせるな。俺たちはここに住むつもりはない。買い物もしない。わかったか?」
カリム「そうか~・・・残念だな・・・」
クルス「ハルト。帰るぞ」
「はい」
僕たちはカリムさんの部屋を後にした
エレベーターで下に向かい外に出た
クルス「こんなところさっさと出るぞ」
「は、はい」
僕たちは急ぎ足で出口に向かった
その途中でお店がありその前を通ったときにクルスさんが足を止めた
「ク、クルスさん?どうしたんですか?」
クルス「・・・」
クルスさんは何かを真剣に見ていた
店員「おう。見ねぇ顔だな?」
クルス「これ。いくらだ」
店員「あぁ?1000コインだ。これでも安い方だぜ?明日はいくらになるかわからねぇがな!ガハハハハ!」
クルス「・・・」
「それ、なんですか?」
クルス「・・・戻るぞ」
「え!?あ!待ってください!」
クルスさんはいきなり引き返した
そしてカリムさんの部屋に入った
カリム「ん?」
カリムさんは飲み物を飲んでいた
カリム「ノックぐらいしてほしいな~。もし俺が一人でイヤ~ンなことをしてたらどうするんだ?」
クルス「そんなことより、さっきの仕事のことだ」
カリム「ん?討伐の仕事か?」
クルス「ああ。報酬はいくらだ」
カリム「そうだな・・・倒した数×基本報酬って感じでどうだ?」
クルス「それは倒しただけもらえるってことでいいんだな?」
カリム「ああ」
クルス「ちなみに基本報酬はいくらだ」
カリム「う~~ん・・・200メダルってところかな」
クルス「・・・」
カリム「倒すのが難しいからな~。その分出してやるよ?」
クルス「そうか。モンスターはどんな奴だ」
カリム「デスタートルって知ってるか?」
クルス「ああ。知ってる」
カリム「そうか。それが倒してほしいモンスターだ」
「!?危険です!やめてください!」
クルス「・・・」
「クルスさん!」
クルス「・・・受けよう」
「!?」
カリム「おお!そうか!」
クルス「その代わり、俺からも条件がある」
カリム「ん?なんだ?」
クルス「基本報酬は100メダルで構わない。その代わり俺が居ない間、ハルトの安全を約束しろ」
カリム「これまた凄い条件だな~」
クルス「飲めないなら俺は受けない」
「カリムさん!飲まないでください!」
カリム「・・・わかった。その条件を飲もう!」
クルス「そうか」
「!?」
二人は僕の話を無視して話を進める
そしてクルスさんは部屋を出た
僕は追いかけた
「クルスさん!!」
廊下でクルスさんを引き留めた
クルス「心配するな。ちゃんと帰ってくる」
「心配に決まってますよ!なんでそこまでして受けるんですか!!」
クルス「必要な物があったからな。そのためには働かないとな?」
「なら、僕も行きます!」
クルス「それはダメだ」
「どうして!」
クルス「お前はここであいつに守ってもらえ、いいな?」
「嫌です!クルスさんが危ない目に合うかもしれないのに・・・」
クルス「俺なら大丈夫だ。だから、ここで帰りを待っててくれ」
「嫌です!!」
クルス「ハルト・・・」
「僕はクルスさんを失いたくないんです!」
クルス「・・・」
「だから僕も・・・っ!」
クルスさんはキスをしてきた
クルス「そう大声を出すな。喉を傷めるだろう?」
「だ、だって・・・」
クルス「心配してくれるのは嬉しい。でも、ここで待っててくれ。頼む」
「で、でも・・・」
クルス「俺は帰ってくる。必ず。だから、待っててくれ。な?」
「・・・わかりました・・・」
クルス「いい子だ」
そういい強く抱きしめもう一度キスをしてエレベーターに乗り込んで行ってしまった
「クルスさん・・・」
僕はエレベーターの前で囁いた
カリム「いや~どういう気まぐれなんだ?」
「・・・」
カリム「さっきまでは意地でもやらない!って感じだったのに」
「なにか必要な物があったそうです」
カリム「必要な物?それってなに?」
「わかりません」
カリム「・・・そのために稼ぐ・・・か。態度は冷たいが、なかなか見どころはありそうだな」
「すみません・・・冷たい態度を取ってしまって・・・」
カリム「気にするな!俺たちの関係を考えれば当然だろう!さ!部屋に入ろう!飲み物も用意してある!」
そして僕はカリムさんと部屋に入った
三時間後・・・
クルス「戻ったぞ」
「クルスさん!おかえりなさい!」
クルス「ああ。ただいま」
そういい頭を撫でてくれた
カリム「おかえり~どうだった?」
クルス「ほらよ」
そう言うと袋を地面に投げた
カリム「ん?これは?」
クルス「奴らの尻尾だ」
カリム「・・・なんでこれを?」
クルス「何体倒したかの証明だ」
カリム「あ~なるほど・・・こんなことしなくても監視者を手配してあったからすぐに報告が来るんだけどな!」
クルス「そ、そうなのか?」
カリム「ああ!不正されないためにな!」
クルス「不正って・・・ゲームじゃないんだぞ?」
カリム「でも、後々トラブルになったら面倒だし?」
クルス「まぁ・・・確かに・・・」
少しすると人が入ってきた
監視者「失礼します!」
カリム「おう!どうだった?」
監視者「へい!この人何者ですか?」
カリム「ん?どういうことだ?」
監視者「だってデスタートルを27体も倒しやがったんすよ?」
カリム「は!?27体!?」
「え!?」
監視者「動きも早くて着いて行くのがやっとだったし・・・」
そんなに倒したんだ・・・
クルス「で、報酬をもらえるか?」
カリム「え?あ、ああ!ちょっと待ってくれ!すぐに用意する!」
そういうとカリムさんは急いで別室に向かった
「・・・お怪我は?」
クルス「ないよ。心配するな!」
「・・・」
しばらくするとカリムさんが大きめの袋をもって戻ってきた
カリム「2700枚。確認はしたが一応そっちも確認してくれ」
クルス「いや、いい」
そういうと袋を受け取った
クルス「行くぞ」
「は、はい」
僕たちは外に向かった
そしてお店に向かった
店員「ん?さっきのにぃちゃんじゃねぇか!」
クルス「さっきのあるか?」
店員「ああ!あるぞ!ほら!」
クルス「さっきは1000コインって言ってたよな?」
店員「ああ!今も変わってないぜ!」
クルス「そうか」
そういうと袋を店員に渡した
店員「うおっ!?な、なんだこれ!?」
クルス「コインだ」
店員「おいおいおいおい・・・こんな重い1000コインがあるか!」
そういい中を開けると・・・
店員「はへ?なんだ・・・この量は・・・」
クルス「足りないわけないよな?」
店員「いやいやいやいや!おかしい!おかしいだろう!」
クルス「何がだ」
店員「なんだよこのコイン!多すぎだろう!」
クルス「2700枚あるからな」
店員「はぁ!?」
クルス「いいから商品をよこせ」
クルスさんは商品を受け取ると僕の手を掴んで出口に向かった
店員「あ!このコイン忘れてるぞ!」
クルス「いらない。好きにしろ」
店員さんは慌てているようだ
「あ、あの・・・いいんですか?」
クルス「ん?なにが?」
「残りの1700枚のコイン・・・」
クルス「もういらないからな」
「いらない?」
クルス「ああ。ここにはもう来ないからな」
そういい出口に着いた時
カリム「待て待て待て待て・・・」
カリムさんが後ろから声をかけてきた
クルス「なんだ」
カリム「さっき店員から言われたんだよ。『こんなコインを置いて行っちまったがどうしたらいいかわからない!』ってな。これ、お前のだろう?」
クルス「無法者のくせに秘密にして自分の物にしないんだな」
カリム「お前な・・・無法者にどんなイメージがあるか知らないが、根はいいやつばかりなんだよ」
クルス「根がいい奴が罠にかかった人を殺すとか売るとか言うのか?」
カリム「それは仕方ないだろう?生き残るためには仕方ないんだ」
クルス「俺はそれを認めない」
カリム「・・・じゃあ、お前のやったことは何だったんだ?」
クルス「ああ?」
カリム「今回の仕事は生き残るためじゃないのか?」
クルス「いや、これが欲しかっただけだ」
カリム「それを手に入れるのだって生き残るためだろう?」
クルス「・・・」
カリム「それにミュータントを皆殺しにしたのだってそうじゃないのか?」
クルス「あれはハルトを助けるためだ」
カリム「でも、結果として生き残るためにやったことだろう?」
クルス「・・・」
カリム「確かに俺たちは好き勝手なことをしてる。それに関しては否定しない。だが、これだけは知ってほしい。俺たちだって好きで人を襲ってるんじゃないんだ」
クルス「どうかな。好きでやってるやつの方が多いだろう」
カリム「それは・・・否定しない・・・できない・・・でも・・・少なくとも俺は好きでやってない」
クルス「・・・」
カリム「信じるかどうかは任せる」
クルス「・・・」
「クルスさん・・・」
クルス「・・・コイン」
カリム「え?」
クルス「コインを返せ。俺たちのコインだ」
カリム「あ、ああ・・・もちろん返すつもりだが・・・」
クルスさんはコインの入った袋を受け取った
クルス「見たところ、部品とか機械とかが多いな?」
カリム「ああ。そう言うのが得意な奴が多いからな」
クルス「そうか。じゃあ、今後も利用させてもらう」
カリム「ほ、ほんとか!?」
クルス「ああ。生き残るためにお前たちをとことん利用してやる」
カリム「ああ!それで構わない!俺たちもお前を利用するからな!」
クルス「そうか。でも、次からは適正価格でのみ、依頼を受けるからな」
そういい僕たちは街を出た・・・
カリム「どうだ?いい街だろう?」
街並みは・・・
クルス「スラム街みたいだな」
そう
そんな感じの街並みだ
カリム「まぁ一応みんなお前の言う『無法者』だからな!そういう街並みになるだろう」
でも、一応お店なんかもあるみたいだし、その辺はクリスタルシティと一緒だね
カリム「着いたぞ!ここが我が家だ!」
目の前には電波塔に家をくっつけたような感じの建物があった
「すごい・・・」
クルス「電波塔に家を・・・」
カリム「ああ!ひぃじいちゃんが一生懸命作ったんだよ!眺めも最高だぞ?」
そういい中に入った
「・・・これを・・・登るんですかね・・・?」
クルス「・・・きついな・・・」
中に入ると階段があった
その階段は信じられないほど多かった・・・
カリム「ん?階段で上に行くのか?じゃあ、俺はエレベーターで行くかな」
クルス「エレベーターがあるのか?」
カリム「当たり前だろう?こんな高い建物、階段で登るわけないだろう?」
「よかった・・・」
僕たちはエレベーターに乗った
しばらく乗っていると最上階に着いた
扉が開くと
「!すごい!」
目の前にはすごい景色が広がっていた
ブレイクタウンだけじゃなく門の外も一望できる
カリム「だろう?ここからの景色は最高なんだよ!」
クルス「確かにいい眺めだ」
カリム「さ!景色は後でゆっくり見てくれ!まずは部屋に案内する!」
そして部屋に着いた
カリム「ここが俺の使用している部屋だ!」
思っていた以上に綺麗に片付けられていて広い部屋だった
「綺麗に片付けられてる」
カリム「こう見えて綺麗好きなんでね!好きなところに座ってくれ!」
僕とクルスさんはソファに座った
カリム「さて・・・で?」
クルス「でってなんだ?」
カリム「隠すことはないだろう?ここには俺たち三人しかいない」
「隠す?」
カリム「お前たちの正体だよ」
クルス「・・・」
「・・・」
カリム「デッドやミュータントのことを知らないのはおかしい。一番の脅威だからな」
僕たちは答えられなかった
カリム「それに今はもういないはずの人間がいる。それもおかしいと思うんだよな~」
クルス「どこがだ?生き残りがいても不思議じゃないだろう?」
カリム「そうだろうけど、俺は小さいころからいろんなところに行った。でも、人間なんてあったこともない。今まではな?」
「・・・」
クルス「・・・」
カリム「話してくれないか?口外はしないって約束する」
クルス「・・・」
カリム「信じてくれよ。ここまでお前たちには一切手を出してないだろう?」
クルス「・・・わかった。話すよ」
クルスさんは全部話した
信じてもらえるとは思えないけど・・・
カリム「・・・」
カリムさんは腕を組み真剣に聞いてくれていた
クルス「って感じだ」
カリム「・・・」
クルス「信じられないだろうけど、事実だ」
カリム「いや、信じるよ」
「!?」
クルス「ホントか!?」
カリム「ああ。嘘をつくメリットがないだろう?あったとしてもこんな話を普通は信じない」
「では、なんで信じてくれるんですか?」
カリム「そうだな・・・人間がいないって言うのもそうだが、生物に詳しくないこと、それに・・・これも知らないだろう?」
そういうとカリムさんはメダルを指で弾いてクルスさんに渡した
クルス「・・・これはさっきの・・・」
カリム「ああ。この街で使えるコイン。ブレイクコインだ。それとこの街に入ることができる証明にもなる」
クルス「そうなのか」
カリム「それを知ってたらあんな罠になんかかからなかったと思うぞ?」
クルス「・・・」
カリム「そもそもあの罠は人用じゃなくモンスター用だったんだよ」
クルス「モンスター用?」
カリム「ああ。デッド用のな!」
「デッド用?」
カリム「デッドの爪や牙って高く売れるんだよ。武器にもなるしな!」
クルス「なるほど。で、なんでコインをあそこに?」
カリム「デッドは光る物に興味を示す。これは誰でも知ってるぞ?」
クルス「・・・」
カリム「このことを知らない時点でお前たちの話は本当なんだろうなって思ったんだよ」
クルス「・・・そうか」
カリム「ああ。だが・・・シェルターか・・・そんなのがあるなんて知らなかったな・・・」
カリムさんは首をかしげながら考えていた
カリム「・・・まぁいいか!で、どうだ?」
クルス「なにが」
カリム「ここ気に入ったか?」
クルス「俺はあまり好きじゃない」
「僕も・・・苦手です」
カリム「そうなのか?いいところなんだけどな~」
クルス「なんでそんなことを聞くんだ」
カリム「ん?実はクルスくんに一つお仕事を頼もうかと!」
クルス「くんって言うな。で、仕事ってなんだ?」
カリム「じゃあ、クルスでいいな!ここら辺のモンスターが少し増えて来てるんだよ。その数を少し減らしてほしい」
クルス「断る。俺たちはここに住むつもりはない」
カリム「だよな~。危険な仕事だし。でも、コインを稼ぐにはいいと思うけどな?」
クルス「何度も言わせるな。俺たちはここに住むつもりはない。買い物もしない。わかったか?」
カリム「そうか~・・・残念だな・・・」
クルス「ハルト。帰るぞ」
「はい」
僕たちはカリムさんの部屋を後にした
エレベーターで下に向かい外に出た
クルス「こんなところさっさと出るぞ」
「は、はい」
僕たちは急ぎ足で出口に向かった
その途中でお店がありその前を通ったときにクルスさんが足を止めた
「ク、クルスさん?どうしたんですか?」
クルス「・・・」
クルスさんは何かを真剣に見ていた
店員「おう。見ねぇ顔だな?」
クルス「これ。いくらだ」
店員「あぁ?1000コインだ。これでも安い方だぜ?明日はいくらになるかわからねぇがな!ガハハハハ!」
クルス「・・・」
「それ、なんですか?」
クルス「・・・戻るぞ」
「え!?あ!待ってください!」
クルスさんはいきなり引き返した
そしてカリムさんの部屋に入った
カリム「ん?」
カリムさんは飲み物を飲んでいた
カリム「ノックぐらいしてほしいな~。もし俺が一人でイヤ~ンなことをしてたらどうするんだ?」
クルス「そんなことより、さっきの仕事のことだ」
カリム「ん?討伐の仕事か?」
クルス「ああ。報酬はいくらだ」
カリム「そうだな・・・倒した数×基本報酬って感じでどうだ?」
クルス「それは倒しただけもらえるってことでいいんだな?」
カリム「ああ」
クルス「ちなみに基本報酬はいくらだ」
カリム「う~~ん・・・200メダルってところかな」
クルス「・・・」
カリム「倒すのが難しいからな~。その分出してやるよ?」
クルス「そうか。モンスターはどんな奴だ」
カリム「デスタートルって知ってるか?」
クルス「ああ。知ってる」
カリム「そうか。それが倒してほしいモンスターだ」
「!?危険です!やめてください!」
クルス「・・・」
「クルスさん!」
クルス「・・・受けよう」
「!?」
カリム「おお!そうか!」
クルス「その代わり、俺からも条件がある」
カリム「ん?なんだ?」
クルス「基本報酬は100メダルで構わない。その代わり俺が居ない間、ハルトの安全を約束しろ」
カリム「これまた凄い条件だな~」
クルス「飲めないなら俺は受けない」
「カリムさん!飲まないでください!」
カリム「・・・わかった。その条件を飲もう!」
クルス「そうか」
「!?」
二人は僕の話を無視して話を進める
そしてクルスさんは部屋を出た
僕は追いかけた
「クルスさん!!」
廊下でクルスさんを引き留めた
クルス「心配するな。ちゃんと帰ってくる」
「心配に決まってますよ!なんでそこまでして受けるんですか!!」
クルス「必要な物があったからな。そのためには働かないとな?」
「なら、僕も行きます!」
クルス「それはダメだ」
「どうして!」
クルス「お前はここであいつに守ってもらえ、いいな?」
「嫌です!クルスさんが危ない目に合うかもしれないのに・・・」
クルス「俺なら大丈夫だ。だから、ここで帰りを待っててくれ」
「嫌です!!」
クルス「ハルト・・・」
「僕はクルスさんを失いたくないんです!」
クルス「・・・」
「だから僕も・・・っ!」
クルスさんはキスをしてきた
クルス「そう大声を出すな。喉を傷めるだろう?」
「だ、だって・・・」
クルス「心配してくれるのは嬉しい。でも、ここで待っててくれ。頼む」
「で、でも・・・」
クルス「俺は帰ってくる。必ず。だから、待っててくれ。な?」
「・・・わかりました・・・」
クルス「いい子だ」
そういい強く抱きしめもう一度キスをしてエレベーターに乗り込んで行ってしまった
「クルスさん・・・」
僕はエレベーターの前で囁いた
カリム「いや~どういう気まぐれなんだ?」
「・・・」
カリム「さっきまでは意地でもやらない!って感じだったのに」
「なにか必要な物があったそうです」
カリム「必要な物?それってなに?」
「わかりません」
カリム「・・・そのために稼ぐ・・・か。態度は冷たいが、なかなか見どころはありそうだな」
「すみません・・・冷たい態度を取ってしまって・・・」
カリム「気にするな!俺たちの関係を考えれば当然だろう!さ!部屋に入ろう!飲み物も用意してある!」
そして僕はカリムさんと部屋に入った
三時間後・・・
クルス「戻ったぞ」
「クルスさん!おかえりなさい!」
クルス「ああ。ただいま」
そういい頭を撫でてくれた
カリム「おかえり~どうだった?」
クルス「ほらよ」
そう言うと袋を地面に投げた
カリム「ん?これは?」
クルス「奴らの尻尾だ」
カリム「・・・なんでこれを?」
クルス「何体倒したかの証明だ」
カリム「あ~なるほど・・・こんなことしなくても監視者を手配してあったからすぐに報告が来るんだけどな!」
クルス「そ、そうなのか?」
カリム「ああ!不正されないためにな!」
クルス「不正って・・・ゲームじゃないんだぞ?」
カリム「でも、後々トラブルになったら面倒だし?」
クルス「まぁ・・・確かに・・・」
少しすると人が入ってきた
監視者「失礼します!」
カリム「おう!どうだった?」
監視者「へい!この人何者ですか?」
カリム「ん?どういうことだ?」
監視者「だってデスタートルを27体も倒しやがったんすよ?」
カリム「は!?27体!?」
「え!?」
監視者「動きも早くて着いて行くのがやっとだったし・・・」
そんなに倒したんだ・・・
クルス「で、報酬をもらえるか?」
カリム「え?あ、ああ!ちょっと待ってくれ!すぐに用意する!」
そういうとカリムさんは急いで別室に向かった
「・・・お怪我は?」
クルス「ないよ。心配するな!」
「・・・」
しばらくするとカリムさんが大きめの袋をもって戻ってきた
カリム「2700枚。確認はしたが一応そっちも確認してくれ」
クルス「いや、いい」
そういうと袋を受け取った
クルス「行くぞ」
「は、はい」
僕たちは外に向かった
そしてお店に向かった
店員「ん?さっきのにぃちゃんじゃねぇか!」
クルス「さっきのあるか?」
店員「ああ!あるぞ!ほら!」
クルス「さっきは1000コインって言ってたよな?」
店員「ああ!今も変わってないぜ!」
クルス「そうか」
そういうと袋を店員に渡した
店員「うおっ!?な、なんだこれ!?」
クルス「コインだ」
店員「おいおいおいおい・・・こんな重い1000コインがあるか!」
そういい中を開けると・・・
店員「はへ?なんだ・・・この量は・・・」
クルス「足りないわけないよな?」
店員「いやいやいやいや!おかしい!おかしいだろう!」
クルス「何がだ」
店員「なんだよこのコイン!多すぎだろう!」
クルス「2700枚あるからな」
店員「はぁ!?」
クルス「いいから商品をよこせ」
クルスさんは商品を受け取ると僕の手を掴んで出口に向かった
店員「あ!このコイン忘れてるぞ!」
クルス「いらない。好きにしろ」
店員さんは慌てているようだ
「あ、あの・・・いいんですか?」
クルス「ん?なにが?」
「残りの1700枚のコイン・・・」
クルス「もういらないからな」
「いらない?」
クルス「ああ。ここにはもう来ないからな」
そういい出口に着いた時
カリム「待て待て待て待て・・・」
カリムさんが後ろから声をかけてきた
クルス「なんだ」
カリム「さっき店員から言われたんだよ。『こんなコインを置いて行っちまったがどうしたらいいかわからない!』ってな。これ、お前のだろう?」
クルス「無法者のくせに秘密にして自分の物にしないんだな」
カリム「お前な・・・無法者にどんなイメージがあるか知らないが、根はいいやつばかりなんだよ」
クルス「根がいい奴が罠にかかった人を殺すとか売るとか言うのか?」
カリム「それは仕方ないだろう?生き残るためには仕方ないんだ」
クルス「俺はそれを認めない」
カリム「・・・じゃあ、お前のやったことは何だったんだ?」
クルス「ああ?」
カリム「今回の仕事は生き残るためじゃないのか?」
クルス「いや、これが欲しかっただけだ」
カリム「それを手に入れるのだって生き残るためだろう?」
クルス「・・・」
カリム「それにミュータントを皆殺しにしたのだってそうじゃないのか?」
クルス「あれはハルトを助けるためだ」
カリム「でも、結果として生き残るためにやったことだろう?」
クルス「・・・」
カリム「確かに俺たちは好き勝手なことをしてる。それに関しては否定しない。だが、これだけは知ってほしい。俺たちだって好きで人を襲ってるんじゃないんだ」
クルス「どうかな。好きでやってるやつの方が多いだろう」
カリム「それは・・・否定しない・・・できない・・・でも・・・少なくとも俺は好きでやってない」
クルス「・・・」
カリム「信じるかどうかは任せる」
クルス「・・・」
「クルスさん・・・」
クルス「・・・コイン」
カリム「え?」
クルス「コインを返せ。俺たちのコインだ」
カリム「あ、ああ・・・もちろん返すつもりだが・・・」
クルスさんはコインの入った袋を受け取った
クルス「見たところ、部品とか機械とかが多いな?」
カリム「ああ。そう言うのが得意な奴が多いからな」
クルス「そうか。じゃあ、今後も利用させてもらう」
カリム「ほ、ほんとか!?」
クルス「ああ。生き残るためにお前たちをとことん利用してやる」
カリム「ああ!それで構わない!俺たちもお前を利用するからな!」
クルス「そうか。でも、次からは適正価格でのみ、依頼を受けるからな」
そういい僕たちは街を出た・・・
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職場の部下 和泉周(いずみしゅう)は、はっきり言って根暗でオタクっぽい。目にかかる長い前髪に、覇気のない視線を隠す黒縁眼鏡。仕事ぶりは可もなく不可もなく。そう、凡人の中の凡人である。
和泉の直属の上司である村谷(むらや)はある日、ひょんなことから繁華街のホストクラブへと連れて行かれてしまう。そこで出会ったNo.1ホスト天音(あまね)には、どこか和泉の面影があって――。
「先輩、僕のこと何も知っちゃいないくせに」
No.1ホスト部下×堅物上司の現代BL。
こじらせΩのふつうの婚活
深山恐竜
BL
宮間裕貴はΩとして生まれたが、Ωとしての生き方を受け入れられずにいた。
彼はヒートがないのをいいことに、ふつうのβと同じように大学へ行き、就職もした。
しかし、ある日ヒートがやってきてしまい、ふつうの生活がままならなくなってしまう。
裕貴は平穏な生活を取り戻すために婚活を始めるのだが、こじらせてる彼はなかなかうまくいかなくて…。
キンモクセイは夏の記憶とともに
広崎之斗
BL
弟みたいで好きだった年下αに、外堀を埋められてしまい意を決して番になるまでの物語。
小山悠人は大学入学を機に上京し、それから実家には帰っていなかった。
田舎故にΩであることに対する風当たりに我慢できなかったからだ。
そして10年の月日が流れたある日、年下で幼なじみの六條純一が突然悠人の前に現われる。
純一はずっと好きだったと告白し、10年越しの想いを伝える。
しかし純一はαであり、立派に仕事もしていて、なにより見た目だって良い。
「俺になんてもったいない!」
素直になれない年下Ωと、執着系年下αを取り巻く人達との、ハッピーエンドまでの物語。
性描写のある話は【※】をつけていきます。
好きなあいつの嫉妬がすごい
カムカム
BL
新しいクラスで新しい友達ができることを楽しみにしていたが、特に気になる存在がいた。それは幼馴染のランだった。
ランはいつもクールで落ち着いていて、どこか遠くを見ているような眼差しが印象的だった。レンとは対照的に、内向的で多くの人と打ち解けることが少なかった。しかし、レンだけは違った。ランはレンに対してだけ心を開き、笑顔を見せることが多かった。
教室に入ると、運命的にレンとランは隣同士の席になった。レンは心の中でガッツポーズをしながら、ランに話しかけた。
「ラン、おはよう!今年も一緒のクラスだね。」
ランは少し驚いた表情を見せたが、すぐに微笑み返した。「おはよう、レン。そうだね、今年もよろしく。」
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