恋は軍隊より強し!

ジャム

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星空に誓って

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熊岡「聞く気になったか?」

「元から聞く気なんてありません!離してください!」

熊岡「上官命令だ!俺の話を聞け!!」

それは・・・卑怯だよ
上官の立場を利用するなんて・・・

「・・・了解・・・です」

不本意だけど、仕方ない

熊岡「・・・座れ」

僕は座った

熊岡「俺はお前が好きだ。いや、愛してる。だから逃げない」

「・・・」

熊岡「あいつは運命の相手じゃない。だから嫌いだった。浮気ばかりして・・・」

「・・・」

熊岡「言い訳に聞こえると思う。でも・・・この想いだけは本物だ!だから俺の傍から居なくならないでくれ!頼む!」

熊岡隊長は頭を下げる

熊岡「お前に隠し事をしてたのは何度でも謝る!お前を傷つけたことも謝る!だから・・・頼む・・・傍に居てくれ・・・」

地面に雫が落ちるのが見える
泣いているのだろう

「・・・顔を上げてください」

熊岡「無理だ・・・」

「上げてください」

熊岡「無理・・・だ・・・」

「・・・」

僕は強引に晴臣さんの顔を上げ

熊岡「っ!?」

キスをした

「顔を上げてくれないとキスができなじゃないですかw」

熊岡「陽翔・・・許してくれるのか?」

「晴臣さんがそこまで頭を下げてるんですよ?許さないわけがないじゃないですかw」

熊岡「うぅ・・・陽翔・・・ありがとう・・・」

晴臣さんは僕を強く抱きしめ声を出して泣く

熊岡「うぅ・・・陽翔・・・陽翔・・・」

「そんなに泣かなくてもw」

熊岡「うぅ・・・」

「まったくw」

頭を撫でながら抱きしめる
晴臣さんはずっと泣いていた
何度頭を撫でても泣き止むことはなかった

熊岡「うぅ・・・うっ・・・」

「いつまで泣いてるんですか・・・?」

熊岡「お前を・・・失うと思ったら・・・辛かったんだよ・・・」

「・・・」

熊岡「うぅ・・・」

「ごめんなさい・・・」

耳元で囁く
晴臣さんはそれで更に泣く
もう泣き止むまで待つしかないよね

・・・約一時間後・・・
「・・・」

熊岡「・・・」

晴臣さんはやっと落ち着いたが・・・

「離れたくないですか?」

熊岡「今は・・・」

「わかりました」

僕たちはいつまでも抱きしめ合っていた

熊岡「・・・」

「・・・星が綺麗ですよ?」

熊岡「え?星?」

僕の声に晴臣さんは空を見上げる

熊岡「お~!すげぇ・・・綺麗だな・・・」

「でしょう?」

僕たちは星空を見ていた
旅行に来て、やりたかったこと・・・
できてよかった・・・

熊岡「その・・・陽翔?」

「はい?」

熊岡「これを・・・受け取ってくれるか?」

晴臣さんは指輪を僕に見せてきた

熊岡「愛の印・・・これを着けていてくれないか?」

「・・・」

熊岡「い、嫌なら・・・いいんだ。また最初から口説くからさ!」

「・・・我儘言っていいですか?」

熊岡「ああ!なんでも言ってくれ!」

「その・・・あの・・・プロポーズみたいに指に・・・嵌めてほしいです・・・」

熊岡「・・・ああ!わかった!」

晴臣さんは僕の前でひざまずき

熊岡「お前を絶対に幸せにする!だからこれをお前に贈ろう!この星空に誓って・・・約束だ!!」

指に指輪が嵌められた

「そ、そこまで言ってとは言ってないですよ!?」

熊岡「いいんだよ!俺が言いたかったんだから!」

「・・・まったく・・・w」

そして二人で地面に寝っ転がり星空を見た

「冬だったら天の川見れたかもしれないですね」

熊岡「そうだな・・・でも、お前と一緒ならどれも綺麗でいい思い出になる!」

「そ、そうですか?w」

熊岡「ああ!」

真面目にそんなこと言うんだもん・・・
恥ずかしいよ・・・
嬉しいけど

熊岡「旅館に帰るか?」

「もう少しこうしてたいです」

僕は晴臣さんにくっついた

熊岡「そうか!じゃあもう少しこうしてよう!」

もう少し・・・
もうちょっと・・・
そう言っている内に空は明るくなっていた・・・
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