恋は軍隊より強し!

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命令違反の代償・奏汰編

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次の日・・・
司令「以下、市原陽翔を・・・」

「・・・」

僕は命令違反の罪に問われている

司令「・・・一か月、休職処分とする!」

「きゅ、休職?」

司令「ああ。しっかり休む・・・ゴホン!しっかり反省するように!以上!解散!」

そして僕たちは会議室出た

狼坂「陽翔。この後時間あるか?あるよな?」

「う、うん・・・休職になったし・・・」

狼坂「じゃあ来い」

僕は奏汰に連れられて外に出た

「ど、どこに行くの?」

狼坂「いいから」

そして誰もいない所に来て

狼坂「陽翔」

「な、なに?」

狼坂「一発殴らせろ」

「え?っ!」

奏汰は僕に本気の殴りを入れて来た
その殴りは僕の左頬に当たった

「い・・・」

狼坂「これじゃ足りない。でも、これで許してやる」

「・・・」

狼坂「俺がどれだけ心配したと思ってるんだ!!どれだけ・・・」

奏汰は涙を流す

「・・・ごめん・・・」

狼坂「ごめんじゃない!!!そんな謝罪一つで片づけるな!!」

「・・・そうだよね・・・」

狼坂「なんでお前は俺や隊長たちに頼らないんだ!!!」

「・・・」

狼坂「そんなに信用できないのか!!」

「違う!!」

狼坂「じゃあ・・・なんで・・・なんで頼らない!!」

「信用してるから・・・迷惑かけたくなくて・・・」

狼坂「やっぱり・・・お前は馬鹿だ!!」

「・・・」

狼坂「迷惑かけたくない?迷惑なんて思わないよ!!俺はお前の幼馴染だぞ!?今までずっと一緒に居たじゃないか!!頼ってくれよ!!」

「そうだね・・・ごめん・・・」

狼坂「だから謝罪なんていらないんだよ!!!俺は・・・俺は・・・」

奏汰は泣き崩れる

狼坂「うぅ・・・」

「奏汰・・・今の僕には謝ることしかできないんだ・・・本当にごめん・・・」

僕は奏汰を抱きしめた

狼坂「次・・・こんな事したら・・・一発じゃ済まないからな・・・覚悟・・・しておけよ・・・」

「うん・・・気を付けるよ・・・」

そして泣く奏汰を支えながら寮に戻ってきた
久しぶりの自分の部屋・・・
懐かしい感じがする

狼坂「うぅ・・・う・・・」

「いつまでも泣かないでよ・・・」

狼坂「うぅ・・・」

「・・・」

僕は奏汰の隣に座り肩を抱きしめた
奏汰が泣き止むことはなかった
いつまでも・・・ずっと泣いていた

「・・・ねぇ?」

狼坂「なん、だよ・・・」

「覚えてる?僕が初めて発情期を迎えたときのこと」

狼坂「・・・ああ。覚えてるよ」

「あの時も奏汰はいつまでも泣いてたね」

狼坂「そう・・・だったな」

「『俺・・・悔しいよ・・・お前がおもちゃと思われるのが・・・』って言ってたよね」

狼坂「そうだな・・・」

「正直、あの時は本当に嬉しかった。頼りになってかっこよくて・・・だからかな。頼りたくないと思ったのは」

狼坂「え?なんでだよ」

「奏汰は僕の為ならなんでもしそうだなって思ったからね」

狼坂「当たり前だろう!」

「だから頼れなかった。僕のせいで犯罪者になってほしくなかったし」

狼坂「・・・当時の俺なら・・・たぶん犯罪に手を染めてでもやったと思う。でも、今はそんなことしなくても俺は強い。だから・・・頼ってくれよ・・・犯罪に手は出さないからさ・・・」

「うん。今度からは頼るようにするよ」

狼坂「約束だからな?」

「うん!約束する!」

そして指切りをする

狼坂「破ったら・・・そうだな・・・お前を一生監禁する!」

「えw怖いな~wてか、早速犯罪に手を出そうとしてない?w」

狼坂「だからお前は俺が犯罪に手を出さないように気を付けるんだな!」

「はいはいw」

そして夜になり・・・

「おやすみ~」

狼坂「ああ。お休み」

僕たちは眠りについた

「・・・ん?」

僕のベッドに誰かが入ってきた

「・・・奏汰?」

この匂い・・・
奏汰だろう

狼坂「今日だけ・・・いい・・・かな?」

「いいよw」

昔はよく一緒に寝てたな・・・
高校生になっても一緒に・・・
今思うとちょっと恥ずかしいかも・・・

狼坂「・・・陽翔?」

「ん?」

狼坂「俺より先に死ぬなよ」

「それはこっちのセリフ・・・」

狼坂「今は言い返せる立場じゃないだろう?」

「う・・・」

確かに・・・

狼坂「隊長や副隊長・・・俺を・・・置いて行かないでくれ・・・頼むよ・・・」

奏汰の腕が僕の身体に廻り抱きしめる
その腕はかすかに震えていた

「安心して。僕は衛生兵だよ?」

狼坂「今はその言葉に説得力はないよ」

「そうだね・・・でも、安心してよ。もう自分勝手な行動はしないからさ」

狼坂「ああ。信じてるからな」

「うん」

そして僕たちは抱きしめ合いながら眠りについた
昔のように・・・
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