恋は軍隊より強し!

ジャム

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無茶な技

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会議室に向かっている途中

「・・・っ!?」

曲がり角で人に遭遇した
僕はピストルを向けた

「・・・あ、奏汰!」

狼坂「陽翔か・・・びっくりさせるなよ・・・」

相手は奏汰だった

「まだ着いてなかったの?」

狼坂「途中敵に遭遇して交戦してたんだよ」

「ケガは!?」

狼坂「ない!相手は無傷では済まないけどな!」

「なら問題はないね!行くよ!」

狼坂「ああ!」

僕と奏汰は会議室に向かった
会議室に近づくにつれ銃声が聞こえてくる

「!?」

ババババババ!

狼坂「あっぶねぇ・・・」

角を飛び出すと敵がマシンガンを撃ってきた

「くっ・・・会議室まであと少しなのに・・・」

狼坂「そもそも奴らは誰と交戦してるんだ?」

「・・・」

こっそり覗くと

「え・・・」

負傷して寝ているはずの犬獣人が敵と交戦していた

「なんで・・・?」

狼坂「ケガして動けないはずじゃ・・・」

ピピピ・・・

その時通信機に連絡が入った

「はい!」

犬獣人『おう!やっと来たか!』

「あなた・・・なんで!?」

犬獣人『牛原に焚きつけられちまったんだよ!『このまま恩も返せず死ぬのか!』ってな!』

「だからって!!」

犬獣人『いや~気分がいいな~。お前の持ってきた薬を少し借りたんだが・・・気分がいいよ~』

「薬・・・っ!?鎮痛剤ですか!?」

犬獣人『さぁ?それは知らないwでも、痛みもなくなって気持ちいいんだよ~』

狼坂「ど、どういことだ?」

「鎮痛剤を勝手に打ったんだよ。それでハイになってる」

狼坂「え!?それ危険じゃないのか!?」

「危険に決まってるじゃん!!なんて馬鹿なことを・・・」

どの薬にも言えることだが、量が決まっているには理由がある
それを超えて投与するのは危険だ

「早く押さえないと・・・このままじゃ危険だ!」

狼坂「でも、どうするんだ!?こんな状態じゃ近寄れないぞ!?」

犬獣人「オラオラ~!!かかってこい!雑魚ども!!」

犬獣人は完全にハイになってる
そのせいで犬獣人は被弾してもマシンガンを乱射
僕も敵も近づけない状態だ

「・・・奏汰!」

狼坂「ん?」

「『アレ』やるよ!」

狼坂「アレ・・・?」

「ほら!突っ込んでいってジャンプするやつ!」

狼坂「え!?アレをやるのか!?無理!無理無理!」

「無理じゃない!やるよ!!」

狼坂「うへ~・・・」

そして僕たちは飛び出した
敵は僕たちにマシンガンを撃ってくる
僕たちは銃弾を避けながらを走り、敵まで接近した
そして奏汰が土台になり

狼坂「陽翔!!」

「行くよ!!」

奏汰の肩に足を乗せ高くジャンプし

カチンッ!コロン!

僕は敵を飛び越え手榴弾を敵に落とした
そして・・・

ドガ~~ン!!

大きな爆発が起き、僕も奏汰も爆風で吹き飛ぶ

「いたた・・・」

犬獣人「おう!!いいね!いいね!!」

「馬鹿・・・」

僕は犬獣人に鎮静剤を打った
犬獣人は気を失い床に倒れる

「まったく・・・無茶をして・・・」

狼坂「無茶はお前だ・・・いてて・・・手榴弾は聞いてないよ~・・・」

「え?あ、あはは・・・ごめん・・・」

狼坂「そもそも『アレ』だって偶然できた事なんだぞ?」

そう
これは僕たちが軍に入ったばかりの頃
奏汰がなにか協力技的なのが欲しい!とのことで二人で編み出した技
名前はない
もちろん成功は一回だけ・・・
何回もやってたったの一回だ

「でも、一度は成功してるし?」

狼坂「はぁ・・・まぁいい。成功したし・・・」

そういい奏汰は座り込む

狼坂「アレは足に負担がすごいんだよ・・・」

「そうだね・・・足痛い・・・」

台になる奏汰は足を踏ん張り僕を支えて押し上げないといけない
僕は高くジャンプをするためスピードを落とさず流れるように奏汰に乗りジャンプをしないといけない
聞くだけだと簡単そうに聞こえるけど、これが難しいんだよね
足への負担は相当なものだし

狼坂「もう二度とやらない!」

「そうだね・・・やめておこうか・・・」

と、一度成功したときも言っていたような・・・

「・・・とにかく、運ぶの手伝って」

狼坂「ああ・・・」

僕たちは犬獣人を運んだ

「まったく・・・」

また手当てが必要みたいだ
出血が酷い
犬獣人を寝かせ、周りを確認する

「よく・・・もったな・・・」

この犬獣人は一人でみんなを助けた・・・
すごいと思う
関心はしないけど

「手当て・・・またしないと・・・」

僕は犬獣人を手当てした

「奏汰は見張りをお願い」

狼坂「ああ」

奏汰は廊下で見張りをしてくれた

「・・・これでよし!」

手当てを終え、廊下に出た
廊下には熊岡隊長と豹入副隊長がいた

「あ!居たんですね!」

熊岡「ああ。敵は引き上げた」

豹入「作戦は失敗と判断したみたいwそそくさと帰って行ったよw」

「それは良かったです・・・」

豹入「狼坂くんから話を聞いたけど・・・市原くんって案外考えなしに行動するときがあるんだねw」

「そ、そんなことは・・・」

豹入「まるで昔の熊岡を見ているみたいだな~」

熊岡「うるせぇよ・・・」

豹入「フフフw」

「司令は?」

熊岡「今、作戦を練ってる。奇襲されっぱなしは気に食わないらしい」

狼坂「まぁ・・・二回目ですからね・・・」

豹入「司令も負けず嫌いだからね~w」

「変な作戦にならなければいいのですが・・・」

総攻撃・・・なんて嫌だし・・・
かといってこのままも嫌だし・・・

豹入「司令は負けず嫌いだけど、無鉄砲ではないから大丈夫だよw熊岡とは違うw」

熊岡「なんですぐ俺と比べるんだ・・・」

豹入「似てるからかな~?w」

熊岡「不快だ・・・」

しばらくすると窓から朝日が差し込んできた

狼坂「もう朝か・・・」

「眩しい・・・」

熊岡「気を引き締めろよ?まだ戦争は終わってないんだ!」

「「「はい!」」」

でも、まさかこの戦争が「ある人物」によって終わりを迎えるとは今の僕たちには想像もできなかった・・・
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