恋は軍隊より強し!

ジャム

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暇な休暇を上官二人と

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三日後

「・・・」

僕は部屋で本を読んでいた
最近忙しくて本を読む暇もなかったからね

「・・・よし!読み終わったと!」

これで8冊目!
次は・・・

コンコン!

「ん?は~い」

豹入「失礼しますw」

「あ、副隊長!」

豹入副隊長が部屋に来た
珍しく私服で
まぁ、休暇中に軍服を着る人はいないか

豹入「実家からお菓子が大量に届いたんだけど、よかったら一緒に食べないかい?」

「いいんですか?」

豹入「このまま腐らせるのもあれだしw一緒に食べようw」

「ではお言葉に甘えて!」

僕は豹入副隊長の部屋に向かった

「お邪魔します!」

熊岡「ん?おう。来たのか」

そこにはお菓子を頬張っている軍服姿の熊岡隊長がいた

「あれ?今日は私服じゃないんですか?」

熊岡「ん?あ~今日はな」

豹入「そんなに持ってないんだよwこいつはw」

「そうなんですねw」

そして僕は飲み物をもらい床に座った
テーブルにはたくさんのお菓子があった

「すごいたくさんありますね!」

豹入「毎年送ってくれるんだよねw食べきれなくて捨ててるんだけどw」

熊岡「もったいないよな・・・」

豹入「でも大半はお前が食べてくれるから助かるよw」

二人は仲よさそうに話しながらお菓子を食べている

「お二人はどういう関係なんですか?」

熊岡「ブフーーっ!ど、どうってなんだ!?」

熊岡隊長は飲み物を吹き出し慌てている

「え?なにか変なこと聞きました?」

熊岡「え、いや、その・・・」

豹入「フフフw普通の同僚だよwでも付き合いは結構長いよ?」

「そうなんですか?」

豹入「うん!かれこれ・・・7年くらいかな?」

熊岡「もうそんなになるか・・・」

豹入「初めて会ったのは軍に所属したときだったねw第5番隊に配属されて・・・フフフwあの時の開口一番・・・忘れられないな~w」

熊岡「忘れろよ・・・」

「なにを言ったんですか?」

豹入「当時の隊長に向かって『俺はお前を追い抜いて見せる!そして俺が隊長になってやる!覚悟しろよ!!』ってw」

「うわ~・・・すごい挑戦的・・・」

豹入「ねwもう冷汗が出たよw」

熊岡「当時は・・・まだ若かったからな・・・若気の至りだ」

豹入「それと同じ熊獣人っていうのもあったんでしょう?w」

「同じ熊獣人だとなにかあるんですか?」

熊岡「あいつ・・・俺を目の敵にしてたんだよ・・・」

豹入「だからそれはお前の勘違いなんだって・・・」

熊岡「絶対違う!俺にだけ追加で40週も走らせやがって・・・」

それって・・・隊長が僕にやったことと同じでは・・・?
ってことは・・・僕は隊長に目の敵にされている?

熊岡「追い抜いてやろうと思ったのに・・・」

豹入「まさか司令官になるとはね~」

「・・・え?熊井司令が隊長の上官だったんですか!?」

熊岡「ああ。そうだよ」

豹入「追い抜いたと思った次の日に司令官になったって聞かされて絶望してたっけ?w」

熊岡「別に絶望はしてない。ただ・・・悔しかった・・・」

あの熊井司令が・・・熊岡隊長の・・・
そんな厳しい人には見えなかったけどな・・・

熊岡「結婚して自慢ばかりして・・・思い出しただけでムカついてくる!」

豹入「まぁ当時は新婚だったし仕方ないでしょうwそれにお嫁さんが好きすぎてたまらない感じだったしw」

熊岡「こっちは毎日毎日厳しい訓練に追われてるって言うのに・・・恋愛シュミレーションとかのゲームに参加しやがって・・・」

豹入「もう過去の事なんだからいいじゃん・・・」

「・・・隊長も・・・」

熊岡「ん?」

「僕を・・・目の敵にしてるんですか?」

熊岡「はぁ!?なんでそうなるんだ!?」

豹入「あ!やっぱりそう思った?w」

熊岡「な、なんでそう思うんだよ!」

「だ、だって・・・さっきの話を聞いている限りだと僕も40週追加で走らされましたし・・・」

熊岡「いや・・・あれは・・・その・・・」

豹入「自分がされていたことを部下にしている・・・矛盾がすごいね~w」

熊岡「それはお前のことを思ってだ!」

豹入「じゃあ、司令もお前のことを思ってのことだったんだと思うけどな~?」

熊岡「今はそう思ってる。当時に比べると仲はいい方だと思うし・・・」

豹入「司令は先を見て行動している人だからね」

熊岡「ああ。すごい人だよ。悔しいぐらいに・・・」

僕も・・・何年かしたらこう思うのかな?
今は厳しい上官だけど、僕が部下を持った時、同じように思うのだろうか・・・

熊岡「ほら!お前も食え」

そういいお菓子を渡してきた

「いただきます!」

でも、熊岡隊長は優しいところもあるし、僕は恨んだりしてないけどね
確かに最初は嫌な人だなって思ったけど、今は優しくしてくれるし・・・
認めて・・・くれてるんだよね・・・?
きっと・・・

「このお菓子おいしい!」

豹入「それは良かった!」

熊岡「ケーキとどっちがおいしい?」

「それを今聞きますか!?」

豹入「ケーキ?なんの話?」

「何でもありません!!」

あの時の『クリーム事件』のことは墓場まで持っていく!!

熊岡「なんで顔が真っ赤なんだ?」

豹入「もしかして熱でもあるの?」

「な、なんでもありません!気にしないでください!!」

顔が暑い・・・
恥ずかしい!!

熊岡「まぁ菓子を食えば治るだろう」

豹入「お前と一緒にするなよ・・・もし具合が悪いなら部屋で休んでていいんだよ?」

「大丈夫です!」

そういいお菓子を食べる

豹入「折角の休暇なのに上官に囲まれると緊張しちゃうよねw」

「そんなことないですよ!」

熊岡「この間のカフェでもそんなに緊張しなかったもんな?」

「はいw」

豹入「へ~。いい感じだったんだねw」

熊岡「ま、まぁな」

豹入「市原くんは楽しかった?」

「はい!すごく楽しかったです!」

豹入「それは良かった!」

そして僕はお菓子をもらい部屋に戻ってきた

「ふぅ・・・」

あのケーキ屋での出来事を持ち出されるとすごく恥ずかしくなる

「なんであんなことをしたんだろう・・・」

今までの僕なら絶対にやらない
ましてや上官相手に・・・

「・・・忘れよう。隊長も忘れているみたいだし・・・さっさと忘れてしまおう」

このことは忘れることにしてお菓子をテーブルに置き読書をした・・・


ーーー熊岡視点ーーー
豹入「よかったね。楽しんでくれたみたいでw」

「そうだな」

豹入「自分で聞けばいいのに・・・」

「俺が聞いたら本音で言わないかもしれないだろう?」

俺は気になっていた
あの・・・デ、デートを・・・楽しんでくれていたか・・・

豹入「市原くんはそういうことは遠慮なく言うと思うけど?」

「本人を目の前に『つまらなかった』なんてさすがの市原でも言わないだろう」

豹入「じゃあ、市原くんが言った『楽しかった』は建前ってことになるね。お前が目の前に居たんだし」

「う・・・」

そうなのか?
そうだったら・・・どうしよう・・・

豹入「・・・フフフw大丈夫だw市原くんは楽しかったと本当に思ってるはずだよw」

「そ、そうか?」

豹入「まぁ俺が見た限りはねw」

ならよかった・・・

豹入「お前はなんでプライベートでは弱気なんだよ・・・」

「プライベートまで上官と過ごすのって嫌だろう?だから・・・」

豹入「まぁね。でも、市原くんは訓練とかじゃない限りはきっと嫌なら断ると思うよ?」

「そうか・・・?」

豹入「まだまだ観察不足だね・・・」

「・・・」

観察不足・・・か
それは否定できない
でも、わかったこともある
何故、軍にこだわっているのか
何故、憧れの存在に近づきたいのか
それはわかった
それに好物も

豹入「今後が楽しみだな~w」

「・・・進展があっても教えないからな」

豹入「進展・・・するのかも疑問だけどねw」

「・・・」

まぁ・・・その辺は・・・な?
適当に・・・

豹入「ほら!もっと食べて!まだこんなにあるんだから!」

そういい段ボール2箱を出してきた

「まだあるのか!?」

豹入「だからいつももったいないな~って思ってたんだよw」

しばらくは夜食は菓子か・・・
筋トレをしっかりやらないとな・・・
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