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98話 真犯人
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シュレイはまだ少し泣いてはいたがケトロムはゆっくりとシュレイから手を離した。
シュレイが何かを言おうとしているのだろう、その言葉を聞いてケトロムは衝撃を受ける。
それを僕も聞き取ることが出来た。
ケトロムが衝撃を受けることも納得だと思う。
「……私は、自分自身に星魔法をかけてしまったの。彼に忠誠を誓うように」
それを言った瞬間、シュレイはガクッと膝をつく。
「シュレイ、お前!!」
「そうね。暴露すればするほど私は傷つく。でも、構わないわ」
顔は笑顔でも、額から汗が出ている。
「確かに、シュンに対して良い感情を持ってなかったのは事実よ。でも、最初は憎しみじゃなかった」
_____その感情は、彼に会ったことによってだんだんと増幅されていく。
彼と気持ちを共有すれば、少しは気持ちが楽になった。
でも、決定的にシュンに憎しみを抱いたのはシュンが入学した時だった。
それまでは気づいていなかったのだ。
酷い憎しみだった。
自分が怖くなって、シュレイは彼に相談を重ねていく。
彼は言葉巧みにシュレイを正当化していった。
だんだんと憎むことが悪いことではないと思うように……。
「でも、星魔法っていうのは憎めば憎むほど対象を痛めつけることが出来てしまう魔法なの」
シュレイはもう痛みに耐えかねるように倒れる。
とっさにケトロムが支えた。
「ありがとう。ケトロム……」
「もう話さなくていいから、本当はメチャメチャ痛いんだろ?」
「大丈夫よ、足……なんてもう感覚がないから……」
そう言ってシュレイは話を続ける。
シュンにかけた魔法は対象の魔法を封じる魔法だった。
しかし、何かがきっかけで魔法とともにシュン自身も封じ込まれてしまった。
「でも、結局彼にとっては私なんて捨て駒に過ぎないわよ。……彼が狙っているのはシュンじゃないもの」
声がだんだんと弱々しくなっていき、シュレイの口からは血が出てきている。
「あの……、ユナって子。彼は、シェイドは……それを……」
声はだんだんとぎれとぎれになっていく。
シュレイはなんとか言葉を紡いでいく。
「……神聖、魔法。彼が……ユナを、欲している……理由……」
かすれた、小さい声しか聞こえない。
もう、ケトロムは涙を堪えることは出来ていなかった。
でも、シュレイの決死の抵抗が無駄にならないように、静かに涙が頬をつたっていく。
「ケトロム……、だいすき……」
ケトロムの腕に支えられていた少女は、かくりと彼の手の上で力を失った。
辛いはずなのに、苦しいはずなのに、その顔はなんとも嬉しそうに見えた。
「やっと、解放されたんだね……シュレイ……」
ケトロムは、天を仰ぐように笑顔を見せ、そしてとめどなく涙を流した。
「まだ居たんですね……。どういうことですか!?」
長い時間が経ったようにも感じたが、割とすぐにハセさんがその光景を目撃した。
「シュレイさんが、星魔法を破ったんです」
「少なくとも、外傷は無いみたいだし貴方達二人が共謀してなければアリバイもあるけど……」
ハセさんはそう言うともう一度シュレイの方を見る。
「専門家を呼ばないと何の魔法でやられたかなんて分からないわよ。一応事情を聞かせてちょうだい」
「専門家なら今到着しましたよ」
そこにいたのは、ハルカさんやセイヨウ達、そしてセイさんだった。
「私の父親は星魔法研究の一任者なんですよ」
「早速調べさせてもらいますよ、すぐに終わりますので」
そう言うと、セイさんの父親はシュレイを調べ始めた。
シュレイが何かを言おうとしているのだろう、その言葉を聞いてケトロムは衝撃を受ける。
それを僕も聞き取ることが出来た。
ケトロムが衝撃を受けることも納得だと思う。
「……私は、自分自身に星魔法をかけてしまったの。彼に忠誠を誓うように」
それを言った瞬間、シュレイはガクッと膝をつく。
「シュレイ、お前!!」
「そうね。暴露すればするほど私は傷つく。でも、構わないわ」
顔は笑顔でも、額から汗が出ている。
「確かに、シュンに対して良い感情を持ってなかったのは事実よ。でも、最初は憎しみじゃなかった」
_____その感情は、彼に会ったことによってだんだんと増幅されていく。
彼と気持ちを共有すれば、少しは気持ちが楽になった。
でも、決定的にシュンに憎しみを抱いたのはシュンが入学した時だった。
それまでは気づいていなかったのだ。
酷い憎しみだった。
自分が怖くなって、シュレイは彼に相談を重ねていく。
彼は言葉巧みにシュレイを正当化していった。
だんだんと憎むことが悪いことではないと思うように……。
「でも、星魔法っていうのは憎めば憎むほど対象を痛めつけることが出来てしまう魔法なの」
シュレイはもう痛みに耐えかねるように倒れる。
とっさにケトロムが支えた。
「ありがとう。ケトロム……」
「もう話さなくていいから、本当はメチャメチャ痛いんだろ?」
「大丈夫よ、足……なんてもう感覚がないから……」
そう言ってシュレイは話を続ける。
シュンにかけた魔法は対象の魔法を封じる魔法だった。
しかし、何かがきっかけで魔法とともにシュン自身も封じ込まれてしまった。
「でも、結局彼にとっては私なんて捨て駒に過ぎないわよ。……彼が狙っているのはシュンじゃないもの」
声がだんだんと弱々しくなっていき、シュレイの口からは血が出てきている。
「あの……、ユナって子。彼は、シェイドは……それを……」
声はだんだんとぎれとぎれになっていく。
シュレイはなんとか言葉を紡いでいく。
「……神聖、魔法。彼が……ユナを、欲している……理由……」
かすれた、小さい声しか聞こえない。
もう、ケトロムは涙を堪えることは出来ていなかった。
でも、シュレイの決死の抵抗が無駄にならないように、静かに涙が頬をつたっていく。
「ケトロム……、だいすき……」
ケトロムの腕に支えられていた少女は、かくりと彼の手の上で力を失った。
辛いはずなのに、苦しいはずなのに、その顔はなんとも嬉しそうに見えた。
「やっと、解放されたんだね……シュレイ……」
ケトロムは、天を仰ぐように笑顔を見せ、そしてとめどなく涙を流した。
「まだ居たんですね……。どういうことですか!?」
長い時間が経ったようにも感じたが、割とすぐにハセさんがその光景を目撃した。
「シュレイさんが、星魔法を破ったんです」
「少なくとも、外傷は無いみたいだし貴方達二人が共謀してなければアリバイもあるけど……」
ハセさんはそう言うともう一度シュレイの方を見る。
「専門家を呼ばないと何の魔法でやられたかなんて分からないわよ。一応事情を聞かせてちょうだい」
「専門家なら今到着しましたよ」
そこにいたのは、ハルカさんやセイヨウ達、そしてセイさんだった。
「私の父親は星魔法研究の一任者なんですよ」
「早速調べさせてもらいますよ、すぐに終わりますので」
そう言うと、セイさんの父親はシュレイを調べ始めた。
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