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80話 僕は意志を受け継いでシュンになります
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僕が目を覚ますと真っ白な空間ではなく透明な結界の中だった。
彼と話していた時間はそんなには長くないはずなのだが、結構時間が経ったような気がする。
おそらく、現実世界では一瞬の出来事だっただろう。
「ガード解除」
ガード魔法は結界を解除するまでの時間が長いのが特徴で魔力上限が多ければ多いほど解除までの時間を減らすことができる。
外的要因で破壊されたとしても解除をしっかりしなければ次の魔法は使えない。
少々厄介な魔法ではあるがその分防御力は折り紙つきだ。
しかし、その魔法は今の僕には必要ない。
「サレスティ、さあ、来い!」
おそらくサレスティは僕が本来のシュンではなかったと見破っていたのだろう。
でも、今の僕はもう一心同体だ、サレスティが追いかけてきたライバルなんだ。
「遠慮なくいかせてもらうよ、シュン!」
「木の刃!」「Slash!」
鋭い木の葉と斬撃の攻撃が空中で相殺する。
ざっと百はあった木の葉の斬撃は全て一瞬のうちに切り刻まれた。
「全部、斬ってしまった……!?」
サレスティが驚くのも無理はない。
無属性魔法は一箇所に集中して使う魔法のため、多方向から来る魔法が弱点なのだ。
だが、空中に浮かんだ木魔法の魔力であれば多方向であっても一つの事象として処理できる。
「流石だよ、シュン。疑って悪かった」
おそらく、無属性魔法のために覚えてきた必殺技なのだろう。
どれだけ精神力が強くたって全く歯がたたないのは堪えるか?
「すごい、今回ばかりは今の僕じゃ敵わないってことがよく分かったよ」
むしろ今までは勝てるかもしれないと思っていたほうがすごいと思うのだが。
「少し修行をしてくることにしよう。シュンと対等にわたりあうためならいい機会だ」
やはり超楽観的な人間である。
いきなり転校してまた転校しましたっていうのははたまたどうかと思うが……特例卒業なんていうものがあってだな。
サレスティは今週いっぱいで学校に来ないことを即決していたのだった。
「次はシュンに勝つよ」
「ああ、ライバルなんだろ?」
サレスティはその言葉を聞いて、笑顔で僕にうなずいたのだった。
ーーーーーーーーーー
「……星魔法ですら、シュンには効かないようね」
暗い部屋の中で彼女は誰かと話している。
「いや、きちんと効果はあったようだぞ、現にあの時は効いていた」
「けど、作戦としては大失敗ですよ。何も事が起こせなかったんですから」
「まあ、引き続き頑張ってくれ。アトラト学園でな」
彼と話していた時間はそんなには長くないはずなのだが、結構時間が経ったような気がする。
おそらく、現実世界では一瞬の出来事だっただろう。
「ガード解除」
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外的要因で破壊されたとしても解除をしっかりしなければ次の魔法は使えない。
少々厄介な魔法ではあるがその分防御力は折り紙つきだ。
しかし、その魔法は今の僕には必要ない。
「サレスティ、さあ、来い!」
おそらくサレスティは僕が本来のシュンではなかったと見破っていたのだろう。
でも、今の僕はもう一心同体だ、サレスティが追いかけてきたライバルなんだ。
「遠慮なくいかせてもらうよ、シュン!」
「木の刃!」「Slash!」
鋭い木の葉と斬撃の攻撃が空中で相殺する。
ざっと百はあった木の葉の斬撃は全て一瞬のうちに切り刻まれた。
「全部、斬ってしまった……!?」
サレスティが驚くのも無理はない。
無属性魔法は一箇所に集中して使う魔法のため、多方向から来る魔法が弱点なのだ。
だが、空中に浮かんだ木魔法の魔力であれば多方向であっても一つの事象として処理できる。
「流石だよ、シュン。疑って悪かった」
おそらく、無属性魔法のために覚えてきた必殺技なのだろう。
どれだけ精神力が強くたって全く歯がたたないのは堪えるか?
「すごい、今回ばかりは今の僕じゃ敵わないってことがよく分かったよ」
むしろ今までは勝てるかもしれないと思っていたほうがすごいと思うのだが。
「少し修行をしてくることにしよう。シュンと対等にわたりあうためならいい機会だ」
やはり超楽観的な人間である。
いきなり転校してまた転校しましたっていうのははたまたどうかと思うが……特例卒業なんていうものがあってだな。
サレスティは今週いっぱいで学校に来ないことを即決していたのだった。
「次はシュンに勝つよ」
「ああ、ライバルなんだろ?」
サレスティはその言葉を聞いて、笑顔で僕にうなずいたのだった。
ーーーーーーーーーー
「……星魔法ですら、シュンには効かないようね」
暗い部屋の中で彼女は誰かと話している。
「いや、きちんと効果はあったようだぞ、現にあの時は効いていた」
「けど、作戦としては大失敗ですよ。何も事が起こせなかったんですから」
「まあ、引き続き頑張ってくれ。アトラト学園でな」
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