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30話 学力レベル
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テスト明け数日後。僕は何気なく学年順位が載っている掲示板をみた。
自分の名前が一番上にあるんですよね。点数も他より高いなぁ……。
「っていうか魔法学科の順位高くないか?他と比べて比率が多いんだな」
誰に言ったわけでもなかったが、その独り言はどうやら聞かれていたらしい。
「魔法学科は貴族の出が多いものでね。その他の人に比べるとそもそもやっていた勉強量が違う」
この声は聞き覚えがある……。もしもその人なら、なぜこんなところに?
「妹もこの学校の生徒なんだがどうやら君についで二位みたいだ。頑張っているようで何より」
間違いない。生徒会会長だ。名前はまだしらない。
妹が大好きというタレコミを頂いていましたがどうやらそのとおりのようです。真面目な感じを装っているが顔が隠しきれないくらい笑顔じゃないですかー。実際の妹がいたら一体どうなっちゃうんでしょうね。
「あ、お兄……」
「会長ー!探しましたよ、この書類会長の承認が必要なんで早めにお願いしますね」
妹が来る瞬間を狙ったかのようなクレミアの突撃だった。クレミアの圧倒的な笑顔に会長も苦笑いを浮かべつつ……。
少ししょんぼりとした生徒会会長の妹を未練がましく見ている生徒会長がなんというか不思議と違和感を感じなかった。
「あ、行っちゃった。クラスに戻ろう……」
生徒会長の妹。リボンの色は水色だ。てっきり生徒会長と同じ魔法学科だと思っていたので意外だった。
と、少し油断していたようだった。また後ろから肩に誰かがぶつかったようだった。
「んだよ、また言語学科のやつか。もっと気をつけろよ」
後ろから来る人を警戒するとかなかなかレベルの高い要求をおっしゃりますね。っていうかまた魔法学科の人か。顔はもう完全一致でこの前と同じ人だったので、おそらく故意でやっているのだろう。
しかも、今回は前回のように見逃してはくれなさそうだ。仕方ないので、やってやりますか。
全力逃走。逃げたら追いかけられるのは承知の上だ。でも、逃げるのは純粋に僕の十八番なんですよ。よーく集中すれば近くにいる人なら魔力の位置みたいなのが分かる。これはあの本を開いたときから使えるようになっていた。
つまり、後ろを見ずに背後を警戒できる。
レベルの高い要求、せっかくなのでこたえてやりましょう。
「やっと諦めたか」
人がまばらとなり、校舎も魔法学科からはだいぶ遠ざかった。やっと気づいたようだ。ここから全速力を出さないと始業までに魔法学科の校舎にたどり着かないと。
結構全速力で逃げてきたのでだいぶ汗をかいた。だが、向こうはそこから全速力で魔法学科の校舎に向かわなければならない。
結局、汗をかいた僕を見てクラスメイト達は変なやつを見るようにこちらを見てくる。
朝から内容が濃い一日であるが、本日もテストが控えております。
自分の名前が一番上にあるんですよね。点数も他より高いなぁ……。
「っていうか魔法学科の順位高くないか?他と比べて比率が多いんだな」
誰に言ったわけでもなかったが、その独り言はどうやら聞かれていたらしい。
「魔法学科は貴族の出が多いものでね。その他の人に比べるとそもそもやっていた勉強量が違う」
この声は聞き覚えがある……。もしもその人なら、なぜこんなところに?
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間違いない。生徒会会長だ。名前はまだしらない。
妹が大好きというタレコミを頂いていましたがどうやらそのとおりのようです。真面目な感じを装っているが顔が隠しきれないくらい笑顔じゃないですかー。実際の妹がいたら一体どうなっちゃうんでしょうね。
「あ、お兄……」
「会長ー!探しましたよ、この書類会長の承認が必要なんで早めにお願いしますね」
妹が来る瞬間を狙ったかのようなクレミアの突撃だった。クレミアの圧倒的な笑顔に会長も苦笑いを浮かべつつ……。
少ししょんぼりとした生徒会会長の妹を未練がましく見ている生徒会長がなんというか不思議と違和感を感じなかった。
「あ、行っちゃった。クラスに戻ろう……」
生徒会長の妹。リボンの色は水色だ。てっきり生徒会長と同じ魔法学科だと思っていたので意外だった。
と、少し油断していたようだった。また後ろから肩に誰かがぶつかったようだった。
「んだよ、また言語学科のやつか。もっと気をつけろよ」
後ろから来る人を警戒するとかなかなかレベルの高い要求をおっしゃりますね。っていうかまた魔法学科の人か。顔はもう完全一致でこの前と同じ人だったので、おそらく故意でやっているのだろう。
しかも、今回は前回のように見逃してはくれなさそうだ。仕方ないので、やってやりますか。
全力逃走。逃げたら追いかけられるのは承知の上だ。でも、逃げるのは純粋に僕の十八番なんですよ。よーく集中すれば近くにいる人なら魔力の位置みたいなのが分かる。これはあの本を開いたときから使えるようになっていた。
つまり、後ろを見ずに背後を警戒できる。
レベルの高い要求、せっかくなのでこたえてやりましょう。
「やっと諦めたか」
人がまばらとなり、校舎も魔法学科からはだいぶ遠ざかった。やっと気づいたようだ。ここから全速力を出さないと始業までに魔法学科の校舎にたどり着かないと。
結構全速力で逃げてきたのでだいぶ汗をかいた。だが、向こうはそこから全速力で魔法学科の校舎に向かわなければならない。
結局、汗をかいた僕を見てクラスメイト達は変なやつを見るようにこちらを見てくる。
朝から内容が濃い一日であるが、本日もテストが控えております。
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