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第二章
第38話 ガールズ
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大浴場は1階にあり、男湯と女湯に分かれている。2人は1階に降りると、女湯の暖簾をくぐり抜け、脱衣場で服を脱ぎ始めた。
「うわ、ヒマレ細い。羨ましいよー、色も白いし」
キリナは、下着姿のヒマレをジロジロ見つめながら嫉妬した。
「な、何言ってんのよ!キリナの方が実ってて羨ましいわよ」
(私の方が歳上なのに)
ヒマレはヒマレで、キリナの胸と自分の胸を見比べて、頬を膨らましながら嫉妬していた。
「そうかなぁ、ウチは太ってるだけだよー」
2人は話しながら、下着を全て脱ぎ終わると、ヒマレはタオルを巻き、キリナは全裸で浴場へと向かっていった。
「ヒマレ!何でタオルなんか巻いてんの!友達に隠し事する気!?」
先に、浴場へと足を踏み入れたキリナは、ヒマレの方を振り返り、指を指して軽く怒った。
「えー、だって恥ずかしいもん!」
一応ヒマレにも乙女なところがあったみたいだ。
「ヒーマーレー!」
キリナは眉間にシワを寄せた。
「んーーもう!分かったわよ、ほれい!」
キリナにしつこく言われたヒマレは、吹っ切れたように巻いていたタオルをぶん投げた。
「それでよーし!んじゃ行くぞー……飛び込めー!」
「えっ! お、おーう!!」
広々とした大浴場、大きな浴槽にはモクモクと湯気が立ち込める。そして、2人は、とびっきりの笑顔でお湯の中へダイブッ!
豪快に水しぶきが上がり、2人はまるで幼い少女のように楽しんでいた。
「あっはは!気持ちいい!いつもみたいに1人で入るのより、何倍も気持ちいい気がする」
「本当に気持ちいいね、こんな大きなお風呂、初めて入ったわ私」
それから2人は、天にも登るように癒された表情を見せ、ボケーっとしているうちに、時間だけが過ぎていた。そして、10分程くつろいだ後に、洗い場へと向かい、イスに腰を掛けた。
それぞれ髪の毛を洗い終えると、目の前に掛かっているタオルを泡立て始めた。そして、泡が十分に立つと、互いにイスを少し浮かせ、向き合う形をとった。
「あれ、ウチが先に背中流してあげるから、ヒマレはあっち向いて?」
「いいの?じゃあお言葉に甘えて……」
ヒマレは、クルッと逆を向き、キリナに背を向けた。そしてキリナは、タオルでヒマレの背中をゴシゴシ洗い始めた。
「あぁ、気持ちいわキリナちゃん。丁度いい力加減よ」
「本当?良かった、そう言ってもらえて。背中を流すって言葉さ、意味わかんなくない?だって擦ってるのに、背中を流すって、洗ってもないのに流したら意味無いじゃんね」
「ふふ、確かに。そんな事考えてもみなかったよ。私なんかより、キリナちゃんの方がよっぽど面白い人だよ」
「えー、そうかな」
「絶対そう!だからこれから、たっくさん仲間が出来るよ。キリナちゃんみたいに、素直で元気で優しい子には、必ず素敵な仲間が出来る!保証します」
「仲間かぁ……ありがとうヒマレ。でも、そんなに褒めても……何も出ないぞーー!!」
「わー、やめて!くすぐったい、くすぐったい!」
キリナは、ヒマレに言われた事がとても嬉しかった。その愛情表現が脇をくすぐるという技に出たのだ。
そして2人は、この後もふざけながら流し合いをしていた。気が付けば脱衣場に上がった頃には、1時間は経っており、ベロベロに逆上せたガールズは、おぼつかない足取りで、部屋へと帰っていった。
「「ふぅー」」
部屋に着いた2人は、同時にベッドに仰向けに寝転んだ。ソファでは、アグネロがまだ寝ている。窓の外は夕暮れだ。
「この服、とっても着心地が良いわ。私には勿体無いぐらい上質な洋服ね」
ヒマレは、キリナが用意した服の着心地がとても気に入っていた。
「まあ一応、王家の人間が着る物だし、みすぼらしい格好は出来ないからね」
「てことは高級……」
「超高級です!そのまま着てていいからね」
「ちょ、超高級ですと……。あ、有難く頂戴いたします」
ヒマレは、自分が超高級の洋服を身に纏う日が来るなんて思ってもみなかった。
「そんなの、いくらでもあげるのに。それにしてもさ……ネロちゃん、よくこんなに呑気に眠れるね、きっとお兄ちゃんは、緊張して色々考え込んでるはずだよ」
「そうね……。でも、意外と周りのことよく考えて、計算高い時もあるし、明日に備えて体力温存してるのかもよ」
「そうなのかなぁ……。お兄ちゃんは、根は真面目だから、自分のした選択が間違ってないか、親友を殴れるかとか、そんなことばっかり考えて眠れないと思うよ」
「イバラ、優しいもんね」
「うん、お兄ちゃんは本当は優しいの。だからネロちゃんとお兄ちゃーゴーガーゴー」
「いや、あんたも寝るんかい!」
アグネロの事を呑気と言っていたキリナも、話の途中で眠りについてしまった。恐らく、ヒマレのお陰で緊張がほぐれ、安心したのだろう。
「おやすみ、キリナちゃん」
ヒマレは、キリナに薄手のタオルケットをかけた。
「私も、疲れたし寝よ」
そうして、アグネロ、ヒマレ、キリナの3人は、夕日が落ちきる前に、明日に備えて就寝した。
「うわ、ヒマレ細い。羨ましいよー、色も白いし」
キリナは、下着姿のヒマレをジロジロ見つめながら嫉妬した。
「な、何言ってんのよ!キリナの方が実ってて羨ましいわよ」
(私の方が歳上なのに)
ヒマレはヒマレで、キリナの胸と自分の胸を見比べて、頬を膨らましながら嫉妬していた。
「そうかなぁ、ウチは太ってるだけだよー」
2人は話しながら、下着を全て脱ぎ終わると、ヒマレはタオルを巻き、キリナは全裸で浴場へと向かっていった。
「ヒマレ!何でタオルなんか巻いてんの!友達に隠し事する気!?」
先に、浴場へと足を踏み入れたキリナは、ヒマレの方を振り返り、指を指して軽く怒った。
「えー、だって恥ずかしいもん!」
一応ヒマレにも乙女なところがあったみたいだ。
「ヒーマーレー!」
キリナは眉間にシワを寄せた。
「んーーもう!分かったわよ、ほれい!」
キリナにしつこく言われたヒマレは、吹っ切れたように巻いていたタオルをぶん投げた。
「それでよーし!んじゃ行くぞー……飛び込めー!」
「えっ! お、おーう!!」
広々とした大浴場、大きな浴槽にはモクモクと湯気が立ち込める。そして、2人は、とびっきりの笑顔でお湯の中へダイブッ!
豪快に水しぶきが上がり、2人はまるで幼い少女のように楽しんでいた。
「あっはは!気持ちいい!いつもみたいに1人で入るのより、何倍も気持ちいい気がする」
「本当に気持ちいいね、こんな大きなお風呂、初めて入ったわ私」
それから2人は、天にも登るように癒された表情を見せ、ボケーっとしているうちに、時間だけが過ぎていた。そして、10分程くつろいだ後に、洗い場へと向かい、イスに腰を掛けた。
それぞれ髪の毛を洗い終えると、目の前に掛かっているタオルを泡立て始めた。そして、泡が十分に立つと、互いにイスを少し浮かせ、向き合う形をとった。
「あれ、ウチが先に背中流してあげるから、ヒマレはあっち向いて?」
「いいの?じゃあお言葉に甘えて……」
ヒマレは、クルッと逆を向き、キリナに背を向けた。そしてキリナは、タオルでヒマレの背中をゴシゴシ洗い始めた。
「あぁ、気持ちいわキリナちゃん。丁度いい力加減よ」
「本当?良かった、そう言ってもらえて。背中を流すって言葉さ、意味わかんなくない?だって擦ってるのに、背中を流すって、洗ってもないのに流したら意味無いじゃんね」
「ふふ、確かに。そんな事考えてもみなかったよ。私なんかより、キリナちゃんの方がよっぽど面白い人だよ」
「えー、そうかな」
「絶対そう!だからこれから、たっくさん仲間が出来るよ。キリナちゃんみたいに、素直で元気で優しい子には、必ず素敵な仲間が出来る!保証します」
「仲間かぁ……ありがとうヒマレ。でも、そんなに褒めても……何も出ないぞーー!!」
「わー、やめて!くすぐったい、くすぐったい!」
キリナは、ヒマレに言われた事がとても嬉しかった。その愛情表現が脇をくすぐるという技に出たのだ。
そして2人は、この後もふざけながら流し合いをしていた。気が付けば脱衣場に上がった頃には、1時間は経っており、ベロベロに逆上せたガールズは、おぼつかない足取りで、部屋へと帰っていった。
「「ふぅー」」
部屋に着いた2人は、同時にベッドに仰向けに寝転んだ。ソファでは、アグネロがまだ寝ている。窓の外は夕暮れだ。
「この服、とっても着心地が良いわ。私には勿体無いぐらい上質な洋服ね」
ヒマレは、キリナが用意した服の着心地がとても気に入っていた。
「まあ一応、王家の人間が着る物だし、みすぼらしい格好は出来ないからね」
「てことは高級……」
「超高級です!そのまま着てていいからね」
「ちょ、超高級ですと……。あ、有難く頂戴いたします」
ヒマレは、自分が超高級の洋服を身に纏う日が来るなんて思ってもみなかった。
「そんなの、いくらでもあげるのに。それにしてもさ……ネロちゃん、よくこんなに呑気に眠れるね、きっとお兄ちゃんは、緊張して色々考え込んでるはずだよ」
「そうね……。でも、意外と周りのことよく考えて、計算高い時もあるし、明日に備えて体力温存してるのかもよ」
「そうなのかなぁ……。お兄ちゃんは、根は真面目だから、自分のした選択が間違ってないか、親友を殴れるかとか、そんなことばっかり考えて眠れないと思うよ」
「イバラ、優しいもんね」
「うん、お兄ちゃんは本当は優しいの。だからネロちゃんとお兄ちゃーゴーガーゴー」
「いや、あんたも寝るんかい!」
アグネロの事を呑気と言っていたキリナも、話の途中で眠りについてしまった。恐らく、ヒマレのお陰で緊張がほぐれ、安心したのだろう。
「おやすみ、キリナちゃん」
ヒマレは、キリナに薄手のタオルケットをかけた。
「私も、疲れたし寝よ」
そうして、アグネロ、ヒマレ、キリナの3人は、夕日が落ちきる前に、明日に備えて就寝した。
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