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2日目②
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────それから1分後。
【契約内容※追記】
・婚約者同士とはいえ、互いに淫らな要求はしないこと。ただし、腕までの接触は契約内とする。
「これでどうだ?」
ひらりと手渡された契約書に目を通して、無言で頷く。
本音は一切皮膚の接触は行わないという文言にしてほしかったけれど、デリックの前で婚約者を演じないといけない手前、手の一つぐらいは握ってみせないといけない。さすがにそれは厳しいだろう。
「まぁ、及第点をあげるわ」
横柄に返事をすれば、レオナードはちょっとむっとした顔をしたけれど、無言で契約書を懐に戻した。
「で、婚約者さん、今日は私、何をすれば良いの?」
私の本日の予定は完了したけれど、まだ、この屋敷に来て1時間も滞在していない。ここでお暇しても良いのだろうか。良いなら良いで嬉しいけれど………………。
「そうだな、昨日は初日とはいえゆっくり自己紹介もできなかったら、改めて互いのことを知ろうではないか」
「………………はい」
渋々頷いたけれど、内心、メンドクサイ。カエリタイという単語がリフレインで回っている。そんな私の胸の内を知ってか知らずか、レオナードはこほんと咳払いをして口を開いた。
「ではまず、私から。名前はレオナード・ロフィ。今年で20歳で長男。恋人……………というか、街に片思いの女性がいる。以上」
「えっとでは、私の番ね。私の名前はミリア・ホーレンス。今年で17歳で兄が二人いるわ。貴方と違って、路ならなぬ恋はしていないし、する予定もないわ。以上」
お互い改めて自己紹介をしたけれど、互いに微妙な表情を浮かべてしまった。そりゃそうだ、一昨日のお見合いの席で自己紹介をした内容と、後半の恋人云々以外は、ほぼ一緒なのだから。
「ねぇ、レオナード?」
「ああ、皆まで言わなくてもわかっている。今更だったな」
「……………そうね」
そこで、同時に大きく息を吐いた。そして私は思わず本音を漏らしてしまった。
「婚約期間中って、一体、何をすれば良いのかしら?」
「一般的には結婚に向けての準備期間で、当人たちはお互いの絆を深める期間でもあるらしい」
私の問いにすかさず答えてくれたけれど、私の疑問はますます深まるばかりだった。
「じゃ、結婚もしない。互いの絆を深める必要もない私達は何をしたら良いの?」
小首を傾げた私に、レオナードは辟易して黙り込んでしまった。そして、かなり長い間、そのままでいたけれど、はっと何か閃いたようだ。
「そうだな、一先ず、この目の前のケーキを食べることじゃないか?」
「まぁ、それもそうね」
そして私達は。同時にフォークを手に取りケーキを食べだしたのであった。
ただ二人とも『ん?何か違う』と思ったけれど、それを口にすることは敢えてしなかった。契約2日目。私達はいきなり婚約者期間とはなんぞや!?という難題にぶつかってしまった。
先行き不安なこの状況を示すかのように、空も青空から曇り空へと変わっていく。
ただ、シェフが作ったチョコレートケーキは、中にベリーソースが仕込んであって本当に絶品だった。
【契約内容※追記】
・婚約者同士とはいえ、互いに淫らな要求はしないこと。ただし、腕までの接触は契約内とする。
「これでどうだ?」
ひらりと手渡された契約書に目を通して、無言で頷く。
本音は一切皮膚の接触は行わないという文言にしてほしかったけれど、デリックの前で婚約者を演じないといけない手前、手の一つぐらいは握ってみせないといけない。さすがにそれは厳しいだろう。
「まぁ、及第点をあげるわ」
横柄に返事をすれば、レオナードはちょっとむっとした顔をしたけれど、無言で契約書を懐に戻した。
「で、婚約者さん、今日は私、何をすれば良いの?」
私の本日の予定は完了したけれど、まだ、この屋敷に来て1時間も滞在していない。ここでお暇しても良いのだろうか。良いなら良いで嬉しいけれど………………。
「そうだな、昨日は初日とはいえゆっくり自己紹介もできなかったら、改めて互いのことを知ろうではないか」
「………………はい」
渋々頷いたけれど、内心、メンドクサイ。カエリタイという単語がリフレインで回っている。そんな私の胸の内を知ってか知らずか、レオナードはこほんと咳払いをして口を開いた。
「ではまず、私から。名前はレオナード・ロフィ。今年で20歳で長男。恋人……………というか、街に片思いの女性がいる。以上」
「えっとでは、私の番ね。私の名前はミリア・ホーレンス。今年で17歳で兄が二人いるわ。貴方と違って、路ならなぬ恋はしていないし、する予定もないわ。以上」
お互い改めて自己紹介をしたけれど、互いに微妙な表情を浮かべてしまった。そりゃそうだ、一昨日のお見合いの席で自己紹介をした内容と、後半の恋人云々以外は、ほぼ一緒なのだから。
「ねぇ、レオナード?」
「ああ、皆まで言わなくてもわかっている。今更だったな」
「……………そうね」
そこで、同時に大きく息を吐いた。そして私は思わず本音を漏らしてしまった。
「婚約期間中って、一体、何をすれば良いのかしら?」
「一般的には結婚に向けての準備期間で、当人たちはお互いの絆を深める期間でもあるらしい」
私の問いにすかさず答えてくれたけれど、私の疑問はますます深まるばかりだった。
「じゃ、結婚もしない。互いの絆を深める必要もない私達は何をしたら良いの?」
小首を傾げた私に、レオナードは辟易して黙り込んでしまった。そして、かなり長い間、そのままでいたけれど、はっと何か閃いたようだ。
「そうだな、一先ず、この目の前のケーキを食べることじゃないか?」
「まぁ、それもそうね」
そして私達は。同時にフォークを手に取りケーキを食べだしたのであった。
ただ二人とも『ん?何か違う』と思ったけれど、それを口にすることは敢えてしなかった。契約2日目。私達はいきなり婚約者期間とはなんぞや!?という難題にぶつかってしまった。
先行き不安なこの状況を示すかのように、空も青空から曇り空へと変わっていく。
ただ、シェフが作ったチョコレートケーキは、中にベリーソースが仕込んであって本当に絶品だった。
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初めまして、茂栖もすです。このお話は10:10に更新しています。時々20:20にも更新するので、良かったら覗いてみてください٩( ''ω'' )و
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