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物語のはじまり
黒歴史と認定します
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結局、私はそれから一週間寝込んだ。
言い換えると、一年間の疲れをたった一週間で癒したのだから、ある意味スゴイ。さすが10代。これぞ若さ。
でも、身体は復活したれど、心のダメージはそのまま。そして回復の見込みは立っていない。
…………まぁ、そりゃあそうだろう。
妹と言う名の現金払い出し機扱いをされたのだ。私の心がパリンッと割れるのは致し方無い。
しかも初恋&初カレが勘違いだったというダブルパンチときたものだ。ぶちゃけ、今、息できている自分が不思議でならない。
とはいえ、人間というのは残酷なものだ。熱にうなされながら、さんざん泣いて泣いて、泣き疲れると………妙に冷静になってしまう生き物。
そして私も人間なので、すっと心が冷えて、これまでのことを思い返してしまった結果、気付きたくもなかった色んなことに気付いてしまったのだ。
例えば、そういえば、学生時代、私に話しかけてくれたのって、春の学園祭の裏方の、面倒くさい雑用を引き受けて欲しいという内容だったなぁとか。
その後も、派手好きなマーカスは、何かと学校行事を仕切っていたけれど、その度に私は裏方の雑用を引き受けていたなぁとか。
挙句の果てには、単位が足りないからレポートを書くのを手伝って欲しいと言われたなぁとか。…………っていうか、ソレ同級生に頼むならともかく、2つ下の私に頼むのって、どうよ?
あ、今思えば、マーカスは同級生と連れ立って何かをするのを見たことがなかった。
彼はずっと面倒見の良い先輩という体で、後輩と共に過ごすことが殆どだった。しかも女の子限定で。
学校の授業のほとんどは、学年別ではなく選択制だった。だから私は、同級生からハブられていた彼というキャラを見抜くことができなかったのだ。
もっというと、街で再会したのって、あれって偶然だったのだろうか?私、あの日は、たまたま親の紹介で短期の仕事をした帰り道だったんだよなぁ。しかも日払いの。
その時の給料…………ああああああああぁっ!マーカスの話を聞いた後、給料袋ごと渡したんだった…………。アホだ私。自分からカモにしてと言ってるようなものだった。
最後に、もう言わなくて良いかもしれないけれど、彼と会う日は、いつも私の給料日。そして5分で解散だった。
と、冷静になって色々思い返せば、ガチで死にたくなるほど、私は勘違いをしまくっていたのだ。どこをどう見ても、私は、マーカスにとって都合の良い女でしかなかったのだ。
もちろん最初にきちんと言葉で彼の気持ちを確認しなかった自分に非がある。そうしても良いと思わせるチョロい部分が自分にあったことも認める。
でもね、敢えて言わせて欲しい。
けっ、恋なんてクソだわ。イケメンの発言なんて、もう二度と信じない、と。
そして、恋がこんなに辛いものなら、もう二度としないと決めた。結婚だってノーサンキュ!と、叫ばせて欲しい。
もう謂わば、これは私の黒歴史だ。
消せるものなら、消し去りたいし、過去に遡ることができるのであれば、春の学園祭から待ったを掛けたい。ま、そんなもん、できるわけないんだけどね。
でも、彼の夢って何だったんだろう。それだけはやっぱり気になる。知ったところで、手伝う気はさらさらないけれど。
会うたびにビッグになりたいと口にしていた彼だけれど、ま、まさか、勇者にでもなりたかったのだろうか。
もしそうなら、そのまま魔王にでも殺されてしまえば良いのに。いや、それ以前に、マーカスが勇者になれるような世界で生きている現実のほうがキツイ。嫌だ、そんなの。
っていうか、それをさっさと教えてくれていたら、私はちゃんと距離を置くことができた。とうか、ガチで引くことができた。さすがに、勇者になりたい彼を支える気には、なれなかっただろうから。
…………まぁそんなことはどうでも良いけれど────…………ふぅ、さて。この一年が黒歴史だったというのはわかったけれど、私、これから一体どうしたら良いのだろう。
幸いなことに、今、引き受けている仕事は無い。
だからこれからじっくりと心の傷を癒すのも良し。はたまた何か適当な仕事を始めて、自分磨きの為にお給料を使うのも良し。
でも、ぶっちゃけ頭ではそう考えても、その一歩が踏み出せない。なんというかものすごく疲れている。
それに、これまでずっと『恋人を健気に支える私』というオーラ出しまくりで、この街の至る所で働いてきた私。今更、どの顔を向けて街を歩けようか。
『シンシアちゃん、恋人とは順調?』など聞かれた日には、いっそ殺してと叫んでしまうだろう。
とはいえ、マーカスの為に死ぬなんてお断りだ。でも、外に出たくない。もう二度とマーカスには会いたくないし、もっというなら誰とも顔を合わせたくない。
─────ということで私は、散々悩んだ結果、とある結論を出すことにした。
言い換えると、一年間の疲れをたった一週間で癒したのだから、ある意味スゴイ。さすが10代。これぞ若さ。
でも、身体は復活したれど、心のダメージはそのまま。そして回復の見込みは立っていない。
…………まぁ、そりゃあそうだろう。
妹と言う名の現金払い出し機扱いをされたのだ。私の心がパリンッと割れるのは致し方無い。
しかも初恋&初カレが勘違いだったというダブルパンチときたものだ。ぶちゃけ、今、息できている自分が不思議でならない。
とはいえ、人間というのは残酷なものだ。熱にうなされながら、さんざん泣いて泣いて、泣き疲れると………妙に冷静になってしまう生き物。
そして私も人間なので、すっと心が冷えて、これまでのことを思い返してしまった結果、気付きたくもなかった色んなことに気付いてしまったのだ。
例えば、そういえば、学生時代、私に話しかけてくれたのって、春の学園祭の裏方の、面倒くさい雑用を引き受けて欲しいという内容だったなぁとか。
その後も、派手好きなマーカスは、何かと学校行事を仕切っていたけれど、その度に私は裏方の雑用を引き受けていたなぁとか。
挙句の果てには、単位が足りないからレポートを書くのを手伝って欲しいと言われたなぁとか。…………っていうか、ソレ同級生に頼むならともかく、2つ下の私に頼むのって、どうよ?
あ、今思えば、マーカスは同級生と連れ立って何かをするのを見たことがなかった。
彼はずっと面倒見の良い先輩という体で、後輩と共に過ごすことが殆どだった。しかも女の子限定で。
学校の授業のほとんどは、学年別ではなく選択制だった。だから私は、同級生からハブられていた彼というキャラを見抜くことができなかったのだ。
もっというと、街で再会したのって、あれって偶然だったのだろうか?私、あの日は、たまたま親の紹介で短期の仕事をした帰り道だったんだよなぁ。しかも日払いの。
その時の給料…………ああああああああぁっ!マーカスの話を聞いた後、給料袋ごと渡したんだった…………。アホだ私。自分からカモにしてと言ってるようなものだった。
最後に、もう言わなくて良いかもしれないけれど、彼と会う日は、いつも私の給料日。そして5分で解散だった。
と、冷静になって色々思い返せば、ガチで死にたくなるほど、私は勘違いをしまくっていたのだ。どこをどう見ても、私は、マーカスにとって都合の良い女でしかなかったのだ。
もちろん最初にきちんと言葉で彼の気持ちを確認しなかった自分に非がある。そうしても良いと思わせるチョロい部分が自分にあったことも認める。
でもね、敢えて言わせて欲しい。
けっ、恋なんてクソだわ。イケメンの発言なんて、もう二度と信じない、と。
そして、恋がこんなに辛いものなら、もう二度としないと決めた。結婚だってノーサンキュ!と、叫ばせて欲しい。
もう謂わば、これは私の黒歴史だ。
消せるものなら、消し去りたいし、過去に遡ることができるのであれば、春の学園祭から待ったを掛けたい。ま、そんなもん、できるわけないんだけどね。
でも、彼の夢って何だったんだろう。それだけはやっぱり気になる。知ったところで、手伝う気はさらさらないけれど。
会うたびにビッグになりたいと口にしていた彼だけれど、ま、まさか、勇者にでもなりたかったのだろうか。
もしそうなら、そのまま魔王にでも殺されてしまえば良いのに。いや、それ以前に、マーカスが勇者になれるような世界で生きている現実のほうがキツイ。嫌だ、そんなの。
っていうか、それをさっさと教えてくれていたら、私はちゃんと距離を置くことができた。とうか、ガチで引くことができた。さすがに、勇者になりたい彼を支える気には、なれなかっただろうから。
…………まぁそんなことはどうでも良いけれど────…………ふぅ、さて。この一年が黒歴史だったというのはわかったけれど、私、これから一体どうしたら良いのだろう。
幸いなことに、今、引き受けている仕事は無い。
だからこれからじっくりと心の傷を癒すのも良し。はたまた何か適当な仕事を始めて、自分磨きの為にお給料を使うのも良し。
でも、ぶっちゃけ頭ではそう考えても、その一歩が踏み出せない。なんというかものすごく疲れている。
それに、これまでずっと『恋人を健気に支える私』というオーラ出しまくりで、この街の至る所で働いてきた私。今更、どの顔を向けて街を歩けようか。
『シンシアちゃん、恋人とは順調?』など聞かれた日には、いっそ殺してと叫んでしまうだろう。
とはいえ、マーカスの為に死ぬなんてお断りだ。でも、外に出たくない。もう二度とマーカスには会いたくないし、もっというなら誰とも顔を合わせたくない。
─────ということで私は、散々悩んだ結果、とある結論を出すことにした。
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