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私と司令官さまの攻防戦
あの人との再会
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その日の夕刻、私は実家に帰らせてもらった。……残念ながら、一時帰宅だけれど。
補足だけど、軍人さん達は宿舎で毎日生活をしている。それは有事の際にすぐに動けるようにするため。だから、非番の人とか、用事がある時は外出は許可されている。
そして私も例外ではなく軍事規則に則り、宿舎で生活をしている。ちなみに今回は、逃亡ではなく、ちゃんと大義名分があっての外出。後ろめたさは皆無である。
それは、実家の薬草園から苗を分けてもらうため。
今朝、司令官さまから施設の薬草園の整備許可が下りたのを幸いに、私は、こうして堂々と外出できるようになったのだ。
本当に良かった。こうして、司令官さまと距離を取る口実ができて。
司令官さまは私に惚れていると言っていた。けれど、多分それは気の迷いだと思う。だって、私はもうイケメンに貢ぐことはできないから。そして、私はそれ以外、魅力的なものは持ってないのを、ちゃんと自覚している。
多分、司令官さまが、なんだかんだと私にアプローチをするのは、ゲーム感覚なんだろう。田舎娘を何日で口説き落とすことができるかどうか的なヤツ。
まったくもって趣味が悪いゲームだ。でも、その理由ならストンの胸に落ちる。殺意は湧くけれど。
でも、司令官さま、ごめんなさい。このゲームは負け確定でございます。次のターゲットに移った方が身のためです。
なんなら、私のヤツはノーカンにしていただいて結構です。そしてその流れで私をクビにしてください。でも、給料は日払いでお願いします。
ってなことを考えながら、私は久しぶりに夕暮れ時の街を歩く。
長く伸びた影。それを踏みながら歩けば、ふと、あの頃の気持ちが蘇ってくる。
仕事終わりに、ほんの少しでも、あの人の姿が見たくて、声が聞きたくて。どれだけ疲れていても、わざと遠回りして帰っていたあの日々を。
そして、偶然、私を見付けてくれたあの人が小走りに近づいて来て、『頑張ったね』『ありがとう』って言ってもらえる瞬間を待ちわびていた。………まぁ、会えた試しは一回もなかったけれど。
あ、嘘。一回、見かけたわ。
うっかり自己防衛本能で脳が記憶を消去しかけていたけれど、やっぱりあの衝撃は、忘れることはできない。
そして、それが引き金となって、あの日の出来事が芋づる式に思い出されていく。
くそっ。マジで胸が痛い。
ここ最近の私は、やらなくてもいい仕事まで見付けて忙しくしているので、あの日のことを思い出すことは殆どなかった。
でも、油断していた。私、まだ全然、立ち直っていなかったんだ。
思わずちっと舌打ちをしてしまう。でも、次の瞬間、私の足がピタリと止まった。なぜなら、向こうから歩いて来る人影があったから。しかも二人。その人は…………まさかのクズ男と、元同級生だった。
うげぇっと、声を上げたのは一瞬。すぐにどこかに隠れないとと、アタフタと辺りを見回す。
けれど、横道にそれたくてもここは一本道。しかも、身を隠すものは何もない。
そして、前方から来る二人は、当然のごとく私に気付いてしまった。
「あれ、シンシアじゃん?どうしたの?」
マーカスはすぐ隣に、元同級生をはべらせていながらも、バツの悪い顔をするどころか、何事もなかったかのように問うてくる。
「………どうって………別に……」
自分でも情けなるくらい狼狽えながら、私はきゅっとスカートの裾を握りしめて、歯切れの悪い言葉を紡ぐことしかできない。
そしてそんな私を見て、マーカスは申し訳なさそうに、眉を下げた。
「そっか。ごめんね。………でも、ありがとう」
「は?」
「だって、シンシア、今、軍事施設で働いているんだろ?それって、俺の為なんだろ?悪いな、シンシア」
「………………」
どうやらこのクズ男は、未だに私が自分の為にあくせく働いているのだと思っているようだ。
どうやったらそんな思考回路になるのかわからないけれど、相も変わらず、おめでたい考えの持ち主だ。
ちなみに、その隣にいる元同級生ことジェーンは、むっとした表情を浮かべている。
その表情は先日、司令官さまと市場を歩いた時に嫌というほど受けた、女性からの嫉妬のそれではない。
おそらくジェーンも、軍事施設の面接で不採用を食らった一人なのだろう。
そしてこんな地味な私が採用されたことに不満を持っているのだ。……マーカスがこうして異性と会話していることには腹を立てないのに。
なんだろう、ちょっとでも気を抜けば『なんなら変わってあげても良いわよ?』と意地の悪いことを言ってしまう自分がいる。
でも、そんなことを考えた私に、天罰が下ったようだ。
なぜだかわからないけれど、検分するように私の事を下から上に舐めるように見つめていたマーカスが、おもむろに口を開いた。
「あのさ、─────────してきてくれない?」
「………………っ」
マーカスは、今、言葉にするには憚られるようなことを、私に向かって言った。
それは今まで受けた中で、一番の衝撃だった。世界なんか滅んでしまえっと本気で願う程に。
でも、そう思ったのは、私だけ。マーカスはちょっと眉を上げて、更に言葉を重ねてくる。
「な?良いだろう?俺を助けると思ってさ。こんなの、シンシアにしか頼めないんだ」
視界の端で、堪えきれないといった感じで、ぷっと吹き出すジェーンが見える。
ああ、ジェーンは今、悪意を向けているのではなく、私を見下しているんだ。そして、私は馬鹿にされているんだ。それに気付いたら、とても恥ずかしかった。
………屈辱だ。消えてしまいたい。
震える手を何とか持ち上げて、ぎゅっと痛む胸を押さえる。
本当なら、あり得ない提案をされ、怒鳴りつけるべきなのに。なんで私は俯くことしかできないのだろう。それがとても情けない。
そう思っても、身体はカチコチに固まって、喉はカラカラ状態。それでもなんとか声を振り絞る。
「………それは…………ちょっと……私」
「は?まさか断る気?」
ちょっと濁した言葉を紡いだだけなのに、途端にマーカスは不機嫌な表情を浮かべた。
その表情を見て、私が断るわけがないと決めつけていたことを知る。再び、心臓が悲鳴を上げた。
「お前、俺を助けたいって言ったよな?なんだよ、お前の助けるってそんなもんだったのかよ。マジ、幻滅するわ」
すっと目を細めて、マーカスは冷たい声でそう言った。でもすぐに、にこりと笑みを浮かべ口を開く。
「でも、俺、まだお前のこと信じてるから。な?この話、受けてくれるよな?な?」
ご機嫌を取るような柔らかい口調になったマーカスは膝を折って、私の顔を覗き込む。
そして、マーカスに肩を掴まれそうになった瞬間、ふわりと身体が浮いた。次いで聞こえる、低音ハープのような涼やかな声。
「シア、遅くなってすまなかったね」
───は?どういうこと?
思考も視界も、ぐるりと回った瞬間、クズ男より何倍もイケメンのドアップをお見舞いされる。しかもその人は、今まで見た事のない、爽やかな笑みを浮かべていた。
もう気付いているかもしれないけれど、颯爽と現れたその人は司令官さま。
しかも、私を持ち上げたと思ったら、自分の腕に座らせるようにして抱きしめた。
「へぇ!?あ、あのちょっと………降ろしてください!!」
はっと我に返った私は、慌てて、もがき始めたるけれど、司令官さまは更に、その胸に抱き込んだ。
「こらこら、危ないぞ。まったく、ちょっと仕事が遅れただけなのに、そんなに拗ねないでくれ」
なんとも悲しそうな顔をしながら、でも蕩けるような視線を私に向けてくる。
な、な、なんなのっ、この状況っ。訳が分からない!!
驚きのあまり私は、ぱくぱくと口を開けることしかできない。
そんな私に、司令官さまはうっとりしとした視線を向ける。途端に、くらりと眩暈を覚えてしまった。
違うっ違うっ。私はクラクラしている場合じゃないっ。
とにかく、司令官さま、私を今すぐ降ろしてください!!
補足だけど、軍人さん達は宿舎で毎日生活をしている。それは有事の際にすぐに動けるようにするため。だから、非番の人とか、用事がある時は外出は許可されている。
そして私も例外ではなく軍事規則に則り、宿舎で生活をしている。ちなみに今回は、逃亡ではなく、ちゃんと大義名分があっての外出。後ろめたさは皆無である。
それは、実家の薬草園から苗を分けてもらうため。
今朝、司令官さまから施設の薬草園の整備許可が下りたのを幸いに、私は、こうして堂々と外出できるようになったのだ。
本当に良かった。こうして、司令官さまと距離を取る口実ができて。
司令官さまは私に惚れていると言っていた。けれど、多分それは気の迷いだと思う。だって、私はもうイケメンに貢ぐことはできないから。そして、私はそれ以外、魅力的なものは持ってないのを、ちゃんと自覚している。
多分、司令官さまが、なんだかんだと私にアプローチをするのは、ゲーム感覚なんだろう。田舎娘を何日で口説き落とすことができるかどうか的なヤツ。
まったくもって趣味が悪いゲームだ。でも、その理由ならストンの胸に落ちる。殺意は湧くけれど。
でも、司令官さま、ごめんなさい。このゲームは負け確定でございます。次のターゲットに移った方が身のためです。
なんなら、私のヤツはノーカンにしていただいて結構です。そしてその流れで私をクビにしてください。でも、給料は日払いでお願いします。
ってなことを考えながら、私は久しぶりに夕暮れ時の街を歩く。
長く伸びた影。それを踏みながら歩けば、ふと、あの頃の気持ちが蘇ってくる。
仕事終わりに、ほんの少しでも、あの人の姿が見たくて、声が聞きたくて。どれだけ疲れていても、わざと遠回りして帰っていたあの日々を。
そして、偶然、私を見付けてくれたあの人が小走りに近づいて来て、『頑張ったね』『ありがとう』って言ってもらえる瞬間を待ちわびていた。………まぁ、会えた試しは一回もなかったけれど。
あ、嘘。一回、見かけたわ。
うっかり自己防衛本能で脳が記憶を消去しかけていたけれど、やっぱりあの衝撃は、忘れることはできない。
そして、それが引き金となって、あの日の出来事が芋づる式に思い出されていく。
くそっ。マジで胸が痛い。
ここ最近の私は、やらなくてもいい仕事まで見付けて忙しくしているので、あの日のことを思い出すことは殆どなかった。
でも、油断していた。私、まだ全然、立ち直っていなかったんだ。
思わずちっと舌打ちをしてしまう。でも、次の瞬間、私の足がピタリと止まった。なぜなら、向こうから歩いて来る人影があったから。しかも二人。その人は…………まさかのクズ男と、元同級生だった。
うげぇっと、声を上げたのは一瞬。すぐにどこかに隠れないとと、アタフタと辺りを見回す。
けれど、横道にそれたくてもここは一本道。しかも、身を隠すものは何もない。
そして、前方から来る二人は、当然のごとく私に気付いてしまった。
「あれ、シンシアじゃん?どうしたの?」
マーカスはすぐ隣に、元同級生をはべらせていながらも、バツの悪い顔をするどころか、何事もなかったかのように問うてくる。
「………どうって………別に……」
自分でも情けなるくらい狼狽えながら、私はきゅっとスカートの裾を握りしめて、歯切れの悪い言葉を紡ぐことしかできない。
そしてそんな私を見て、マーカスは申し訳なさそうに、眉を下げた。
「そっか。ごめんね。………でも、ありがとう」
「は?」
「だって、シンシア、今、軍事施設で働いているんだろ?それって、俺の為なんだろ?悪いな、シンシア」
「………………」
どうやらこのクズ男は、未だに私が自分の為にあくせく働いているのだと思っているようだ。
どうやったらそんな思考回路になるのかわからないけれど、相も変わらず、おめでたい考えの持ち主だ。
ちなみに、その隣にいる元同級生ことジェーンは、むっとした表情を浮かべている。
その表情は先日、司令官さまと市場を歩いた時に嫌というほど受けた、女性からの嫉妬のそれではない。
おそらくジェーンも、軍事施設の面接で不採用を食らった一人なのだろう。
そしてこんな地味な私が採用されたことに不満を持っているのだ。……マーカスがこうして異性と会話していることには腹を立てないのに。
なんだろう、ちょっとでも気を抜けば『なんなら変わってあげても良いわよ?』と意地の悪いことを言ってしまう自分がいる。
でも、そんなことを考えた私に、天罰が下ったようだ。
なぜだかわからないけれど、検分するように私の事を下から上に舐めるように見つめていたマーカスが、おもむろに口を開いた。
「あのさ、─────────してきてくれない?」
「………………っ」
マーカスは、今、言葉にするには憚られるようなことを、私に向かって言った。
それは今まで受けた中で、一番の衝撃だった。世界なんか滅んでしまえっと本気で願う程に。
でも、そう思ったのは、私だけ。マーカスはちょっと眉を上げて、更に言葉を重ねてくる。
「な?良いだろう?俺を助けると思ってさ。こんなの、シンシアにしか頼めないんだ」
視界の端で、堪えきれないといった感じで、ぷっと吹き出すジェーンが見える。
ああ、ジェーンは今、悪意を向けているのではなく、私を見下しているんだ。そして、私は馬鹿にされているんだ。それに気付いたら、とても恥ずかしかった。
………屈辱だ。消えてしまいたい。
震える手を何とか持ち上げて、ぎゅっと痛む胸を押さえる。
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そう思っても、身体はカチコチに固まって、喉はカラカラ状態。それでもなんとか声を振り絞る。
「………それは…………ちょっと……私」
「は?まさか断る気?」
ちょっと濁した言葉を紡いだだけなのに、途端にマーカスは不機嫌な表情を浮かべた。
その表情を見て、私が断るわけがないと決めつけていたことを知る。再び、心臓が悲鳴を上げた。
「お前、俺を助けたいって言ったよな?なんだよ、お前の助けるってそんなもんだったのかよ。マジ、幻滅するわ」
すっと目を細めて、マーカスは冷たい声でそう言った。でもすぐに、にこりと笑みを浮かべ口を開く。
「でも、俺、まだお前のこと信じてるから。な?この話、受けてくれるよな?な?」
ご機嫌を取るような柔らかい口調になったマーカスは膝を折って、私の顔を覗き込む。
そして、マーカスに肩を掴まれそうになった瞬間、ふわりと身体が浮いた。次いで聞こえる、低音ハープのような涼やかな声。
「シア、遅くなってすまなかったね」
───は?どういうこと?
思考も視界も、ぐるりと回った瞬間、クズ男より何倍もイケメンのドアップをお見舞いされる。しかもその人は、今まで見た事のない、爽やかな笑みを浮かべていた。
もう気付いているかもしれないけれど、颯爽と現れたその人は司令官さま。
しかも、私を持ち上げたと思ったら、自分の腕に座らせるようにして抱きしめた。
「へぇ!?あ、あのちょっと………降ろしてください!!」
はっと我に返った私は、慌てて、もがき始めたるけれど、司令官さまは更に、その胸に抱き込んだ。
「こらこら、危ないぞ。まったく、ちょっと仕事が遅れただけなのに、そんなに拗ねないでくれ」
なんとも悲しそうな顔をしながら、でも蕩けるような視線を私に向けてくる。
な、な、なんなのっ、この状況っ。訳が分からない!!
驚きのあまり私は、ぱくぱくと口を開けることしかできない。
そんな私に、司令官さまはうっとりしとした視線を向ける。途端に、くらりと眩暈を覚えてしまった。
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