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不完全な婚約
♪婚約者として抱かれる夜②
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欲情をむき出しにされ、ベッドに組み敷かれた私は、すぐにレイディックから荒い愛撫を受けると思った。
けれど、彼は丁寧に私のナイトドレスを脱がしていく。
肩ひもを片側ずつ外し、剥き出しになったそこに口付けを落とす。と思ったら、今度は太ももに手を伸ばし、優しく撫で上げる。
その一つ一つの動作がひどくゆっくりで、私はとても、もどかしい気持ちになってしまう。
「レイ………そんなに、焦らさないで」
鎖骨と胸元の間を掃くように撫で続けるレイディックに、私はとうとう我慢ができず、抗議の声を出してしまう。
「ん?そろそろ欲しくなってきた?」
「…………そんなの聞かないで」
「どうして?」
「どうしてって………。だって恥ずかしいわ」
ちょっと拗ねた口調でそう言い返せば、レイディックはくすりと笑う。けれど、その瞳はどこか寂しげだった。
「恥ずかしがるアスティアは可愛いね。でも、ね。二人っきりなんだ。ちゃんと言ってよ」
熱い吐息と共に吐き出された言葉は、苦痛を堪えるような呻きにも似ていた。
そんな彼にどう言葉を掛けて良いのかわからず、じっと続きの言葉を待つことしかできない。
「あのねアスティア、君は知らないかもしれないけど、僕はね、アスティアが欲しくて欲しくて堪らないんだ。…………ああ、そっか…………そんなこと口で言わずに、身体で教えてあげれば良いんだね」
そう勝手に結論付けたレイディックは、荒々しく私のナイトドレスをはぎ取った。そして慌ただしく自分の服も脱ぎ捨てた。
春を迎えようとするこの季節、まだまだ肌寒いはずなのに、私は熱帯夜のように全身が汗ばんでいる。
それはすぐ側にいるレイディックも同じ。そして互いに熱い肌が触れあえば、のぼせてしまいそうになる。
「アスティア、気持ち良い?」
「んっ…………あっ、んっ」
レイディックは、私に覆いかぶさるようにして、の片方の胸を優しく揉みしだき、反対の手は胸の先端を優しく摘まむ。
そして、私が甘い声を上げれば、唇をよせゆっくりと舌を這わす。その力加減は絶妙で、私は無意識に腰を動かしてしまう。
「気持ち良さそうだね。嬉しいよ。………じゃあ、ここはどうかな?」
レイディックは、胸から唇を離して身体を起こすと、私の下着の紐を解く。片側は既に解かれていたので、彼は難なく私の身体から下着を引き抜いた。
そして、2本の指で襞を割り、潤いが溢れた入り口を円を描くようになぞる。
「あっ…………ん、んんっ」
びくりと身体は跳ねた瞬間、レイディックはすかさず私の足の間に移動した。そして私の足を大きく広げると、何の躊躇もなく顔を近づけた。
「良く見える。とっても気持ち良さそうだね。でも、ここが淋しそうだ」
潤った入り口から、溢れ出た雫を指ですくったレイディックは、そのまま花芯に擦り付ける。
「…………っん、あ、あんっ」
その痺れるような快感に身体を逸らした瞬間、レイディックは私の秘部に指を入れた。
そしてその指は、私の中を解すように動き始める。ぬちゃぬちゃと音を立てながら。それが堪らなく気持ちいい。気付けば私のそこは何の抵抗もなく彼の指を3本も受け入れていた。
けれど、彼の指で何度も絶頂を迎えても、それは愛撫に過ぎない。
「んんっ…………、…………あっ。ね、ねえ、レイ」
レイディックから与え続けられる快感に、身体は弛緩し、喉はからからだ。でも、一番求めているのは、喉を潤す水ではない。彼のもの。
そんな気持ちで、レイディックに手を伸ばす。そうすれば彼はちょっと意地の悪い笑みを私に向けた。
「ん?アスティア、僕が欲しいの?でもね、ちゃんと言ってくれないと、一番欲しいのはあげないよ」
「ん…………ほし」
「良い子だね。僕も、だよ」
優しい口付けをされたと同時に、レイディックの熱いものが体内に埋め込まれた。
「んっ、あっ、…………あんっ、ああっ」
焦らされたそこはレイディックのそれを嬉々として受け入れる。
「アスティア、すごい締め付けてるよ」
そう言って、レイディックは私の腰を掴み、更に奥へとそれを押し込める。
最奥を突き上げるそれは、昨晩より深く、そして力強い。まるで、その先へと力づくで進みそうな勢いだ。
「…………っ」
快楽は強い。けれど、さすがに痛みを感じ顔を顰めた途端、レイディックはくしゃりと顔を歪め、私を掻き抱いた。
「アスティア、苦しい?」
「ん…………んっ、す、少しだけ………」
身体を浮かすように抱かれ、その態勢も少し苦しい。
そんな私の苦痛を感じたレイディックは、腕を離すことなくベッドに倒れこんだ。そして、片腕を離して、私の頬に手を当てる。
「ごめんね。でも………不安なんだ」
「え?」
こんな時なのに、レイディックの言葉に目を丸くしてしまう。
だって、不安に思うのは私のほうだ。彼は私より身分が高く、そして欲しいものはその権力で容易に手に入れることができる人間なのに…………。これでは立場が逆だ。
「…………ねえ、アスティア、僕はどうしたら、もっと君に近づけるんだろう」
それは小さな小さな呟きで、私に答えを求めるものではなかった。そして、レイディックは私を覗き込みながら、今度は自嘲的に笑った。
「こんなに抱いていても、こんなに深くつながっても、僕はもっと君と繋がりたいんだ。僕はおかしいのかな?」
「…………レイ」
気付けば私は、そっとレイディックの髪に触れ、そのまま抱え込むように彼の頭を自分の胸に押し付けていた。
「私も同じ気持ちよ。だから………おかしくなんかないわ」
二人ともおかしいのなら、それで良い。むしろ、それが良い。
その気持ちはレイディックにちゃんと伝わったようだ。でも、彼は確認するかのように顔を上げ、私に縋るような視線を向けた。
「アスティア、ずっと僕の側に居てくれる?」
「もちろんよ、レイ」
強く頷けば、やっとレイディックはほっとしたような笑みを浮かべた。そして、再び身を起こすと、私の膝に手を掛け、律動を繰り返す。
「あ、ああっ…………っ、レイ」
彼の肩に腕を回して、私はあられもない声を上げる。
そうすれば、彼の動きは激しさを増す。そして───。
「もう、我慢できそうにない。ねえ、アスティア…………君の中で果てて良い?」
「…………来て、レイ」
何度も絶頂を迎えた私は、息も絶え絶えになりながら両手を伸ばして、彼を全身で求める。
そうすれば、レイディックは私の手に自分の指を絡ませ、そのままシーツに押し付けた。そして、くっと低く呻いて私の奥で熱いものを吐き出した。
───ただ全てを出し終えた彼の顔は、何だか泣いているように見えた。
けれど、彼は丁寧に私のナイトドレスを脱がしていく。
肩ひもを片側ずつ外し、剥き出しになったそこに口付けを落とす。と思ったら、今度は太ももに手を伸ばし、優しく撫で上げる。
その一つ一つの動作がひどくゆっくりで、私はとても、もどかしい気持ちになってしまう。
「レイ………そんなに、焦らさないで」
鎖骨と胸元の間を掃くように撫で続けるレイディックに、私はとうとう我慢ができず、抗議の声を出してしまう。
「ん?そろそろ欲しくなってきた?」
「…………そんなの聞かないで」
「どうして?」
「どうしてって………。だって恥ずかしいわ」
ちょっと拗ねた口調でそう言い返せば、レイディックはくすりと笑う。けれど、その瞳はどこか寂しげだった。
「恥ずかしがるアスティアは可愛いね。でも、ね。二人っきりなんだ。ちゃんと言ってよ」
熱い吐息と共に吐き出された言葉は、苦痛を堪えるような呻きにも似ていた。
そんな彼にどう言葉を掛けて良いのかわからず、じっと続きの言葉を待つことしかできない。
「あのねアスティア、君は知らないかもしれないけど、僕はね、アスティアが欲しくて欲しくて堪らないんだ。…………ああ、そっか…………そんなこと口で言わずに、身体で教えてあげれば良いんだね」
そう勝手に結論付けたレイディックは、荒々しく私のナイトドレスをはぎ取った。そして慌ただしく自分の服も脱ぎ捨てた。
春を迎えようとするこの季節、まだまだ肌寒いはずなのに、私は熱帯夜のように全身が汗ばんでいる。
それはすぐ側にいるレイディックも同じ。そして互いに熱い肌が触れあえば、のぼせてしまいそうになる。
「アスティア、気持ち良い?」
「んっ…………あっ、んっ」
レイディックは、私に覆いかぶさるようにして、の片方の胸を優しく揉みしだき、反対の手は胸の先端を優しく摘まむ。
そして、私が甘い声を上げれば、唇をよせゆっくりと舌を這わす。その力加減は絶妙で、私は無意識に腰を動かしてしまう。
「気持ち良さそうだね。嬉しいよ。………じゃあ、ここはどうかな?」
レイディックは、胸から唇を離して身体を起こすと、私の下着の紐を解く。片側は既に解かれていたので、彼は難なく私の身体から下着を引き抜いた。
そして、2本の指で襞を割り、潤いが溢れた入り口を円を描くようになぞる。
「あっ…………ん、んんっ」
びくりと身体は跳ねた瞬間、レイディックはすかさず私の足の間に移動した。そして私の足を大きく広げると、何の躊躇もなく顔を近づけた。
「良く見える。とっても気持ち良さそうだね。でも、ここが淋しそうだ」
潤った入り口から、溢れ出た雫を指ですくったレイディックは、そのまま花芯に擦り付ける。
「…………っん、あ、あんっ」
その痺れるような快感に身体を逸らした瞬間、レイディックは私の秘部に指を入れた。
そしてその指は、私の中を解すように動き始める。ぬちゃぬちゃと音を立てながら。それが堪らなく気持ちいい。気付けば私のそこは何の抵抗もなく彼の指を3本も受け入れていた。
けれど、彼の指で何度も絶頂を迎えても、それは愛撫に過ぎない。
「んんっ…………、…………あっ。ね、ねえ、レイ」
レイディックから与え続けられる快感に、身体は弛緩し、喉はからからだ。でも、一番求めているのは、喉を潤す水ではない。彼のもの。
そんな気持ちで、レイディックに手を伸ばす。そうすれば彼はちょっと意地の悪い笑みを私に向けた。
「ん?アスティア、僕が欲しいの?でもね、ちゃんと言ってくれないと、一番欲しいのはあげないよ」
「ん…………ほし」
「良い子だね。僕も、だよ」
優しい口付けをされたと同時に、レイディックの熱いものが体内に埋め込まれた。
「んっ、あっ、…………あんっ、ああっ」
焦らされたそこはレイディックのそれを嬉々として受け入れる。
「アスティア、すごい締め付けてるよ」
そう言って、レイディックは私の腰を掴み、更に奥へとそれを押し込める。
最奥を突き上げるそれは、昨晩より深く、そして力強い。まるで、その先へと力づくで進みそうな勢いだ。
「…………っ」
快楽は強い。けれど、さすがに痛みを感じ顔を顰めた途端、レイディックはくしゃりと顔を歪め、私を掻き抱いた。
「アスティア、苦しい?」
「ん…………んっ、す、少しだけ………」
身体を浮かすように抱かれ、その態勢も少し苦しい。
そんな私の苦痛を感じたレイディックは、腕を離すことなくベッドに倒れこんだ。そして、片腕を離して、私の頬に手を当てる。
「ごめんね。でも………不安なんだ」
「え?」
こんな時なのに、レイディックの言葉に目を丸くしてしまう。
だって、不安に思うのは私のほうだ。彼は私より身分が高く、そして欲しいものはその権力で容易に手に入れることができる人間なのに…………。これでは立場が逆だ。
「…………ねえ、アスティア、僕はどうしたら、もっと君に近づけるんだろう」
それは小さな小さな呟きで、私に答えを求めるものではなかった。そして、レイディックは私を覗き込みながら、今度は自嘲的に笑った。
「こんなに抱いていても、こんなに深くつながっても、僕はもっと君と繋がりたいんだ。僕はおかしいのかな?」
「…………レイ」
気付けば私は、そっとレイディックの髪に触れ、そのまま抱え込むように彼の頭を自分の胸に押し付けていた。
「私も同じ気持ちよ。だから………おかしくなんかないわ」
二人ともおかしいのなら、それで良い。むしろ、それが良い。
その気持ちはレイディックにちゃんと伝わったようだ。でも、彼は確認するかのように顔を上げ、私に縋るような視線を向けた。
「アスティア、ずっと僕の側に居てくれる?」
「もちろんよ、レイ」
強く頷けば、やっとレイディックはほっとしたような笑みを浮かべた。そして、再び身を起こすと、私の膝に手を掛け、律動を繰り返す。
「あ、ああっ…………っ、レイ」
彼の肩に腕を回して、私はあられもない声を上げる。
そうすれば、彼の動きは激しさを増す。そして───。
「もう、我慢できそうにない。ねえ、アスティア…………君の中で果てて良い?」
「…………来て、レイ」
何度も絶頂を迎えた私は、息も絶え絶えになりながら両手を伸ばして、彼を全身で求める。
そうすれば、レイディックは私の手に自分の指を絡ませ、そのままシーツに押し付けた。そして、くっと低く呻いて私の奥で熱いものを吐き出した。
───ただ全てを出し終えた彼の顔は、何だか泣いているように見えた。
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