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最低最悪の再会

♪幸福な夢の続きは、悪夢の始まりで④

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 フード男のものを全て受け入れても、痛みはそれで治まるわけではなかった。

「………………ん゛、ん゛っ」

 身体の内側から圧迫される苦しさと、入り口付近のズキズキとした痛みで、無意識に呻き声を出してしまう。

 そんな私を気遣っているのか、フード男は動こうとしない。ただ、どうして良いのか戸惑っているわけではない。私の痛みが落ち着くまで、待っているのだろう。

 そんな男に向かって私は首を横に振る。

 この口枷を外して欲しいと。

 今、肺に届いているのは、鼻から入る僅かな空気。でも、そんな細い息では、いつまで経っても、息苦しいまま。 
 
 そんな気持ちで何度も首を振って、フード男に伝えれば、その人はようやっと気づいたようで、私の後頭部を持ち上げると、口枷を解いてくれた。ただ、今度は男の手で塞がれてしまった。

 声を出すな。出したらまた、口枷をする。そう言っているかのように。

 その要求を呑む意思を伝える為に、今度は首を縦に振る。それは、一回で伝わったようで、フード男は1本ずつ、ゆっくりと指を外していった。

「はぁー…………はぁ、はぁ」

 やっと自由に呼吸ができるようになり、とにもかくにも私は肺いっぱいに空気を吸い込んだ。そして、それを何度か繰り返した後、フード男にもう一つ、要求をした。

「お願い、手首のこれも外して」
 「……………………」

 フード男は即座に首を横に振った。要求は一つしか呑めないという言うように。

 そして、この話はもう終わりと言わんばかりに、私の腰を掴むと、中のそれをゆっくりと動かした。

「痛っ」

 ようやっと治まりかけたそこから、再び鋭い痛みが走った。

 けれど、痛みとは裏腹に私の秘部はくちゅりと卑猥な音を立てる。その音はフード男の耳にも届いてしまっていたようで、男はにやりと口元に笑みを浮かべた。

 ────くちゅ、くちゅ。

 小刻みに腰を動かし、フード男はわざと、私を煽るかのように、濫りがわしい音を部屋に響かせる。

「いや…………、やめて……………んっ」

 必死に小声で懇願するが、フード男は更に卑猥な音を立て続ける。

 そして、嫌と拒みながらも私の中からは、どんどん雫が溢れ出ている。身体も、それと同じく痛みではなく別のものを強く感じ始めていた。

「……………………」

 フード男は、潤いが増したのを感じて、私の痛みが治まったことに気付いたのだのだろう。本格的に腰を動かし始めた。

 単調な動作の中でも、最初は探るように動いていたそれは、次第に激しさを増していく。そして、私の敏感な部分を力強く刺激する。

「あっ、待って………また………アレが………。いや、やめてっ」

 フード男の熱いものが、私の中の弱い部分を同時に刺激すれば、痛みなど忘れ、再び快感に押し上げられそうになる。

「……………………」 

 その私の言葉に煽られるかのように、急に私の中で暴れるフード男の質量がぐっと増したような気がした。次いで、男の動きが激しくなる。何かを終わらせようとするように。

 でも、この時間が終焉に近づくということは、即ちこの男の欲求が吐き出されるということ。

 …………どこに?

 そんな疑問が浮かんだ途端、恐怖が全身を包んだ。

「待って、やめてっ」

 それに気付いて、慌ててフード男のものから逃れるように身動ぎする。が、しっかりと腰を掴まれていては、逃げ出すことなどできない。

 そして、フード男のものがこれ以上ないほど膨張したと思った瞬間、くっと、男が呻いた。次いで、自分の身体の奥に、男のものがどくどくと脈打つのと、断続的に吐き出される感覚を確かに感じた。

「…………そんな…………ひどい」

 はたはたと涙が零れ落ちる。

 夢から醒めてしまえば、後悔だけが残る。

 半分、自暴自棄になっていたとはいえ、私はなんて愚かなことをしてしまったのだろう。この結果が、最悪の事態を招いてしまうかもしれないことを、知識としてちゃんと知っていたはずなのに。

 それによくよく考えたら、私が純潔を捧げたかったあの人がここに来ることなんて有り得なかったはずなのに。あの人は村から去った後、手紙一つよこさなかったというのに。都合よく、こんな時に現れるはずなんてなかった。

 あの人が恋しかった。あの日、私にくれた約束を叶えて欲しかった。そんな気持ちを捨てきずにいた結果が───これだ。

 絶望と後悔を通り越した虚無感で、全身の力が抜けていく。それと同時に、まだ質量をそのままにしている男のものが静かに引き抜かれた。

 どろりと太ももまで伝わる暖かい粘度のある液体は、体外に出た途端、熱を奪われ冷たいものに変わっていった。

「……………………」

 視線を感じて見上げれば、フード男は泣いている私を不思議そうにじっと私を見つめている。

 それが無性に腹が立った。

「満足しましたか?」
「……………………」

 今更気丈な態度を取っても遅いことは自分自身が一番理解している。けれど、そう言わずにはいられなかった。

「満足したなのら、さっさと出ていってください」
 
 泣いている顔を見られたくなくて、精一杯の虚勢でフード男に向かってそう言い放った。

 我に返った今、この男が、あの人なんかじゃないことはわかった。だからもう、この男が誰かなんて審議を確かめる必要などない。知りたくもない。

 そんな気持ちで睨みつけた。けれど────。

 ─────ぎりっ。

 しんとした部屋に、奥歯を噛み締める音がやけに大きく響いた。数拍遅れて、その音が、このフード男から発せられたことに気付く。

「……………………」

 何も言わないフード男からは、怒りと悔しさがピリピリとした空気で伝わってきた。

「………何で?どうし…………──────ひぃっ、いや、やめてっ」

 純粋な疑問をぶつけようとしたその瞬間、フード男は再び私の襞を割った。しかも、秘部のから漏れた、この男の吐き出した残滓をすくい上げ、私の中にねじ込んだのだ。 

 吐き出されたものを再び押し込まれるのは、恐怖より屈辱のほうが強かった。

「お願いっ、やめてっ」

 そう叫んでもどうにもならない現実に、悔しさで唇を噛む。そんな私を、フード男は一瞥すると、今度は手を伸ばして私の胸を鷲掴みにした。

「痛っ…………んっ、あっ」

 乱暴に扱われたのは一瞬だった。

 すぐに私の胸は柔らかく揉みしだかれ、つんと尖った先端を細い指が軽く摘まむ。そして、残滓をねじ入れたその指は、最奥に届いていた。

「あっ、んっ、…………ああっ、いやっ」

 胸と秘部。両方に痛い程の刺激を与えられ、私は身を仰け反らせる。そして望まない快感に襲われ、そのまま意識を手放してしまった。 
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