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1.ロイド殿下は婚約破棄を望んでいる!?(4)
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教室に入ると、みんな私の姿を見て驚いていた。
ざわざわとしばらくざわつき、マリアに至っては、熱があるのではないか、頭がイカれたのではないかなど、散々な言いようだった。
騒ぐ周囲を牽制しつつ、あっという間に昼食時間になり、私はサラが作ってくれたお弁当を手に、早速約束の庭園へ向かう。
庭園に着くと、私の予想通りそこにはサマンモナス嬢と殿下がいる。
これだ。私が狙っていたのは。
私は、ゆっくりと2人に足を進めると、目の前にドンっと立ってやった。
「ごきげんよう。殿下、サマンモナス様」
「あ、来たねカリエ。じゃあサマンモナス嬢、また後で」
「え、あ、はい…」
殿下はさすがに私を朝見ていたので、動じていない様子だったが、サマンモナス嬢は様変わりした私を見て、驚いた後、焦ったような目をしている。
「いいえ、サマンモナス様も一緒に食べましょう」
「え?」
私たちの側を離れようとしたサマンモナス嬢を引き留め、私は殿下の右隣りに腰かける。
サマンモナス嬢はてんぱったような様子を見せると、私の誘いを断れないこともあって、殿下の左隣に座った。
「カリエ、どうしたの?いつもは2人で」
「サマンモナス様はどのようなお食事を持ってこられているの?」
殿下がオロオロしたように私に言いかけたが、すぐに遮り、私はサマンモナス嬢に目を向けた。
サマンモナス嬢は現状況が理解できていないようだが、すぐにお弁当の包みを外し、私に見せる。
そこには綺麗に作られたサンドウィッチがあった。
「あら、そんな庶民的なお食事を好まれるのね」
私は持って来ていた扇子を広げ、また口に当てると鼻で笑って言う。
その言い方は端から見れば、馬鹿にしたように感じるだろう。
まあ、実際そういう雰囲気が伝わるように言ってるんだけど。
「え…あ…」
サマンモナス嬢は私に言われたことを気にしたのか、顔を真っ赤にさせ、お弁当の蓋を閉めた。
「カリエ、どうしたの?君らしくない」
さすがの殿下も眉を寄せ、私に強い目を向けて来た。
しかし、ここで負けるわけにはいかない。
「私らしくないってどういうことですの?私はいつもこうですわ。
何が気に入らないのか知りませんけど、そんな庶民のようなものを食べるご令嬢がいいなら、そちらの方とお食事されてはいかがですか?私は失礼します」
「カリエ!」
私は広げかけたお弁当を閉め直すと、すぐに立ち上がり、殿下が制止する声も聞かずに足早に去った。
そして、角に差し掛かると、見えない所でしゃがみ、大きく脈打つ心臓を鎮めるために目を閉じる。
「これでいい…これでいいの」
ぐっと痛む心臓に言いかけ、私は再度立ち上がると遠目に見える殿下とサマンモナス嬢に目を向ける。
殿下が何かサマンモナス嬢に言っているようだけれど、サマンモナス嬢の笑った表情を見る限り、私の代わりに謝ってくれたのだろう。
ホッと胸を撫で下ろし、笑顔を向け合う2人を背に私が去ろうと振り向いた時、間近にいたマリアにぶつかった。
「った!マ、マリア!?」
まさかこんな近距離にマリアがいたとは思わず、大きな声を上げる。
「あなたの様子がおかしいから気になって来てみたら…
カリエ、何をしているのかしら。
説明をしてもらえる?」
恐らくマリアは全て見ていたのだろう。
私の行動に対して怪訝そうな顔を見せると、少し怒った口調で言って来た。
もうこうなるとマリアはしつこい。
私は仕方なく、今回私がしていること、考えていることを説明することにした。
ざわざわとしばらくざわつき、マリアに至っては、熱があるのではないか、頭がイカれたのではないかなど、散々な言いようだった。
騒ぐ周囲を牽制しつつ、あっという間に昼食時間になり、私はサラが作ってくれたお弁当を手に、早速約束の庭園へ向かう。
庭園に着くと、私の予想通りそこにはサマンモナス嬢と殿下がいる。
これだ。私が狙っていたのは。
私は、ゆっくりと2人に足を進めると、目の前にドンっと立ってやった。
「ごきげんよう。殿下、サマンモナス様」
「あ、来たねカリエ。じゃあサマンモナス嬢、また後で」
「え、あ、はい…」
殿下はさすがに私を朝見ていたので、動じていない様子だったが、サマンモナス嬢は様変わりした私を見て、驚いた後、焦ったような目をしている。
「いいえ、サマンモナス様も一緒に食べましょう」
「え?」
私たちの側を離れようとしたサマンモナス嬢を引き留め、私は殿下の右隣りに腰かける。
サマンモナス嬢はてんぱったような様子を見せると、私の誘いを断れないこともあって、殿下の左隣に座った。
「カリエ、どうしたの?いつもは2人で」
「サマンモナス様はどのようなお食事を持ってこられているの?」
殿下がオロオロしたように私に言いかけたが、すぐに遮り、私はサマンモナス嬢に目を向けた。
サマンモナス嬢は現状況が理解できていないようだが、すぐにお弁当の包みを外し、私に見せる。
そこには綺麗に作られたサンドウィッチがあった。
「あら、そんな庶民的なお食事を好まれるのね」
私は持って来ていた扇子を広げ、また口に当てると鼻で笑って言う。
その言い方は端から見れば、馬鹿にしたように感じるだろう。
まあ、実際そういう雰囲気が伝わるように言ってるんだけど。
「え…あ…」
サマンモナス嬢は私に言われたことを気にしたのか、顔を真っ赤にさせ、お弁当の蓋を閉めた。
「カリエ、どうしたの?君らしくない」
さすがの殿下も眉を寄せ、私に強い目を向けて来た。
しかし、ここで負けるわけにはいかない。
「私らしくないってどういうことですの?私はいつもこうですわ。
何が気に入らないのか知りませんけど、そんな庶民のようなものを食べるご令嬢がいいなら、そちらの方とお食事されてはいかがですか?私は失礼します」
「カリエ!」
私は広げかけたお弁当を閉め直すと、すぐに立ち上がり、殿下が制止する声も聞かずに足早に去った。
そして、角に差し掛かると、見えない所でしゃがみ、大きく脈打つ心臓を鎮めるために目を閉じる。
「これでいい…これでいいの」
ぐっと痛む心臓に言いかけ、私は再度立ち上がると遠目に見える殿下とサマンモナス嬢に目を向ける。
殿下が何かサマンモナス嬢に言っているようだけれど、サマンモナス嬢の笑った表情を見る限り、私の代わりに謝ってくれたのだろう。
ホッと胸を撫で下ろし、笑顔を向け合う2人を背に私が去ろうと振り向いた時、間近にいたマリアにぶつかった。
「った!マ、マリア!?」
まさかこんな近距離にマリアがいたとは思わず、大きな声を上げる。
「あなたの様子がおかしいから気になって来てみたら…
カリエ、何をしているのかしら。
説明をしてもらえる?」
恐らくマリアは全て見ていたのだろう。
私の行動に対して怪訝そうな顔を見せると、少し怒った口調で言って来た。
もうこうなるとマリアはしつこい。
私は仕方なく、今回私がしていること、考えていることを説明することにした。
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