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「莉乃さん、見てたでしょ?」
煌大の言葉にドキっとした。
どうやら煌大は私が席を移動する前から私の姿に気づいていたようだ。
私があたふたしだすと、煌大がくすっと笑った。
「顔が不安そうだったんで、可愛くてつい笑っちゃいました。悠生さんには何笑ってんだって怒られたんですけどね。俺と悠生さんが一緒にいて嫉妬しました?」
煌大は少しいじわるそうに笑みを見せる。
「嫉妬なんてしてないよ!」
少し心を落ち着かせるためにコーヒーを口に含んだと同時に、煌大から衝撃的な言葉が出てきたため、吹き出しそうになった。
慌てて紙ナプキンで口元を隠すと、私は顔が熱くなることを感じながら大きな声で否定したが、私の顔を見が全てを物語っているのか、煌大はくくっと笑いながら楽しそうにしている。
「笑わないでよ!」
私は余計に恥ずかしくなり、顔が一段と暑くなったことを感じる。
煌大は、ごめんなさいと言いつつも、笑いが止まらないのか、ずっと肩を震わせていた。
結局、私の思い違いだったようで、どっと安心したのを感じる。
悠生さんと煌大の関係を少しでも疑った私が恥ずかしい。
煌大も、私が嫉妬しているって分かっていつつも、うざがらず、それを喜ぶなんておかしな人だなとも思うが、そんな煌大を見てすごく安心できた。
今までは、少しでも嫉妬を見せようものなら、重すぎとか、考えすぎとか色々言われて、関係が悪化したこともあったから、ダメなんだって思ってたんだけど、そこまで悪いことでもないのかもしれない。
「そうだ莉乃さん、今から映画行きません?」
たんまり笑った煌大は、肩で息を切らしながら、笑いすぎで出てきた涙を指で掬いながら言った。
「映画?」
「はい。莉乃さんはアクション、アニメ、ホラー、どれが好きですか?」
映画なんてここ数年行っていない。
今も何を上映しているか分からず返答に困っていると、それを分かってか煌大が選択肢を出してくれた。
「そうだなぁ…ホラーとかは結構見るかな…」
「じゃぁホラー見に行きましょう。今ちょうど怖くて有名なホラー映画やってるんですよ」
そう言うと、煌大は予告編の動画を見せてくれた。
確かに予告編だけでも結構ホラー感は強そうだし、しかもホラー界隈でなくとも有名な監督の名前がある。
これは結構期待できそうだ。
「いいね!行こう」
早速私たちは近くの映画館を調べ、時間に間に合うように向かった。
映画館に着くと、平日の夕方近くとあってか、あまりお客さんはいないようだ。
「これならどこでも座れそうですね」
映画券を買うために販売機を眺めながら煌大が言う。
確かに座席もかなり空いているようだ。
一応今の段階で、席の6分の1くらい人はいそうだが、好きな席を選べる状況だった。
私たちは、ど真ん中の席を選ぶと、もうすぐ始まるということもあって、映画館定番のポップコーンと飲み物を買い、すぐに上映場所に入る。
ホラーを映画館で見るなんてしたことがない私は、かなり期待していた。
大画面の映像に、迫力ある音。
きっと楽しい。
しかし、それは私の思い込みでしかなかったのだ。
煌大の言葉にドキっとした。
どうやら煌大は私が席を移動する前から私の姿に気づいていたようだ。
私があたふたしだすと、煌大がくすっと笑った。
「顔が不安そうだったんで、可愛くてつい笑っちゃいました。悠生さんには何笑ってんだって怒られたんですけどね。俺と悠生さんが一緒にいて嫉妬しました?」
煌大は少しいじわるそうに笑みを見せる。
「嫉妬なんてしてないよ!」
少し心を落ち着かせるためにコーヒーを口に含んだと同時に、煌大から衝撃的な言葉が出てきたため、吹き出しそうになった。
慌てて紙ナプキンで口元を隠すと、私は顔が熱くなることを感じながら大きな声で否定したが、私の顔を見が全てを物語っているのか、煌大はくくっと笑いながら楽しそうにしている。
「笑わないでよ!」
私は余計に恥ずかしくなり、顔が一段と暑くなったことを感じる。
煌大は、ごめんなさいと言いつつも、笑いが止まらないのか、ずっと肩を震わせていた。
結局、私の思い違いだったようで、どっと安心したのを感じる。
悠生さんと煌大の関係を少しでも疑った私が恥ずかしい。
煌大も、私が嫉妬しているって分かっていつつも、うざがらず、それを喜ぶなんておかしな人だなとも思うが、そんな煌大を見てすごく安心できた。
今までは、少しでも嫉妬を見せようものなら、重すぎとか、考えすぎとか色々言われて、関係が悪化したこともあったから、ダメなんだって思ってたんだけど、そこまで悪いことでもないのかもしれない。
「そうだ莉乃さん、今から映画行きません?」
たんまり笑った煌大は、肩で息を切らしながら、笑いすぎで出てきた涙を指で掬いながら言った。
「映画?」
「はい。莉乃さんはアクション、アニメ、ホラー、どれが好きですか?」
映画なんてここ数年行っていない。
今も何を上映しているか分からず返答に困っていると、それを分かってか煌大が選択肢を出してくれた。
「そうだなぁ…ホラーとかは結構見るかな…」
「じゃぁホラー見に行きましょう。今ちょうど怖くて有名なホラー映画やってるんですよ」
そう言うと、煌大は予告編の動画を見せてくれた。
確かに予告編だけでも結構ホラー感は強そうだし、しかもホラー界隈でなくとも有名な監督の名前がある。
これは結構期待できそうだ。
「いいね!行こう」
早速私たちは近くの映画館を調べ、時間に間に合うように向かった。
映画館に着くと、平日の夕方近くとあってか、あまりお客さんはいないようだ。
「これならどこでも座れそうですね」
映画券を買うために販売機を眺めながら煌大が言う。
確かに座席もかなり空いているようだ。
一応今の段階で、席の6分の1くらい人はいそうだが、好きな席を選べる状況だった。
私たちは、ど真ん中の席を選ぶと、もうすぐ始まるということもあって、映画館定番のポップコーンと飲み物を買い、すぐに上映場所に入る。
ホラーを映画館で見るなんてしたことがない私は、かなり期待していた。
大画面の映像に、迫力ある音。
きっと楽しい。
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