3 / 15
転生令嬢は妖精さんじゃありません。
しおりを挟む
さあ、新しい人生だ。思いっきり楽しむぞ――なんて、簡単に行くはずがなく。
私は、この世界に来た翌日から熱を出してしまい、寝込んでしまった。
「……あわばばば、あわばばばばばばば! どうしよう、僕の天使がァ!!」
「変態は巣に帰れー!!」
心配のあまりに部屋を覗いてくるオルバを、何度も追い返す。この男、隙あらば扉から、窓から、天井裏から……私の様子をじっと見ているのだ。非常に気味が悪い。ホラーか!
仕方なしに、部屋の隙間という隙間を布などで塞ぎ、カーテンを締め切って眠る。
全身を包む気怠さと熱に朦朧としながら、ひたすら熱が下るのを待つ。
けれども、正直なところ気分は悪くなかった。だって――。
「ふっ。美少女……いや、美幼女は病弱と相場が決まっているもの」
――美しく生まれてしまった宿命。前世が普通顔だっただけに……ふっふっふ、笑いがとま……うふっ、ぐほっ、ゲホッ、グフッ……!!
「お嬢様大丈夫ですか?」
「だだ、グフッ、大丈夫ですう!!」
自分に浸って咽るとか、恥ずかしすぎる……!!
私は慌ててシーツを被った。そして、ちらりとその人を覗き見た。
それは、オルバの屋敷で働いているメイドのカーラだ。カーラは、ふわふわの栗色の毛をポニーテールにした、青い瞳が印象的な20代の女性だ。クラシックな足首まで隠れる紺色のワンピースは、首元まできっちりとボタンが止められている。白いヘッドギアとお揃いのエプロンがなんとも眩しい。
――ふおおお、メイドさんや……!!
私は、あれこれと世話を焼いてくれるカーラを見るたびに、内心どきどきしていた。だって、リアルメイドよ? ふぅ! その長いスカートから溢れる背徳感。堪らんなァ!
すると、急に私の方を振り返ったカーラは、ぴくりと片眉を上げた。
「……何を考えていらっしゃるのですか」
「いいいいいいい、いいえ! なあんにも!!」
――私の中の荒ぶるおっさんがバレるところだった。私は五歳の幼女。幼女なの……! 危ない、危ない。
息をゆっくり吐いて己を鎮め、じっとカーラの仕事ぶりを眺める。
変態眼鏡のせいで、締め切った部屋には太陽の光は入ってこない。ランプの温かな光に照らされた部屋は、セピア色にぼんやりと染められている。
カーラは私の体を拭った布をテキパキと片付けると、ベッドの傍の椅子に座った。そして、用意して来た擦りりんごを匙で掬って、私に差し出した。
大人しくぱくりと口に含む。すると、どうやら口のなかに口内炎が出来ていたらしく、堪らず顔を顰めた。
――カシャン!
すると、皿が落ちる音がして、思わず身を竦める。何があったのかとカーラの様子を伺うと、彼女は真っ青な顔色をして震えていた。
「……も、申し訳ございません!!」
「は?」
普段はクールなカーラの豹変ぶりに戸惑っていると、彼女は落ち着かない様子で、雑巾で床を拭いながら言った。
「やはり、林檎はお口に合いませんでしたか。妖精さんには花の蜜でないと……それとも、薔薇に溜まった朝露でしょうか」
「は?」
カーラの口から飛び出した言葉に、どう反応すればいいかわからず戸惑っていると、彼女はじっと私を見つめて言った。
「奥様のいない旦那様のもとに現れた、美しい美しいお嬢様。……あなたは、妖精さんの贈り物なのでしょう……?」
カーラは頬を薔薇色に染め、潤んだ瞳で私を見つめている。
――オイオイオイオイ! 何を言ってらっしゃるの。このメイドさん!
オルバ、あの変態眼鏡。
あいつまさか、私がホムンクルスだと知らせていないのだろうか……?
すると、カーラはまるで夢見る乙女のように目を細めて、悩ましそうに体をくねらせた。
「お嬢様は、新月の夜だけに咲く花の真ん中から現れたのだと、旦那様が教えてくれました。貴方様は、妖精界の姫君であらせられると。わたくし、いつか妖精さんに会うのが夢でしたの。こうして目の前にして、更にお世話をさせて貰えるなんて!!」
「あの野郎」
「なにか、おっしゃいましたか?」
「いいえー。べつになにもー。あははははー」
小さく舌打ちして、シーツを握りしめる。
一見、真面目なカーラ。普段は抑圧されているだけで、随分と乙女チックな性格をしているようだ。そんな彼女は、ブツブツと私の今後の食事について呟いている。
「ふ……ふふふ。妖精さんですものね。お食事には、細心の注意をはらわなくては。花の蜜、朝露、朝どれの若葉。食用のお花に……ああ、ハーブもよろしいですわね」
――ひええ!! このままだと、私の食事が草オンリーになりかねない!!
自他ともに認める肉食女子である私は、痛む胃をこっそりと手で押さえながら、恐る恐るカーラに声を掛けた。
「カーラ、聞いてくれる?」
「なんでしょう、アンジェリカお嬢様」
「今、妖精界では空前の肉ブームなの」
「なんと」
言ってしまってから、自分のあまりの愚かさに頭を抱えたくなる。
……どうして、妖精説を否定せずに、肉食妖精路線に舵を切った……!?
けれど、すぐさまそれを否定したら、説得力に欠ける。私は肝を据えて、カーラに真っ直ぐに向き合った。
「特に流行っているのが、牛肉よ」
「牛」
「それも、差しが沢山入った、上質な肉。それを、レアに焼いて食べるのが大流行」
「レア」
私はずい、とカーラに顔を寄せる。すると、彼女の頬が鮮やかに色づいた。
「……フライドガーリックも大好物」
すると、カーラは両頬に手を当てて身を捩った。
「ああん! 肉食妖精さんも素敵でございます……!!」
「肉食妖精はやめて!? 軽くホラーだから!!」
慌てて抗議するも、カーラには届かなかったようだ。
カーラは勢いよく立ち上がると、テキパキと汚れた物を片付ける。そして、それらをお盆に乗せて部屋を出ようとして――くるりと私の方へと振り返った。
「わたくし、貴方様にお仕えするメイドとして、最高の仕事をすることを誓いますわ!」
「え、ええ……」
「早速、新鮮なお肉、仕留めて参りますね~!」
「狩るの!?」
頬を薔薇色に染めたカーラは、嬉しそうにスキップで部屋を出ていった。どうやら、草食生活は回避出来たようだけれど、大いなる誤解を与えてしまったようだ。私は大きくため息を吐くと、ベッドの横に足をおろした。
――むにゅ。
その瞬間、生暖かく柔らかいものを踏んだ嫌な感触がして、顔を顰める。
そして、一度天井を仰ぐと――思い切り、それを踏みつけた。
「ひぐぅ!」
――聞こえてきた間抜けな声に、益々熱が上がってきたような気がした私は、大人しくベッドに潜り込んだ。……勿論、変態眼鏡を追い出してから。
カーラとのやり取りで疲れていたらしい私は、ぐっすりと眠った。
――数時間後、意気揚々とカーラが皿を片手に戻ってくるまでは、だけど。
「お嬢様ー! 狩りたてのキラーベアの極厚ステーキでございますーー!!」
「お肉は熟成した方が美味しいからね!?」
……この家、主人どころかメイドもおかしい気がする!!
私は自分のことを棚上げして、心の中で悲鳴を上げたのだった。
私は、この世界に来た翌日から熱を出してしまい、寝込んでしまった。
「……あわばばば、あわばばばばばばば! どうしよう、僕の天使がァ!!」
「変態は巣に帰れー!!」
心配のあまりに部屋を覗いてくるオルバを、何度も追い返す。この男、隙あらば扉から、窓から、天井裏から……私の様子をじっと見ているのだ。非常に気味が悪い。ホラーか!
仕方なしに、部屋の隙間という隙間を布などで塞ぎ、カーテンを締め切って眠る。
全身を包む気怠さと熱に朦朧としながら、ひたすら熱が下るのを待つ。
けれども、正直なところ気分は悪くなかった。だって――。
「ふっ。美少女……いや、美幼女は病弱と相場が決まっているもの」
――美しく生まれてしまった宿命。前世が普通顔だっただけに……ふっふっふ、笑いがとま……うふっ、ぐほっ、ゲホッ、グフッ……!!
「お嬢様大丈夫ですか?」
「だだ、グフッ、大丈夫ですう!!」
自分に浸って咽るとか、恥ずかしすぎる……!!
私は慌ててシーツを被った。そして、ちらりとその人を覗き見た。
それは、オルバの屋敷で働いているメイドのカーラだ。カーラは、ふわふわの栗色の毛をポニーテールにした、青い瞳が印象的な20代の女性だ。クラシックな足首まで隠れる紺色のワンピースは、首元まできっちりとボタンが止められている。白いヘッドギアとお揃いのエプロンがなんとも眩しい。
――ふおおお、メイドさんや……!!
私は、あれこれと世話を焼いてくれるカーラを見るたびに、内心どきどきしていた。だって、リアルメイドよ? ふぅ! その長いスカートから溢れる背徳感。堪らんなァ!
すると、急に私の方を振り返ったカーラは、ぴくりと片眉を上げた。
「……何を考えていらっしゃるのですか」
「いいいいいいい、いいえ! なあんにも!!」
――私の中の荒ぶるおっさんがバレるところだった。私は五歳の幼女。幼女なの……! 危ない、危ない。
息をゆっくり吐いて己を鎮め、じっとカーラの仕事ぶりを眺める。
変態眼鏡のせいで、締め切った部屋には太陽の光は入ってこない。ランプの温かな光に照らされた部屋は、セピア色にぼんやりと染められている。
カーラは私の体を拭った布をテキパキと片付けると、ベッドの傍の椅子に座った。そして、用意して来た擦りりんごを匙で掬って、私に差し出した。
大人しくぱくりと口に含む。すると、どうやら口のなかに口内炎が出来ていたらしく、堪らず顔を顰めた。
――カシャン!
すると、皿が落ちる音がして、思わず身を竦める。何があったのかとカーラの様子を伺うと、彼女は真っ青な顔色をして震えていた。
「……も、申し訳ございません!!」
「は?」
普段はクールなカーラの豹変ぶりに戸惑っていると、彼女は落ち着かない様子で、雑巾で床を拭いながら言った。
「やはり、林檎はお口に合いませんでしたか。妖精さんには花の蜜でないと……それとも、薔薇に溜まった朝露でしょうか」
「は?」
カーラの口から飛び出した言葉に、どう反応すればいいかわからず戸惑っていると、彼女はじっと私を見つめて言った。
「奥様のいない旦那様のもとに現れた、美しい美しいお嬢様。……あなたは、妖精さんの贈り物なのでしょう……?」
カーラは頬を薔薇色に染め、潤んだ瞳で私を見つめている。
――オイオイオイオイ! 何を言ってらっしゃるの。このメイドさん!
オルバ、あの変態眼鏡。
あいつまさか、私がホムンクルスだと知らせていないのだろうか……?
すると、カーラはまるで夢見る乙女のように目を細めて、悩ましそうに体をくねらせた。
「お嬢様は、新月の夜だけに咲く花の真ん中から現れたのだと、旦那様が教えてくれました。貴方様は、妖精界の姫君であらせられると。わたくし、いつか妖精さんに会うのが夢でしたの。こうして目の前にして、更にお世話をさせて貰えるなんて!!」
「あの野郎」
「なにか、おっしゃいましたか?」
「いいえー。べつになにもー。あははははー」
小さく舌打ちして、シーツを握りしめる。
一見、真面目なカーラ。普段は抑圧されているだけで、随分と乙女チックな性格をしているようだ。そんな彼女は、ブツブツと私の今後の食事について呟いている。
「ふ……ふふふ。妖精さんですものね。お食事には、細心の注意をはらわなくては。花の蜜、朝露、朝どれの若葉。食用のお花に……ああ、ハーブもよろしいですわね」
――ひええ!! このままだと、私の食事が草オンリーになりかねない!!
自他ともに認める肉食女子である私は、痛む胃をこっそりと手で押さえながら、恐る恐るカーラに声を掛けた。
「カーラ、聞いてくれる?」
「なんでしょう、アンジェリカお嬢様」
「今、妖精界では空前の肉ブームなの」
「なんと」
言ってしまってから、自分のあまりの愚かさに頭を抱えたくなる。
……どうして、妖精説を否定せずに、肉食妖精路線に舵を切った……!?
けれど、すぐさまそれを否定したら、説得力に欠ける。私は肝を据えて、カーラに真っ直ぐに向き合った。
「特に流行っているのが、牛肉よ」
「牛」
「それも、差しが沢山入った、上質な肉。それを、レアに焼いて食べるのが大流行」
「レア」
私はずい、とカーラに顔を寄せる。すると、彼女の頬が鮮やかに色づいた。
「……フライドガーリックも大好物」
すると、カーラは両頬に手を当てて身を捩った。
「ああん! 肉食妖精さんも素敵でございます……!!」
「肉食妖精はやめて!? 軽くホラーだから!!」
慌てて抗議するも、カーラには届かなかったようだ。
カーラは勢いよく立ち上がると、テキパキと汚れた物を片付ける。そして、それらをお盆に乗せて部屋を出ようとして――くるりと私の方へと振り返った。
「わたくし、貴方様にお仕えするメイドとして、最高の仕事をすることを誓いますわ!」
「え、ええ……」
「早速、新鮮なお肉、仕留めて参りますね~!」
「狩るの!?」
頬を薔薇色に染めたカーラは、嬉しそうにスキップで部屋を出ていった。どうやら、草食生活は回避出来たようだけれど、大いなる誤解を与えてしまったようだ。私は大きくため息を吐くと、ベッドの横に足をおろした。
――むにゅ。
その瞬間、生暖かく柔らかいものを踏んだ嫌な感触がして、顔を顰める。
そして、一度天井を仰ぐと――思い切り、それを踏みつけた。
「ひぐぅ!」
――聞こえてきた間抜けな声に、益々熱が上がってきたような気がした私は、大人しくベッドに潜り込んだ。……勿論、変態眼鏡を追い出してから。
カーラとのやり取りで疲れていたらしい私は、ぐっすりと眠った。
――数時間後、意気揚々とカーラが皿を片手に戻ってくるまでは、だけど。
「お嬢様ー! 狩りたてのキラーベアの極厚ステーキでございますーー!!」
「お肉は熟成した方が美味しいからね!?」
……この家、主人どころかメイドもおかしい気がする!!
私は自分のことを棚上げして、心の中で悲鳴を上げたのだった。
0
お気に入りに追加
165
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

いっとう愚かで、惨めで、哀れな末路を辿るはずだった令嬢の矜持
空月
ファンタジー
古くからの名家、貴き血を継ぐローゼンベルグ家――その末子、一人娘として生まれたカトレア・ローゼンベルグは、幼い頃からの婚約者に婚約破棄され、遠方の別荘へと療養の名目で送られた。
その道中に惨めに死ぬはずだった未来を、突然現れた『バグ』によって回避して、ただの『カトレア』として生きていく話。
※悪役令嬢で婚約破棄物ですが、ざまぁもスッキリもありません。
※以前投稿していた「いっとう愚かで惨めで哀れだった令嬢の果て」改稿版です。文章量が1.5倍くらいに増えています。
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

このやってられない世界で
みなせ
ファンタジー
筋肉馬鹿にビンタをくらって、前世を思い出した。
悪役令嬢・キーラになったらしいけど、
そのフラグは初っ端に折れてしまった。
主人公のヒロインをそっちのけの、
よく分からなくなった乙女ゲームの世界で、
王子様に捕まってしまったキーラは
楽しく生き残ることができるのか。

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました
紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。
国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です
更新は1週間に1度くらいのペースになります。
何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。
自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

竜王の花嫁は番じゃない。
豆狸
恋愛
「……だから申し上げましたのに。私は貴方の番(つがい)などではないと。私はなんの衝動も感じていないと。私には……愛する婚約者がいるのだと……」
シンシアの瞳に涙はない。もう涸れ果ててしまっているのだ。
──番じゃないと叫んでも聞いてもらえなかった花嫁の話です。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

断罪イベント返しなんぞされてたまるか。私は普通に生きたいんだ邪魔するな!!
柊
ファンタジー
「ミレイユ・ギルマン!」
ミレヴン国立宮廷学校卒業記念の夜会にて、突如叫んだのは第一王子であるセルジオ・ライナルディ。
「お前のような性悪な女を王妃には出来ない! よって今日ここで私は公爵令嬢ミレイユ・ギルマンとの婚約を破棄し、男爵令嬢アンナ・ラブレと婚姻する!!」
そう宣言されたミレイユ・ギルマンは冷静に「さようでございますか。ですが、『性悪な』というのはどういうことでしょうか?」と返す。それに反論するセルジオ。彼に肩を抱かれている渦中の男爵令嬢アンナ・ラブレは思った。
(やっべえ。これ前世の投稿サイトで何万回も見た展開だ!)と。
※pixiv、カクヨム、小説家になろうにも同じものを投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる