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転生令嬢の愛は本物です。
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必殺、ホムンクルスアッパーを喰らって、ピクピク痙攣している自称父を横目に、私は膝を抱えて涙を零していた。
「私の『魔物狩人ワールド』ォォォォ……!! 発売日に買えなくて、やっとお金を溜めて買ったのに。フルプライスだったのに。ああ、私の竜たちがああああ……」
「ところで、アンジェリカ」
すると、まるでゾンビのように何事もなかったかのように復活したオルバが、不思議そうに私に尋ねた。
「その『魔物狩人ワールド』なるものは、なにかな」
「ゲームの中で狩人になって、数多の竜を狩るのよ。巨大な竜から変わり種の竜まで、様々な竜が出てくるの。世界的にヒットしているゲームのひとつね」
「竜を狩る? 君は竜が嫌いなのかい?」
「まさか!!」
私は拳を固く握ると、天に向かって突き上げた。
「竜こそ、私の最も愛する存在よ! 生き物の頂点に君臨する絶対強者、竜……!! 竜は浪漫。竜は憧れ。竜と結婚したい」
「一番最後は理解し難いけれど、ええと……そのゲームとやらは、竜を狩るんだろう? それは、君がこよなく愛する竜を傷つける行為じゃないか」
「ああ、そんなこと」
私はふっ、と小さく笑うと、そっとオルバから視線を逸した。
「より沢山の竜と出会うためには、多少の犠牲は仕方ないのよ……」
「君は、思ったよりも利己的なんだね」
「障害を越えて行き着いた先、本当の愛に出会えるのよ」
「ちょっと、僕にわかるように説明してくれるかい」
私はオルバに生ぬるい視線を向ける。そして、彼の肩に手を置いて「本当の愛を知らないのね……哀れな子」と憐憫の情を向けた。
すると、オルバはヒクヒクと眉を引き攣らせると、私の手をやんわりとどけながら、さも全てを理解したように言った。
「あ、ああ……! そうか、君はあれかい? 竜の人化後の姿が好きだと言うことかな。確かにそうだね、高位の竜は美しい青年に変化すると言うし――ぶほっ」
私はオルバの顔を両手で鷲掴みにすると、冷え切った眼差しで見つめた。
可愛らしい五歳児の手とは言え、ホムンクルスは結構力が強いらしい。ぎりぎりと締め付けられたオルバの顔は、醜い豚のように歪んでしまっている。
「気高い竜を、霊長類ごときに擬態させるんじゃないわよ」
「――ひゃい!?」
「竜は、あの姿だから美しいの。人間の自己満足に巻き込まないで、この外道おおおおおおおおお!!!」」
「――あぷ、ぷぷぷぷぷ!!」
私はオルバの顔を、両手でひたすらタプタプした。
私の渾身の高速タプタプによって、限界までタプタプされたオルバの顔は、両頬が真っ赤に染まってしまっている。暫くすると、いい年したおっさんが涙ぐんできたので、タプタプ〆をして勘弁してやった。
そして、私は息を荒げながら額に浮かんだ汗を拭うと、オルバの耳元で囁いた。
「二度と、人化なんて口にするんじゃないわよ」
「ホントウニ、スミマセンデシタ」
私は、従順になったオルバに満足すると、ふうと息を吐いた。
オルバは、自分の頬を涙目になって擦っている。
そして、少し不貞腐れたような口調で言った。
「君の持つ変態性は大いに理解したよ。ああ……僕の可愛い天使。その中身が、こんな残念な人だとは思わなかったけれど」
「オイ」
「見た目は極上だ。それは間違いない。天使がそこにいる。僕はそれだけで満足さ。美少女は国の宝。たとえ、中身が竜狂いだったとしても」
「コラ」
私は無表情のまま、かくん、と首を傾げると、オルバをじっと見つめた。
「……勝手に喚び出しておいて、何を言っているのかしら」
白い髪が何本か口に挟まっているような気がするけれど、どうでもいい。瞬きひとつせずに、両手でタプタプの動きを再現しつつ、彼の眼鏡が汗でぐしょ濡れになるまで見つめる。
すると、ふとあることに気が付いた。
「……そう言えば。ここは地球じゃない異世界なのよね? オルバ」
「お父様、と愛情をこめて呼んでくれていいよ」
「ねえ、変態眼鏡。高位の竜って、さっき言っていなかった?」
「変態眼鏡だなんて酷いな、僕の天使」
「今度、天使って私を呼んだら潰すわ」
「どこを!?」
私は顔を青ざめさせているオルバの顎をクイッと持ち上げると、その瞳をじっと覗き込んだ。
「ねえ、ちゃんと答えて。どういうことなの? ……もしかして、竜がいたり、する、の、かしら」
どきどきしながら、オルバに尋ねる。
すると、私の顔を間近で見たからか、オルバはぽっと頬を赤く染めて、瞳を潤ませた。
……うおお。
正直なところ、おっさんの照れ顔を間近で見るのは、中々辛いものがある。
その地獄のような時間に必死に耐えていると、オルバは突然悪戯っぽい笑みを浮かべた。
そして、徐に立ち上がると――私を抱き上げた。
「ぎゃ、ぎゃああああ! 何するのよ!」
「はっはっは。アンジェリカの問いに答えようと思ってね!」
「やめて!? 私、まだ誰にもお姫様だっこされたことがないのよ! 初めては、イケドラゴンにだっこされるって、心に決めていたのに……!」
「イケドラゴンって」
「よりによって、こんなマッドロリコン眼鏡に」
「僕だって、傷つくんだよ!?」
「マッドロリコン、イケドラゴン。はっ……! 韻を踏んでる」
「だからなんなのさ!?」
私が大騒ぎしている間にも、オルバはどんどんと歩みを進めていく。
どうやら、先ほどまでいた部屋は地下だったらしい。薄暗く、ギシギシと軋む音を立てる階段を昇っていくと、目の前に扉があった。
「まあ、色々と思うところはあると思うが――ほら。見てごらん」
オルバは少し得意げな笑みを浮かべると、徐に扉のノブに手を掛けた。
ゆっくりと扉が開いていく。外のあまりの眩しさに、思わず目を細める。すると、目に飛び込んできた光景に、思わず息を飲んだ。
それは、どこまでも続く草原だ。遠くには、まるでスイスのマッターホルンのような、頂に雪を被っている尖った山が見える。風が草原を渡り、草の香りをここまで届けてくれる。可憐な白い花が咲き乱れ、風に湖面が靡き、太陽の光をキラキラと反射していた。
湖畔には、大小様々な生き物がくつろぎ、水を飲んでいる。
その中に――竜の姿があった。
新緑のような、色鮮やかな緑色の鱗。黒曜石のような瞳。靭やかな尾は、美しいカーブを描いている。竜が放つ存在感は圧倒的なのに、けれどもその大きな体は草原の風景に自然に溶け込んで、まるで一枚の絵画のように美しい。
感動に胸が震えて、頬が熱くなって、涙が込み上げてくる。
……なんてことだろう。憧れの竜が、直ぐ側にいる――。
すると、オルバが酷く優しげな声で言った。
「――どうだい? ここは、竜の休息地なんだ。今はグリーンドラゴンばかりだけれど、季節が変われば、色々な種類の竜が遊びに来る。竜の友人もいるよ。今度、話してみるかい」
……ああ、喉の奥が詰まってしまったように、中々言葉が出ない。
嬉しいのに、なんて言えばいいかわからない。
仕方なしに、こくこくと何度も頷く。すると、オルバは嬉しそうに破顔した。
「そうか。父として、娘が喜んでくれるのなら、これ以上の喜びはないよ」
その言葉が、表情が、声が――あまりにも愛情に溢れていたから。
私は、今までの自分の態度を少しばかり反省した。
……そうだよね。この世界では、私はこの人の創り出したホムンクルス。娘みたいなものなんだから、もうちょっと優しくしてあげなくっちゃね。
そう思って、上目遣いになってオルバを見つめた。
「あ、ありがとう……父さん」
「天使ィィィィィィィィィィィ!!」
――お礼を言った直後、父の鼻血まみれになるまでは。
この、変態眼鏡……絶対に許さないんだからね!
「私の『魔物狩人ワールド』ォォォォ……!! 発売日に買えなくて、やっとお金を溜めて買ったのに。フルプライスだったのに。ああ、私の竜たちがああああ……」
「ところで、アンジェリカ」
すると、まるでゾンビのように何事もなかったかのように復活したオルバが、不思議そうに私に尋ねた。
「その『魔物狩人ワールド』なるものは、なにかな」
「ゲームの中で狩人になって、数多の竜を狩るのよ。巨大な竜から変わり種の竜まで、様々な竜が出てくるの。世界的にヒットしているゲームのひとつね」
「竜を狩る? 君は竜が嫌いなのかい?」
「まさか!!」
私は拳を固く握ると、天に向かって突き上げた。
「竜こそ、私の最も愛する存在よ! 生き物の頂点に君臨する絶対強者、竜……!! 竜は浪漫。竜は憧れ。竜と結婚したい」
「一番最後は理解し難いけれど、ええと……そのゲームとやらは、竜を狩るんだろう? それは、君がこよなく愛する竜を傷つける行為じゃないか」
「ああ、そんなこと」
私はふっ、と小さく笑うと、そっとオルバから視線を逸した。
「より沢山の竜と出会うためには、多少の犠牲は仕方ないのよ……」
「君は、思ったよりも利己的なんだね」
「障害を越えて行き着いた先、本当の愛に出会えるのよ」
「ちょっと、僕にわかるように説明してくれるかい」
私はオルバに生ぬるい視線を向ける。そして、彼の肩に手を置いて「本当の愛を知らないのね……哀れな子」と憐憫の情を向けた。
すると、オルバはヒクヒクと眉を引き攣らせると、私の手をやんわりとどけながら、さも全てを理解したように言った。
「あ、ああ……! そうか、君はあれかい? 竜の人化後の姿が好きだと言うことかな。確かにそうだね、高位の竜は美しい青年に変化すると言うし――ぶほっ」
私はオルバの顔を両手で鷲掴みにすると、冷え切った眼差しで見つめた。
可愛らしい五歳児の手とは言え、ホムンクルスは結構力が強いらしい。ぎりぎりと締め付けられたオルバの顔は、醜い豚のように歪んでしまっている。
「気高い竜を、霊長類ごときに擬態させるんじゃないわよ」
「――ひゃい!?」
「竜は、あの姿だから美しいの。人間の自己満足に巻き込まないで、この外道おおおおおおおおお!!!」」
「――あぷ、ぷぷぷぷぷ!!」
私はオルバの顔を、両手でひたすらタプタプした。
私の渾身の高速タプタプによって、限界までタプタプされたオルバの顔は、両頬が真っ赤に染まってしまっている。暫くすると、いい年したおっさんが涙ぐんできたので、タプタプ〆をして勘弁してやった。
そして、私は息を荒げながら額に浮かんだ汗を拭うと、オルバの耳元で囁いた。
「二度と、人化なんて口にするんじゃないわよ」
「ホントウニ、スミマセンデシタ」
私は、従順になったオルバに満足すると、ふうと息を吐いた。
オルバは、自分の頬を涙目になって擦っている。
そして、少し不貞腐れたような口調で言った。
「君の持つ変態性は大いに理解したよ。ああ……僕の可愛い天使。その中身が、こんな残念な人だとは思わなかったけれど」
「オイ」
「見た目は極上だ。それは間違いない。天使がそこにいる。僕はそれだけで満足さ。美少女は国の宝。たとえ、中身が竜狂いだったとしても」
「コラ」
私は無表情のまま、かくん、と首を傾げると、オルバをじっと見つめた。
「……勝手に喚び出しておいて、何を言っているのかしら」
白い髪が何本か口に挟まっているような気がするけれど、どうでもいい。瞬きひとつせずに、両手でタプタプの動きを再現しつつ、彼の眼鏡が汗でぐしょ濡れになるまで見つめる。
すると、ふとあることに気が付いた。
「……そう言えば。ここは地球じゃない異世界なのよね? オルバ」
「お父様、と愛情をこめて呼んでくれていいよ」
「ねえ、変態眼鏡。高位の竜って、さっき言っていなかった?」
「変態眼鏡だなんて酷いな、僕の天使」
「今度、天使って私を呼んだら潰すわ」
「どこを!?」
私は顔を青ざめさせているオルバの顎をクイッと持ち上げると、その瞳をじっと覗き込んだ。
「ねえ、ちゃんと答えて。どういうことなの? ……もしかして、竜がいたり、する、の、かしら」
どきどきしながら、オルバに尋ねる。
すると、私の顔を間近で見たからか、オルバはぽっと頬を赤く染めて、瞳を潤ませた。
……うおお。
正直なところ、おっさんの照れ顔を間近で見るのは、中々辛いものがある。
その地獄のような時間に必死に耐えていると、オルバは突然悪戯っぽい笑みを浮かべた。
そして、徐に立ち上がると――私を抱き上げた。
「ぎゃ、ぎゃああああ! 何するのよ!」
「はっはっは。アンジェリカの問いに答えようと思ってね!」
「やめて!? 私、まだ誰にもお姫様だっこされたことがないのよ! 初めては、イケドラゴンにだっこされるって、心に決めていたのに……!」
「イケドラゴンって」
「よりによって、こんなマッドロリコン眼鏡に」
「僕だって、傷つくんだよ!?」
「マッドロリコン、イケドラゴン。はっ……! 韻を踏んでる」
「だからなんなのさ!?」
私が大騒ぎしている間にも、オルバはどんどんと歩みを進めていく。
どうやら、先ほどまでいた部屋は地下だったらしい。薄暗く、ギシギシと軋む音を立てる階段を昇っていくと、目の前に扉があった。
「まあ、色々と思うところはあると思うが――ほら。見てごらん」
オルバは少し得意げな笑みを浮かべると、徐に扉のノブに手を掛けた。
ゆっくりと扉が開いていく。外のあまりの眩しさに、思わず目を細める。すると、目に飛び込んできた光景に、思わず息を飲んだ。
それは、どこまでも続く草原だ。遠くには、まるでスイスのマッターホルンのような、頂に雪を被っている尖った山が見える。風が草原を渡り、草の香りをここまで届けてくれる。可憐な白い花が咲き乱れ、風に湖面が靡き、太陽の光をキラキラと反射していた。
湖畔には、大小様々な生き物がくつろぎ、水を飲んでいる。
その中に――竜の姿があった。
新緑のような、色鮮やかな緑色の鱗。黒曜石のような瞳。靭やかな尾は、美しいカーブを描いている。竜が放つ存在感は圧倒的なのに、けれどもその大きな体は草原の風景に自然に溶け込んで、まるで一枚の絵画のように美しい。
感動に胸が震えて、頬が熱くなって、涙が込み上げてくる。
……なんてことだろう。憧れの竜が、直ぐ側にいる――。
すると、オルバが酷く優しげな声で言った。
「――どうだい? ここは、竜の休息地なんだ。今はグリーンドラゴンばかりだけれど、季節が変われば、色々な種類の竜が遊びに来る。竜の友人もいるよ。今度、話してみるかい」
……ああ、喉の奥が詰まってしまったように、中々言葉が出ない。
嬉しいのに、なんて言えばいいかわからない。
仕方なしに、こくこくと何度も頷く。すると、オルバは嬉しそうに破顔した。
「そうか。父として、娘が喜んでくれるのなら、これ以上の喜びはないよ」
その言葉が、表情が、声が――あまりにも愛情に溢れていたから。
私は、今までの自分の態度を少しばかり反省した。
……そうだよね。この世界では、私はこの人の創り出したホムンクルス。娘みたいなものなんだから、もうちょっと優しくしてあげなくっちゃね。
そう思って、上目遣いになってオルバを見つめた。
「あ、ありがとう……父さん」
「天使ィィィィィィィィィィィ!!」
――お礼を言った直後、父の鼻血まみれになるまでは。
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