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自己紹介では笑うべし
しおりを挟む監禁された。
とても分かりやすい言葉だ。
両手両足には錠と鎖が繋がれている。硬く壊れそうにない壁に囲まれた正方形の箱。出入り口のようなものは見当たらない。
対面には同い年くらいの女の子が一人。同じく、鎖がついている。とりあえず、コンタクトを図る。
「おーい、起きろ」
こちらを見て驚き、手足に繋がれた鎖を見てゆっくりと状況を理解する。幸いにもパニックに陥るタイプではないらしい。
「ここ、どこ」
「それは俺が聞きたい」
「何で、鎖が?」
「逃げられないようにするためだろ」
「そう」
「俺は速水リョウ、こんな状況だけどよろしく」
「私は、八雲ナツコ」
八雲ナツコは鎖をじっと見つめ、何かを考えている。
「この鎖、鍵穴がない」
「そうみたいだな」
「どう、するの?」
力一杯左右に開こうとするも、繋がれたら手錠はビクともしなかった。
「救助を待つしかなさそうだ」
「うん」
そのとき、警報音が鳴り響いた。
『あー、マイクチェック』
どうやら部屋の上部から流れているようだ。
『おはよう。リョウ君とナツコちゃん。ようこそ、デスルームへ』
合成された耳につく声が反響する。
『これから君たちにはゲームをしてもらうよ。なぁに簡単さ。殺しあってもらうだけだからね』
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