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7.近づいたと思ったら
7-②
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「シュウ、頼む」
昼休み、すぐにいつものように弁当とパンを詰めこんだあと、俺はノートを取り出した。午後の授業で回答の順番が回ってくると先生に予告されている。そうでもしなければ俺は予習などしてこないと思っているのだろうけれど、予習なんてするつもりはさらさらなかった。
「仕方ないなあ」
笑いながら、シュウが自分のノートを開く。英語の授業の板書が、右肩あがりの几帳面そうな字できちんと写されていた。今日の授業で扱う教科書の問題も、きちんと予習されている。
「ありがと」
ノートを受けとって、できるだけ早く写してしまおうと目をやると、罫線の入った紙の端にらくがきがあった。いつかも見た、横棒がたくさん並んでいる不思議ならくがきだ。
ふと、既視感を覚えた。この横棒によく似たなにかを、見たことがあるような気がする。
あっ、と声が出そうになったのをすんでのところで堪えた。無数の横棒を、黒い線ではなく赤い線で描いたら。想像してみると、ノートの端ではなくシュウの左腕が頭に浮かんで、めまいに襲われる。
シュウが日常的にしている、たくさんのくせを思いだす。これも、そのひとつなんじゃないだろうか。気づいて、震えた。俺はこのらくがきを、笑ったことがなかったか。そのときシュウはどんな顔をしていた? どんなに記憶を探ってみても、思いだせない。あいつを傷つけていないと言い切ることができない自分が悔しかった。
「どうした?」
武本が黙りこんだ俺の顔を覗きこむ。思考の淵から戻ってきて最初に目が合ったシュウも、きょとんとした顔でこちらを見ていた。シュウは、このらくがきが自分の数あるくせのうちのひとつだと気づかれているとは思っていないだろう。武本の前で、そんな話をするわけにもいかなかった。
「いや、なんでもない」
笑ってごまかした俺に、武本もシュウも、変なの、と言って笑ってくれた。
雨の予報が外れて、球技大会当日は抜けるような青空が広がっていた。乾いた風に揺れる青い稲を横目に、農道を自転車で走り抜けていく。陽射しは強いけれど湿度はそんなに高くない。放課後になったら気持ちよく走れるだろうという期待で、ペダルを踏む足に力がこもった。
女子が更衣室に移動するのにまぎれて、シュウがすっと姿を消す。これまではほんとうに気づかないうちにどこかへいってしまっていたシュウのことを、俺はもうちゃんと視界の端でとらえていた。人目につかないところで着替えるだろうシュウの背中を、できるだけ無視するようにしていた。シュウの様子を把握しているのに、武本が気づいてしまわないよう目をそらすのは難しかった。
「じゃあ、またな」
にかっと笑った武本がジャージのズボンをひざまでまくって走っていく。武本の目をシュウに向けないよう努力することには、もうずいぶん前から取り組んでいた。今日もそれは成功した。
体育館に向かうと、ジャージ姿の生徒が整列させられているところだった。クラスの列を見つけて並ぶ。グラウンドと体育館に分かれた生徒のざわめきのなかに、校内放送で開会の合図が知らされた。ちらりと振り向くと、何食わぬ顔をしたシュウが、あいかわらず全身をジャージでおおった姿で立っていた。
この暑さのなか、炎天下で陽に焼かれるのと体育館で蒸し焼きにされるのとではどちらも対して変わらない。走るとき以外は、どんな種類の暑さでも不快なだけだ。
武本はサッカー、俺とシュウはバレーボールをやることになっていた。イベントごとの好きな武本は人気競技を選んでいたけれど、俺はやる気がないし、シュウはスポーツが得意ではない。希望者のすくないバレーボールに人数調整で参加するよう言われていた。
「シュウ」
声をかけると、いつもの困ったような顔で笑いながらシュウが手をあげた。俺たちの試合は二試合目だ。体育館の隅に腰をおろして、一年生の試合を眺める。おとなしくとなりに座ったシュウも、俺とおなじように無言でコートを見ていた。壁に背を預けて、斜め後ろからシュウを盗み見る。シュウは、こんなときでも姿勢がいい。ひざを抱えた状態でも、背筋がぴんと伸びていた。
耳にかかるすこし長めの髪が、白い肌によく映えている。茹だるような暑さのなかで、シュウの周りにだけ涼しげな空気が漂っているみたいだった。ジャージの内側で泳ぐ身体と、そのうえに伸びる細い首が、ひどく頼りなく見える。
歓声が聞こえて、意識がコートのほうに引き戻された。どうやら長いラリーが、強烈なスパイクによって終わったらしかった。盛り上がった雰囲気のまま再開される試合をぼうっと見ていて、その様子に不安が沸き起こる。
バレーボールは、なによりボールをコート内に落とさないことが必要とされるスポーツだ。レシーブはすべての攻撃のスタートになる。腕の内側でボールを受ける下級生は、心底痛そうに手を振っている。
そうだ、アンダーハンドでのレシーブは、きっと腕に負担を与えるに違いない。普通の腕でも痛みを感じるのだ。シュウの左腕は、それに耐えられるのだろうか。
「はい、交代して」
二十五点の一セットマッチ。力量差があれば、試合はあっというまに終わる。一試合目は、見ごたえのあるラリーとは裏腹にその典型的な例になったようだった。招集を受けて、シュウがゆっくりと立ちあがる。
「なあ」
不安になって、つい歩きだそうとするシュウに声をかけてしまった。きょとんとした顔で、振り向いたシュウが首を傾ける。なに、とやわらかくほほえまれて、俺はことばに詰まった。
「いや、なんでもない」
「へんなの」
そう言って、シュウはまた困ったように笑った。球技大会をやるという時点で、こいつにはほかの競技を選ぶ道もあったはずだ。それでもこの場にいるのだから、十分考えたうえで参加しているのだろう。腕の傷に関して、あたりまえだけれどシュウは俺以上に慎重になっているはずなのだ。
審判役をやっているバレー部員の笛の音で、試合がはじまった。勝っても負けても体育祭ほど盛り上がることはない、球技大会特有のだらだらとした雰囲気が、俺たちの試合にも流れている。試合展開もそんなに早くない。実力は拮抗しているか、すこしこちらのチームが劣っているかといった様子だった。
シュウは、この状況をたのしんでいるようだった。レシーブのときも、左腕をかばうようなしぐさは見せなかった。俺が傷を見てから、二週間も経っていない。シュウがどれくらいの頻度であれをするのかは知らないけれど、長袖の下には、きっと真新しい傷があるに違いない。痛くないわけがないのだ。それなのに、シュウは笑いながらプレーしている。痛みを顔に出さないシュウの強さを、ただ純粋にすごいと思った。
「はあ、たのしかったね」
ひとつめの試合には負けてしまった。シュウばかり気にしていたのもあって、俺のいる場所だけ穴が空いているみたいにボールが落ちていったのだ。俺がどんくさい動きを見せても、チームに体育祭のときのような雰囲気は流れなかった。球技大会をする余裕があるなら夏休みを早めてくれと思っている生徒が多いのは事実だ。でもこのゆるい空気が、俺は嫌いではなかった。
「はは、明は走る以外はだめだね」
体育館の端に腰をおろしたシュウが、こちらを振り向いて言う。
「走るのもだめだけどな」
バレーが下手だと貶されているのではなく、走るのだけは特別だとほめられている気がした。照れくささと、シュウを見ていて醜態をさらしたことの恥ずかしさが、ぶっきらぼうな声を出させた。
「ええ、そんなことないよ」
視線をコートに戻してシュウが苦笑する。なんだか不思議な気分だった。シュウはこれまで、こんなふうに戯れに話をすることがあっただろうか。こういう顔をしているとき、シュウの前にはいつも武本がいた気がする。俺はこいつに、どこか避けられていたような気さえするのに。
傷を見せてくれた。それ以来、シュウが不安を覚えるような左腕への露骨な視線は送らないようにしている。
「次の試合だいぶ先みたいだから、ここにいなくてもいいって」
体育委員の女子が駆け寄ってきて、あたりにいるクラスメイトに声をかける。
「……だってさ」
外に続く体育館のドアや、ちいさな窓は開放されている。それでも風の吹きこんでこない体育館のなかは蒸し風呂みたいだった。Tシャツから伸びる腕に暑さがまとわりついて、振り払いたくても離れない。
「教室戻んない? ここよりは涼しいよ」
運動をしても、シュウの白い肌には汗の気配が感じられなかった。けれど、暑くないわけがないのだ。時折、ジャージの首元を掴んで風を送りこんでいる。それでも長袖を着ていなければいけないこいつの負担を、減らせたらいいと思った。一瞬驚いた表情を浮かべたシュウも、うん、と言ってほほえむ。クラスメイトに教室に戻ることを伝えて、俺とシュウは階段をのぼった。
昼休み、すぐにいつものように弁当とパンを詰めこんだあと、俺はノートを取り出した。午後の授業で回答の順番が回ってくると先生に予告されている。そうでもしなければ俺は予習などしてこないと思っているのだろうけれど、予習なんてするつもりはさらさらなかった。
「仕方ないなあ」
笑いながら、シュウが自分のノートを開く。英語の授業の板書が、右肩あがりの几帳面そうな字できちんと写されていた。今日の授業で扱う教科書の問題も、きちんと予習されている。
「ありがと」
ノートを受けとって、できるだけ早く写してしまおうと目をやると、罫線の入った紙の端にらくがきがあった。いつかも見た、横棒がたくさん並んでいる不思議ならくがきだ。
ふと、既視感を覚えた。この横棒によく似たなにかを、見たことがあるような気がする。
あっ、と声が出そうになったのをすんでのところで堪えた。無数の横棒を、黒い線ではなく赤い線で描いたら。想像してみると、ノートの端ではなくシュウの左腕が頭に浮かんで、めまいに襲われる。
シュウが日常的にしている、たくさんのくせを思いだす。これも、そのひとつなんじゃないだろうか。気づいて、震えた。俺はこのらくがきを、笑ったことがなかったか。そのときシュウはどんな顔をしていた? どんなに記憶を探ってみても、思いだせない。あいつを傷つけていないと言い切ることができない自分が悔しかった。
「どうした?」
武本が黙りこんだ俺の顔を覗きこむ。思考の淵から戻ってきて最初に目が合ったシュウも、きょとんとした顔でこちらを見ていた。シュウは、このらくがきが自分の数あるくせのうちのひとつだと気づかれているとは思っていないだろう。武本の前で、そんな話をするわけにもいかなかった。
「いや、なんでもない」
笑ってごまかした俺に、武本もシュウも、変なの、と言って笑ってくれた。
雨の予報が外れて、球技大会当日は抜けるような青空が広がっていた。乾いた風に揺れる青い稲を横目に、農道を自転車で走り抜けていく。陽射しは強いけれど湿度はそんなに高くない。放課後になったら気持ちよく走れるだろうという期待で、ペダルを踏む足に力がこもった。
女子が更衣室に移動するのにまぎれて、シュウがすっと姿を消す。これまではほんとうに気づかないうちにどこかへいってしまっていたシュウのことを、俺はもうちゃんと視界の端でとらえていた。人目につかないところで着替えるだろうシュウの背中を、できるだけ無視するようにしていた。シュウの様子を把握しているのに、武本が気づいてしまわないよう目をそらすのは難しかった。
「じゃあ、またな」
にかっと笑った武本がジャージのズボンをひざまでまくって走っていく。武本の目をシュウに向けないよう努力することには、もうずいぶん前から取り組んでいた。今日もそれは成功した。
体育館に向かうと、ジャージ姿の生徒が整列させられているところだった。クラスの列を見つけて並ぶ。グラウンドと体育館に分かれた生徒のざわめきのなかに、校内放送で開会の合図が知らされた。ちらりと振り向くと、何食わぬ顔をしたシュウが、あいかわらず全身をジャージでおおった姿で立っていた。
この暑さのなか、炎天下で陽に焼かれるのと体育館で蒸し焼きにされるのとではどちらも対して変わらない。走るとき以外は、どんな種類の暑さでも不快なだけだ。
武本はサッカー、俺とシュウはバレーボールをやることになっていた。イベントごとの好きな武本は人気競技を選んでいたけれど、俺はやる気がないし、シュウはスポーツが得意ではない。希望者のすくないバレーボールに人数調整で参加するよう言われていた。
「シュウ」
声をかけると、いつもの困ったような顔で笑いながらシュウが手をあげた。俺たちの試合は二試合目だ。体育館の隅に腰をおろして、一年生の試合を眺める。おとなしくとなりに座ったシュウも、俺とおなじように無言でコートを見ていた。壁に背を預けて、斜め後ろからシュウを盗み見る。シュウは、こんなときでも姿勢がいい。ひざを抱えた状態でも、背筋がぴんと伸びていた。
耳にかかるすこし長めの髪が、白い肌によく映えている。茹だるような暑さのなかで、シュウの周りにだけ涼しげな空気が漂っているみたいだった。ジャージの内側で泳ぐ身体と、そのうえに伸びる細い首が、ひどく頼りなく見える。
歓声が聞こえて、意識がコートのほうに引き戻された。どうやら長いラリーが、強烈なスパイクによって終わったらしかった。盛り上がった雰囲気のまま再開される試合をぼうっと見ていて、その様子に不安が沸き起こる。
バレーボールは、なによりボールをコート内に落とさないことが必要とされるスポーツだ。レシーブはすべての攻撃のスタートになる。腕の内側でボールを受ける下級生は、心底痛そうに手を振っている。
そうだ、アンダーハンドでのレシーブは、きっと腕に負担を与えるに違いない。普通の腕でも痛みを感じるのだ。シュウの左腕は、それに耐えられるのだろうか。
「はい、交代して」
二十五点の一セットマッチ。力量差があれば、試合はあっというまに終わる。一試合目は、見ごたえのあるラリーとは裏腹にその典型的な例になったようだった。招集を受けて、シュウがゆっくりと立ちあがる。
「なあ」
不安になって、つい歩きだそうとするシュウに声をかけてしまった。きょとんとした顔で、振り向いたシュウが首を傾ける。なに、とやわらかくほほえまれて、俺はことばに詰まった。
「いや、なんでもない」
「へんなの」
そう言って、シュウはまた困ったように笑った。球技大会をやるという時点で、こいつにはほかの競技を選ぶ道もあったはずだ。それでもこの場にいるのだから、十分考えたうえで参加しているのだろう。腕の傷に関して、あたりまえだけれどシュウは俺以上に慎重になっているはずなのだ。
審判役をやっているバレー部員の笛の音で、試合がはじまった。勝っても負けても体育祭ほど盛り上がることはない、球技大会特有のだらだらとした雰囲気が、俺たちの試合にも流れている。試合展開もそんなに早くない。実力は拮抗しているか、すこしこちらのチームが劣っているかといった様子だった。
シュウは、この状況をたのしんでいるようだった。レシーブのときも、左腕をかばうようなしぐさは見せなかった。俺が傷を見てから、二週間も経っていない。シュウがどれくらいの頻度であれをするのかは知らないけれど、長袖の下には、きっと真新しい傷があるに違いない。痛くないわけがないのだ。それなのに、シュウは笑いながらプレーしている。痛みを顔に出さないシュウの強さを、ただ純粋にすごいと思った。
「はあ、たのしかったね」
ひとつめの試合には負けてしまった。シュウばかり気にしていたのもあって、俺のいる場所だけ穴が空いているみたいにボールが落ちていったのだ。俺がどんくさい動きを見せても、チームに体育祭のときのような雰囲気は流れなかった。球技大会をする余裕があるなら夏休みを早めてくれと思っている生徒が多いのは事実だ。でもこのゆるい空気が、俺は嫌いではなかった。
「はは、明は走る以外はだめだね」
体育館の端に腰をおろしたシュウが、こちらを振り向いて言う。
「走るのもだめだけどな」
バレーが下手だと貶されているのではなく、走るのだけは特別だとほめられている気がした。照れくささと、シュウを見ていて醜態をさらしたことの恥ずかしさが、ぶっきらぼうな声を出させた。
「ええ、そんなことないよ」
視線をコートに戻してシュウが苦笑する。なんだか不思議な気分だった。シュウはこれまで、こんなふうに戯れに話をすることがあっただろうか。こういう顔をしているとき、シュウの前にはいつも武本がいた気がする。俺はこいつに、どこか避けられていたような気さえするのに。
傷を見せてくれた。それ以来、シュウが不安を覚えるような左腕への露骨な視線は送らないようにしている。
「次の試合だいぶ先みたいだから、ここにいなくてもいいって」
体育委員の女子が駆け寄ってきて、あたりにいるクラスメイトに声をかける。
「……だってさ」
外に続く体育館のドアや、ちいさな窓は開放されている。それでも風の吹きこんでこない体育館のなかは蒸し風呂みたいだった。Tシャツから伸びる腕に暑さがまとわりついて、振り払いたくても離れない。
「教室戻んない? ここよりは涼しいよ」
運動をしても、シュウの白い肌には汗の気配が感じられなかった。けれど、暑くないわけがないのだ。時折、ジャージの首元を掴んで風を送りこんでいる。それでも長袖を着ていなければいけないこいつの負担を、減らせたらいいと思った。一瞬驚いた表情を浮かべたシュウも、うん、と言ってほほえむ。クラスメイトに教室に戻ることを伝えて、俺とシュウは階段をのぼった。
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