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アメリカ・カナダ番外編「Le cirque de marionnettes…あやつりサーカス」・2
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「うーん、ちょっとちがうかもしれないわね…なにせ、うちの母親ときたひにはレーヌ・イザベルとよくにているかもしれません。つまり、ものすごく気位がたかいのです」
と、フラメンシア殿下によるマリー・アントワネット王妃の人物評にやんわりと、異論を唱えるテレーズ殿下。
「あの母親であれば、もしかすると人のあさましいまぐわいを眺めて悦に入るようなこと、好むかも知れませんわね…」
「で、ベラ子陛下、ちょいとご相談が」
で、車の周りにおる我々ですが、フラメンシア殿下がとんでもない発言を言い出します。
「英国女王は、私とテレーズに対して、アントワネット妃の居場所を知っているぞという脅しをかけることで動揺を誘い、交渉を有利にしようとなさいました。しかし、実際にアントワネット妃を簡単に害することができるのか。そして、害したとしても、今度は痴女皇国…特にアメリカ大陸統括本部の不興を買うようなことにならないか。私はその辺を疑問に思ったのです」
ぬぬ。
テレーズ殿下に影響されてか、フラメンシア殿下もえらく真面目になっておられます。
そして、殿下は殿下で、屁理屈をこねくり回す作業の最上級たる哲学者や思想家を多数輩出したフランスの人間…それも、父親が本物の思想家かつ、エロ作家なのです。
(ですから、私の父のことはほっといてください…)
「実際には厳しいでしょう。えーと、フェルセン伯爵の妹さんが司教ですから、1万人までは一度に倒せます。それに王妃殿下…いえ、マリー司祭自身が今や、ある程度の距離だったら自分を害する意志を検知できますよ。逃げるにしてもあたしたちに支援を乞うにしても、はたまた迎撃するにしても余裕を持って対処できるでしょう」
と、まぁ、普通はそうなるよねという結論、ベラ子陛下が下されます。
(むろん、英国に駐留している痴女種を無理からに動かそうとする場合も想定できますけど、それをやろうとした段階で、アレーゼおばさまがサト◯マツカゼに乗ってバッキンガムに行くでしょう…)
なるほど、確かにそれでは手が出しようもないでしょう。
で、今度はわたくし、フランシスカの疑問。
果たして、王妃殿下に林業荘園の経営をお任せしても大丈夫なものなのでしょうか。
淫化や尼僧尊の林業荘園はもちろん、魔屋と明日輝南部の同様の荘園のことも存じておるこのフランシスカとしては、そこが気になるところ。
ええ、厳然とした季節区分…特に、深い雪と猛烈に下がる気温に晒される冬が存在するカナダ同等の金田の土地で、果たして中南米の熱帯性雨林と同じようにずばずばと伐採できるものなのか。
「同じようにはいかないでしょう」
即答なさるのは、室見理恵・国土局長。
「これはアレーゼ本部長からも言われてる話なんですけど、北米大陸北部には冬眠の生態を取る生物が多いのです。つまり、寒く雪深い冬を森の中で過ごす生き物多数。じゃ、そんな生き物がいるとわかっていて、魔屋はもちろん、淫化尼僧尊や淫化北部のように通年伐採ができるかと言いますと…」
「そーなんですよフランシスカさん…冬眠してる哺乳類や、冬場に比較的温暖な土地に飛んでくる渡り鳥の生態を脅かすだけではないのです…小型の齧歯類や虫などでも、樹皮や幹に隠れていたりするのがいるようなのです…」
ああああああ…そうですね、確かに淫化、わけても淫化尼僧尊や絶頂悪取に両手挙あたりですと、そうした森林生物への被害が甚大になるのを避けるためにも一度に全域を伐採するのではなく、生き物が逃げる先の森を残しながら、伐採範囲を区切ってロータシオンしておるのです。
しかし、それは逃げるために動ける生き物だからこそ使える手。
冬眠している生物からしたら、いきなり森に林業魔族が入り込んでばっさばさと木を切り倒されるどころか、下手すると樹木ごと製材工場まで運ばれてしまうことになってしまうでしょう…。
つまり、あの「あやつりサーカス」の映画のラスト近くのシーン通りで、金田の林業は冬季休業の必要性があるようなのです…。
「むろん、森に生きる動物を無視するならば、林業魔族の投入で簡単に冬季も操業することが可能となります。しかし、過剰な伐採は単純に聖院規範の不殺を破るだけでなく、冬ごもりしている生物の生態系を乱す自然破壊となりかねません」
なるほど…。
では、そろそろ金田では冬ごもりの準備に入っている段階なのでは。
「今はまだ、操業しているようです。ただ、現時点では試験操業ということで、ピッツバーグの石炭転換工場まで木材を送るなかで、北米固有の問題点を洗い出す作業も行なっていますから、伐採面積や輸送量は本格的ではありませんよ」
で、フラメンシア殿下の思惑ですが。
要は、自身の目でご覧になりたいのです。
林業荘園の実態。
特に、林業魔族に与える餌や、その管理の中心たる苗床について。
むろん、今でこそオリエンテ宮殿至近の地下に小型ではありますが、苗床が置かれて運用を開始しております。
近く、サルスエラ宮殿の即成栽培施設も、苗床に置き換える計画が進行中だとも。
しかし、厳冬期が存在する金田の地で、果たして運用がうまくいくのか。
とりあえずは、実際に見てみましょかということになりました。
(それとですねぇ、このモンタナ州に該当する土地ですがねぇ、ぐふふふふふ)
なぜ、ここで野営してまで色々調べる必要があるのか。
ベラ子陛下いわく、このモンタナ州はゴールドラッシュの舞台となった有名な土地だけでなく、銅…特に19世紀から20世紀初頭にかけて起きた電力網整備や海底ケーブル敷設の需要を受けて、カッパーラッシュともいえる銅鉱山目当ての採掘ブームが起きたそうなのです。
ええ、このフランシスカ、英語話者の話し方になるべく近づけるように頑張ってみましょう。
そして、ここモンタナにも、それなりに億万長者を何人も輩出させるだけの埋蔵量の銅鉱山が存在したとも。
(ただ、銅の鉱山は概して、副産物や鉱滓が有害です。あまりに危険な場合は、エマちゃんにお願いして産出や精錬を補助してもらうかも知れません…)
で、この資源のお話はテレーズ殿下やフラメンシア殿下には内緒なのです…。
理由。
西海岸はワシのもんやっ。
(フランシスカさんも割と欲がある方だから…まぁ、その辺は銅の鉱脈が見つかってからにしましょう)
ともかく、車の中で、皆して聖環のフローティング画面を出しながら、ベラ子陛下のパソコン経由で、件の林業村の午後を拝見することに。
で、衛星経由で監視カメラの映像を送ってもらう手配をかけた後で、映し出されるのは林業村の中心部の、小さめの聖母教会。
しかし、その背後の寮舎や食堂などの建物は教会に比べて異様なまでに大きく、季節によって村の人口が大きく変わるであろう実態を予見させます。
で、室見局長経由でクレーゼ局長にお教え頂いたのですが、実のところはこの林業村、日常の流れは絶頂悪取のペニペや淫化尼僧尊の絶頂都市とあまり変わりません。
しかし、高緯度帯域に所在するということで、夜がかなり早いらしいのです。
ええ、ここなオルガ湖畔村とかいう村落。
極夜とまでは行かねど、冬場は陽光も弱々しいようなのです。
で、その早い夜に備えるためにも、夕食の支度もまた、早めである模様。
しかし、その一方で、教会の入口扉の上には聖態灯が赤く灯り、中で起きていることを無言で告げております。
(ほほほほほ、美男のフェルセンが偽女種となってわが逸物を咥えておるのが見えますか、ソフィー…)
(ああっマリー司祭様、そのようなお戯れは…)
(何を申すのですかソフィー、者どもが森に出て木こりをしておる時に、そなたとフェルセンはかようにちちくり合い、いちもつを出し入れしておるこの有様、司教として恥ずかしくはないのですか…)
(ああっ、これは夕刻以降の精気配布に必要なやりとりでございます!決してお楽しみに耽っておった訳ではありませぬ!)
え。
映画通りに、司祭と司教の立場、逆転しとるではないですか。
そして、なぜかほそーく開かれておる、祭壇から見て真正面の教会入り口の扉。
ええ、覗き見をしておる者がおるようなのです…。
ぬぬぬ。
早速にも、私たちを驚愕させる実態があらわになっております。
で、ちょいと距離はあるのですが、黒薔薇資格者以上ならばマリー司祭ことアントワネット王妃や、他の現地の人々の意識や視覚を共有することもできなくはありません。
どうやら、王妃や伯爵…そしてソフィー未亡人の身柄を保護するために意識共有をある程度は制限された地帯のようなのですが、そこはそれ、ベラ子陛下やアルト閣下がおられますので、黒薔薇権限の発動を許可して頂きましょう。
そして、聖環に表示される映像以上の現地情報をレトラーソなしで見聞する私たちですけどね…。
ええ、私やフラメンシア殿下経由で、実母やその周辺の人々の諸々を探ることができるようになったテレーズ殿下、絶句しておいでです。
(あのむっつりどすけべ女はぁああああああ)
(そーいえば、アントワネット妃ってオーストリアとかドイツ人になるんですよね…)
(つつつつつつつまり、変態の系譜)
(あのー。フローレシェーネです。メーテヒルデ支部長ともども、ドイツを変態の産地、変態の本場のように申される認識が痴女皇国関係者に蔓延してる件についてはですね、主にジーナ閣下とマサミ局長とジョスリーヌ団長のせいとしてもですね、極めて強い遺憾の意を表したいのですが)
いや、私もそう思ってましたとは言えず。
(しかし、みなさん。おうひさまはどうやら、フェルセンはくしゃくといういけめんおにいさんと、いもうとさんのいけないかんけいを知ってしまったことでこころがゆがんだようにもおもえます。ですが、おうひさまはふたりのなかをひきさくよりも、3にんでたすけあって生きていこうというおかんがえのようでもあるみたいですよ)
ううむ、アルト閣下のこの発言には、たしかに頷けるものがあります。
そして、現在進行形で聖母教会の聖堂内、それもベラ子陛下の聖母像のすぐ前の内陣の中で開催真っ最中の、どすけべ性交をやめさせてはいません。
むしろ、もっと豚のように交われとか、けしかけておいで。
(ああ、この自由恋愛人の美男美女っぷりときたら…存分に汚したくなるわ…美しい花ほど摘み散らしたくなるのは本当なのね…)
と、自身も相応にドイツ・オーストリア系の美人でしかも巨乳。
しかも巨乳。
しかも、巨乳なのを横に置いて嫉妬光線を発している元・王妃殿下。
(フランシスカさんも元々巨乳の部類だったのでは…)
(ルチャのリングに立つ時は敢えてヒンヌー状態とやらに近づけております…邪魔なんですよ、肉体言語で語る時…)
(でかぱいのほうがおとこうけもおんなうけもよいばあいがある。乳上をみていても、そうおもいませんか…)
(そう言えば痴女皇国で貧乳傾向って、コイリュル皇妃とあたしくらいじゃ…)
(パイセン泣かないで…他にもいます…)
(ベラちゃん、おかーさんもそうだけど、あんた天然でそこそこ大きい乳でしょ…)
ええ、胸の大きさというものを、男は強く求める。
子供時代の記憶がそうさせるのでしょうか。
この男の生態、わたくしフランシスカもさんっざんに経験しました。
ですからグラビアモデル抜擢に合わせて、こっそりとニューヨークの整形外科の門を叩いた時代も…あわわ。
しかし、私は敢えて言いたいのです。パイズリとかいう行為、日本から輸出せんといてくれ。
あれ、結構大変なのですよ。
(そう言いながら私の乳でやらんといてください!)
(パパロトル…化け乳を望んだのはあんたでしょうが…)
(若干後悔しています、いえ、かなり。しかし、ショコヨツィンからの受けはいいのです…ううううう)
ええ、痴女皇国世界の明日輝王妃として抜擢されておるパパロトルという女。
親は、蝶のように可憐な女となって欲しいと願ったようなのですが、実際には蝶どころか蜂、それも凶暴なしろもののように思えます。
従って、私の本体は時々、明日輝あらためメキシコ帝国の神殿都市であるティオティワカンにパパロトルを呼びつけてルチャの練習をしておるのです。
(トラカーヨ使うんじゃなくて、格闘の技だけにしてください!)
(あんたは時々ヤキを入れておかないと暴走すると思うのです。かつてのオノリナ以上の凶暴物件だと、私は認識しとるのです…)
(いえいえ、サラマンドラのようにのんびりした性格ですよ、ショコヨツィンの前では)
うそつけや。
たまにティノチティトランからこっちに逃げて来るんやぞ、ショコヨツィン…つまり、明日輝王!
-----------------------------------------
ぱぱ「冤罪です」
しすか「証言させるわよ…」
ぱぱ「それよりもフランシスカ様。ちゃんとコンティネンテ・ノルテアメリカを我らが手に」
しすか「物騒なことを言わないように…」
ぱぱ「というか、嘘つかない族との交易は従来からあったんですからね…明日輝の産品、ノルテアメリカの南側の砂と岩のあたりでは高く売れるんですからっ」
べらこ「つまり、フランシスカさんが最低でも西海岸を欲しがってるのは、自分の欲求だけでもないと…」
しすか「あとまぁ、ウェストコーストの名所も欲しいっちゅうのもありますけどね。ま、カリフォルニアの気候とか、メヒコや淫化北部と似通ってますし。なんでしたら映画の産地も我が手に」
べらこ「プロレス映画ばかり作りそうな気もしますね…」
と、フラメンシア殿下によるマリー・アントワネット王妃の人物評にやんわりと、異論を唱えるテレーズ殿下。
「あの母親であれば、もしかすると人のあさましいまぐわいを眺めて悦に入るようなこと、好むかも知れませんわね…」
「で、ベラ子陛下、ちょいとご相談が」
で、車の周りにおる我々ですが、フラメンシア殿下がとんでもない発言を言い出します。
「英国女王は、私とテレーズに対して、アントワネット妃の居場所を知っているぞという脅しをかけることで動揺を誘い、交渉を有利にしようとなさいました。しかし、実際にアントワネット妃を簡単に害することができるのか。そして、害したとしても、今度は痴女皇国…特にアメリカ大陸統括本部の不興を買うようなことにならないか。私はその辺を疑問に思ったのです」
ぬぬ。
テレーズ殿下に影響されてか、フラメンシア殿下もえらく真面目になっておられます。
そして、殿下は殿下で、屁理屈をこねくり回す作業の最上級たる哲学者や思想家を多数輩出したフランスの人間…それも、父親が本物の思想家かつ、エロ作家なのです。
(ですから、私の父のことはほっといてください…)
「実際には厳しいでしょう。えーと、フェルセン伯爵の妹さんが司教ですから、1万人までは一度に倒せます。それに王妃殿下…いえ、マリー司祭自身が今や、ある程度の距離だったら自分を害する意志を検知できますよ。逃げるにしてもあたしたちに支援を乞うにしても、はたまた迎撃するにしても余裕を持って対処できるでしょう」
と、まぁ、普通はそうなるよねという結論、ベラ子陛下が下されます。
(むろん、英国に駐留している痴女種を無理からに動かそうとする場合も想定できますけど、それをやろうとした段階で、アレーゼおばさまがサト◯マツカゼに乗ってバッキンガムに行くでしょう…)
なるほど、確かにそれでは手が出しようもないでしょう。
で、今度はわたくし、フランシスカの疑問。
果たして、王妃殿下に林業荘園の経営をお任せしても大丈夫なものなのでしょうか。
淫化や尼僧尊の林業荘園はもちろん、魔屋と明日輝南部の同様の荘園のことも存じておるこのフランシスカとしては、そこが気になるところ。
ええ、厳然とした季節区分…特に、深い雪と猛烈に下がる気温に晒される冬が存在するカナダ同等の金田の土地で、果たして中南米の熱帯性雨林と同じようにずばずばと伐採できるものなのか。
「同じようにはいかないでしょう」
即答なさるのは、室見理恵・国土局長。
「これはアレーゼ本部長からも言われてる話なんですけど、北米大陸北部には冬眠の生態を取る生物が多いのです。つまり、寒く雪深い冬を森の中で過ごす生き物多数。じゃ、そんな生き物がいるとわかっていて、魔屋はもちろん、淫化尼僧尊や淫化北部のように通年伐採ができるかと言いますと…」
「そーなんですよフランシスカさん…冬眠してる哺乳類や、冬場に比較的温暖な土地に飛んでくる渡り鳥の生態を脅かすだけではないのです…小型の齧歯類や虫などでも、樹皮や幹に隠れていたりするのがいるようなのです…」
ああああああ…そうですね、確かに淫化、わけても淫化尼僧尊や絶頂悪取に両手挙あたりですと、そうした森林生物への被害が甚大になるのを避けるためにも一度に全域を伐採するのではなく、生き物が逃げる先の森を残しながら、伐採範囲を区切ってロータシオンしておるのです。
しかし、それは逃げるために動ける生き物だからこそ使える手。
冬眠している生物からしたら、いきなり森に林業魔族が入り込んでばっさばさと木を切り倒されるどころか、下手すると樹木ごと製材工場まで運ばれてしまうことになってしまうでしょう…。
つまり、あの「あやつりサーカス」の映画のラスト近くのシーン通りで、金田の林業は冬季休業の必要性があるようなのです…。
「むろん、森に生きる動物を無視するならば、林業魔族の投入で簡単に冬季も操業することが可能となります。しかし、過剰な伐採は単純に聖院規範の不殺を破るだけでなく、冬ごもりしている生物の生態系を乱す自然破壊となりかねません」
なるほど…。
では、そろそろ金田では冬ごもりの準備に入っている段階なのでは。
「今はまだ、操業しているようです。ただ、現時点では試験操業ということで、ピッツバーグの石炭転換工場まで木材を送るなかで、北米固有の問題点を洗い出す作業も行なっていますから、伐採面積や輸送量は本格的ではありませんよ」
で、フラメンシア殿下の思惑ですが。
要は、自身の目でご覧になりたいのです。
林業荘園の実態。
特に、林業魔族に与える餌や、その管理の中心たる苗床について。
むろん、今でこそオリエンテ宮殿至近の地下に小型ではありますが、苗床が置かれて運用を開始しております。
近く、サルスエラ宮殿の即成栽培施設も、苗床に置き換える計画が進行中だとも。
しかし、厳冬期が存在する金田の地で、果たして運用がうまくいくのか。
とりあえずは、実際に見てみましょかということになりました。
(それとですねぇ、このモンタナ州に該当する土地ですがねぇ、ぐふふふふふ)
なぜ、ここで野営してまで色々調べる必要があるのか。
ベラ子陛下いわく、このモンタナ州はゴールドラッシュの舞台となった有名な土地だけでなく、銅…特に19世紀から20世紀初頭にかけて起きた電力網整備や海底ケーブル敷設の需要を受けて、カッパーラッシュともいえる銅鉱山目当ての採掘ブームが起きたそうなのです。
ええ、このフランシスカ、英語話者の話し方になるべく近づけるように頑張ってみましょう。
そして、ここモンタナにも、それなりに億万長者を何人も輩出させるだけの埋蔵量の銅鉱山が存在したとも。
(ただ、銅の鉱山は概して、副産物や鉱滓が有害です。あまりに危険な場合は、エマちゃんにお願いして産出や精錬を補助してもらうかも知れません…)
で、この資源のお話はテレーズ殿下やフラメンシア殿下には内緒なのです…。
理由。
西海岸はワシのもんやっ。
(フランシスカさんも割と欲がある方だから…まぁ、その辺は銅の鉱脈が見つかってからにしましょう)
ともかく、車の中で、皆して聖環のフローティング画面を出しながら、ベラ子陛下のパソコン経由で、件の林業村の午後を拝見することに。
で、衛星経由で監視カメラの映像を送ってもらう手配をかけた後で、映し出されるのは林業村の中心部の、小さめの聖母教会。
しかし、その背後の寮舎や食堂などの建物は教会に比べて異様なまでに大きく、季節によって村の人口が大きく変わるであろう実態を予見させます。
で、室見局長経由でクレーゼ局長にお教え頂いたのですが、実のところはこの林業村、日常の流れは絶頂悪取のペニペや淫化尼僧尊の絶頂都市とあまり変わりません。
しかし、高緯度帯域に所在するということで、夜がかなり早いらしいのです。
ええ、ここなオルガ湖畔村とかいう村落。
極夜とまでは行かねど、冬場は陽光も弱々しいようなのです。
で、その早い夜に備えるためにも、夕食の支度もまた、早めである模様。
しかし、その一方で、教会の入口扉の上には聖態灯が赤く灯り、中で起きていることを無言で告げております。
(ほほほほほ、美男のフェルセンが偽女種となってわが逸物を咥えておるのが見えますか、ソフィー…)
(ああっマリー司祭様、そのようなお戯れは…)
(何を申すのですかソフィー、者どもが森に出て木こりをしておる時に、そなたとフェルセンはかようにちちくり合い、いちもつを出し入れしておるこの有様、司教として恥ずかしくはないのですか…)
(ああっ、これは夕刻以降の精気配布に必要なやりとりでございます!決してお楽しみに耽っておった訳ではありませぬ!)
え。
映画通りに、司祭と司教の立場、逆転しとるではないですか。
そして、なぜかほそーく開かれておる、祭壇から見て真正面の教会入り口の扉。
ええ、覗き見をしておる者がおるようなのです…。
ぬぬぬ。
早速にも、私たちを驚愕させる実態があらわになっております。
で、ちょいと距離はあるのですが、黒薔薇資格者以上ならばマリー司祭ことアントワネット王妃や、他の現地の人々の意識や視覚を共有することもできなくはありません。
どうやら、王妃や伯爵…そしてソフィー未亡人の身柄を保護するために意識共有をある程度は制限された地帯のようなのですが、そこはそれ、ベラ子陛下やアルト閣下がおられますので、黒薔薇権限の発動を許可して頂きましょう。
そして、聖環に表示される映像以上の現地情報をレトラーソなしで見聞する私たちですけどね…。
ええ、私やフラメンシア殿下経由で、実母やその周辺の人々の諸々を探ることができるようになったテレーズ殿下、絶句しておいでです。
(あのむっつりどすけべ女はぁああああああ)
(そーいえば、アントワネット妃ってオーストリアとかドイツ人になるんですよね…)
(つつつつつつつまり、変態の系譜)
(あのー。フローレシェーネです。メーテヒルデ支部長ともども、ドイツを変態の産地、変態の本場のように申される認識が痴女皇国関係者に蔓延してる件についてはですね、主にジーナ閣下とマサミ局長とジョスリーヌ団長のせいとしてもですね、極めて強い遺憾の意を表したいのですが)
いや、私もそう思ってましたとは言えず。
(しかし、みなさん。おうひさまはどうやら、フェルセンはくしゃくといういけめんおにいさんと、いもうとさんのいけないかんけいを知ってしまったことでこころがゆがんだようにもおもえます。ですが、おうひさまはふたりのなかをひきさくよりも、3にんでたすけあって生きていこうというおかんがえのようでもあるみたいですよ)
ううむ、アルト閣下のこの発言には、たしかに頷けるものがあります。
そして、現在進行形で聖母教会の聖堂内、それもベラ子陛下の聖母像のすぐ前の内陣の中で開催真っ最中の、どすけべ性交をやめさせてはいません。
むしろ、もっと豚のように交われとか、けしかけておいで。
(ああ、この自由恋愛人の美男美女っぷりときたら…存分に汚したくなるわ…美しい花ほど摘み散らしたくなるのは本当なのね…)
と、自身も相応にドイツ・オーストリア系の美人でしかも巨乳。
しかも巨乳。
しかも、巨乳なのを横に置いて嫉妬光線を発している元・王妃殿下。
(フランシスカさんも元々巨乳の部類だったのでは…)
(ルチャのリングに立つ時は敢えてヒンヌー状態とやらに近づけております…邪魔なんですよ、肉体言語で語る時…)
(でかぱいのほうがおとこうけもおんなうけもよいばあいがある。乳上をみていても、そうおもいませんか…)
(そう言えば痴女皇国で貧乳傾向って、コイリュル皇妃とあたしくらいじゃ…)
(パイセン泣かないで…他にもいます…)
(ベラちゃん、おかーさんもそうだけど、あんた天然でそこそこ大きい乳でしょ…)
ええ、胸の大きさというものを、男は強く求める。
子供時代の記憶がそうさせるのでしょうか。
この男の生態、わたくしフランシスカもさんっざんに経験しました。
ですからグラビアモデル抜擢に合わせて、こっそりとニューヨークの整形外科の門を叩いた時代も…あわわ。
しかし、私は敢えて言いたいのです。パイズリとかいう行為、日本から輸出せんといてくれ。
あれ、結構大変なのですよ。
(そう言いながら私の乳でやらんといてください!)
(パパロトル…化け乳を望んだのはあんたでしょうが…)
(若干後悔しています、いえ、かなり。しかし、ショコヨツィンからの受けはいいのです…ううううう)
ええ、痴女皇国世界の明日輝王妃として抜擢されておるパパロトルという女。
親は、蝶のように可憐な女となって欲しいと願ったようなのですが、実際には蝶どころか蜂、それも凶暴なしろもののように思えます。
従って、私の本体は時々、明日輝あらためメキシコ帝国の神殿都市であるティオティワカンにパパロトルを呼びつけてルチャの練習をしておるのです。
(トラカーヨ使うんじゃなくて、格闘の技だけにしてください!)
(あんたは時々ヤキを入れておかないと暴走すると思うのです。かつてのオノリナ以上の凶暴物件だと、私は認識しとるのです…)
(いえいえ、サラマンドラのようにのんびりした性格ですよ、ショコヨツィンの前では)
うそつけや。
たまにティノチティトランからこっちに逃げて来るんやぞ、ショコヨツィン…つまり、明日輝王!
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ぱぱ「冤罪です」
しすか「証言させるわよ…」
ぱぱ「それよりもフランシスカ様。ちゃんとコンティネンテ・ノルテアメリカを我らが手に」
しすか「物騒なことを言わないように…」
ぱぱ「というか、嘘つかない族との交易は従来からあったんですからね…明日輝の産品、ノルテアメリカの南側の砂と岩のあたりでは高く売れるんですからっ」
べらこ「つまり、フランシスカさんが最低でも西海岸を欲しがってるのは、自分の欲求だけでもないと…」
しすか「あとまぁ、ウェストコーストの名所も欲しいっちゅうのもありますけどね。ま、カリフォルニアの気候とか、メヒコや淫化北部と似通ってますし。なんでしたら映画の産地も我が手に」
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