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アルトのアメリカ大冒険 - Route 69 -4.8

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(断っておきますけど、そういうことはあたしがやりたくてやってた訳じゃないんですよ?)

と、ご自身の分体を餌にして、若い男を罠にかけ釣り上げていたと言われる痴女皇国国土局長のセニョーラ・室見理恵。

その行為、単純に考えれば犯罪そのものでしょう。

ですが、このフランシスカ・アデライデ・フアナ・グアダルーペの出身国たる、連邦世界でのメキシコ合衆国。

かつてのメキシコでは、警察の1部隊や警察署丸ごととか、軍隊なら特殊部隊1つ分がそっくり犯罪組織になってしまうような事が普通に起きていたのです。

そして、この私も犯罪組織に狙われて片棒を担ぐどころか、首領ヘフェの女にされたのです。

(まぁ、厳密にはされかけたところで捕まったのですが)

(お手つきされてないのも同然と…)

(しかも、私の世話をしていた子たち、後で牢から出す代わりに痴女皇国世界へ連れて行って忠実な下僕に出来ましたし…)

で、逆に今のメキシコでは、私が暫定政権の臨時大統領ということで対外的には知られております。

が、メヒコ国内ではプレジデンテではなくカウディーリョ…つまりフランコ政権時代のスペインのフランコ氏と同じ呼称で呼ばれております。

つまり、総統…独裁者として扱われております。

しかし、私の統治下となってからは劇的に治安を改善させております。

マリアリーゼ陛下の口利きで、アメリカに工場を構えていた企業…特に三河監獄社が北米地域における主要生産拠点をメキシコに移す計画を発表した時には、さすがにアメリカ合衆国から苦情が出ました。

しかし、中米地域全土を揺るがした地震と付帯する自然災害からの復興事業とされては、第三次世界大戦を経て大きく国力を削がれたアメリカとしても了承せざるを得ませんでしてね。

(そうですよねぇ、まりりと連邦政府が欲しいのは世界の警察と言われた時代のアメリカの国力であって、アメリカ合衆国じゃないのですよね…)

(珍しい権利が横行し軽犯罪を見逃すような法律を通す国のどこに存在価値があるのか、ということになりますわね…)

(美女や助平衣装の価値を奪うような勢力が幅を利かせていたのも間が悪かったわよね…)

で、セニョーラ・室見の申される通り、痴女皇国世界でのアメリカはアメリカ合国として扱う事が決定しております。

ですが、痴女皇国としての政治体制、明確には決まっていないのです。

(その辺に今回、フランシスカさんが同行されている理由があるのですよねぇ…ふふふ)

(埋蔵資源が連邦世界のアメリカほどには期待できないとあっては、世界の大国としておく理由がそもそも存在しないと思いますし…資源がなければ大規模な開発の必要はないも同じ。となると、中米や南米同様、なるべく原住住民の生活様式や居住地を維持してやる政策も可能となりますかと)

そう…アメリカにおいて、インディアンを狩り立て追い立て追いやった最大の理由が、痴女皇国世界ではなくなるも同然なのです。

控えめに言って、アメリカ合衆国同等の区域の北米大陸における石炭の埋蔵量は連邦世界の三分の一から四分の一と見られております。

メキシコ湾の油田やシェールガス田を含めた原油にしても事情はおおむね、同じ。

つまり、ゴールドラッシュとその先にある国土や資源開発のうまみが期待できない状態なのです。

(綿花栽培に牧羊牧畜、そしてその他農業やるしかありませんよね…)

(要はアメリカ合衆国本土の農業林業の部分だけ取り出すようなものですわよね…)

まぁしかし、この手の開発、実のところ、痴女皇国としては既に南米行政局管轄となりますが、尻出国と有全珍で実績が積まれています。

そして我が中米行政局でも、メヒコ北部の砂漠地帯に建設された人工湖を活用した灌漑事業によって、国土の可耕面積を徐々に拡大中。

少なくとも痴女皇国世界の女裂振珍めきしこ帝国と魔屋王国管内での食料自給率、やろうと思えば完全自給も可能な状況なのです。

(アメリカ開発に必要な精気駆動発電機のための蓄積精気を確保可能なだけの人口、なんとかしてアメリカ国内で増やしたいところですしね…)

実は、痴女皇国世界での北米大陸におけるネイティブ人口、一千万どころか全土で2~300万人だったのです。

アレーゼ本部長いわく「確かに連邦世界の北米大陸におけるインディアンとやらは数千万人まで増えていたようだが、こちらでは狩猟中心の文明文化を築いていたこともあってさほど増えてはいなかったようだ。少なくとも明日輝や淫化のような先進的農業技術が広まっていなかったのは事実だな」と申されます。

そして、欧米の侵略が食い止められていたということは…。

(確かに伝染病や侵略戦争による人口逸失は食い止められました。しかし、裏を返せば自然環境に対する開拓の人員や開発技術が導入伝来せずに至っているのです…つまりは、原始生活のままですから…)

(理恵さんの話に付け加えさせてもらうと、彼ら同士…つまり部族間抗争について、彼ら自身の原始的な自治に委ねるしかなかったのだ…そう、彼らの間での殺し合いを止めるのは彼ら自身の自助努力あるのみだったのだよ…)

ええ、居住に適した土地を巡っての抗争によって、彼ら自身が数を大きく増やす事が難しかったようですね。

では、住民への干渉は行われなかったのでしょうか。

これも、アレーゼ局長だけの方針ではなく、マリアリーゼ陛下の意向が働いておりました。

(南北アメリカの開発に着手した当時は、欧州への小麦や牛肉供給…後に大豆も加わるけどね、とにかく食料供給のために有全珍の開発を最優先せざるを得なかったんだよ。で、そのあとで淫化やカリブ海沿岸に尻出国と、順を追って手を入れさせてもらったんだよ)

(原住民の意識改革もセットになってしまうからな…マリアの政策について私やマイレーネも思うところがない訳じゃないんだが、話を聞いて貰えない以上はやむを得ないと同意せざるを得なかった一面はある)

(そりゃおばさま、部族の風習だの先祖伝来の掟だのって言われたら、そこから先の話が全く進まないじゃないですか…否が応にもあたしらが言う事、聞いてくれないと困るんですよね、こちらも…)

つまり、女体化作戦の実施理由はこれです。

嫌が上にも、我々の言うことを聞かせるため。

これが伝染病と何が違うのかと思いましたが…しかし、女体化駄洒落菌の感染者は生き残るのですよね。

(ま、混血交配を受け入れるか死に絶えるか…それに、女体化するってことは男の体力や思考を部族から奪うってことなんだよねぇ…)

つまり、開拓精神や冒険、征服といった、どちらかと言えば男の得意な思考が出来る者が減ることになります。

痴女皇国世界の北米では数少なかった農耕生活者にしても、農地を切り拓いたり維持する熱意に満ちていなくては、いずれ農業も立ち行かなくなるでしょう。

そして女にとっては根本的な問題。

子供を作るためには、よその男を頼らざるを得ない。

生まれた時から女であれば話は別ですが、種族や部族の誇りを刻み込まれて育った元・男たちがすぐに女の考えに至ってくれるものか。

しかも、今の今まで男の象徴であった股間の凶器を失ってしまった状態なのですよ?

これを恐怖に思わずして、何を恐怖に思うのでしょうか。

(ポルトガルでも中東でも北方帝国でもフランスでも、これやると本当に人から生きる意欲を奪うの、ジニアからも聞いてるし…まりり、女体化作戦は本当に慎重に実施してよ…)

(普段はちんぽを積極的に隠してる女が何を言う)

(邪魔なだけじゃっ)

そうそう、室見局長、痴女種としてはかなり、ちんぽペネの使用頻度が高い部類だそうですね。

(あたしの日常生活の不満点でもあります。フランシスカさんも見てお分かりの通り、あたしはむっきむきでもなければ身長ど高めでもありません。さらに、たのきちよりもBMI低めです)

(りええ…今半期の特別報償査定ゼロでいいよね…自発的に返納したいって報告、厚労局人事部に入れとくわよ…)

(たの…あたしが皇族プラス女官長権限者としてあんたの人事考課査定が出来る立場だっての、忘れたわけ…?)

(ぐぬぬぬぬぬ)

(ぐぬぬぬぬぬ)

で、室見局長。何がご不満なのか。

(ずばり、男役としても女役としても双方の性器を酷使していることにあります。どうも私には厳しい妊娠制限がかかっているようで、孕みたいと思っても孕めなかった…ええ、ジニア作る時の件が正にそうですし、フランシスカ局長が私を孕ませようとしても成功しない件ですね…)

ううう、そうです。

いえ、私だけじゃありませんよ。

シェヘラザード様も、アルテローゼ様も。

昨今では北方のエカテリーナ支部長までもが、室見局長の尻で精を絞られることに夢中なようです。

(フランシスカさんがあたしのお尻を突きまくるのと同じ理由です。それはともかく、ただ、逆に言えば遠慮なくみんな、中出ししてくるんですよ…)

ええ、エラいことを暴露なさいましたが、実のところ室見局長のおめこ、名器として有名らしいそうですね。

(ジーナさんがラスプーチンちん持った時以降ですね。で、あれ…フランシスカさんもご存知の通り、使う相手を選ぶでしょう。当時はあたしが女官長でしたし、精気授受のためとはいえ、ジーナさんとはほぼ毎日やりまくってたんですよね…)

(うちが皇帝室秘書課長の時やな…フランシスカさんに言い訳しとくと、今とは違って当時の女官が吸い上げた精気がいわば消化不能な食材というか、原油のような状態にされてたんやわ…)

(で、まりりやジーナさん、そしてアルトさんあたりから女官が利用可能な精製精気を下ろしてもらう必要があったんですよ。つまりあの当時の痴女宮で上下関係の女官同士がおめこしてた理由、言い方は悪いんですけど餌の配給なんです…)

(フランシスカさん…皇族居室に青薔薇騎士団所属の女官を侍従として最低2名常駐させてるん知ってるかな?)

(ダリア統括と室見局長のお部屋にもおられますね)

(あれ、その精気授受のピラミッド構造の名残りやねんわ。理恵ちゃん、今は痴女宮もその辺、聖母像の精気収集配給システム導入に合わせてカイゼンしとるんやろ?)

(聖母教会と違って全面自動じゃないですよ。それと生命維持のトリガーになってますから、結局はおめこ必須です)

(なるほど…前とは目的がちゃうけど、結局はおめこさしとると…)

(あと、本宮と門前町は精気全面自動支給じゃないんです。ジーナさんが秘書課長や皇帝室長してた時代の半分から三分の一くらいですけど、やっぱり上司上官から精気もらうルートも残ってますしね)

(まぁ、こればかりは本宮方針やからマリ公とベラ子だけやなしに、内務の雅美さんと初代様、それに厚労局の二代目様辺りも入って決めとるやろからなぁ…)

(聖母様…今は痴女宮本宮と女官寮の女官の構成もかなり変わっておりましてよ…あと1~2年はお戻りになれないとは伺っておりますが、戻られた暁のためにもお知り置きを…)

(おや二代目様、どない変えてましたっけかしら)

(これは室見様がご存知のはずですが、フランシスカも本宮に女子供を送り出す立場ですから、知っておるとは思います。つまり、前とは違ってある程度の水準に達した女官の優等教育を本宮で引き受けるようにもなったのです…)

(ええとですねジーナさん、前は女官寮ってあちこちから集められたか身を寄せてきた女性を女官にするための初期教育からまず、始めてたじゃないですか。それが聖母教会や慈母寺ができてからは、そっちで女官にした人が増えてるんですよ。加えて各地の町や村も開発が進んでますから、司祭が千人卒じゃ回らなくなってきてるケースも増えてます。で…フランシスカさんのところにも通達が行ってましたよね)

(ええ、それに罰姦ばちかん聖母教会の枢機卿会議でも議題に出ておりました。ジーナ閣下になるべくご理解頂けるよう申し上げますと、司祭の任命条件を万卒にするか、はたまた司教の数を増やすかで罰姦の会議が紛糾したのです)

あー…映画「タンゴ・アルヘンティーナ」のラストシーン、覚えておいででしょうか。
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/300/

そう…ヒロイン役のヴィータは司教となっておりました。

そして、実際に実物のヴィータも司教としての研修を受けている最中なのですよ、今の時点では。

つまり、千人卒の司祭では村の人口すら管理統治できない地域が増えておるのです。

(なるほどな…千人卒未満の子にも、臨時にちんぽ生やす話もあったな、そう言うたら…)

(ええ、あれも言ってみれば司祭を補助し、増える村の人口の精気授受管理を円満にするための措置ですね…私の所轄でも、明日輝はもちろん、魔屋の神殿でも類似の事が起きております。ある意味では人が増えて成績にもなるのですが…)

(なるほどなぁ。で、今度は逆に本宮でしごいてから司祭なり司教なりの道をつけると…つまり千人卒への昇格に関する教育を本宮で行うようになったんかいな)

(もともと本宮でやってた事ですけどね。で、今は本宮で女官生活のスタートを切る人よりも、聖母教会で採用した人が女官に増えてますから、一ヶ月の短縮コースか半年のじっくりコースかで千人卒化または還俗か、現状の卒級で元の赴任地に戻すかを決めてますね)

(まぁ、尼僧の教育課程で本宮女官を経験する流れに切り替えたっちゅう事やな)

(それと罪人にも変化がありますよ。これもジーナさんはご存知とは思いますけどね、今の本宮罪人はそもそも罪環の色が黒スタートじゃなくて銅色や黄銅色あたりの人が最低になってます…つまり更生が進んだ優良罪人か、罪人枠で職業訓練に来てる事情罪人の方が圧倒的ですよ…)

(まぁ、ほんまの罪人、ボロブドゥールやグァンタナモ経由で各地の農場送りにしてる方が無駄がないわな…)

(それと聖母様、今まで聖母教会の管轄地で偽女種を相手にしておった見習い尼僧であった女官たち。これらを本宮に召喚して一括教育すれば、当然ですが不満が出る事でしょう…いえ、出ました。室見様がその辺をご存知かと)

(ええ。二代目様が言われた件ですが、女裂振珍のテスココ湖と淫化の乳母湖へサンティシマ型帆船を送り出して、茸島航路の船をアメリゴ・ヴェスプッチ型に入れ替えるどころか4隻体制にした理由でもありますね…ナディア海事部長と合同で決めた施策ですから存じております…ジーナさん、これ、本宮女官を偽女種にありつかせるための茸島便あるでしょ、あれの定員増加が目的なんです…本宮の罪人だけじゃ物足りないからって、偽女種を買いに行く尼僧上がりの女官が増えてる件の対応なんですよ…)

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