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アルトのアメリカ大冒険 - Route 69 -4.4

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で。

おっさん自動車製の日本向けミニバンで国境を越えた我々、高速の料金所ゲートのような設備で一旦停止します。

この設備は離魔の沖合に存在する租界島と、南米大陸本土側の離魔市街地を結ぶ租界大橋の島側に存在するものと、基本は同じです。
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/235/

つまり、ゲートを通過する際に警報をぴこぴこ鳴らされた場合は、そこから先の道順を強制的に変更…除染工程のやり直しをする場所に誘導されてしまう仕掛けがこの先に存在します。

しかし、今回はそうしたこともなく、車は素直に検問所の先に向かいます。

ですが、素直にしていないのが、後ろの席でぐすんぐすん泣いているジェニファーちゃん。

りええ べらこ
 ◯  ●
じぇに しすか
 ◯  ◯

いくらエルパソ聖母教会で速攻、受精卵を抜き取られたとは申せど、黒人のちんぽにいいように犯されて孕まされたのがこたえたようです。

で、この辺の采配、実はベラちゃんが仕切っています。

(だから乱棒らんぼうを装備していないフライデイくんに相手をしてもらったのです…。そこら辺は一応、配慮はしてますよ…)

配慮になってない気がしますが、とりあえずベラちゃんにも言い分はあるようです。

まぁ…今回は連邦世界のメキシコ・アメリカ国境のメキシコ側でコンテナを開ける方が通関手続きやら何やらで面倒がなかったそうですし。

だからですね、何もジェニファーちゃんが黒人ちんぽにわからせられる動画を撮るだけのためだったとかですね、そういうエロ行為をせんがためにメキシコ>女裂振珍>アメリカ合州国の行程をたどったわけでもないのです。

そして、連邦宙兵隊職員…つまり公務員という身分もあるベラちゃんはいざ知らずですね。

連邦世界では民間人の扱いである、わたくし室見理恵はアメリカからメキシコに入国すると、その際の手続きがものすごくややこしいのだそうです。

何せ、メキシコどころかカリブ海沿岸で起きた大地震のせいでアメリカからペルーやブラジル北部までの一帯は壊滅的な打撃を受けて各国の政治体制継続すら危ういとまで言われたことが起きた後ですから、現地へ民間人が赴くのは身の危険があるという理由で相変わらず禁じられております。

ですから、痴女皇国関係者はフランシスカさんが仕切るメキシコに直接、行く方が面倒がないのです。

しかし、一度メキシコに足を踏み入れたが最後、連邦世界だろうが痴女皇国世界だろうが、弱毒性魔毒汚染地帯に入り込んだことになってしまいます。

ですので、痴女皇国世界の場合ですと、女裂振珍めきしこ帝国領内からアメリカなり海賊共和国なりに行く際には必ず、汚染チェックと除染作業が必要となるのです…。

ですから、少年のザーメンまみれにされたジェニファーちゃんがいくらしくしく泣いていようとも、メキシコを経由する時点でこないなってしまうのです。

運命と思って、いさぎよく諦めれっ。

(元女官長は厳しいですね…)

(ダリアや黒薔薇の助けもありましたけど、割と脳筋女官長を売りにしてやってましたから…)

ええ、力とちんぽで統治してた一面は否めないと思います。

(ただ、理恵さんはマリーさんよりは話を聞いてましたで…)

で、痴女宮から遠隔心話をよこしてきたダリアいわく。

(しかしジェニファーさん、アメリカのインディアンの子はイケて黒人があかんっちゅうのも不思議な話ですなぁ)

ダリアにしてみれば自分も半分は黒人である訳ですし、日本人がよく言う「外国人は体臭がうんぬん」これは痴女種化の際に解決してますからね…。

(強姦作戦の時に痴女種化されてない相手には、まず身体浄化処置入れるのが定番の処理でしたからね…黒薔薇連中は楽にそれができるんですけど、黒薔薇やない子は泣いてましたな…)

ええ、バーデン=バーデン防衛戦の際にもフローレシェーネさんのご家族全員を痴女宮にご招待して離宮のお風呂に入れて洗ってましたね…。

(うう、それでもナンカ生理的にヤなものはヤなのデス…)

本当ならば、この手のわがままさんは矯正しまくっておくべきなのですが、我々は先を急ぐと言えば急ぐ立場。

待たせておる人物が数名、この先にいらっしゃるのですっ。

「ええと、サン・エリザリオ教会ですね」

白く小さな教会の前に、車を停めるベラちゃん。

で、その教会の前にどでかく黒い馬が一頭。

そのお馬さんが、アレーゼ局長の愛馬であるサト◯マツカゼなのは申し上げるまでもありません。

それは良いとして、見慣れた赤い車もおります。

ええ、ベラちゃんの愛車、乱暴ルギーニ・売る巣です。

この車が意外に荒地で使い物になるらしいのは聞いておりましたが、果たして北米大陸で大丈夫なのでしょうか。

それと…ベラちゃんが自分の乱暴ルギーニを持って来たということは、このミニバンの運転を誰がするのか。

「パイセンとジェニファーちゃんに決まっておるではないですか…」

えええええ。

抗議をしようと思いましたが、とりあえず今回、アメリカに来た最大の理由というものがあります。

ええ、アレーゼ本部長のお馬がいるということは、飼い主がお越しということです。

流石に私も、本部長の要請では断れませんし…。

で、教会の司祭室の応接コーナーをお借りして話をお聞きすることに。

--
んで。アレーゼ本部長いわく。

「まず、今回の北米大陸北部にお越し頂いた件だが…金田地域の開発のための下見ということで、室見局長にはまたしても無理を申し上げて済まないが、よろしくお願いしたい」

で、ここで、後で来るはずの追加の面子がどういう人たちなのか、改めて説明を受けます。

(その人たちがいるからメキシコ側で全てを済ませておけなかったんですよ…)

(事情は聞きました…)

ええ、現時点では女裂振珍に入れたくない人が最低4名、いたのです。

まず、画像を見る限りでは、サルのような見た目の怪盗を連想させる、こすっからそうなフランス人のお兄さん。

この人物については不肖室見、チラッとどこかでジョゼフ・フーシェというお名前を拝見したこともありましたので調べておきました。

そして、本宮警務局からも、この人についてはあらかじめ情報をもらっています。

…ぶっちゃけ離宮の私たちのお部屋で、警務のトップであるダリアとペルセちゃんの二人から、フーシェさんの罪人としての経歴や講評の説明を受けた上でアメリカに来ておるのです。

ですので、正直を言えば先入観ばっきばきの状態で、このフーシェさんと正対せざるを得ない状態なのです。

それでなくとも、連邦世界でのジョゼフ・フーシェと言えば権謀術数を尽くしてナポレオンに取り入っただけでなく寝返ったとか裏切ったとか手のひらを返したとか、およそナポレオンに絡んだ話でいい人に書かれたか描かれたことも見た記憶がないというのが、連邦世界の日本出身者の痴女皇国関係者の評価。

で、そんなにぼろっくそに言われるような人か、私自身も調べました。

その結果ですけどね。

(あかん、こらあかんわって顔になりました…雅美さん、先入観は良くないと思うんですけど…)

(ぶっちゃけ政治的な思想はあってない人よ。よく言えばフランス革命という大きな賭場でバクチをやった人。悪く言えば究極的には自分しか考えてなかった人ね…)

(まぁ、有り体に言うとここに来てる時点で庇ってくれた人がいなかったって事になるわね…そもそも連邦世界と違って、まだ悪名が轟いてる訳じゃないんだけど、それでも罪人寮での人間関係を見る限りでは「俺が責任を持つ」って言い切れる器量がある人物じゃないのは確かね…)

(正直、なんで金田行きを立候補したのか悩みますよね…むしろ、これからの金田の方がこの人にとっては荒波の連続に思えますよ…)

(ふふふふふ、だからアルトくんを行かせてるのよってマリアちゃんがね…)

ええと。

後で来るメンツに、アルトさん、入ってるそうです。

なんでまた。

アレーゼ本部長がいらっしゃるならば別に必要、なさそうに思いますが。

(私が随伴するのは全行程じゃないんだよ…この後でちょっと東海岸の方に顔を出したくてね。マリアヴェッラに先導を頼むことにしたんだ)

(というのも、もうひとり…アメリカ大陸に送り込まれる人がいましてね…その男性の方が、フーシェさんよりさらに難物なのですよ…ついこないだまで童貞だった人ですし)

ああ…ロベスピエールさんね…。

ええ、ご存知の方も多いでしょう。

マクシミリアン・ロベスピエールといえば、フランス革命を主導扇動した人物です。

さすがにわたくし室見とて、この人を知らないとあっては、高校以上…いえ、義務教育の学歴すら疑われるかも知れないと自覚しております。

ですが、この時のロベスピエールさんは無名に近い人物。

(そもそもフランス革命当時の主力って、地方の下級役人や弁護士上がりが多かったのよ…)

(またはナポレオンの戦果に煽られて俺も俺もって感じで志願兵になったクチだよね…)

で、ロベスピエール氏もフーシェ氏も、共通しているところがあるのです。

それは…女遊びをしてくれないという、痴女皇国関係者にしてみれば結構、困った欠点です。

いえ…二人とも女性経験が極めて少ないのですが、その理由がフーシェ氏とロベスピエール氏では異なるのですよ。

まず、ロベスピエールさんは、警務局の分析レポートにもばっちり書かれていましたが、本心では冷酷冷淡厳格な方です。

必要とあらば、女子供でも断頭台に送るような性格です。

そんな性格の人間が、単純に女に欲情するか。

彼自身の理想とする革命に賛同して従うようならば受け入れるが、逆らうどころか、うかつな異論を投げただけでもロベスピエール氏の逆鱗に触れて「死刑」とか言い出してしまうような人間です。

つまり、色仕掛けをしてもですね。

「お前は私のことを動物の雄のようにしか見てくれないのか。そんな低俗な女は私の革命には不要だ。死刑」とやりかねない部類だったのです。

ええ、痴女皇国とは基本、相性は悪い部類ですよね。

しかし、まりり…毎度毎度の我が悪友にして痴女皇国上皇マリアリーゼがですね。

(いやいや、あたしらの方がさ、逆にロベスピエールさんを始末しちゃう事なんかいつでもすぐにできるんだから、だったら一度彼の自説持論がうちで通用するか揉ませてみようよ)とか言い出した訳ですよっ。

んで、もう一方のフーシェさん。

この人は、そういう頭の固い部類じゃありません。

よく言って小物界の小物、小心者の変節漢という連邦世界での評価、本物でした…。

つまり、女になかなか手を出さないのは小心者であるが故なのです。

うかつに気を許せば女にだまされて足元をすくわれる。

これが、真面目に働いてくれさえすれば、それこそ誰に咎められる事もなく女遊びしまくりな事も可能な罪人寮に放り込まれながら、フーシェさんが本宮利用すら躊躇ちゅうちょしていた最大の理由だったのです。

ええ、こう申し上げては何なのですが、今回のフランス病作戦で罪人寮に入れられた革命派の関係者は基本、女好きではない部類ばかりだったのです…。

そして、女好きであればまだ、人材として活用させて頂ける道はいくらでもあったのです…。

こう申し上げては何なのですが、まだ歩く性欲、歩くちんぽである方が痴女皇国に関係する男性としての使い勝手は良い。

これは、支部長会議の後の打ち合わせや陳情で離宮のダリアと私の私室を訪れる支部幹部の方々からは、はっきりと明言されております。

または、防諜のために雅美さんのお墓の前か、第二滝壺で3Pとかやる場合。

(ふふふ…室見局長の逸物や尻穴どころか、ポーリャの先から出る汁の味を知らぬものは今や支部局幹部としてはモグリファルソも同然…)

などとフランシスカさんには冷やかされとりますが。

(ダリア随伴の場合に限って、地下懲罰具倉庫の奥の雅美さんの隠し部屋、使えるんですよね…私…)

そう、あの部屋…初代様と雅美さんが、ペルセポネーゼちゃんとアフロディーネちゃんを子作りしたあそこのはずなのです。

あの部屋、かなり強力な防諜措置が入ってますのでね。

(せめて局長…いえセニョーラ・ムロミのように、ご自身より優れた容姿の者を汚し抜く気概でもあれば、逆に痴女皇国では取り立てられる契機となるのでしょうけれど…)
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