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惨奴侯爵の妻 - Renee Pelagie de Sade - ・6

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(ふむふむ…あ、樽型の爆弾も持ってるな…)

(マリアリーゼ陛下、念のために申し添えさせて頂けますと、ここは騒がれる事なく無力化すべきでは。一応、待機中のアルルカンの対人兵装、支給頂いた例のドレイン銃も含めて照準させておきましたが…)

(ありがとうございます、ポワカール閣下…ジョスリン、あんたの指揮でそいつら黙らせてコンコルド広場に持って来る事、できるかな)

(無論。捕獲後、取り調べも開始しておきますか)

(うん、どこのどいつから命令聞いて動いたか、はっきりさせてくれると助かるね…芋蔓が難しいならあたしが分体出すわ)

(ちょっとおまちなさい、よめ…あたくしをいかせるべきでは)

(こら。アルトは隊列行進を崩すんじゃねぇ…それに、コンコルド広場に着いてからやって欲しいことがあんだよ。連中の持ってる銃や爆弾が本物で、殺傷力があるって証明、必要だろ?)

(えええええ、まさかあたくしをまとに)

(あほ。もう一つ証明できるじゃんか…痴女種に今までの武器は効き目がねぇってのをさ…)

まぁ、そうですね。

たしかにてっぽうのたまをくらっても、いっしゅんにさいせいがかかりますし、それいぜんに、このじだいのてっぽうなら、あたくしでなくともよけることはできるのです…千人そつでなくとも…。

(普通の人間にゃ無理だけどな。ほら、ジョスリンがベラ子に駄洒落菌弾撃ってた時あるだろ、あれも余裕で避けてたんだよね、本当なら)

(変なもん吸わせやがったカエル女が悪いのです、あれは)

(ふふん、新開発の対・幹部痴女種用試験弾の配給を受けておったのが幸いしましたね)

で。

よめとべらこへいか、それにあたくしやじょすりんでないと見れないとおもいますが…そのたてものの中に、ひとの目にはみえなくなる服をきたへいたいさんがおくりこまれるのとどうじに、そのたてものにむけて火のせんがなんぱつかはなたれました。

(ドレイン弾の火箭と弾道軌跡ですよ…外壁を貫通せずに対象を無力化できますから)

これも、こちらにきこえてくるような大きな音がしないので、あたくしたちいがいには「とくべつなたまをてっぽうでうった」ことにきづいたひとはいません…ね。

ええ、べらこへいかやまるはちゃんがまどぅら島やすまとら須磨虎島でおどろいていましたけど、連邦せかいのふらんすのへいたいさんのそうびを痴女しゅになってつかうと、どれほどおそろしいことがおきるかという、いいみほんでしょう。

ふつうのみなさんたちには、みなさんのこえに応えるおうさまとおうひさまをごえいするあたくしたち以外のへいたいさん、みえていないわけですから。

で、うらどおりでは、へいたいさんたちが賊をつかまえて、たてものの外へはこびだしてしまいます。

(VABを1台回しておきました。周辺に配置されていた狙撃後の逃亡補助役と馬も確保済みです)

(よし、そいつらも寺院前に連行できるか。馬は…)

(閣下、馬の誘導はあたしがやりますよ。マツカゼの進路に引っ張って来さえすれば、あとは勝手に従ってこっちについてきてくれますから)

それはそれとして、おうひさま。

つらそうなかおをしておられます。

いしだたみのうえをあるくあしがよごれているだけでは、ありませんね。

そう…あるきなれないうえに、このじだいのえらいおんなのひとようのくつです。

「マリアリーゼ陛下。ちと、よろしいですかな…妻の足が辛そうなのですが」

「ん…あー、靴ずれだな…といっても陛下、あたしもコクオウのくつわを取る必要があるからね…ちょっと待ってよ、うん、陛下、王妃天下を抱っこしてあげてよ」

え。

なんと、うだつのあがらないこぶとりの王さまであるはずのルイ16せいへいか、よめの言うとおりにおうひさまをだきあげてあるきだされたではありませんか。

(アルト、てめーの白金衣能力を借りたぜ。ああ…今の陛下ならアントワネット妃を抱えてそのままノートルダムの前まで歩けるはずだ)

(あたくしのちからをかってにあたえないように…)

「ルイ…大丈夫なのですか…」

「ああ、しかし凄いものだよ、これぞ聖母様と聖女様の奇跡と言うべきだな。君が縫いぐるみのように軽く思えるよ」

で、このけん。

よめがただ、やらせているわけはありません。

この、おうさまがおくさまをだきあげたままで、ふつうにあるいておられるすがたは聖女のちからでたすけているからだといううわさ、みているみなさまのなかのさくらを通じてひろめよりました。

なにをどうみても、これはきせきそのもの。

そう…ただ、ふつうにおうさまやおうひさまが足をいためてもそのばでなおすのではなく、あたくしたちがてだすけすればこうなるというせんでんにつかいよったのです、この悪とうのよめ。

(悪党いうなー)

(ねーさんが聖院のねーさんに良い子の部分をほいほい渡すからそうなるんでしょ…確かにあたしから見ても悪事を思いつく能力、白ねーさんより格段に向上してると思いますよ…)

ええそうです。

痴女皇国のよめは、いわゆる

聖院せかいのよめとのちがいをはっきりとつくりだすために、おたがいのせいかくをいじりあったのですよ。

(アルトさんは何もしていないはずなのですけど、性格や能力に差があるといえばありますよね)

(一言で言うと、痴女皇国のアルトの方がより手が早くてズボラ。誰に似たんだよ…)

(そんなもん、よめいがいにだれがおるのですか…)

(しかし、白金衣能力というものは凄いものですな。その原理はともかく、私にもその力、お使い頂こうと思えば可能なのですかね)

この、ぽわかーる閣下のなにげないしつもん。

じつは、かっからしい着眼てんですよ。

これはふつうのおとこのひとにでも、あたくしやよめが力をかせるのかという可能性にふれておられるのです。

(できます。いくつか方法がありますけどね。ただ…ポワカール閣下もお気付きの通りで、ルイ陛下のお身体を男性固定・能力限定型指導偽女種にしておいたからこそ、あたしも楽できるんですよ)

つまり、いちじてきに王さまの、指導おかまとしてのたいりょくをわけですね。

そして、おきさき様はいまのところは、わかがえりのみ。

痴女しゅにはしておられないそうです。

(だから足も痛むんだよ…痴女種はもちろん、女官種でも靴ずれとか起きないだろ?)

ですね。

で。

この、よめのでもんすとれーしょん。

あるいみで、おとこのひとにはよくききました。

いえ、おんなのひとにも。

このちからをもってすれば、人のみためではその実力をはんだんできなくなりますよね。

そう…たとえば、このおうさまに、からだがおおきくてつよそうに見えるひととおなじだけのちからをあたえることもできるわけです。

ええ、よめがわるいことをしやがりました。

なにをしたのか。

めきしこしこのふらんしすかさん。

あのひとが、おとこのぷろれすらー…それもりっぱなからだのつよそうなふくめんれすらーを、10かぞえるあいだにたおして、しんぱんに1・2・3とかぞえさせたあいだ、おさえつけている姿を空中にうつしださせたのです。

(見ての通り、メキシコ皇帝かつ痴女皇国幹部のフランシスカ嬢でも、一見すると男にかなわないような体型だけど、あたしたちにかかればこの通り。むしろルチャ…レスリングのルールと流儀に則って手加減して戦ってるのは見てもわかるでしょ…もちろん、あたしもベラ子もアルトも「あれ以上」だし、女の人で、ああいう姿を目指したいって人がもしいるんなら聖母教会に願い出てくれ。ただ…フランシスカさんはその代わりに、痴女皇国に生涯の忠誠を誓う契約をしているし、この契約を破れないように身体を作り変えているからね…聖母像がそうだけど、女でもちんぽが生えたり、年を取らないように見える代償はある。ただ、女の人なら…いや、男でもわかるだろ。なんであたしたちが女を若返らせたり、見た目をカイゼンしてるのか…一言で言うと、男に奉仕させるためなんだよ。だから王妃様のお体を若返らせたに敢えて留めているのも理解して欲しいんだよね…)

(罰姦聖母マリアヴェッラです。この度の男の方々が男の力を無くした件について、この後間もなくノートルダム大聖堂の前で、ルイ16世陛下とアントワネット王妃様が皆様のために祈りを捧げられますが、その効果は祈るだけでは現れません。わけても王妃様の祈りの奇跡を得ることを望む場合は、慣れぬ街歩き…それも、賊に襲われることも辞さずに皆様の前で歩くことに挑まれた王妃様の献身に、まずは尊敬の念を捧げて欲しいのです)

そりゃもっともだ、という思いがみなのこころにひろがります。

(その敬虔な心を示せる方は、私ども聖母教会の提供する聖水を浴びて頂きます。この洗礼聖水の効果を最大に引き出し、不能の病を体から追い出すためには男性の皆様自身が、今の国王陛下のように女性を助けようという紳士や騎士の心を持つ必要があるのです…この、逸物が勃起しない病は頭の中の病ですから、普通では治せないということを覚えておいて欲しいのです…)

で、この、べらこへいかのおことばに対して、さくらのみなさまは。

(なんでも逸物そのものがだめになったわけじゃなくて、女を見るとその気になる力を戻す必要があるらしいぜ)

(ちんぽ自体は、あるきっかけを与えればふたたび天を向いてそそり立つそうだ)

(そういや、バタイユってお貴族様の書いた発禁本あったじゃねぇか…)

(ああ、エドワルダっていう聖母教会の尼さんに夜道で出くわしてたら不能が治ったばかりか、とんでもない破廉恥で猥褻な行為をさせられたっていう…)

(じゃあ、俺たちも尼さんを見ればちんぽが元気になるのかね)

(それはノートルダムに行けばはっきりするだろうぜ…)

(聖母教会のあの、ど助平な破廉恥服の尼さんを見たら普通はちんぽがいきり立つのは当たり前としてもよ、尼さんでないとダメってのはちょっと困るよな…)

(カカァの相手ができねぇのはちょっとな…)

(ふほほほほほ、みなさま、とくにとのがた…聖母のきせきをしんじるのです…いうてはなんですが、おうさまがおきさきさまを、さながらいぬやねこをかかえるかのようにかるがるとだきあげておるのがなによりのしょうこ…)

(あーそうそう、痴女皇国将軍アルトリーゼの話で思いついたかも知れないけどさ、女の人が聖水を浴びたらご利益があるかって考えた人、鋭いね。うん…ただ、女の人向けの聖水もあるからね、男の人とは別に並んでもらうから、そこは寺院の前についたら騒がず順番に並んでね)

ええ、この、よめとあたくしのおはなしにみなさまはくいつかれました。

それだけではありません。

いざ、ぎょうれつがのうとるだむ大聖堂のまえについたときに、まいどまいどのすっぽんぽんの聖母ぞうがいくつも、まえのひろばにならんでおります。

そして、像のかたわらには、ばちかんのどすけべ尼さんふくの尼僧たちがなんにんも、あたくしたちをまちかまえておりました。

そのなかの、ひときわ、えらそうなきんきらの刺繍をほどこされたふくの若いあまさんが、あたくしたちをでむかえます。

「此度は聖母、そして聖女の奇跡をお示し下さいます件、ありがとう存じます。罰姦教皇庁より派遣され、この奇跡の場の取り仕切りを命じられましたルイーサ・ボルジアと申します」

「ボルジア枢機卿。叔父に代わってのお越し、ご苦労様。早速ですがお願いしますよ」

ええ、どくもりおじさん…ちぇーざれさんのむすめさんですよ、ルイーサさん。

「では母様…ダルブレ大司教。早速にも始めさせて頂きましょう。まずは…王陛下自らのお体にて、聖水の功徳をお示し頂くのがよろしき話かと」

で、あたくしも見知ったかおなのですが、るいーささんよりもすこしおさえめひかえめなかざりつけのあまさんふくのおんなのひとは、ふらんす人です。

そして、ちぇーざれさんのおくさまです。

(シャルロットおばさま。お久しぶりですね)

(は、聖母様…)

(心話ではマリアヴェッラで大丈夫ですよ。それよりもおばさま、ルイーサちゃんと仲良くしてくれているようで何よりです。パリの聖母教会組織の頂点を目指すためにも、よろしくお願いしますよ…)

(ええ、今度こそはわがまま言わないようにします…)

そう、痴女しまにいたときとはべつじんに近いありさま。しごきにたえてなんとか、がんばっておられたようですよ。

(シャルロットおばさまにとってフランスは生家の地ですからね…痴女皇国フランス支部暫定支部長はともかく、罰姦聖母教会フランス大管区担当枢機卿としておばさまを任じる儀式でもあるのですよ、この聖水治療の一連の儀式…)
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