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惨奴侯爵の妻 - Renee Pelagie de Sade - ・5
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で。
ミシェル・ポワカール…汎銀河人類族連邦政府事務局長閣下にして、長年にわたって私の実質的な直属上司でもあるこのお方、なぜにこの痴女皇国世界のパリへお越しなのか。
一言で言うと、娯楽と休暇。
そんな馬鹿な。
いえ、閣下に言わせますとですね。
「トラヴァイユ・ド・ビューロー(デスクワーク)ばかりで昨今は辛い、ひとつ軍事行動の話でもあれば」との仰せ。
更には、メキシコ大地震救済作戦でも…あまり現場に立てなかった鬱屈があったそうです。
ええ、閣下、元々は共和国陸軍軍人。
平和維持部隊としてアフリカ中西部他に派遣され、実戦の経験もお持ちです。
と言っても、大規模な殲滅戦ではなく、あくまでの紛争地での治安維持や救助・救援活動が主体。
どちらかと言えば慈善行為としての派遣が主体であっただけに、今回のパリでの活動もまさに閣下の得意とする作戦・活動分野と言えるでしょう。
で、今やイタリアを差し置いて痴女皇国の重要提携国家であるフランス共和国出身の閣下による、フランス王国攻略とその後の統治に関しての意見具申の申し出は簡単に無視できない話ではあります。
ええ。イタリアを差し置いて、なのです。
(カエル女は後でちょっとヴァンセンヌの森に出るように)
(それはいいのですがベラ子陛下。マリアリーゼ陛下と、お二人で首飾り事件の件の説明をポワカール閣下にして頂きませんと)
で、何故にポワカール閣下が中隊規模とはいえど痴女種で編成された共和国陸軍特殊部隊を率いてまで、お越しなのかという大きな理由に言及しますと。
この痴女皇国世界でも、貴族夫妻によるダイヤの首飾りと金品の詐取を企てた通称:首飾り事件は発生しております。
ただ…その際にラ・モット伯爵夫妻を捕縛したのみならず、実際に事件に関与したかどうかはともかく、疑わしい関係者を捕まえて断罪していったことが尾を引いて、パリ市内で暴動が発生する寸前に至ったのです。
この一触即発の事態を招いたのは、痴女皇国では末梢法服貴族であったマクシミリアン・フランソワ・マリー・イスィドール・ド・ロベスピエールなる、フランス北部のカレーに近い街、アラス出身の人物。
連邦世界でのこの人物の末路、弁護士となった後でフランス革命に大きく関与主導する立場であったものの、派閥争いに負けて自らも断頭台の露と消えたのは多くの人々に知られるところでしょう。
で、ジャコバン派やジロンド派、あるいは山岳派と呼ばれたフランス革命の指導層集団の主要人物の多くは、痴女皇国世界にも存在しました。
しかし、こちら痴女皇国世界では、そもそも革命に至らせるべきではないという痴女皇国の…有り体に申し上げますと、ポワカール閣下とマリアリーゼ陛下双方の合意に基づいた基本方針が打ち出されており、革命活動のことごとくを現在進行形で妨害しております。
で、私がパリに寄越された理由、実のところはこのフランス革命防止作戦にも関係しておりましてね。
要は、フランスの王室と貴族を弱体化はさせるが、フランスの支配については民衆革命に続く皇帝ナポレオンの統治となる連邦世界の歴史そのままではなく、痴女皇国の管理監督下支配下に置く、というのが我々の方針です。
そして、首飾り事件についても、王室を取り巻く貴族たちの醜聞として、敢えて見逃したり無辜の人物を捕縛させるがままにさせていたのです。
で、連邦世界では首飾り事件での仲介者とされたロアン枢機卿、痴女皇国世界ではストラスブール付近に所領を持つ貴族だったのです。
つまり、中仏支部の管轄っちゃ管轄である人物。
(もっとも、ロレーヌ公国領に該当する部分については強制的に土地を収容させて頂きましたわっ。おかげで良質のぶどう畑も手に入りましたしぃっ)
(プロフェスール・マリー(マリー先生)…一応は代価を支払った事は申しておきませんと…)
(あたくしと一戦交えて所領ぜんぶを分捕られなかっただけでも有情の慈悲に思ってもらいませんとねっ)
まぁともかく。
この、ルイ=ルネ=エドゥアール・ド・ロアン=ゲメネーという人物も、法服貴族…それも極めて金に貪欲な部類。
所領の収穫物から来る私財を用いて宮廷と政治に食い込み、王室認定の農産品制定員に関わる汚職で不正に蓄財を為したともっぱらの噂だったようで。
で、マリー・センセイもこやつの所領で生産された酒、若干ながら買い付けてはいた立場でしたので、フランス王国からの依頼でロアン卿を任意にストラスブールへ召喚して取り調べたっていう経緯があったのですよ。
そして痴女皇国流の調査で出た汚職事件の数々についてパリに「ドナイシマヒョ」とお伺いを立てた結果、ならばとパリに送致されて高等法院での審議待ちだったのです。
が…ロベスピエール一派と接触し、無実無罪を世間に訴えて同情を引こうと工作を始めたという経緯がありました。
(実際に連邦世界の首飾り事件でも、枢機卿としての汚職の数々があったにも関わらず、清廉な宗教者として世間は見ておった…のですな、マリアリーゼ陛下)
(まぁ、こっちじゃあたしたちが何とでも出来るんですけどね、問題はそのやり方ですよ)
(なるほど、それで痴女皇国の大規模介入と戒厳令に至ったと)
(そういうこってす、ポワカール閣下。アルトを呼んだのも、万一の場合は暴徒を含めたパリ市民のドレイン昏倒を広域にやる必要があるからでしてね…あたしやベラ子でも出来る話ですけど、バラージじゃなくてきめ細かく対象を捕縛したいってこともありますんで。出来れば革命を起こしそうな危険分子を捕らえて、こいつら信用できんのかって話に持って行って王妃様の無実を証明したいって思惑もあるんですよ)
(ねーさん、ナポレオンは今、大尉でしたっけ)
(んだな。連邦世界じゃ革命の後で出世に繋がる作戦に勝利して頭角を表すんだけど、うちらがフランスを仕切っちゃ、あの兄さんは鳴かず飛ばずで終わる公算が強いんだよね…というわけでアルト。てめーには見せ場を作ってやるから、ポワカール閣下の指揮下に入ってくれ)
(ううううう、あたくしはしょうぐんなのにっ)
(この時代のフランスは色々あるからさ、アルトに問答無用で暴れてもらっちゃ困るんだよ…で、ジョスリンも閣下の指揮下に入ってもらうんだけどさ、その前にサド侯爵とバタイユ伯、それぞれ夫妻の一件で動いてくれ。ルネ夫人とシルヴィア夫人はジョスリンの指揮下に入ること)
そんな訳で、今後の指揮に関するマリアリーゼ陛下の配分指示が為された結果ですね。
私はやはり、闇堕ちマリア枠でのお話を担当することになったようなのです。
で、後任…と申しますか、私に代わってお話を引き継ぐ人がいらっしゃいます。
…ええ、アルト閣下。
どうぞ。
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なんですか、ジョスリンがさいごまでおはなしをしてくれるとおもっておりましたのに。
で、あたくしのおしごとですが、ようはフランスびょうさくせんのあおりをくらって、いまのフランスせいふとおうさまをこかせるくわだてをしておるれんちゅうをたいじしろということだそうです。
あたくしでなくともよい気がするのですが。
「おめーが必要だから呼んだに決まってるだろ…でな…」
よめいわく。
「まぁ、アルトでなくても黒薔薇を誰か一人呼んでくるだけで反乱を実際に起こされても鎮圧は可能なわけよ。ただ、淫化やメキシコと同じで、そこから先ってもんがあるよな」
つまり、農夫のみなさま他、おかまやおんなのからだではつごうがわるい方々がいらっしゃいます。
さらに、ちんちんがつかいものにならないままだと、おとこのひとはもちろん、あたくしたちもこまります。
そこで、フランスのなかにあるていどはつくられていた聖母きょうかいにきたらそうだんにのるというはなしにするそうです。
で、みなさま。
ぽるとがるのおかま作戦のときにみつかったことになっている、ルルドのいずみのきせきのけん、おぼえておいででしょうか。
つまり、ルルドの聖母きょうかいでくまれたせいすいをかぶることで、おとこのちからをもどしてほしいものはもどれる可能性があるぞ、とふれこみをだすのです。
「んでさ、今回のフランス病作戦についてだけどさ、雨じゃなくてパン、使ってるじゃん…全員が全員、不能になったわけじゃないんだよね…」
つまり、ちんちんがふつうにげんきになっているひともいるとか。
「ねーさん、これ、やはり女体化の雨を降らせた方がよかったんじゃ…」
「あたしもそう思ったし、一時的なものに留めるならばとポワカール閣下からも承諾は得たんだよな」
「ただ…小官としてはあまり推奨できませんよ…それに、マダム・マサミも女体化には難色を示しておったかと」
(女を泣かせる力が強くできるって実例を見せたら、偽女種化に心を動かしてはくれると思うわよ。それと、偽女種になった方が強くなれるってのなら、フランス人の性格からして意外に受け入れるとは思いますが…ポワカール閣下はいかがでしょうか)
(そうですな…この時代、元来ならば30年戦争やナポレオン統治下では兵士として大規模な歩兵戦闘に従事していたような体格と、そして性格の者も多いでしょうから、私としてはかなりの抵抗があると予想しておきましょう。あと、そもそも今の私からして立場上、現時点では偽女種化を断らざるを得ませんからな…偽女種になった際の恩恵や弊害を直接に体験できないのが、なんとも残念ではありますが)
(ポワカール閣下は公務で男の姿になってもらう必要があるんだし、若返り効果だけで充分っしょ)
(そういうわけで、マダム・タナカの少年偏愛の趣向に合わない回答で申し訳ない。が、しかし…例えば、ナポレオンなりロベスピエールなりをトランセクシュアルに変えた場合にはどうなるか。彼らとて、男の威厳を外観に求める思考に走る可能性は高いと私は見ている)
(要は、軍人や船乗りや農夫など、フランスでも肉体労働に従事してる連中は結構いてるわけだし、その連中は自分がムキムキマッチョだからってのに価値があると思ってるわけでしょ、そして外観についてもさ、それなりに自分の姿に対するこだわりもあるだろうからね…それを一旦は崩してやればいいんだよ、ふふふ)
(つまり、小官がサド侯爵とヴァタイユ伯爵の面倒を見て来いと言われたのも…)
(いや、もっと適任がいる。心臓の持病さえなきゃ、スパルタ親父に何をされていたかわからないって逸材がさ…)
このよめ、なにをかんがえておるのでしょうか。
(とりあえずアルトはさ、ポワカール閣下の部隊に同行して、ロベスピエールとナポレオン、そして革命の主導者になってる連中の捕縛を担当すること。装備の水鉄砲は閣下に支給を依頼してるからそれを使え…)
ようは、ポワカールのおじさまについていって、これといわれたおとこのひとをつかまえてこいと。
「たださ、隠れてる連中もいるわけで、そこで釣り野伏せをしようってわけだよ…」
で。
よめのせつめいに、あぜんとするあたくしたち。
「これは…確かに、反・王党派や革命派が炙り出されることは必至でしょうけど…」
で、よめのけいりゃく。
なんと、ふらんすのこくおうへいかご夫婦、みなさまのちんちんがげんきになりますようにと、ノートルダムだいせいどうをおとずれて聖母においのりをささげにいくので、ごりやくにあやかりたいひとはついてこいというはなしにするそうです。
そしておうさまとおうひさまは、うまにのって宮殿からノートルダム寺院をめざすのだそうです。
「つまりだね、不能を治したい民衆はさ、ベルサイユから出るその馬の隊列についていけばさ、ノートルダム大聖堂に着けるってお触れを出すって寸法さ。そしてノートルダム大聖堂の前に、聖水を授けるための追加の聖母像、操作員込みで何体か置いとけばいいだろ」
「なるほど…で、一見すると無防備にも思える状態で行進する、馬上の我らを狙わせると…」
「ルイ…この計略たるや、いかがお思いで…」
「確かに、我らが囮になれば隙を見せる程度によりましょうが、寄ってくる虫は少なからずと見ます。なんならば凶賊を仕立て、我らを狙撃するかも知れませぬな…で、私に提案が」
そして、ふあんそうな王妃さまにたいして、ならばこうすればどうかとのおはなしをなさる、おとなしそうな王さまいわく。
「それ乗った。王陛下は王妃を大切にする御仁だってアピールにもなるしな」
「で、途中から王妃殿下も、ドラクロアの女神のごとく…ですか」
「あたしイタリア人ですよ、いちおうは…」
「るせぇっそれ以前に罰姦の二代目聖母だろうがっ」
で。
どんなことになったのか、ちょっとだけ時間をすすめて、おはなししましょう。
その、脳とるだむとかいう大きなじいんにおまいりするという、当日のあさ。
(取らねぇよ…)
(みいらにするときはとるとききましたが)
(エジプトじゃねぇんだから…)
それはともかく、たいそうりっぱな黒いうまがいっとう、よめにつれられてまいりました。
ばしょは、べるさいゆ宮殿のまえ。
しかし、このおおきな白いきゅうでん、連邦せかいでとはたっている場所がおおきくことなっています。
「無茶にもほどがありますな…」ええ、ポワカールさま、あきれかえっておられますよ。
「つまり、エリゼ宮をグラン・パレが将来建つ場所に移して、空いた場所にベルサイユ宮殿本体を持ってきておしまいに…」
ええ、このベルサイユというごりっぱなおやしき、本当はパリの東の方の森をきりひらいたおおきなお庭のなかにたっておったそうですね。
ベルサイユ↑
⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎|コンコルド|
=シャンゼリゼ通り |ティルリー|ルーブル|
⬜︎エリゼ宮 | 広場 |宮殿 |宮殿 |
---------------------
セーヌ川 シテ島・ノートルダム大聖堂→
---------------------
(うちが聞いても無茶にもほどがあると思うんですけどな)
(その無茶をやってのけたエマ助も大概だと思うのです…)
(読者の皆さんにもなるべくわかりやすくなるように申しますとね、コンコルド広場の西側、シャンゼリゼ通りの南側のセーヌ河岸沿いにね、連邦世界だとフランス大統領官邸になってるエリゼ宮をエマちゃんが転送して引っ越ししちゃったんですよ、で、空いた場所にわっざわざベルサイユ宮殿を持ってきてね…ただ、ベルサイユのあの広大な庭園全てをパリ市内に移築するのはさすがに面積的に無駄が多すぎるから、大トレアノンと小トレアノンを隠せるだけの森を新たに造ってもらいました…)
で。
このおはなしをしてくださった、当のべらこへいか。
なんと、みんしゅうをみちびく女神やくでうまにのるそうです。
そして、とうのべらこへいかはものすごくいやそうなかおです。
(生聖母が臨時出張で聖母の奇跡を現すからノートルダムを訪れるって話にしますか…)
ええ、べらこへいか、すっぽんぽんにぬのをまとっただけ。
おきのどくに。
(アルトさんに代わってもらってもいいんですよ…)
まぁしかし、もともとのひごろのかっこうがすっぱだかとどうちがうのか、というべらこへいか。
べつににこれくらい、いいんじゃないでしょうか…。
(よくありませんっ!)
(はいはい、それはいいから白薔薇三銃士と国王陛下夫妻とご一緒に行進するのですよ、パスタ女…)
ちなみにこのくろいうま。
マイレーネさまからのかりものです。
(サト◯コクオウは姫様方…マリアヴェッラ陛下とマリアリーゼ陛下には懐くはずです。アルトリーゼは挑発せぬように…)
ひいいいいい。
つまり、このうまになにかあったら、モントルーによばれるのはまちがいないのです…。
で。
おうさまとおうひさまは、どこに。
なんと、あるいてうまのまえをノートルダムにむかうのだそうです。
(私どもの靴では大丈夫でしょうか…)
(そのためのあたしです。疲労を取りながら進むので、両陛下の足に負担はないと思ってください…)
(マリー…我々が聖母様を徒歩でご案内することで、聖母の権威を演出するんだ。それに、宮廷でふんぞり返っていると思われている君が聖母様の馬を先導して歩くことで、民衆の考えを改めさせることにもなるだろ…)
ええ。
この、あるいてノートルダムにむかうというえんしゅつ、おうさまのおもいつきなのです。
そして、あさもはよから、しゃんぜりぜという広いとおりにはひとがあふれています。
(もっとも、その三分の一くらいはこっちが用意したサクラみたいなもんだからな…)
(洗礼が間に合うのでしょうか…)
(その時は後で教会に来させりゃいいだろ…)
ともかく、らっぱの音とともに、れつは進みはじめました。
で、せんとうをいくのはふらんす共和国のりくぐんのれいふくだそうですけど、ぐんじんさんにへんそうしたじょすりんとポワカールさま、そしてあたくし。
◯◯◯→アルト・ポワカール・ジョスリン
◯ ◯→アントワネット・ルイ
◯→マリア
▲→コクオウ(ベラ子)
◯◯◯→アンヌマリー・ジニア・ティアラ
---↓警備兵列
◯◯◯
~~~
◯◯◯
---↓ここからモブの皆様
こんなれつをくんで、みなさまを先導するかたちで、のうとるだむまでおおよそ20分かそこらの、みちのりをあるいてゆくそうです。
(本当ならサント・シャペルがふさわしいと思うのですがな、あそこはシテ宮に囲まれておりますので…)
(なもんでノートルダムの方がいいと思うんですよね…それに閣下…痴女皇国世界だとサント・シャペルはこれから作るようなもんなので…)
(それは申し訳ない。まぁ、ともかく道順としてはリヴォリ通りを東に向かい、サン・ドニ通りに右折後…シャンジュ橋を渡ってシテ島入りでよろしかったですかな)
(ですね。で、シテ宮の前でリュテス通りに入ってください。オテル・デューは痴女皇国世界だと存在しないので、ノートルダム前の広場にはほぼ一直線に入れます。それより…何か仕掛けてくるとしたら、ルーブル宮を越えてリヴォリ通りを進んでいる間でしょう。ジョスリン、アルト…狙撃の気配に注意してくれ。この時代のフランスが持ってる銃だとそんなに高精度の射撃は難しいだろうけど、弓矢を持ち出す連中が動いてる可能性もあるからな…)
(bien reçu)
(ふほほほほほ、すでに、とおりのきたがわの建物のなかになんにんか、てっぽうをもってまちかまえておりますよ…どうしますか、よめ…)
ミシェル・ポワカール…汎銀河人類族連邦政府事務局長閣下にして、長年にわたって私の実質的な直属上司でもあるこのお方、なぜにこの痴女皇国世界のパリへお越しなのか。
一言で言うと、娯楽と休暇。
そんな馬鹿な。
いえ、閣下に言わせますとですね。
「トラヴァイユ・ド・ビューロー(デスクワーク)ばかりで昨今は辛い、ひとつ軍事行動の話でもあれば」との仰せ。
更には、メキシコ大地震救済作戦でも…あまり現場に立てなかった鬱屈があったそうです。
ええ、閣下、元々は共和国陸軍軍人。
平和維持部隊としてアフリカ中西部他に派遣され、実戦の経験もお持ちです。
と言っても、大規模な殲滅戦ではなく、あくまでの紛争地での治安維持や救助・救援活動が主体。
どちらかと言えば慈善行為としての派遣が主体であっただけに、今回のパリでの活動もまさに閣下の得意とする作戦・活動分野と言えるでしょう。
で、今やイタリアを差し置いて痴女皇国の重要提携国家であるフランス共和国出身の閣下による、フランス王国攻略とその後の統治に関しての意見具申の申し出は簡単に無視できない話ではあります。
ええ。イタリアを差し置いて、なのです。
(カエル女は後でちょっとヴァンセンヌの森に出るように)
(それはいいのですがベラ子陛下。マリアリーゼ陛下と、お二人で首飾り事件の件の説明をポワカール閣下にして頂きませんと)
で、何故にポワカール閣下が中隊規模とはいえど痴女種で編成された共和国陸軍特殊部隊を率いてまで、お越しなのかという大きな理由に言及しますと。
この痴女皇国世界でも、貴族夫妻によるダイヤの首飾りと金品の詐取を企てた通称:首飾り事件は発生しております。
ただ…その際にラ・モット伯爵夫妻を捕縛したのみならず、実際に事件に関与したかどうかはともかく、疑わしい関係者を捕まえて断罪していったことが尾を引いて、パリ市内で暴動が発生する寸前に至ったのです。
この一触即発の事態を招いたのは、痴女皇国では末梢法服貴族であったマクシミリアン・フランソワ・マリー・イスィドール・ド・ロベスピエールなる、フランス北部のカレーに近い街、アラス出身の人物。
連邦世界でのこの人物の末路、弁護士となった後でフランス革命に大きく関与主導する立場であったものの、派閥争いに負けて自らも断頭台の露と消えたのは多くの人々に知られるところでしょう。
で、ジャコバン派やジロンド派、あるいは山岳派と呼ばれたフランス革命の指導層集団の主要人物の多くは、痴女皇国世界にも存在しました。
しかし、こちら痴女皇国世界では、そもそも革命に至らせるべきではないという痴女皇国の…有り体に申し上げますと、ポワカール閣下とマリアリーゼ陛下双方の合意に基づいた基本方針が打ち出されており、革命活動のことごとくを現在進行形で妨害しております。
で、私がパリに寄越された理由、実のところはこのフランス革命防止作戦にも関係しておりましてね。
要は、フランスの王室と貴族を弱体化はさせるが、フランスの支配については民衆革命に続く皇帝ナポレオンの統治となる連邦世界の歴史そのままではなく、痴女皇国の管理監督下支配下に置く、というのが我々の方針です。
そして、首飾り事件についても、王室を取り巻く貴族たちの醜聞として、敢えて見逃したり無辜の人物を捕縛させるがままにさせていたのです。
で、連邦世界では首飾り事件での仲介者とされたロアン枢機卿、痴女皇国世界ではストラスブール付近に所領を持つ貴族だったのです。
つまり、中仏支部の管轄っちゃ管轄である人物。
(もっとも、ロレーヌ公国領に該当する部分については強制的に土地を収容させて頂きましたわっ。おかげで良質のぶどう畑も手に入りましたしぃっ)
(プロフェスール・マリー(マリー先生)…一応は代価を支払った事は申しておきませんと…)
(あたくしと一戦交えて所領ぜんぶを分捕られなかっただけでも有情の慈悲に思ってもらいませんとねっ)
まぁともかく。
この、ルイ=ルネ=エドゥアール・ド・ロアン=ゲメネーという人物も、法服貴族…それも極めて金に貪欲な部類。
所領の収穫物から来る私財を用いて宮廷と政治に食い込み、王室認定の農産品制定員に関わる汚職で不正に蓄財を為したともっぱらの噂だったようで。
で、マリー・センセイもこやつの所領で生産された酒、若干ながら買い付けてはいた立場でしたので、フランス王国からの依頼でロアン卿を任意にストラスブールへ召喚して取り調べたっていう経緯があったのですよ。
そして痴女皇国流の調査で出た汚職事件の数々についてパリに「ドナイシマヒョ」とお伺いを立てた結果、ならばとパリに送致されて高等法院での審議待ちだったのです。
が…ロベスピエール一派と接触し、無実無罪を世間に訴えて同情を引こうと工作を始めたという経緯がありました。
(実際に連邦世界の首飾り事件でも、枢機卿としての汚職の数々があったにも関わらず、清廉な宗教者として世間は見ておった…のですな、マリアリーゼ陛下)
(まぁ、こっちじゃあたしたちが何とでも出来るんですけどね、問題はそのやり方ですよ)
(なるほど、それで痴女皇国の大規模介入と戒厳令に至ったと)
(そういうこってす、ポワカール閣下。アルトを呼んだのも、万一の場合は暴徒を含めたパリ市民のドレイン昏倒を広域にやる必要があるからでしてね…あたしやベラ子でも出来る話ですけど、バラージじゃなくてきめ細かく対象を捕縛したいってこともありますんで。出来れば革命を起こしそうな危険分子を捕らえて、こいつら信用できんのかって話に持って行って王妃様の無実を証明したいって思惑もあるんですよ)
(ねーさん、ナポレオンは今、大尉でしたっけ)
(んだな。連邦世界じゃ革命の後で出世に繋がる作戦に勝利して頭角を表すんだけど、うちらがフランスを仕切っちゃ、あの兄さんは鳴かず飛ばずで終わる公算が強いんだよね…というわけでアルト。てめーには見せ場を作ってやるから、ポワカール閣下の指揮下に入ってくれ)
(ううううう、あたくしはしょうぐんなのにっ)
(この時代のフランスは色々あるからさ、アルトに問答無用で暴れてもらっちゃ困るんだよ…で、ジョスリンも閣下の指揮下に入ってもらうんだけどさ、その前にサド侯爵とバタイユ伯、それぞれ夫妻の一件で動いてくれ。ルネ夫人とシルヴィア夫人はジョスリンの指揮下に入ること)
そんな訳で、今後の指揮に関するマリアリーゼ陛下の配分指示が為された結果ですね。
私はやはり、闇堕ちマリア枠でのお話を担当することになったようなのです。
で、後任…と申しますか、私に代わってお話を引き継ぐ人がいらっしゃいます。
…ええ、アルト閣下。
どうぞ。
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なんですか、ジョスリンがさいごまでおはなしをしてくれるとおもっておりましたのに。
で、あたくしのおしごとですが、ようはフランスびょうさくせんのあおりをくらって、いまのフランスせいふとおうさまをこかせるくわだてをしておるれんちゅうをたいじしろということだそうです。
あたくしでなくともよい気がするのですが。
「おめーが必要だから呼んだに決まってるだろ…でな…」
よめいわく。
「まぁ、アルトでなくても黒薔薇を誰か一人呼んでくるだけで反乱を実際に起こされても鎮圧は可能なわけよ。ただ、淫化やメキシコと同じで、そこから先ってもんがあるよな」
つまり、農夫のみなさま他、おかまやおんなのからだではつごうがわるい方々がいらっしゃいます。
さらに、ちんちんがつかいものにならないままだと、おとこのひとはもちろん、あたくしたちもこまります。
そこで、フランスのなかにあるていどはつくられていた聖母きょうかいにきたらそうだんにのるというはなしにするそうです。
で、みなさま。
ぽるとがるのおかま作戦のときにみつかったことになっている、ルルドのいずみのきせきのけん、おぼえておいででしょうか。
つまり、ルルドの聖母きょうかいでくまれたせいすいをかぶることで、おとこのちからをもどしてほしいものはもどれる可能性があるぞ、とふれこみをだすのです。
「んでさ、今回のフランス病作戦についてだけどさ、雨じゃなくてパン、使ってるじゃん…全員が全員、不能になったわけじゃないんだよね…」
つまり、ちんちんがふつうにげんきになっているひともいるとか。
「ねーさん、これ、やはり女体化の雨を降らせた方がよかったんじゃ…」
「あたしもそう思ったし、一時的なものに留めるならばとポワカール閣下からも承諾は得たんだよな」
「ただ…小官としてはあまり推奨できませんよ…それに、マダム・マサミも女体化には難色を示しておったかと」
(女を泣かせる力が強くできるって実例を見せたら、偽女種化に心を動かしてはくれると思うわよ。それと、偽女種になった方が強くなれるってのなら、フランス人の性格からして意外に受け入れるとは思いますが…ポワカール閣下はいかがでしょうか)
(そうですな…この時代、元来ならば30年戦争やナポレオン統治下では兵士として大規模な歩兵戦闘に従事していたような体格と、そして性格の者も多いでしょうから、私としてはかなりの抵抗があると予想しておきましょう。あと、そもそも今の私からして立場上、現時点では偽女種化を断らざるを得ませんからな…偽女種になった際の恩恵や弊害を直接に体験できないのが、なんとも残念ではありますが)
(ポワカール閣下は公務で男の姿になってもらう必要があるんだし、若返り効果だけで充分っしょ)
(そういうわけで、マダム・タナカの少年偏愛の趣向に合わない回答で申し訳ない。が、しかし…例えば、ナポレオンなりロベスピエールなりをトランセクシュアルに変えた場合にはどうなるか。彼らとて、男の威厳を外観に求める思考に走る可能性は高いと私は見ている)
(要は、軍人や船乗りや農夫など、フランスでも肉体労働に従事してる連中は結構いてるわけだし、その連中は自分がムキムキマッチョだからってのに価値があると思ってるわけでしょ、そして外観についてもさ、それなりに自分の姿に対するこだわりもあるだろうからね…それを一旦は崩してやればいいんだよ、ふふふ)
(つまり、小官がサド侯爵とヴァタイユ伯爵の面倒を見て来いと言われたのも…)
(いや、もっと適任がいる。心臓の持病さえなきゃ、スパルタ親父に何をされていたかわからないって逸材がさ…)
このよめ、なにをかんがえておるのでしょうか。
(とりあえずアルトはさ、ポワカール閣下の部隊に同行して、ロベスピエールとナポレオン、そして革命の主導者になってる連中の捕縛を担当すること。装備の水鉄砲は閣下に支給を依頼してるからそれを使え…)
ようは、ポワカールのおじさまについていって、これといわれたおとこのひとをつかまえてこいと。
「たださ、隠れてる連中もいるわけで、そこで釣り野伏せをしようってわけだよ…」
で。
よめのせつめいに、あぜんとするあたくしたち。
「これは…確かに、反・王党派や革命派が炙り出されることは必至でしょうけど…」
で、よめのけいりゃく。
なんと、ふらんすのこくおうへいかご夫婦、みなさまのちんちんがげんきになりますようにと、ノートルダムだいせいどうをおとずれて聖母においのりをささげにいくので、ごりやくにあやかりたいひとはついてこいというはなしにするそうです。
そしておうさまとおうひさまは、うまにのって宮殿からノートルダム寺院をめざすのだそうです。
「つまりだね、不能を治したい民衆はさ、ベルサイユから出るその馬の隊列についていけばさ、ノートルダム大聖堂に着けるってお触れを出すって寸法さ。そしてノートルダム大聖堂の前に、聖水を授けるための追加の聖母像、操作員込みで何体か置いとけばいいだろ」
「なるほど…で、一見すると無防備にも思える状態で行進する、馬上の我らを狙わせると…」
「ルイ…この計略たるや、いかがお思いで…」
「確かに、我らが囮になれば隙を見せる程度によりましょうが、寄ってくる虫は少なからずと見ます。なんならば凶賊を仕立て、我らを狙撃するかも知れませぬな…で、私に提案が」
そして、ふあんそうな王妃さまにたいして、ならばこうすればどうかとのおはなしをなさる、おとなしそうな王さまいわく。
「それ乗った。王陛下は王妃を大切にする御仁だってアピールにもなるしな」
「で、途中から王妃殿下も、ドラクロアの女神のごとく…ですか」
「あたしイタリア人ですよ、いちおうは…」
「るせぇっそれ以前に罰姦の二代目聖母だろうがっ」
で。
どんなことになったのか、ちょっとだけ時間をすすめて、おはなししましょう。
その、脳とるだむとかいう大きなじいんにおまいりするという、当日のあさ。
(取らねぇよ…)
(みいらにするときはとるとききましたが)
(エジプトじゃねぇんだから…)
それはともかく、たいそうりっぱな黒いうまがいっとう、よめにつれられてまいりました。
ばしょは、べるさいゆ宮殿のまえ。
しかし、このおおきな白いきゅうでん、連邦せかいでとはたっている場所がおおきくことなっています。
「無茶にもほどがありますな…」ええ、ポワカールさま、あきれかえっておられますよ。
「つまり、エリゼ宮をグラン・パレが将来建つ場所に移して、空いた場所にベルサイユ宮殿本体を持ってきておしまいに…」
ええ、このベルサイユというごりっぱなおやしき、本当はパリの東の方の森をきりひらいたおおきなお庭のなかにたっておったそうですね。
ベルサイユ↑
⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎|コンコルド|
=シャンゼリゼ通り |ティルリー|ルーブル|
⬜︎エリゼ宮 | 広場 |宮殿 |宮殿 |
---------------------
セーヌ川 シテ島・ノートルダム大聖堂→
---------------------
(うちが聞いても無茶にもほどがあると思うんですけどな)
(その無茶をやってのけたエマ助も大概だと思うのです…)
(読者の皆さんにもなるべくわかりやすくなるように申しますとね、コンコルド広場の西側、シャンゼリゼ通りの南側のセーヌ河岸沿いにね、連邦世界だとフランス大統領官邸になってるエリゼ宮をエマちゃんが転送して引っ越ししちゃったんですよ、で、空いた場所にわっざわざベルサイユ宮殿を持ってきてね…ただ、ベルサイユのあの広大な庭園全てをパリ市内に移築するのはさすがに面積的に無駄が多すぎるから、大トレアノンと小トレアノンを隠せるだけの森を新たに造ってもらいました…)
で。
このおはなしをしてくださった、当のべらこへいか。
なんと、みんしゅうをみちびく女神やくでうまにのるそうです。
そして、とうのべらこへいかはものすごくいやそうなかおです。
(生聖母が臨時出張で聖母の奇跡を現すからノートルダムを訪れるって話にしますか…)
ええ、べらこへいか、すっぽんぽんにぬのをまとっただけ。
おきのどくに。
(アルトさんに代わってもらってもいいんですよ…)
まぁしかし、もともとのひごろのかっこうがすっぱだかとどうちがうのか、というべらこへいか。
べつににこれくらい、いいんじゃないでしょうか…。
(よくありませんっ!)
(はいはい、それはいいから白薔薇三銃士と国王陛下夫妻とご一緒に行進するのですよ、パスタ女…)
ちなみにこのくろいうま。
マイレーネさまからのかりものです。
(サト◯コクオウは姫様方…マリアヴェッラ陛下とマリアリーゼ陛下には懐くはずです。アルトリーゼは挑発せぬように…)
ひいいいいい。
つまり、このうまになにかあったら、モントルーによばれるのはまちがいないのです…。
で。
おうさまとおうひさまは、どこに。
なんと、あるいてうまのまえをノートルダムにむかうのだそうです。
(私どもの靴では大丈夫でしょうか…)
(そのためのあたしです。疲労を取りながら進むので、両陛下の足に負担はないと思ってください…)
(マリー…我々が聖母様を徒歩でご案内することで、聖母の権威を演出するんだ。それに、宮廷でふんぞり返っていると思われている君が聖母様の馬を先導して歩くことで、民衆の考えを改めさせることにもなるだろ…)
ええ。
この、あるいてノートルダムにむかうというえんしゅつ、おうさまのおもいつきなのです。
そして、あさもはよから、しゃんぜりぜという広いとおりにはひとがあふれています。
(もっとも、その三分の一くらいはこっちが用意したサクラみたいなもんだからな…)
(洗礼が間に合うのでしょうか…)
(その時は後で教会に来させりゃいいだろ…)
ともかく、らっぱの音とともに、れつは進みはじめました。
で、せんとうをいくのはふらんす共和国のりくぐんのれいふくだそうですけど、ぐんじんさんにへんそうしたじょすりんとポワカールさま、そしてあたくし。
◯◯◯→アルト・ポワカール・ジョスリン
◯ ◯→アントワネット・ルイ
◯→マリア
▲→コクオウ(ベラ子)
◯◯◯→アンヌマリー・ジニア・ティアラ
---↓警備兵列
◯◯◯
~~~
◯◯◯
---↓ここからモブの皆様
こんなれつをくんで、みなさまを先導するかたちで、のうとるだむまでおおよそ20分かそこらの、みちのりをあるいてゆくそうです。
(本当ならサント・シャペルがふさわしいと思うのですがな、あそこはシテ宮に囲まれておりますので…)
(なもんでノートルダムの方がいいと思うんですよね…それに閣下…痴女皇国世界だとサント・シャペルはこれから作るようなもんなので…)
(それは申し訳ない。まぁ、ともかく道順としてはリヴォリ通りを東に向かい、サン・ドニ通りに右折後…シャンジュ橋を渡ってシテ島入りでよろしかったですかな)
(ですね。で、シテ宮の前でリュテス通りに入ってください。オテル・デューは痴女皇国世界だと存在しないので、ノートルダム前の広場にはほぼ一直線に入れます。それより…何か仕掛けてくるとしたら、ルーブル宮を越えてリヴォリ通りを進んでいる間でしょう。ジョスリン、アルト…狙撃の気配に注意してくれ。この時代のフランスが持ってる銃だとそんなに高精度の射撃は難しいだろうけど、弓矢を持ち出す連中が動いてる可能性もあるからな…)
(bien reçu)
(ふほほほほほ、すでに、とおりのきたがわの建物のなかになんにんか、てっぽうをもってまちかまえておりますよ…どうしますか、よめ…)
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