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惨奴侯爵の妻 - Renee Pelagie de Sade - ・4

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ふむ。

で、私…ジョスリーヌ・メルラン。

痴女皇国世界のパリ北・東駅に到着後、ティルリー宮殿やルーブル宮殿ではなく、パリ市内東側に位置するヴァンセンヌの森に来ております。
https://x.com/725578cc/status/1809981427360129491
https://x.com/725578cc/status/1809982892132778190

そう…いつぞやのヲカマ作戦を実施した、あのヴァンセンヌの森です。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/73/

と言っても、こちらは痴女皇国世界。

この森には連邦世界ですと実質的な痴女皇国のフランス大使館と言うべき、ヴァンセンヌ娯楽館が築かれております。

ただ、連邦世界のヴァンセンヌ娯楽館、北欧いけにえ村で人目から村を隠すために用いられておった空間縮退技術が使われておりまして、常時そこに建っているようには見えない代物です。

しかし、痴女皇国世界では今後とも、パリにおける出先機関が必要となりますので、エリゼー宮殿…連邦世界ではフランス大統領官邸たるエリゼ宮を接収しての改装が終了するまでは、連邦世界のヴァンセンヌ娯楽館と同等の建物を固定設置して痴女皇国関係者の拠点とすることになりました。

そして、このヴァンセンヌ娯楽館に…お越しの要人がおられます。

前後を複数の黄色いVAB装甲車…それも機銃塔を装着した真正の陸上戦闘部隊仕様のそれに護衛された、黒塗りのクラシカルな大型乗用車、娯楽館の前に参りましたのを出迎えに行く我々。

そう、ビュガッティ…日本の皆様に馴染み深い方の発音に言い換えるならば、ブガッティT41ロワイアルという代物です。

この車、1927年から1933年までの間に合計6台が実際に生産されたに留まる代物でして、元来は20台以上を富豪向けに売り捌く事を考えておったせいで作った予備エンジン、なんと80基近くが余ってしまったために、当時のフランス国鉄と共同で企画した特急列車に転用したとは室見局長のお話。

そして、このタイプ41、6台全てが全く違う外観なのです。

今、黄色い光を灯して娯楽館の正面玄関の車寄せに入ってきたこの、車台番号41131号車は運転手と従者2名を含めて最大で6人が乗れるリムジン仕様。

(ミュールーズのシュルンプ・コレクションから複製取ったけどさ、室内の内張りは西陣織、座面はアンゴラ山羊で仕上げたベロア調って感じで少し変えてんだよね)

(これはこれで好評のようですね。しかし…マリアリーゼ陛下こそ、元来は革の座席ではなく後ろにおられるべきでは)

(しょうがねぇじゃん…この手の車、ただ動かすだけでも運転できる人間を選ぶんだからさ…)

そう、運転手役、マリアリーゼ陛下なのです。

ただ、競売にかけたならばプライベートジェットすら購入できる値段で取引されそうな代物ですよ。

(まぁ、あたしらにかかればタイプ57SC・アトランティークですら複製作り放題だけどさ、こういうのは希少だからこそ希少価値があるってもんだからね…)

ええ、マリアリーゼ陛下が運転手役を勤めておられるこのビュガッティ、元来は悲劇の国王夫妻であったはずのルイ16世陛下と、その著名な王妃のためにという理由で複製されたしろものです。

(正直、あたしの立ち位置だとロールス・ロイスかディムラーのスペシャルモデルを持って来る方が楽だしさ、本国もNBもそっちを推して来やがるんだよね…)

(ポワカール大統領閣下…カルメン閣下の差配とは伺っております…)

そそ、連邦世界のフランス共和国ですが、現在の大統領…カルメン夫人なのです…。

連邦政府事務局長の任にある夫君、ミシェル・ポワカール閣下の人気を引き継ぐ形で選挙に圧勝し、名実ともに私の上司となってしまわれたのですよ…。

そして、カルメン夫人が共和国政府の頂点に立ったということは、共和国の内部も痴女種の支配がそれだけ進行している証左であるとお考え下さい。

(ふふふふふ…ジョスリン、半分は黒んぼであるあなたの逸物を咥えねばならぬのが私の唯一の屈辱…)

(閣下、これは痴女種である以上仕方ないことでしょう…マダム・ドミニクは夫婦者となってしまいましたしねぇ…)

そう、カルメン閣下、時々は私のCoqすなわち、ちんぽへ奉仕しないと痴女種としての寿命延長が止まる立場なのです。

私としては、上司に対して申し訳ない気持ちで胸を締め付けられながら、閣下の口にぶちまけておるのです、その都度…。

(嘘おっしゃい。興が乗ればエリゼ宮の私の執務室、人払いして私を縛り上げて犯しておる癖に…この変態豚…)

(寿命延長の一環ですよ。それに閣下が見た目20代なのも痴女種化のアッピルとなっておりますし)

そう、私の黒薔薇騎士団長資格故に、他の痴女種よりも有効かつ強力なのですよ、延命措置…。

ですので、ポワカール家の女性3名、全て私の逸物の味を知らざるを得ないのです。

それにこれは役職ゆえの業務。

決して任務にかこつけて現職大統領かつ、連邦政府事務局長と娘さんたちを牝豚調教しておるなどとは申しませんから。

(まぁ、我々の間の醜聞まがいの行為は仕方ないでしょう。それに、あなたのそんな性癖だからこそ、サド侯爵やヴァタイユ伯爵のお守り役を任じられてしまうのですよ?…それよりもニューヨークのミシェルとリヴィエラ、そしてヴェロニクの醜聞こそ漏れぬようお願いしますよ…)

(ラッツィオーニ行政顧問同様、NY支部の監視下に置いておりますし、そもそも娘さん二人とも紫薔薇騎士扱い、パパラッチの類は近づくことすらできないでしょう)

ええ、これだけで充分でしょう、ニューヨークの旦那様…すなわちミシェル・ポワカール事務局長閣下の下半身の処理と延命処置に関する体制についてのご説明。

(それよりはそちらのルイ16世陛下とアントワネット王妃殿下。マリアリーゼ陛下からは扱いについての方針を伺っておりますが、くれぐれも粗相のないようにお願いしますよ、ジョスリン…)

bien reçuりょうかいしました…)

で。

件の王妃夫妻。

特にアントワネット王妃、実は完全な痴女種化はするなと強く言われております。

理由は、王陛下たるルイ16世陛下の人柄にあります。

この御仁、その父や祖父と違って性的には羊も羊なのです。

加えてアントワネット王妃、連邦世界の同名の王妃同様、他国から嫁入りなさったお立場。

一言で申し上げますと、浮気して醜聞を流す部類ではないのです。

むしろ神聖ローマ帝国の王女として、フランスに嫁いだ意味を理解して自制心を発揮しておる部類。

(あとさ、連邦世界のアントワネット妃と違って、清貧傾向があんだよ…ルイ16世と結婚してなきゃ修道院に行ってたようなタマだぜ…)

(陛下。お言葉ですが、ここは痴女皇国世界。聖母教会の修道院になぞ入れようものならば、それこそ淫乱女になるか処分されるかの二択ですよ…)

(ああ、うちの国だと修道女こそ、どすけべシスターの道を修めさせるもんな…)

でまぁ、そんな堅物夫妻、よりによってこの娯楽館に招いた理由。

まずは痴女皇国、現在はフランス王国をもはや従える立場であり、迎えの車こそ出してはおりますが臣下が主君の下に参じる体裁を取っております。

そして痴女皇国世界のヴァンセンヌ娯楽館、痴女皇国のフランス大使館としても機能しておりますので、逆にマリアリーゼ陛下やベラ子陛下が欧州の王族や貴族の拝謁を受けるための謁見室を備えております。

ですが、まぁまぁさあさあとマリアリーゼ陛下自らが先導して運転手服で国王夫妻を招いたのは、大使館長応接室。

待ち構えていた我々の代表であるベラ子陛下との握手、そしてベラ子陛下のエスコートで着席なさる王陛下と王妃殿下。

「敬意を払って頂いておるのは理解しておりますが、いやはや、なぜに我らを生かしておくのかと…」

「まぁまぁ。貴族たちの権謀術数うごめく伏魔殿はもちろん、民衆の暴動も沈静化させてんですから…あとはのんびりとトレアノンの生活を送ってもらえりゃ、あたしとしては有難いんですよ…」

「こればかりは姉の申す通りなのです。我が痴女皇国は、フランス王室の存続については全力で支援する方向です。ヴァロワ家の出とは申せ、イザベル陛下のスペインも協力的でしょう?」

「確かに、イザベル陛下もこちらを気遣っておられるのは理解しておりますが…」

そう、痴女皇国のフランス王国そのものに対する侵略と、フランス王室への扱いは全く別なのです。

「ところでその腕時計、いかがですか」

と、アントワネット妃に近づくと、王妃の左手首に嵌められたそれを手に取るマリアリーゼ陛下。

「ブレゲも驚いておりましたよ…自分の構想をまさか腕時計に昇華させるなんて…」

そう、王妃殿下の腕時計、婦人用の腕時計用ケースに縮小されたモデル160であり、かつ、聖環機能を腕輪側に集約した一品ものなのです…。

そして、痴女皇国世界では、指導偽女種化によってその能力を極限まで高められたアブライアン・ルイ・ブレゲが当代のうちに幻のモデル160を腕時計として改良して完成させ、見事、アントワネット妃への献上に至ったのですよ…。

「おかげでブレゲは名工としての名声と評価を得た件につきましては、感謝するほかございません…」

「それにさ、北方帝国との関係も良好でしょう。あっちの女帝陛下も神聖ローマから向こうに嫁入りした立場だし、言ってみれば王妃殿下と似たような立場だけに、王妃殿下には同情的なんですよ」

そう、北方帝国はこの時点で、痴女種化されたエカテリーナ2世陛下の統治下にあります。
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/211/

そして痴女皇国北方支部と、東方聖母教会モスクワ主教座の監督下にあって、他国への侵略どころか、欧州各国との協調路線を打ち出しておるのです。

「そそ、王陛下…未来のフランスから、このフランス王国に対する主権大使任務を授かって来ている人物、紹介しておきましょうか。ジョスリン…こちらが我が痴女皇国の皇帝親衛騎士団たる黒薔薇騎士団の欧州または比丘尼国担当分団長で、団長資格者のジョスリーヌ・メルラン女史です」

「もっとも、本人は比丘尼国の少年将軍の本妻になってくれとせがまれてますけどね。ほほほ」

その紹介は余計じゃあっ、パスタ女…いえ皇帝陛下。

「つまり…その、レ・ベルベの風貌も感じる御仁が…私どもの国の命運を握る立場であると」

「いえ、王陛下。小官はあくまでもフランス王国の国体それ自体を極力、維持するように上司から厳しく言いつけられておる立場ですよ…ですね、娯楽館武官長

と、私は隅に控えていたフランス共和國陸軍・宙兵隊派遣部隊仕様の軍服姿の「見かけは30代」の男性に声をかけます。

「ああ、そうですね…立ちっぱなしもなんだ、ポワカール閣下こそ、この場で国王陛下夫妻と正対してお座り頂くべきですね」

と、その男性を応接椅子に招き、その隣をご自身、そしてベラ子陛下を座り直させて固めるマリアリーゼ陛下。

「国王陛下。こちらはフランス共和国第30代大統領歴任者で、現在は汎銀河人類族連邦…統合地球政府の事務局長という地位につかれておられるミシェル・ポワカール閣下です。ま、世界大統領ってお立場ですね」

「そんな大層なものでもありませんが、とりあえずは私の妻が今のフランスの統治者であることをお教えしておきましょうか、国王陛下」

「ふむ、なるほど…すなわち、王権と同等類似の権威をお持ちと。さすれば余はルイ・オーギュストと名乗らせて頂くべきか」

「ま、お気遣いなく。民選王の立場ですしね…それに、この服装でお分かりかと存じますが、私は軍務経験者…武官でもあり、このヴァンセンヌ娯楽館を守備する部隊と、ジョスリーヌ君に対する指揮権限を与えられてもおります」

そう…この場では、実のところはルイ16世陛下との面談の真の主役、ポワカール閣下なのです。

(ルイ…武人でもあるこのお方がどうやら、我が王国の今後を差配する権力をお持ちのご様子…)

(だねマリー…このポワカールというお方には、痴女皇国の方々も一目置かれているようだ…)

(その通りですよ王陛下に王妃殿下。そして、ポワカール閣下は連邦世界におけるお二人の悲劇的な最後、ここでは阻止するために一軍を率いて来られたんですから、信頼を預けてもらって大丈夫です。このあたし、マリアリーゼがわざわざ運転手役をしてまでヴァンセンヌ・鹿の園別院にお連れしたのも、その約束手形の裏書きの一環ですからね…)
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