273 / 377
とんでもないイスタンブール -昔の名前で出ていません-・7
しおりを挟む
「そ、それでは妊娠というのは…」
「直接にみなさんの子供を産んでもらうためじゃないのですよ…あくまでも苗床の餌にするためなのです。ただ、苗床というのは単に人を食べるのではなく、その中で遺伝子の組み合わせを最適化した状態で人を育てて送り出す能力があるのです…」
と、セニョーラやセニョリーナたちの前で苗床について説明している私、フランシスカ。
「元々は痴女皇国からしてもさらに異質な別の恒星系で発見されたものなのですが、欠点はあれど利点もあまたということで、私たちは手っ取り早く人を増やす際に活用しているのです」
と、この苗床を使う状況を理解させようとしています。
まぁ実際に私も、現物を見て知るまではなんじゃこれ、だった部類なのですが。
しかし、この女たちは果たして使い物になるのやら。
見た目はまぁ、悪くはないのですが…。
しかし、我がメヒコでもそうなのですがね。
東洋人と欧州系ではやはり、体格や骨格が微妙に違うもの。
東洋系やアステカ・マヤ系の体型、明確に違うのです、私のようなイスパニョーラとは…。
あと、私もそれなりに矯正されましたが、欧州系が東洋人を見る際のインクリナシオンがかかった視点、彼女たちは彼女たちで持っておるようなのです。
つまり、白人やラテン系の混血者に対する偏見。
更には、痴女種特有の相手を選ばぬが如き姦淫行為への不潔感すら、少なからず。
ええ、売春とか聞いた途端に汚いとか不潔とか、露骨な嫌悪感を催してましたね。
実は私もその部類でしたよ。
ええ、女ってのはそういう一面があるのは理解しております。
性欲の対象に見えないセニョールに対してはハポンで言う「アウトオブガンチュウ(眼中)」になるのも自分自身ではっきり知覚しとるのです。
ですが、この滅姦の地に連れて来た以上は、彼女たちにも偽女種たちや騎士候補の相手をしてもらわなくてはならないでしょう。
むしろハポネス以外の人種を相手する件数の方が、今後は多いのですよ。
それに、痴女種はその気になれば相手の身体、入浴洗体させたかのごとくレフスカールセできるのです。
これ、女官種の時代から出来たそうですけどね、イカホオンセンでアレマンの貴族をお風呂に入れざるを得なかった件ですとか、はたまた北方帝国攻略戦の泥試合の件で強化された能力だそうです。
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/101/
つまり、不潔だという状態から脱却させてあげる事が出来るのですよ。
ですから、気に入らない相手に股を開くのが嫌で不潔だとかというのは、痴女皇国では言い訳にしかならんのです。
そして重要事項。
シェヘラザード局長も、その妹君のダニヤザード様も、更にはラービア様も、割と厳しい傾向があります。
(これはかつて、私がメヒコで司会者をしていた際、同性愛者や女性の権利を報道する番組で紹介された事例なのです…イスラム世界では女性であろうとも鞭打ちの刑など当たり前、そして場合によっては斬首されてしまうことも決して珍しくはないと知っているのです…)
https://x.com/725578cc/status/1788294628858634716
つまり、性的倒錯者はもちろんのこと、女性への迫害も相当な実績があるのですよ。
そして、痴女皇国でも中東系出身者は厳しめの指導傾向があると知られております。
ですので、私としてはなるべく、穏便に済ませてやるためにも彼女たちの教育指導に当たる方々の傾向と対策を伝えようとしておるのです。
せっかく、一応はやる気になってくれた者たちですからね。
これは、ルチャの師匠に教わったことでもありますが、やる気を削ぐのは簡単なのです。
ですが、人の情熱を維持することを考えなくてはルチャドール、あるいはルチャドーラ…即ち観客を熱狂させるプロレス選手としては大成しないぞ、とまで言われたのです。
そして情熱の件。
我がメヒコは革命の志に燃えた者たちが作り上げた国であるという自負、この私にもあります。
ハポンのことわざでは鶏口牛後と言う…大団体の下っ端になるよりは小さくとも長となる方が良いとは申しますけど、我がメヒコは宗主国たるスペイン同様、何かに総出で熱狂する傾向があるのです。
例えば、万聖節たる11月1日と2日に行うDía de Muertos…即ち「死者の日」という慣わしがあります。
この祭りめいた催事、装飾した骸骨やそれに類する者を飾ったり死者に扮装することで有名でして、ハポンでもご存知の方、多いかも知れませんね。
日本ではオコツを埋葬する風習がありますが、アステカのように神殿に納めていた歴史があるメヒコでは、頭蓋骨は決して日常からかけ離れた物体でもないのです。
そして、この砂漠半島系の住民も、比較的、総出で熱狂する傾向があるように見受けられます。
ですから、メヒコと似た気風を人々から感じるこの地で大成するとなると、ゴウニイッテハゴウニシタガエ、となるのでは。
(ルチャの心得があるならば、私の顔で…痴女皇国世界ではありますが、メキシコ帝国…中米行政局への転任をお世話できます。ただし、あちらはあちらで相応に厳しいものがありますし…何より、日常的な性交はついて回るんですよ…)
(まぁまぁフランシスカさん。やる気を見せた人ならば本宮へ連れて行って一般罪人女官として任じる道もつけられますよ…)
と、ベラ子陛下に言われた事もあり、とりあえずはこの滅姦の立方体聖殿と、付帯施設を見せて頂くのに同行させようとなりました。
で、ダニヤザード様とラービア様の案内で、立方体聖殿を拝見します。
この立方体聖殿、メッカとの違いはいくつもあります。
まず、マズジド・ハラームなる神殿は変形した方形…四角形をしておりますが、この滅姦立方聖殿は円形なのです。
そして円の中心に黒い碑石めいた立方体が鎮座しておりまして、西面にジーナ閣下とベラ子陛下を左右に配した聖人様が浮き彫りにされています。
この聖父様や聖母のレリーフを拝むと、巡礼者はちょうど東を向く事になります。
しかし、これでは西側の一角だけに人が停滞してしまうでしょう。
そこで、巡礼者はカタツムリの殻のように渦を巻くかのごとく碑石の周りを巡り、最後に聖人聖母彫像面に向かって八端十字架を掲げて拝礼し、退出する順路が床のモザイクタイルで表示されています。
で…この碑石の周りに、熱による害を防ぐためもあって円形の噴水状の石囲いが作られているんですけどね。
円を四等分するかのように、東西南北に椅子というか寝台めいた構造が存在するんですけど。
「申し上げにくいのですがね…後であそこで、あれをして頂きたいのですが…ベラ子陛下もフランシスカ様も…」
どぇえええええ。
やはりあれ、姦淫台の設置場所だったのですか…。
で、話をお聞きしますと、あの姦淫台設置場所に台が置かれるのは日の出と正午と日没の3回。
そして、預言派神学部の優秀な騎士候補や尼僧候補学生と、奉仕偽女種候補たちがその姦淫台座と台座の間に配置されて、性行為を行うのだそうです…。
その実際の映像、シェヘラザード様の聖環で見せられた私たち部外者、拉致者女性から選抜された合計4名共々絶句します。
ええとですね、その噴水めいた円形の石造りの低い囲い。
回転するそうです。
そして、この時だけは広場は巡回コースではなく、俗民と貴民で払うお布施は違いますが喜捨名目で入場料が徴収されます。
それと、この円形広場。
結構広いです。
我がメヒコのパラシオ・デ・デポルテスやトウキョウ・ドーム以上の広さ。
広場部分で直径120m、そして広場を囲むデポルテス競技場観覧席めいた傾斜式観覧席と外壁を含めた直径は約150mにもなるそうです。
で、なんで観覧席が設けられているのか。
この観覧席は比較的富裕な者が利用することを想定しているから、だそうです。
そして…マドゥラの競牛場やスペインの姦淫闘牛場、更にはティノチティトランのルチャ・フロレンシア闘技場でもあるような、貴賓観覧席が上部に設けられております。
ええそうですよ。
この聖殿を上から広場まで使って、朝昼晩の3回、おめこ祭り状態にするそうです。
(…まぁ、私もティオティワカンやティノチティトランの神殿、知ってますしやらせてた立場なんですけど…けど…)
(それと大差はないと思いますよっ)
で、今の…日没の礼拝にはまだ、間がある時刻ですけどねぇ。
その、観覧席のそこかしこで何かしてるのが見えるんです。
更には、声や音もします。
痴女種の視覚聴覚能力をことさらに最大限発揮しなくとも、見える聞こえるのです。
もう、この光景だけでも、連邦世界のイスラム信仰地域には絶対に見せられないでしょう。
いえ、似たような事、今やローマ市街のコロッセウムを改装した礼拝場でやらせてんの知ってますけどね。
罰姦聖母教会が罰姦だとか言われている由来にまでしますか。
そしてこの、闘技場めいた意匠も感じる聖殿。
最外周の外壁構造の中が、その幹部候補学生とも言える女学生たちの寮だそうです。
そこに案内された時にまた、4名の女たちが固まります。
「あの…ここって、寮のお部屋ですよね…扉は…」
そう、ポレセアナのトイレも真っ青な構造なのです。
個室に扉など、存在せんのです。
いくら昼間は暑い砂漠半島と言っても、これはちょっと…そして、本宮の女官寮が今や冷房完備で扉もあるのを知っていると、余計にここの女子学生寮の構造の異質さに絶句するのですよ、私ですら。
「実は奉仕偽女種候補の寮、ここの最上部階なのですよ…」
ええ、この神殿外周部の寮になっている円周外縁区画、5階建てになっているそうです。
そして3階以上が寮…それも、特に優秀とされた尼僧や騎士候補学生、そして奉仕偽女種の男子生徒が住まうようです。
ですが、いくら選抜された優秀な学生たちと言っても、部屋に扉がないのはあんまりでは。
(私物はほぼありませんし、何よりここで貨幣は使いませんからね…)
ええ、聖環決済が基本だそうですし、何よりここの生活をしていると現金どころか私物すらほぼ、持たない持てない状態に近くなるのは本宮女官寮はもちろん、明日輝や魔屋、そして淫化の神官寮も大体は同じですから。
ですが、扉はありますよっ。
で、扉がない理由。
夜這いをしやすくするためだそうですよ…。
(ここに入寮する学生、千人卒またはそれに準拠したちんぽ持ち痴女種ばかり。即ち、睡眠の必要が限りなく薄い者たちばかりなのですよ…)
しかし、それにしてもえげつない話ですよ…。
(ちなみに部屋を見るとわかりますが、1人部屋です)
で、ここの制度。
最低半年に1度ずつ、部屋替えがあります。
そして…授業状況に応じて飛び級や早期卒業があると。
更には、この聖殿寮。
初等部過程を経た者しか入ってないそうです。
つまりぃ…初等教育者の学舎は別に存在します。
で、この寮は最低でも司祭候補を入れる寮。
つまり、この滅姦の聖殿周囲の俗人街や農業荘園に設けられた実習聖母教会で行う次元の教程にまで進んだ生徒のみが入っておるそうなのです。
または、実際に聖殿や学長兼支部長室付けの実習に入った者たち。
(つまりはエリートたちがこの聖殿寮に集められていると…)
(盗難や揉め事は極限にまで減らせる痴女種の特性を最大限加味していますし、もはやこの寮に入る者たちは、そうした下らぬ事を企てる心配はないであろうからこそ、選ばれるのです)
そう…下着や衣類は瞬間更衣または監督女官室に赴いて配給を受ける上に、私本の部類などを除けば一切の私物を持つ必要がないのです…。
(え、ジュエリーとか持てないんですか?)
(持っても騎士実習で吹き飛ばされたり落とすだけです。本宮でも女官研修中はそうなんですけど、装身具も支給品以外はだめですよ…)
と、私物を持ちそうな顔の女に対して、ベラ子陛下がお説教を。
(えええええ、あたしヘソピーしてますけど…あれ?)
(そういうものは苗床に浸かるか、さもなくば痴女種化した際に体外へと排出または排除されてしまうのです。あたしでもイヤリングはピアスではなく圧着タイプか磁石式ですよ…。服装によっては自動回収してもらってますし…)
そう、黒薔薇騎士扱いの私はもちろん、ここにいる痴女種幹部、ベラ子陛下ほどではないけど逸般人の範疇なのです、身体の運動能力。
下手をすれば地上でも音速を余裕で超える動きを見せるのですから、下手な装身具は邪魔どころか、周りに飛んで行けば凶器になりかねません。
シェヘラザード様の着ていた聖院上級騎士服でも、ぶら下げる系統の装飾は注意深く排除されていましたね…。
で、連中、体に穴を開けていただけではなかったのです…。
「えええええ、じゃ、タトゥーもですか?」
「もちろん、消されてしまいます…。希望者は本宮購買部に連絡すればタトゥーシールを作ってくれますよ。ただし耐久性の問題がありますし、何よりこれも騎士能力を発揮すると剥がれてしまいます…」
そう、墨を入れていた連中がいたのです。
ですけど、これまたダメ。
更には、化粧品についても、既存品を使うとあくまでも人間と同じ状態に体力や新陳代謝を制限している間だけしか効果を発揮しないことや、これまた本宮購買で痴女種用に開発されたファインテック・コスメケミカル社の製品を通販含めて購入する方が無難だと伝えます。
「ですから、あたしたちがすっぴんに近いのはちゃんと事情があるのですよ…」
そう、素顔に近い女官や騎士を見て、彼女たちは田舎臭いとか思ってたのです。
「で、では皆さんはどうやって…お化粧したようにしか見えないんですけど…」
と、質問した女は他の豚身分の女たちと、私やベラ子陛下他の幹部の顔を見比べています。
「視覚認識を置き換える能力、ある程度の地位…万卒または千人卒以上かつ拠点長であれば、許しています。要はあたしならあたしを見た人に対して、化粧をした顔をVR映像で重ねてごまかして見せると思ってください」
で、この能力は出世しないと許してないと申されるベラ子陛下。
「この力を悪用すると脱柵…脱走にも繋がります。脱走なさっても長期間生きていられないんですけど、それまでの間に悪いことをされると困りますのでね」
つまり、一種の光学迷彩のように働く力の応用なのです。
で、この能力が特に強いのが黒薔薇騎士団でして、実際に自分の身体を迅速に変化させる能力を許可された方でなくとも、この光学欺瞞を利用して変装したかのように見せる事も可能なんだそうでして。
「ものすごく単純に言ってしまいますけど、女の武器を自由に使いたいならば出世してください。これが痴女皇国の女官全てにお願いしている事です」
「つまり、これを生やせと言う事ですよ」
と、ダニヤ様がご自身のちんぽを見せたもんですから、そこでまた阿鼻叫喚。
ああ、何だってこうも環境激変に弱いのか、この女たち。
(まぁ、普通の女性はだいたいこうですね…)
(というか連邦世界から連れて来た女たちとはこのような者ばかりなのですか…)
(見た目以外は全く無価値とすら申せましょう…いっそ苗床の餌に)
待って待って待ってくださいよ…と、思わずこの女たちを庇いかけているのに気づきました。
(しかし、フランシスカ様とはあまりに出来が違うのに目まいがしましてね…同じ連邦世界の出身者でこうも違うとは…)
まぁ、私はマスコミに籍を置いておりましたし、メヒコとはあまりに違う政治や経済、そして文化の国が多数存在するのも存じておりましたから。
それと、一般市民でも化粧とかお風呂とか装身具とか贅沢ができるハポンが異常なのですよ、世界を見渡せば。
明日輝や魔屋とあまり違わない生活レベルの者、メヒコでも流石に少数派ですけど、おりますよ。
あと、貧民はそれなりに貧民です。
その貧民の暮らし向きを知るならば、痴女皇国の女官寮の生活、むしろ文明的で文化的だと言い切れます。
「忘れないで頂きたいのですが、ここはもはや連邦世界ではないのです。そして、私たちの介入によって、かなりの生活水準向上に及んでいますが、この周辺にあってまだまだ私たちの庇護が及んでいない村や町では、本当に西暦1600年代の暮らしそのままなのですよ…」
そして、魔屋や明日輝に派遣された当時の私の記憶を見せておきます。
「まぁまぁフランシスカさん。なぜ、痴女皇国風の便器が存在するかも申しておかないと…」
と、意地悪く笑うベラ子陛下。
まだ、この女たちを騒がせる何かがあるんでしょうか。
「日本の品質のトイレットペーパーはこの世界では貴重品なのです。ですから、いっそペーパーなしで清潔に振る舞えるように聖院時代から研究された結果が、あの風呂を兼ねる大量の水を使う、石造りの便器なのです…」
「直接にみなさんの子供を産んでもらうためじゃないのですよ…あくまでも苗床の餌にするためなのです。ただ、苗床というのは単に人を食べるのではなく、その中で遺伝子の組み合わせを最適化した状態で人を育てて送り出す能力があるのです…」
と、セニョーラやセニョリーナたちの前で苗床について説明している私、フランシスカ。
「元々は痴女皇国からしてもさらに異質な別の恒星系で発見されたものなのですが、欠点はあれど利点もあまたということで、私たちは手っ取り早く人を増やす際に活用しているのです」
と、この苗床を使う状況を理解させようとしています。
まぁ実際に私も、現物を見て知るまではなんじゃこれ、だった部類なのですが。
しかし、この女たちは果たして使い物になるのやら。
見た目はまぁ、悪くはないのですが…。
しかし、我がメヒコでもそうなのですがね。
東洋人と欧州系ではやはり、体格や骨格が微妙に違うもの。
東洋系やアステカ・マヤ系の体型、明確に違うのです、私のようなイスパニョーラとは…。
あと、私もそれなりに矯正されましたが、欧州系が東洋人を見る際のインクリナシオンがかかった視点、彼女たちは彼女たちで持っておるようなのです。
つまり、白人やラテン系の混血者に対する偏見。
更には、痴女種特有の相手を選ばぬが如き姦淫行為への不潔感すら、少なからず。
ええ、売春とか聞いた途端に汚いとか不潔とか、露骨な嫌悪感を催してましたね。
実は私もその部類でしたよ。
ええ、女ってのはそういう一面があるのは理解しております。
性欲の対象に見えないセニョールに対してはハポンで言う「アウトオブガンチュウ(眼中)」になるのも自分自身ではっきり知覚しとるのです。
ですが、この滅姦の地に連れて来た以上は、彼女たちにも偽女種たちや騎士候補の相手をしてもらわなくてはならないでしょう。
むしろハポネス以外の人種を相手する件数の方が、今後は多いのですよ。
それに、痴女種はその気になれば相手の身体、入浴洗体させたかのごとくレフスカールセできるのです。
これ、女官種の時代から出来たそうですけどね、イカホオンセンでアレマンの貴族をお風呂に入れざるを得なかった件ですとか、はたまた北方帝国攻略戦の泥試合の件で強化された能力だそうです。
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/101/
つまり、不潔だという状態から脱却させてあげる事が出来るのですよ。
ですから、気に入らない相手に股を開くのが嫌で不潔だとかというのは、痴女皇国では言い訳にしかならんのです。
そして重要事項。
シェヘラザード局長も、その妹君のダニヤザード様も、更にはラービア様も、割と厳しい傾向があります。
(これはかつて、私がメヒコで司会者をしていた際、同性愛者や女性の権利を報道する番組で紹介された事例なのです…イスラム世界では女性であろうとも鞭打ちの刑など当たり前、そして場合によっては斬首されてしまうことも決して珍しくはないと知っているのです…)
https://x.com/725578cc/status/1788294628858634716
つまり、性的倒錯者はもちろんのこと、女性への迫害も相当な実績があるのですよ。
そして、痴女皇国でも中東系出身者は厳しめの指導傾向があると知られております。
ですので、私としてはなるべく、穏便に済ませてやるためにも彼女たちの教育指導に当たる方々の傾向と対策を伝えようとしておるのです。
せっかく、一応はやる気になってくれた者たちですからね。
これは、ルチャの師匠に教わったことでもありますが、やる気を削ぐのは簡単なのです。
ですが、人の情熱を維持することを考えなくてはルチャドール、あるいはルチャドーラ…即ち観客を熱狂させるプロレス選手としては大成しないぞ、とまで言われたのです。
そして情熱の件。
我がメヒコは革命の志に燃えた者たちが作り上げた国であるという自負、この私にもあります。
ハポンのことわざでは鶏口牛後と言う…大団体の下っ端になるよりは小さくとも長となる方が良いとは申しますけど、我がメヒコは宗主国たるスペイン同様、何かに総出で熱狂する傾向があるのです。
例えば、万聖節たる11月1日と2日に行うDía de Muertos…即ち「死者の日」という慣わしがあります。
この祭りめいた催事、装飾した骸骨やそれに類する者を飾ったり死者に扮装することで有名でして、ハポンでもご存知の方、多いかも知れませんね。
日本ではオコツを埋葬する風習がありますが、アステカのように神殿に納めていた歴史があるメヒコでは、頭蓋骨は決して日常からかけ離れた物体でもないのです。
そして、この砂漠半島系の住民も、比較的、総出で熱狂する傾向があるように見受けられます。
ですから、メヒコと似た気風を人々から感じるこの地で大成するとなると、ゴウニイッテハゴウニシタガエ、となるのでは。
(ルチャの心得があるならば、私の顔で…痴女皇国世界ではありますが、メキシコ帝国…中米行政局への転任をお世話できます。ただし、あちらはあちらで相応に厳しいものがありますし…何より、日常的な性交はついて回るんですよ…)
(まぁまぁフランシスカさん。やる気を見せた人ならば本宮へ連れて行って一般罪人女官として任じる道もつけられますよ…)
と、ベラ子陛下に言われた事もあり、とりあえずはこの滅姦の立方体聖殿と、付帯施設を見せて頂くのに同行させようとなりました。
で、ダニヤザード様とラービア様の案内で、立方体聖殿を拝見します。
この立方体聖殿、メッカとの違いはいくつもあります。
まず、マズジド・ハラームなる神殿は変形した方形…四角形をしておりますが、この滅姦立方聖殿は円形なのです。
そして円の中心に黒い碑石めいた立方体が鎮座しておりまして、西面にジーナ閣下とベラ子陛下を左右に配した聖人様が浮き彫りにされています。
この聖父様や聖母のレリーフを拝むと、巡礼者はちょうど東を向く事になります。
しかし、これでは西側の一角だけに人が停滞してしまうでしょう。
そこで、巡礼者はカタツムリの殻のように渦を巻くかのごとく碑石の周りを巡り、最後に聖人聖母彫像面に向かって八端十字架を掲げて拝礼し、退出する順路が床のモザイクタイルで表示されています。
で…この碑石の周りに、熱による害を防ぐためもあって円形の噴水状の石囲いが作られているんですけどね。
円を四等分するかのように、東西南北に椅子というか寝台めいた構造が存在するんですけど。
「申し上げにくいのですがね…後であそこで、あれをして頂きたいのですが…ベラ子陛下もフランシスカ様も…」
どぇえええええ。
やはりあれ、姦淫台の設置場所だったのですか…。
で、話をお聞きしますと、あの姦淫台設置場所に台が置かれるのは日の出と正午と日没の3回。
そして、預言派神学部の優秀な騎士候補や尼僧候補学生と、奉仕偽女種候補たちがその姦淫台座と台座の間に配置されて、性行為を行うのだそうです…。
その実際の映像、シェヘラザード様の聖環で見せられた私たち部外者、拉致者女性から選抜された合計4名共々絶句します。
ええとですね、その噴水めいた円形の石造りの低い囲い。
回転するそうです。
そして、この時だけは広場は巡回コースではなく、俗民と貴民で払うお布施は違いますが喜捨名目で入場料が徴収されます。
それと、この円形広場。
結構広いです。
我がメヒコのパラシオ・デ・デポルテスやトウキョウ・ドーム以上の広さ。
広場部分で直径120m、そして広場を囲むデポルテス競技場観覧席めいた傾斜式観覧席と外壁を含めた直径は約150mにもなるそうです。
で、なんで観覧席が設けられているのか。
この観覧席は比較的富裕な者が利用することを想定しているから、だそうです。
そして…マドゥラの競牛場やスペインの姦淫闘牛場、更にはティノチティトランのルチャ・フロレンシア闘技場でもあるような、貴賓観覧席が上部に設けられております。
ええそうですよ。
この聖殿を上から広場まで使って、朝昼晩の3回、おめこ祭り状態にするそうです。
(…まぁ、私もティオティワカンやティノチティトランの神殿、知ってますしやらせてた立場なんですけど…けど…)
(それと大差はないと思いますよっ)
で、今の…日没の礼拝にはまだ、間がある時刻ですけどねぇ。
その、観覧席のそこかしこで何かしてるのが見えるんです。
更には、声や音もします。
痴女種の視覚聴覚能力をことさらに最大限発揮しなくとも、見える聞こえるのです。
もう、この光景だけでも、連邦世界のイスラム信仰地域には絶対に見せられないでしょう。
いえ、似たような事、今やローマ市街のコロッセウムを改装した礼拝場でやらせてんの知ってますけどね。
罰姦聖母教会が罰姦だとか言われている由来にまでしますか。
そしてこの、闘技場めいた意匠も感じる聖殿。
最外周の外壁構造の中が、その幹部候補学生とも言える女学生たちの寮だそうです。
そこに案内された時にまた、4名の女たちが固まります。
「あの…ここって、寮のお部屋ですよね…扉は…」
そう、ポレセアナのトイレも真っ青な構造なのです。
個室に扉など、存在せんのです。
いくら昼間は暑い砂漠半島と言っても、これはちょっと…そして、本宮の女官寮が今や冷房完備で扉もあるのを知っていると、余計にここの女子学生寮の構造の異質さに絶句するのですよ、私ですら。
「実は奉仕偽女種候補の寮、ここの最上部階なのですよ…」
ええ、この神殿外周部の寮になっている円周外縁区画、5階建てになっているそうです。
そして3階以上が寮…それも、特に優秀とされた尼僧や騎士候補学生、そして奉仕偽女種の男子生徒が住まうようです。
ですが、いくら選抜された優秀な学生たちと言っても、部屋に扉がないのはあんまりでは。
(私物はほぼありませんし、何よりここで貨幣は使いませんからね…)
ええ、聖環決済が基本だそうですし、何よりここの生活をしていると現金どころか私物すらほぼ、持たない持てない状態に近くなるのは本宮女官寮はもちろん、明日輝や魔屋、そして淫化の神官寮も大体は同じですから。
ですが、扉はありますよっ。
で、扉がない理由。
夜這いをしやすくするためだそうですよ…。
(ここに入寮する学生、千人卒またはそれに準拠したちんぽ持ち痴女種ばかり。即ち、睡眠の必要が限りなく薄い者たちばかりなのですよ…)
しかし、それにしてもえげつない話ですよ…。
(ちなみに部屋を見るとわかりますが、1人部屋です)
で、ここの制度。
最低半年に1度ずつ、部屋替えがあります。
そして…授業状況に応じて飛び級や早期卒業があると。
更には、この聖殿寮。
初等部過程を経た者しか入ってないそうです。
つまりぃ…初等教育者の学舎は別に存在します。
で、この寮は最低でも司祭候補を入れる寮。
つまり、この滅姦の聖殿周囲の俗人街や農業荘園に設けられた実習聖母教会で行う次元の教程にまで進んだ生徒のみが入っておるそうなのです。
または、実際に聖殿や学長兼支部長室付けの実習に入った者たち。
(つまりはエリートたちがこの聖殿寮に集められていると…)
(盗難や揉め事は極限にまで減らせる痴女種の特性を最大限加味していますし、もはやこの寮に入る者たちは、そうした下らぬ事を企てる心配はないであろうからこそ、選ばれるのです)
そう…下着や衣類は瞬間更衣または監督女官室に赴いて配給を受ける上に、私本の部類などを除けば一切の私物を持つ必要がないのです…。
(え、ジュエリーとか持てないんですか?)
(持っても騎士実習で吹き飛ばされたり落とすだけです。本宮でも女官研修中はそうなんですけど、装身具も支給品以外はだめですよ…)
と、私物を持ちそうな顔の女に対して、ベラ子陛下がお説教を。
(えええええ、あたしヘソピーしてますけど…あれ?)
(そういうものは苗床に浸かるか、さもなくば痴女種化した際に体外へと排出または排除されてしまうのです。あたしでもイヤリングはピアスではなく圧着タイプか磁石式ですよ…。服装によっては自動回収してもらってますし…)
そう、黒薔薇騎士扱いの私はもちろん、ここにいる痴女種幹部、ベラ子陛下ほどではないけど逸般人の範疇なのです、身体の運動能力。
下手をすれば地上でも音速を余裕で超える動きを見せるのですから、下手な装身具は邪魔どころか、周りに飛んで行けば凶器になりかねません。
シェヘラザード様の着ていた聖院上級騎士服でも、ぶら下げる系統の装飾は注意深く排除されていましたね…。
で、連中、体に穴を開けていただけではなかったのです…。
「えええええ、じゃ、タトゥーもですか?」
「もちろん、消されてしまいます…。希望者は本宮購買部に連絡すればタトゥーシールを作ってくれますよ。ただし耐久性の問題がありますし、何よりこれも騎士能力を発揮すると剥がれてしまいます…」
そう、墨を入れていた連中がいたのです。
ですけど、これまたダメ。
更には、化粧品についても、既存品を使うとあくまでも人間と同じ状態に体力や新陳代謝を制限している間だけしか効果を発揮しないことや、これまた本宮購買で痴女種用に開発されたファインテック・コスメケミカル社の製品を通販含めて購入する方が無難だと伝えます。
「ですから、あたしたちがすっぴんに近いのはちゃんと事情があるのですよ…」
そう、素顔に近い女官や騎士を見て、彼女たちは田舎臭いとか思ってたのです。
「で、では皆さんはどうやって…お化粧したようにしか見えないんですけど…」
と、質問した女は他の豚身分の女たちと、私やベラ子陛下他の幹部の顔を見比べています。
「視覚認識を置き換える能力、ある程度の地位…万卒または千人卒以上かつ拠点長であれば、許しています。要はあたしならあたしを見た人に対して、化粧をした顔をVR映像で重ねてごまかして見せると思ってください」
で、この能力は出世しないと許してないと申されるベラ子陛下。
「この力を悪用すると脱柵…脱走にも繋がります。脱走なさっても長期間生きていられないんですけど、それまでの間に悪いことをされると困りますのでね」
つまり、一種の光学迷彩のように働く力の応用なのです。
で、この能力が特に強いのが黒薔薇騎士団でして、実際に自分の身体を迅速に変化させる能力を許可された方でなくとも、この光学欺瞞を利用して変装したかのように見せる事も可能なんだそうでして。
「ものすごく単純に言ってしまいますけど、女の武器を自由に使いたいならば出世してください。これが痴女皇国の女官全てにお願いしている事です」
「つまり、これを生やせと言う事ですよ」
と、ダニヤ様がご自身のちんぽを見せたもんですから、そこでまた阿鼻叫喚。
ああ、何だってこうも環境激変に弱いのか、この女たち。
(まぁ、普通の女性はだいたいこうですね…)
(というか連邦世界から連れて来た女たちとはこのような者ばかりなのですか…)
(見た目以外は全く無価値とすら申せましょう…いっそ苗床の餌に)
待って待って待ってくださいよ…と、思わずこの女たちを庇いかけているのに気づきました。
(しかし、フランシスカ様とはあまりに出来が違うのに目まいがしましてね…同じ連邦世界の出身者でこうも違うとは…)
まぁ、私はマスコミに籍を置いておりましたし、メヒコとはあまりに違う政治や経済、そして文化の国が多数存在するのも存じておりましたから。
それと、一般市民でも化粧とかお風呂とか装身具とか贅沢ができるハポンが異常なのですよ、世界を見渡せば。
明日輝や魔屋とあまり違わない生活レベルの者、メヒコでも流石に少数派ですけど、おりますよ。
あと、貧民はそれなりに貧民です。
その貧民の暮らし向きを知るならば、痴女皇国の女官寮の生活、むしろ文明的で文化的だと言い切れます。
「忘れないで頂きたいのですが、ここはもはや連邦世界ではないのです。そして、私たちの介入によって、かなりの生活水準向上に及んでいますが、この周辺にあってまだまだ私たちの庇護が及んでいない村や町では、本当に西暦1600年代の暮らしそのままなのですよ…」
そして、魔屋や明日輝に派遣された当時の私の記憶を見せておきます。
「まぁまぁフランシスカさん。なぜ、痴女皇国風の便器が存在するかも申しておかないと…」
と、意地悪く笑うベラ子陛下。
まだ、この女たちを騒がせる何かがあるんでしょうか。
「日本の品質のトイレットペーパーはこの世界では貴重品なのです。ですから、いっそペーパーなしで清潔に振る舞えるように聖院時代から研究された結果が、あの風呂を兼ねる大量の水を使う、石造りの便器なのです…」
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる