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がんばれペアーズ・おねショタ布教軍創設ものがたり・10.5
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で。
瘴気漂う背景をバックに私を恨みがましい目で睨むベラ子陛下と、さすがに私を憐れむ目で見るマルハレータ陛下に促され、夜のクスコ空港に降り立つ私、レオノール。
そして戸籍血縁的にはサリムの実の弟で、先ほど私の侍従小姓となることが正式に決定した少年・カリム。
(だからベラ子陛下にお手付きしてもらってから私が、カリムの相手をしたじゃないですか…)
(だからと言って、あたしの心は晴れないのです…)
(っていうか陛下、それなら先にクリス様を転送で機内にお呼びして、とりあえず寝室を使って頂いてから…)
再び崩れ折れるベラ子陛下。
ただ、暴君べらこちゃんにはなれませんよ。
何故ならば、クスコ空港に出迎えに来てくれたイリヤさんたちがじーーーーーっと見ているからです。
しかも、リュネ世界の苗床から再生されたという、新顔さんなリュネ族女性(に見える)お三方も。
そして、かくも無理をして、喫緊の事情でカリムを呼んだ理由。
私の聖環が警報を出していたからです、魔毒蓄積量が限度に近いという。
で、さっさと非・リュネ世界出身少年の精液を絞り取るか苗床かどちらかという話になっとったのです。
(確かに苗床に浸かればすぐに処理できますけど、あれは…あれは…)
ええ、私はあの苗床でそれはもう嫌な嫌な嫌な体験をしたせいで、あれを本能的に忌避してしまうのです。
(まぁ、レオノールも教育担当者として今後は淫化各地を回って貰う可能性があるから、苗床から遠い場所でも活動出来るように侍従配置を承認…と、これでいいわね、マルハ)
(へいっメフラウ。…ええかレオノール…これはお前のしょた趣味、それも屈折した性癖を満たすためやのうて、あくまでも淫化でのお前の活動を支援するためやからな…)
ですから、いくらベラ子陛下に恨みがましい目で見られても、カリムの精液を頂く作業、遂行しなくてはならなかったのですっ。
(だからあたしも写生受けはレオノールさんに譲ったじゃないですか…)
いつになく未練たらたら恨みがましいベラ子陛下ですが、何かあったのでしょうか。
(意外と執念深いですからね、陛下は…)
しかし、いつまでも私怨私情に囚われておられるの困りもの。
「まぁまぁ、とりあえずですね、こちらの方々が新たに再生がかかったという、リュネの…クシー王子、エマネ王女、そしてメマーラ王妃です…皆様、痴女皇国の二代目皇帝マリアヴェッラ陛下にございます…」
でまぁ、空港でいつまでもというのも何なので、ジョスリーヌ団長の運転する無骨な車…キュラソーにも似たものがありますけど、それに皆で乗って行政宮殿に向かうことに。
(カリム…少しだけ車の外に注意を払うのですよ…)
ええ、この時間帯であればクスコの街、俗人街と貴人街の間の大通りに屋台がいくつか出ておるのです。
で、その屋台の客とは。
(でぇええええっ)
(エ、エマネ…あれは何を…)
(お母様、予め説明があった通りかと…このクスコの街、姦淫都市であると教えられましたでしょうに…)
そうです、車の左右の大通りと街区を隔てる濠。
そのたもとの長椅子で繰り広げられる衝撃的な光景。
イリヤ様が驚いておられた時は、大人になっていない方々には詳細をお知らせ出来なかった事がですね、今まさに、大通りの両脇で派手に繰り広げられておるのですよ。
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…ええ、最近は皆、とみに行為がエスカラールしとるのです。
しかも、隣に遠慮することなく。
それはもう、辺りに見せつけるようにっ。
(メマーラ。戦士駐屯地視察にかこつけて男を物色しておったあなたが騒ぐことですか)
(イリヤお姉様。夫アルベが魔毒の影響甚大でなくば、私はアレせんでも良かったのですが…アレは黙認ですよっ)
どういう事でしょうか。
メマーラ様なる方、イリヤ様の実の妹であるとはお聞きしましたが。
(要するに魔毒抜きのための方法としてのアレ、私とフユキのような関係の相手を他の女も必要としたのです…メマーラはもちろん、姪のエマネでも)
ほっほう。
(で、当時のリュネ国王アルベ…つまりメマーラの夫は体内に溜まった魔毒のせいで精力どころか体に不調を来たしておりまして。そしてメマーラには若い戦士を夫の代替にすることが黙認されたのです…)
ええっ。
つまりは、公認の浮気。
(ただ、それを防ぐために条件がつけられました。一度オメコした相手と続けてオメコすんな。なるべく平等にせぇや、と)
はぁ。
(要は王妃の立場で夫たる国王そっちのけで若い男を漁るなど、いくら魔毒対策でも大っぴらにするなというのが周囲の一致した意見でありました。そして、特定の男に入れ込み囲うのも、王妃の振る舞いとしてはいかがなものか。で、メマーラが分け隔てなく若い戦士候補を相手しておるか、点検する役目がですね…なんでか私にですねぇ…)
(イリヤ姉様。剣聖と言えば言うなれば軍団長のようなもの。しかも私の実の不肖の姉という立場では、このメマーラとて、姉様がお目付役である事を承諾せざるを得ませんでしたのですがぁっ)
(悲しいことにアルベ、王の矜持で魔族を惹きつけて爆裂魔法で自分ごと大量の魔族を焼き払ったのが何とも残念。生き残るか再生可能であれば、ぜひメマーラの行状醜聞も暴露して差し上げたきところですがぁっ)
ああ、性癖行状を暴露される悲劇。
しかし、痴女皇国に長いとあまり悲劇に思えないのも困りものです。
なにせ女官であれば、ぷらいばしーはあって無きもの。
例えばマルハレータ陛下のエロ本。
あれ、陛下だからこそある意味で逆にいい方向に行った気がするのです。
というのも陛下、極端な変態行為や性癖暴露行為に及んでないのですよ。
例外はマドゥラの競牛に絡んだ諸々ですが、あれはマドゥラ統治に必要な行為であり、公衆の面前で姦淫を果たす事も求められる痴女皇国女官、わけても幹部には強く支持されております。
(あれ、今はマドゥラ県知事のカーティカと娘のスピカに任せてるからな…)
(まぁまぁ陛下、あれよりは祖国の姦淫闘牛の方がよほど狂っている気もしますが)
(あっち見に行かされたけど、どっちもどっちやろ…)
で。
さっきから装甲車の隅でしくしく泣いてるベラ子陛下。
そして我々が騒いでおるクスコの街中の少女による少年姦淫すら、心には届いておられない様子です。
で、示し合わせた我々の間で、代表のイリヤさんが。
「まぁまぁ陛下。せっかくクスコにお越しなのですし、よろしければサクサイワマンの南神殿でもご覧になっては」
その瞬間、昨今はストレートパーマとやらを当てておられることも多いというベラ子陛下の頭頂のあほげとやら、ぴくん、と動きました。
「さすがに男子を南神殿に住まわせるのは、侍従資格を得た者となりますが、おかげさまで朝の登校についてはばすとかいう箱車をご手配頂きまして…そうそう、クシー公、そしてメマーラにエマネ。あなた方は差し当たり北神殿の居住となりますが…南でもいいわよ、乙女寮の監督、やってもらえるなら…」
びくん、と再びベラ子陛下のアホ毛が動きます。
「陛下。先立ってのクスコでの男子教育につきましてはサクサイワマン南神殿内の聖院学院淫化神学部で実施の運びとなりました。そして、さすがに最初から少年たちを女子生徒と同じ寮に入れるのは風紀の乱れが予測されましたので、侍従資格を得た偽女種や、南神殿の神官侍従に限っております…が、偽女種ではありますが、リュネ族を含んだより抜き美少年がですね…」
と、私も陛下に、耳打ちをば。
くわ、と目を光らせてこちらを向く陛下。
「リュネ王族の方々。聞けば、北神殿は元来なれば皇帝であるチャスカさんと侍従ハルキさんのお住まいであり、かつイリヤさんやロッテさんの別宅でもあるとか。即ち、サクサイワマン北神殿では淫化帝国が淫化帝国たるやの儀式が毎朝毎昼毎晩と繰り広げられている淫交神殿であるとか。正直なところ、この淫化の今の光景と同様以上の出来事が毎日のように行われております。それも、頻繁に」
後ろの方でチャスカ様が暴れそうになっているの、イリヤさんが取り押さえてますけど。
まぁともかく、陛下の発言に多少の誇張はあれど、大筋では事実ですから。
そして陛下の提案は続きます。
「今からイリヤさんたちが皆さんの居城として案内する予定のサクサイワマン神殿ですが、ほぼ同様の外観の北神殿と、そして太陽乙女や神官の養成学校として使われている南神殿に分かれています。この南神殿の神殿長、北神殿の神殿長が兼務でお勤めであるとか」
この神殿長という職務、痴女皇国では女官管理室長となるそうです。
ただ、どこそこの神殿ごとに置かれていますので、比丘尼国の神社の巫女階級同様に「どこの神殿の神殿長や神官長=女官長」であるかが重要だそうですよ。
(ついでに申し上げておきますと、神殿長は太陽乙女扱い、神官長は月乙女扱いとなります。神殿における神事を神殿長が扱い、神官たちの管理は年増園の熟女、いえいえ神官長が行うとされました)
と、チャスカ様より入れ知恵も。
「即ち、南神殿の神殿長という重要職務が空席のままなのですぅっ」
「で、女官…神官の初等科学校なのにそこの校長がまだ決まってないのは何やねんとオリューレ様からもレオノール様からもチクチクと…」と、イリヤさんとチャスカ様が泣き真似を。
いえいえ、せっ突いてるのは確かです。
それも、毎日のごとく。
股間で。
(もっと突いてという声も聞こえた気もしますが)
(きっと気のせいでしょう、オリューレ様)
(レオノール…問題行為があったら分かっとるやろな…メフラウもこの淫化のふいんきに溺れる事なくですな…)
(マルハレータ。人は郷に入っては郷に従うもの。ベラ子陛下も今よりはサクサイワマンの風習に溶け込もうとなさるようなのです)
(溶け込もうというよりも突っ込もうとしてはる気も)
(オリューレさんマルハちゃんから座布団奪ってください)
(VABの椅子からクッションを剥がしたら車ごと買い取らせますよこのパスタ女っ)
(うるさいカエル女ですね、運転に集中するのですぅっ)
それはそうと、今、走ってる場所への注釈をば。
従来の炸砕岩満神殿、中央広場から丘の間を走るぐねぐねした道がクスコへの道でした。
しかし、今、そこを走ってはおりません。
□□□□□□□□□□
□□□北側神殿□□□
□□□正面入口□□□
中央広場→クスコ市街へ
□□□正面入口□□□
□□□南側神殿□□□
□□(神学校口)□□
通学バス乗降所
----- -----
| |
| |----
|クスコ市大通り→
-------
なんと、南側神殿の更に南側の崖と市街地を結ぶ空中回廊が作られてしまったのです…。
目的は言うまでもなく、聖院学院淫化神学部の学生を通学させるため。
(高架道路ってこの時代、ないに等しいですからね…)
ちなみにこの高架道路とやら、神学部に通う乙女寮の女子も利用します。
そして、バスとやらは聖院本宮の門前町で、痴女宮での地下鉄の代わりに珍珍電車と一緒になって走っているくるまに近いものが使われております。
(室見国土局長…パイセンいわく、車庫以外ではほとんどハンドルを握る必要がないそうなのですよ…)
なんでも、このバスのための専用車線を走る事で、ダンケ号のように輪を回して向きを変えなくとも勝手に道なりに進むそうです。
そして、このバスはなんと、クスコの町外れに近い俗人街の乗り場から乗る場合、男子生徒が全ての椅子に座った時点で立ち客を認めずに発車するのです。
で、積み残された生徒はすぐに来る続行のバスに乗せられます。
ですから、最近のクスコ、バス専用車線を何台ものこのバスが立て続けに走って来るのが日曜日以外の毎朝の日常光景になっています。
(理由は…その後で太陽乙女候補の女子学生が乗ってくるからなのです…)
見れば、そのバス専用車線とやら、黄金広場と行政神殿を避けて左側に回る環状道路も設備されておるようですね。
←サクサイワマン神殿(黄金広場から2km程度)
クンティスーユ地区|チンチャイスーユ地区
太陽乙女神官候補寮|貴人居住区画
太陽乙女神官寮 ●
-●-東西大通り-○--東西大通り--●
コリャスーユ地区 ●アンティスーユ地区
月乙女神官寮 |俗人居住区画
乙女侍従官寮 |男子生徒寮
→クスコ空港
●=バス停 ◯行政神殿・黄金広場
(将来はクスコの市街地やクスコ空港とを結ぶ足として作られたそうです。パイセンがなぜ珍珍電車にしなかったのかは謎ですが)
(日本製車両なのよ…そのバス。ヒノノニドン社とエロフ社の合同開発品の連接バスなんだからね…)
一瞬で入る突っ込み返し。
さすがは室見局長、と申し上げるべきか。
(ちなみにこのバスの運転研修、聖院に行かされてやらされるからね。導入が遅れたのはそのせいもあるのよ…淫化の女官の人の魔毒苔対策、聖院でもやる必要があってね…つまり、一般女官の聖院研修とセットにされてんのよ…バス乗務…)
えええええ。
(つまり、太陽乙女…わけてもサクサイワマン神殿勤務者はそのバスの運転ができることが必須資格よっ)
どぇええええっ。
あの…このバス、聖院でお見かけした普通のバスより更に、蛇のように長いのですが…。
(あーあ、これでレオノールはクスコから配転決定やな…)
(まさか、レオノールさんって車の運転…)
(安心しなはれ。腕前はメフラウとどっこいどっこいや)
マルハレータ陛下…それをバラさないで下さい!
(まぁともかく、そのバスが座席に座らせた男の子だけで発車する理由は、その後の停留所で乙女候補の女の子を乗せるからなのです。そして気の利いた男子が立とうとすると女子は制止するよう、しつけられているのです。ですよね、オリューレさん)
ええ、その理由は私も知っております。
座席定員分の女子しか載せないよう、クンティスーユ地区のバス停でも乗り込み制限をしているのも。
そしてこのバス、なぜか基本的に横座りなのです。
前を向いている座席も、1人がけの座席だけ。
なんでこうなっているのか。
女子は、男の上に座るからです。
そして尻を振ります。
ええ、女子は男子を立たせて座るのではなく、勃たせるのです…。
そして男子を勃たせた女子は、自分も立って男子のチンポをいじるのです…。
(痴漢電車ならぬ痴女バスを実現したとか姉は言いよりますが…パイセン、止めなかったんですか…)
(乗客の教育まであたしの担当じゃないわよベラちゃん…無理を言わないで…)
まぁ、ベラ子陛下。
クンティスーユ地区のバス停から南神殿前まで。5分くらいでしょう。
その時間で何ほどの事ができるのか。
そして、流石に車内…特に登校時の車内では粘膜接触は禁止です。
つまり、チンポを挿入させるとか、フェラチオに及ぶと学院教務に連絡が行って後で呼び出されてお仕置きです。
(しおき教師ならぬしごき教師がしごくと聞きましたが、レオノールさん…)
(その教師の職務設立を決定したのはオリューレ様です。陛下、質問はオリューレ様に)
(へーか。たまに赤い頭巾を被って全裸で学園内をシメ…いえいえ世直しをするとか。そういうけっこうな行為は学舎の治安を乱しますからあらかじめお断りしておきます。ついでに申し上げておきますと、確かに太陽処女を教育していた淫化の風習の名残でスパルタ要素はありますが、全てがセクハラ教育ではありませんよ)
つまり、全裸開脚突撃とかいう技を披露したり、前述の覆面に全裸の姿でヌンチャクを振るうような、けっこうな仮面女子は不要だとオリューレ様は申されたいわけです。
私も同感です。
何故ならばこの一連のネタ、マサミさんがマリアリーゼ陛下に見せたけっこうな仮面女子の漫画から来ているのを知っておりますので。
で、通学時からこういう事をしている学校です。
ベラ子陛下の歓待と称して、どういう事をしたのか。
私は語りたくありません。
優良生徒をわっざわざ呼び出してまでやる事だったのでしょうか。
いえ、日々を生きるという名のスパルタ教育学校ならまだしも。
(あの学校と同じことするなら、男子は走って通学させられてますよ…)
それはともかく、ベラ子陛下やマルハレータ陛下、ジョスリーヌ団長が何かこう、充実したのかしなかったのか、複雑な表情を浮かべてクスコを後にするのをお見送りした淫化関係者ですが。
とりあえず、改めて行政神殿で今後の方針の策定が図られました。
「で。ベラ子メモとやらを拝見しますだに、元来はエマネ王女とクシー王子のお二人で淫化北部の俗界の都たる離魔の統治が可能となるよう、研修に入って欲しいとあります。ですが」
と、そこでメマーラ王妃の方をちらり、と見るオリューレ様。
「メマーラ、あんたが復活してしまったことであんたを座らせる椅子がね、椅子がね」
「リュネ王室を復活させる訳には参らんのですか!」
「無理だって散々言われたでしょうが!」
まぁまぁ、とイリヤさんとメマーラさんの姉妹喧嘩に割って入る我々。
要は、メマーラ様を座らせるに相応しいポジシオンの役職がないのです。
「簡単なこと。南神殿の神殿長が空位です。しかも聖院学院の校長の座、暫定ではオリューレ様ですが…」
と、チャスカ様が申されます。
つまり、メマーラ様の合意を得た上で、能力的に問題がなければサクサイワマン南神殿の長、とりあえずやってもらおうと言うのが案の一つですね。
「ただし、問題もあります。エマネ様にはクシー様をお付けすることで、侍従役を果たして貰えます。しかしメマーラ様も要職に就いて頂けるならば、侍従は必要かと」
「確かにチャスカの言う通りであるな…メマーラ、そなたにはイリヤとフユキ、そしてチャスカとハルキのような関係の存在が必要なのだが…」
「アスタロッテ…あなたがここにいること自体がまず、信じられませんが、とりあえず男子を随伴させないと我らリュネの者はこの地では動くことすら叶わなくなるのは事実のようですね…」
「お母様。皆様のお話や読心をするだに、アスタロッテ殿はもはや我らが陣営の要職でございますかと…」
(ううう、なんでこうなったのやら…しかもイリヤ姉様までもがあんなでかい顔してるって…)
(お母様、我らの身の上を嘆くのも良いのですが、皆様に従いませんと、叔母上との喧嘩どころか命に関わりますよ…)
(エマネが申す通り。メマーラ、あんた王妃の自覚があるならもうちょっと冷静に考えなさいよ…)
「で、私から提案をさせて頂こう。いかに俗界の長となれと申しても、エマネ王女とクシー王子はそもそも完全なるリュネの民そのものの姿だ。無理からに淫化人の姿も取れるとは聞いたが、せっかくこの地の民が羽根やリュネ族のそとづらで崇めてくれているのだから、クシー王子と淫化のクシ皇子を改めて分かち、クシ皇子については人格を与えてメマーラの侍従になってもらうのも可能なのではないかな、苗床を上手く使えば」
瘴気漂う背景をバックに私を恨みがましい目で睨むベラ子陛下と、さすがに私を憐れむ目で見るマルハレータ陛下に促され、夜のクスコ空港に降り立つ私、レオノール。
そして戸籍血縁的にはサリムの実の弟で、先ほど私の侍従小姓となることが正式に決定した少年・カリム。
(だからベラ子陛下にお手付きしてもらってから私が、カリムの相手をしたじゃないですか…)
(だからと言って、あたしの心は晴れないのです…)
(っていうか陛下、それなら先にクリス様を転送で機内にお呼びして、とりあえず寝室を使って頂いてから…)
再び崩れ折れるベラ子陛下。
ただ、暴君べらこちゃんにはなれませんよ。
何故ならば、クスコ空港に出迎えに来てくれたイリヤさんたちがじーーーーーっと見ているからです。
しかも、リュネ世界の苗床から再生されたという、新顔さんなリュネ族女性(に見える)お三方も。
そして、かくも無理をして、喫緊の事情でカリムを呼んだ理由。
私の聖環が警報を出していたからです、魔毒蓄積量が限度に近いという。
で、さっさと非・リュネ世界出身少年の精液を絞り取るか苗床かどちらかという話になっとったのです。
(確かに苗床に浸かればすぐに処理できますけど、あれは…あれは…)
ええ、私はあの苗床でそれはもう嫌な嫌な嫌な体験をしたせいで、あれを本能的に忌避してしまうのです。
(まぁ、レオノールも教育担当者として今後は淫化各地を回って貰う可能性があるから、苗床から遠い場所でも活動出来るように侍従配置を承認…と、これでいいわね、マルハ)
(へいっメフラウ。…ええかレオノール…これはお前のしょた趣味、それも屈折した性癖を満たすためやのうて、あくまでも淫化でのお前の活動を支援するためやからな…)
ですから、いくらベラ子陛下に恨みがましい目で見られても、カリムの精液を頂く作業、遂行しなくてはならなかったのですっ。
(だからあたしも写生受けはレオノールさんに譲ったじゃないですか…)
いつになく未練たらたら恨みがましいベラ子陛下ですが、何かあったのでしょうか。
(意外と執念深いですからね、陛下は…)
しかし、いつまでも私怨私情に囚われておられるの困りもの。
「まぁまぁ、とりあえずですね、こちらの方々が新たに再生がかかったという、リュネの…クシー王子、エマネ王女、そしてメマーラ王妃です…皆様、痴女皇国の二代目皇帝マリアヴェッラ陛下にございます…」
でまぁ、空港でいつまでもというのも何なので、ジョスリーヌ団長の運転する無骨な車…キュラソーにも似たものがありますけど、それに皆で乗って行政宮殿に向かうことに。
(カリム…少しだけ車の外に注意を払うのですよ…)
ええ、この時間帯であればクスコの街、俗人街と貴人街の間の大通りに屋台がいくつか出ておるのです。
で、その屋台の客とは。
(でぇええええっ)
(エ、エマネ…あれは何を…)
(お母様、予め説明があった通りかと…このクスコの街、姦淫都市であると教えられましたでしょうに…)
そうです、車の左右の大通りと街区を隔てる濠。
そのたもとの長椅子で繰り広げられる衝撃的な光景。
イリヤ様が驚いておられた時は、大人になっていない方々には詳細をお知らせ出来なかった事がですね、今まさに、大通りの両脇で派手に繰り広げられておるのですよ。
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/176/
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…ええ、最近は皆、とみに行為がエスカラールしとるのです。
しかも、隣に遠慮することなく。
それはもう、辺りに見せつけるようにっ。
(メマーラ。戦士駐屯地視察にかこつけて男を物色しておったあなたが騒ぐことですか)
(イリヤお姉様。夫アルベが魔毒の影響甚大でなくば、私はアレせんでも良かったのですが…アレは黙認ですよっ)
どういう事でしょうか。
メマーラ様なる方、イリヤ様の実の妹であるとはお聞きしましたが。
(要するに魔毒抜きのための方法としてのアレ、私とフユキのような関係の相手を他の女も必要としたのです…メマーラはもちろん、姪のエマネでも)
ほっほう。
(で、当時のリュネ国王アルベ…つまりメマーラの夫は体内に溜まった魔毒のせいで精力どころか体に不調を来たしておりまして。そしてメマーラには若い戦士を夫の代替にすることが黙認されたのです…)
ええっ。
つまりは、公認の浮気。
(ただ、それを防ぐために条件がつけられました。一度オメコした相手と続けてオメコすんな。なるべく平等にせぇや、と)
はぁ。
(要は王妃の立場で夫たる国王そっちのけで若い男を漁るなど、いくら魔毒対策でも大っぴらにするなというのが周囲の一致した意見でありました。そして、特定の男に入れ込み囲うのも、王妃の振る舞いとしてはいかがなものか。で、メマーラが分け隔てなく若い戦士候補を相手しておるか、点検する役目がですね…なんでか私にですねぇ…)
(イリヤ姉様。剣聖と言えば言うなれば軍団長のようなもの。しかも私の実の不肖の姉という立場では、このメマーラとて、姉様がお目付役である事を承諾せざるを得ませんでしたのですがぁっ)
(悲しいことにアルベ、王の矜持で魔族を惹きつけて爆裂魔法で自分ごと大量の魔族を焼き払ったのが何とも残念。生き残るか再生可能であれば、ぜひメマーラの行状醜聞も暴露して差し上げたきところですがぁっ)
ああ、性癖行状を暴露される悲劇。
しかし、痴女皇国に長いとあまり悲劇に思えないのも困りものです。
なにせ女官であれば、ぷらいばしーはあって無きもの。
例えばマルハレータ陛下のエロ本。
あれ、陛下だからこそある意味で逆にいい方向に行った気がするのです。
というのも陛下、極端な変態行為や性癖暴露行為に及んでないのですよ。
例外はマドゥラの競牛に絡んだ諸々ですが、あれはマドゥラ統治に必要な行為であり、公衆の面前で姦淫を果たす事も求められる痴女皇国女官、わけても幹部には強く支持されております。
(あれ、今はマドゥラ県知事のカーティカと娘のスピカに任せてるからな…)
(まぁまぁ陛下、あれよりは祖国の姦淫闘牛の方がよほど狂っている気もしますが)
(あっち見に行かされたけど、どっちもどっちやろ…)
で。
さっきから装甲車の隅でしくしく泣いてるベラ子陛下。
そして我々が騒いでおるクスコの街中の少女による少年姦淫すら、心には届いておられない様子です。
で、示し合わせた我々の間で、代表のイリヤさんが。
「まぁまぁ陛下。せっかくクスコにお越しなのですし、よろしければサクサイワマンの南神殿でもご覧になっては」
その瞬間、昨今はストレートパーマとやらを当てておられることも多いというベラ子陛下の頭頂のあほげとやら、ぴくん、と動きました。
「さすがに男子を南神殿に住まわせるのは、侍従資格を得た者となりますが、おかげさまで朝の登校についてはばすとかいう箱車をご手配頂きまして…そうそう、クシー公、そしてメマーラにエマネ。あなた方は差し当たり北神殿の居住となりますが…南でもいいわよ、乙女寮の監督、やってもらえるなら…」
びくん、と再びベラ子陛下のアホ毛が動きます。
「陛下。先立ってのクスコでの男子教育につきましてはサクサイワマン南神殿内の聖院学院淫化神学部で実施の運びとなりました。そして、さすがに最初から少年たちを女子生徒と同じ寮に入れるのは風紀の乱れが予測されましたので、侍従資格を得た偽女種や、南神殿の神官侍従に限っております…が、偽女種ではありますが、リュネ族を含んだより抜き美少年がですね…」
と、私も陛下に、耳打ちをば。
くわ、と目を光らせてこちらを向く陛下。
「リュネ王族の方々。聞けば、北神殿は元来なれば皇帝であるチャスカさんと侍従ハルキさんのお住まいであり、かつイリヤさんやロッテさんの別宅でもあるとか。即ち、サクサイワマン北神殿では淫化帝国が淫化帝国たるやの儀式が毎朝毎昼毎晩と繰り広げられている淫交神殿であるとか。正直なところ、この淫化の今の光景と同様以上の出来事が毎日のように行われております。それも、頻繁に」
後ろの方でチャスカ様が暴れそうになっているの、イリヤさんが取り押さえてますけど。
まぁともかく、陛下の発言に多少の誇張はあれど、大筋では事実ですから。
そして陛下の提案は続きます。
「今からイリヤさんたちが皆さんの居城として案内する予定のサクサイワマン神殿ですが、ほぼ同様の外観の北神殿と、そして太陽乙女や神官の養成学校として使われている南神殿に分かれています。この南神殿の神殿長、北神殿の神殿長が兼務でお勤めであるとか」
この神殿長という職務、痴女皇国では女官管理室長となるそうです。
ただ、どこそこの神殿ごとに置かれていますので、比丘尼国の神社の巫女階級同様に「どこの神殿の神殿長や神官長=女官長」であるかが重要だそうですよ。
(ついでに申し上げておきますと、神殿長は太陽乙女扱い、神官長は月乙女扱いとなります。神殿における神事を神殿長が扱い、神官たちの管理は年増園の熟女、いえいえ神官長が行うとされました)
と、チャスカ様より入れ知恵も。
「即ち、南神殿の神殿長という重要職務が空席のままなのですぅっ」
「で、女官…神官の初等科学校なのにそこの校長がまだ決まってないのは何やねんとオリューレ様からもレオノール様からもチクチクと…」と、イリヤさんとチャスカ様が泣き真似を。
いえいえ、せっ突いてるのは確かです。
それも、毎日のごとく。
股間で。
(もっと突いてという声も聞こえた気もしますが)
(きっと気のせいでしょう、オリューレ様)
(レオノール…問題行為があったら分かっとるやろな…メフラウもこの淫化のふいんきに溺れる事なくですな…)
(マルハレータ。人は郷に入っては郷に従うもの。ベラ子陛下も今よりはサクサイワマンの風習に溶け込もうとなさるようなのです)
(溶け込もうというよりも突っ込もうとしてはる気も)
(オリューレさんマルハちゃんから座布団奪ってください)
(VABの椅子からクッションを剥がしたら車ごと買い取らせますよこのパスタ女っ)
(うるさいカエル女ですね、運転に集中するのですぅっ)
それはそうと、今、走ってる場所への注釈をば。
従来の炸砕岩満神殿、中央広場から丘の間を走るぐねぐねした道がクスコへの道でした。
しかし、今、そこを走ってはおりません。
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□□□北側神殿□□□
□□□正面入口□□□
中央広場→クスコ市街へ
□□□正面入口□□□
□□□南側神殿□□□
□□(神学校口)□□
通学バス乗降所
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なんと、南側神殿の更に南側の崖と市街地を結ぶ空中回廊が作られてしまったのです…。
目的は言うまでもなく、聖院学院淫化神学部の学生を通学させるため。
(高架道路ってこの時代、ないに等しいですからね…)
ちなみにこの高架道路とやら、神学部に通う乙女寮の女子も利用します。
そして、バスとやらは聖院本宮の門前町で、痴女宮での地下鉄の代わりに珍珍電車と一緒になって走っているくるまに近いものが使われております。
(室見国土局長…パイセンいわく、車庫以外ではほとんどハンドルを握る必要がないそうなのですよ…)
なんでも、このバスのための専用車線を走る事で、ダンケ号のように輪を回して向きを変えなくとも勝手に道なりに進むそうです。
そして、このバスはなんと、クスコの町外れに近い俗人街の乗り場から乗る場合、男子生徒が全ての椅子に座った時点で立ち客を認めずに発車するのです。
で、積み残された生徒はすぐに来る続行のバスに乗せられます。
ですから、最近のクスコ、バス専用車線を何台ものこのバスが立て続けに走って来るのが日曜日以外の毎朝の日常光景になっています。
(理由は…その後で太陽乙女候補の女子学生が乗ってくるからなのです…)
見れば、そのバス専用車線とやら、黄金広場と行政神殿を避けて左側に回る環状道路も設備されておるようですね。
←サクサイワマン神殿(黄金広場から2km程度)
クンティスーユ地区|チンチャイスーユ地区
太陽乙女神官候補寮|貴人居住区画
太陽乙女神官寮 ●
-●-東西大通り-○--東西大通り--●
コリャスーユ地区 ●アンティスーユ地区
月乙女神官寮 |俗人居住区画
乙女侍従官寮 |男子生徒寮
→クスコ空港
●=バス停 ◯行政神殿・黄金広場
(将来はクスコの市街地やクスコ空港とを結ぶ足として作られたそうです。パイセンがなぜ珍珍電車にしなかったのかは謎ですが)
(日本製車両なのよ…そのバス。ヒノノニドン社とエロフ社の合同開発品の連接バスなんだからね…)
一瞬で入る突っ込み返し。
さすがは室見局長、と申し上げるべきか。
(ちなみにこのバスの運転研修、聖院に行かされてやらされるからね。導入が遅れたのはそのせいもあるのよ…淫化の女官の人の魔毒苔対策、聖院でもやる必要があってね…つまり、一般女官の聖院研修とセットにされてんのよ…バス乗務…)
えええええ。
(つまり、太陽乙女…わけてもサクサイワマン神殿勤務者はそのバスの運転ができることが必須資格よっ)
どぇええええっ。
あの…このバス、聖院でお見かけした普通のバスより更に、蛇のように長いのですが…。
(あーあ、これでレオノールはクスコから配転決定やな…)
(まさか、レオノールさんって車の運転…)
(安心しなはれ。腕前はメフラウとどっこいどっこいや)
マルハレータ陛下…それをバラさないで下さい!
(まぁともかく、そのバスが座席に座らせた男の子だけで発車する理由は、その後の停留所で乙女候補の女の子を乗せるからなのです。そして気の利いた男子が立とうとすると女子は制止するよう、しつけられているのです。ですよね、オリューレさん)
ええ、その理由は私も知っております。
座席定員分の女子しか載せないよう、クンティスーユ地区のバス停でも乗り込み制限をしているのも。
そしてこのバス、なぜか基本的に横座りなのです。
前を向いている座席も、1人がけの座席だけ。
なんでこうなっているのか。
女子は、男の上に座るからです。
そして尻を振ります。
ええ、女子は男子を立たせて座るのではなく、勃たせるのです…。
そして男子を勃たせた女子は、自分も立って男子のチンポをいじるのです…。
(痴漢電車ならぬ痴女バスを実現したとか姉は言いよりますが…パイセン、止めなかったんですか…)
(乗客の教育まであたしの担当じゃないわよベラちゃん…無理を言わないで…)
まぁ、ベラ子陛下。
クンティスーユ地区のバス停から南神殿前まで。5分くらいでしょう。
その時間で何ほどの事ができるのか。
そして、流石に車内…特に登校時の車内では粘膜接触は禁止です。
つまり、チンポを挿入させるとか、フェラチオに及ぶと学院教務に連絡が行って後で呼び出されてお仕置きです。
(しおき教師ならぬしごき教師がしごくと聞きましたが、レオノールさん…)
(その教師の職務設立を決定したのはオリューレ様です。陛下、質問はオリューレ様に)
(へーか。たまに赤い頭巾を被って全裸で学園内をシメ…いえいえ世直しをするとか。そういうけっこうな行為は学舎の治安を乱しますからあらかじめお断りしておきます。ついでに申し上げておきますと、確かに太陽処女を教育していた淫化の風習の名残でスパルタ要素はありますが、全てがセクハラ教育ではありませんよ)
つまり、全裸開脚突撃とかいう技を披露したり、前述の覆面に全裸の姿でヌンチャクを振るうような、けっこうな仮面女子は不要だとオリューレ様は申されたいわけです。
私も同感です。
何故ならばこの一連のネタ、マサミさんがマリアリーゼ陛下に見せたけっこうな仮面女子の漫画から来ているのを知っておりますので。
で、通学時からこういう事をしている学校です。
ベラ子陛下の歓待と称して、どういう事をしたのか。
私は語りたくありません。
優良生徒をわっざわざ呼び出してまでやる事だったのでしょうか。
いえ、日々を生きるという名のスパルタ教育学校ならまだしも。
(あの学校と同じことするなら、男子は走って通学させられてますよ…)
それはともかく、ベラ子陛下やマルハレータ陛下、ジョスリーヌ団長が何かこう、充実したのかしなかったのか、複雑な表情を浮かべてクスコを後にするのをお見送りした淫化関係者ですが。
とりあえず、改めて行政神殿で今後の方針の策定が図られました。
「で。ベラ子メモとやらを拝見しますだに、元来はエマネ王女とクシー王子のお二人で淫化北部の俗界の都たる離魔の統治が可能となるよう、研修に入って欲しいとあります。ですが」
と、そこでメマーラ王妃の方をちらり、と見るオリューレ様。
「メマーラ、あんたが復活してしまったことであんたを座らせる椅子がね、椅子がね」
「リュネ王室を復活させる訳には参らんのですか!」
「無理だって散々言われたでしょうが!」
まぁまぁ、とイリヤさんとメマーラさんの姉妹喧嘩に割って入る我々。
要は、メマーラ様を座らせるに相応しいポジシオンの役職がないのです。
「簡単なこと。南神殿の神殿長が空位です。しかも聖院学院の校長の座、暫定ではオリューレ様ですが…」
と、チャスカ様が申されます。
つまり、メマーラ様の合意を得た上で、能力的に問題がなければサクサイワマン南神殿の長、とりあえずやってもらおうと言うのが案の一つですね。
「ただし、問題もあります。エマネ様にはクシー様をお付けすることで、侍従役を果たして貰えます。しかしメマーラ様も要職に就いて頂けるならば、侍従は必要かと」
「確かにチャスカの言う通りであるな…メマーラ、そなたにはイリヤとフユキ、そしてチャスカとハルキのような関係の存在が必要なのだが…」
「アスタロッテ…あなたがここにいること自体がまず、信じられませんが、とりあえず男子を随伴させないと我らリュネの者はこの地では動くことすら叶わなくなるのは事実のようですね…」
「お母様。皆様のお話や読心をするだに、アスタロッテ殿はもはや我らが陣営の要職でございますかと…」
(ううう、なんでこうなったのやら…しかもイリヤ姉様までもがあんなでかい顔してるって…)
(お母様、我らの身の上を嘆くのも良いのですが、皆様に従いませんと、叔母上との喧嘩どころか命に関わりますよ…)
(エマネが申す通り。メマーラ、あんた王妃の自覚があるならもうちょっと冷静に考えなさいよ…)
「で、私から提案をさせて頂こう。いかに俗界の長となれと申しても、エマネ王女とクシー王子はそもそも完全なるリュネの民そのものの姿だ。無理からに淫化人の姿も取れるとは聞いたが、せっかくこの地の民が羽根やリュネ族のそとづらで崇めてくれているのだから、クシー王子と淫化のクシ皇子を改めて分かち、クシ皇子については人格を与えてメマーラの侍従になってもらうのも可能なのではないかな、苗床を上手く使えば」
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