219 / 352
番外編:淫化帝国姫騎士ものがたり・8
しおりを挟む
ええっと。
玉座から先代魔王を引っぺがしたアスタロッテさん、魔王様ごと血の池に浸かられます。
暫くして、再度、魔王様を抱き抱えながら上がって来られましたが。
「魔王様…いかがですか、お身体の方は」
「わ、我の身体は一体どうなったのだ…何やらやたら身が軽いのだが…」
「魔王様、魔王様のお身体はもはやあの玉座に縛られる事も無くなったのです。ですが…」
その、魔王と呼ばれるお方の顔立ち、血の池に浸かる前とは全く異なっています。
具体的に申し上げますと、おめめが虫のような複眼ではなく、普通の人間の目になっておしまいに。
あと、背中に突き刺さっていたらしい何本もの触手も今や外されていて自由に動けるようになったみたいなのですけど…ただ、その身体、絶対に第二次性徴前なのは間違いないロリヤ向け年齢外観の状態なんですよね…。
で、この苗床とやらの制御、どうするのでしょうか。
「引き続き、魔王様にお願いすることになります…ただし…もはや、魔王様だけでは苗床、制御できませぬ」
えええっと絶句される元・魔王様。
「魔王様がお眠りの間に、苗床に改良が加わっておるのですよ…」と、側近の…四天王のどなたかがひそひそと魔王様に耳打ちを。
「そして元来なれば、只今よりはこのアスタロッテに魔王の位をお譲り頂くべくお願い致したき所でございます。ございまするが…マリアンヌ殿下、スザンヌ殿下」
で、紹介された私たちの姿を見た瞬間、おいおいちょっと待てという顔をされる魔王様ですが、アスタロッテさんたちから何かを囁かれたようです。
で、アスタロッテさんからお話を振られた私、このように申します。
「でさ、可能なら魔王様には魔王様のままでいてもらってもいいんじゃないかと思うのね。ただ…その上の魔族皇帝の地位に、アスタロッテさんを推挙させて欲しいのね。で、スザンヌはどう?」
「そうですわね…それが1番の落とし所に思えますわね…魔王様もどうかこれでご納得を頂けませんこと?」
で、二人して大人形態に変身して、ロリな魔王様をじろっと睨んで差し上げます。
ついでに衣装も切り替えて…二人して白金衣仕様の白薔薇騎士団戦闘服になります。
スザンヌは金色、私は白の色違いといった印象を与えますが、基本はアルトさんの白金衣である穴開きばんぴれらの類似品ですよ。
(さすがにビューティーツインズ仕様のアレはやめとこーね、スザンヌ…)
(それが賢明な判断でしてよ、マリアンヌ…)
「な、なんだ…この女どもは…魔族でないのは一目瞭然であるが…人や剣聖でもなし…何者だ…ああも鮮やかに成長変身を行うなど…」
どうやら、私たちの実力、魔王様からはある程度には推し量れるようです。
「魔王様、この方々は魔族、そして人族から魔毒の恐怖を除き、滅びの危惧を避けるに至る道筋を我らと人族にお授け頂いた一族の皇統となるお二人でございます。即ち…国難を退けた恩人と見てよろしい方々であるかと」
(そもそもは魔王様のご乱心なくば、この方々は我らとは関わりがなかったお立場、いわば行きずりの善人といったところでございます…しかも、恐らくはこのお二人のどちらかですら、我らが総当たりでも敵わぬ強さかと…)
(そ、そのようであるな…しかし何者なのじゃ、迂闊に信用して良いのやら…)
(魔王様がご乱心の後に数歳期が過ぎておりますが、足繁くこちらにどなたかが足を運ばれ、人どもを含め復興に尽力頂いております故、魔王様以外の皆は恩人とみなしておるのでございます…)
知らんのはあんただけやっという顔で、側近の方々がご注進に。
「そして、今や剣聖イリヤとその娘エウドラが統べる人族と、我ら魔族の和睦を取りなして互いの種族の存命と発展にご寄与頂いた大恩人のご一族皇統でもあります…何卒ご配慮を」
と、小柄な少女状態になった魔王様の前に膝をつき、手を取って懇願するアスタロッテさん。
もはや上下関係ではなく、親が娘さんをあやすようなその姿ですけどね。
(ぬぬぬ…アスタロッテに子供扱いされるとは…しかし、余も純粋にそちと同じ歳期を過ごした訳でないから子扱いされても致し方なし…ぬううううう)
妙なところで悩むお方ですね。
(正直言うが、アスタロッテの方が余より遥かに長生なのだ)
「まままままままま魔王様歳齢の話はなしでぇえええええっ!」
アスタロッテさんの絶叫と狼狽ぶりからするに、どうやら魔族の方々にとっても年齢というのは内緒の話にして欲しい禁則事項のようですね。
(それに…余は再生の際に全てを憶えたままで産まれて来れぬのだから…苗床から歴代魔王の記憶を引っ張り出す方法もなくはないが…って余は何をべらべら喋っておるのだ!)
ようやっとお気づきになった模様。
ええ、痴女種の女官細胞、混入していってましたから。
いわば、今の魔族の方々は一種の混血なのですよ。
そして痴女種のステータスランク制御、有効になってるのです。
つまり…とりあえずこの場でいちばん上位階級なのは十億卒のマリアンヌと、同等にされている状態の私なのです。
「ふふふふふ、それが魔王様ご自身の身体に起きた改変なのよっ」
「そうですわ、あたくしたちにもはや隠し事は不可能なのですわっ」
「えーちょっと待て…アスタロッテ、それは真なりや…」
で、おいおいちょっと待って聞いてないわよ状態の魔王様に、今どうなってんのかを思考共有でご説明になるアスタロッテさんと他の3名様。
「は、はぁ…つまり何か、そちらも余も、もはやこの者共には逆らおうにも逆らえぬ立場と…」
ええ、ものっすげぇ嫌そうな目で私とスザンヌ、魔王様から見られてます。
対する我々も、泣かすぞこのメスガキといった顔で対抗しております。
しかし、私たちの間に飛び交う不可視の火花を察した、出来た心の方が間に入って来られます。
むろん、アスタロッテさん。
この方が人格者なのは、リーゼ姉やベラちゃんは元より、アレーゼおばさまからも念押しされていますので…。
「左様。しかし魔王様、よくお考えを。もはや我らも含め、わざわざ苗床に溶けて完全なる再生をせずとも、良うなりましたのでございます…従わねばならぬとは申せど、女官なる階級に組み込まれた利点もまたあまた、なのでございます…」
「ぬう…そ、そんなに色々とお得であるのか…いや、うぬらの顔と心ではそのようであるが…」
「しかもですな、アスタロッテ様は魔皇の座に就かれたとは申せ、諸事情でこの魔大陸をお離れになる事が多うなられまする…」
ある意味では今まで通りでっせ、いえ、やりたい放題には出来ませんけど権力と地位は保証させまっせと囁く側近の皆様。
「加えて魔王様、アスタロッテ様ご自身の魔公女ルキフェル様…アスタロッテ様の娘御の後見人として魔王様をご指名の上、その育成を委ねたいとのご意向…」
「更には、お気付きでしょうか…我らもそうでございますが、ほれ、股ぐらに逸物が」
ええ、側近の方がお見せになった股間のちんぽを見るなり、どぇえええと絶叫なさる魔王様。
「そ、そなたらにもよもやまさか…逸物が?」
「ええ…」
で。
ちんぽ披露大会開催。
しかも。
そこで、ざ、と足音響かせマントのような半透明の外套を翻して現れたるは露出狂変態にしか思えぬTバックビキニアーマーのパツキンで0,8乳上くらいの巨乳の女騎士で…しかも今はエロフというよりはダークエロフに近いエロフのお姉さんです。
むろん、剣聖様こと人族のイリヤ・ヤスニ様。
この方はリュネ王国民から選抜され聖剣を預かることで羽根付きエロフになった人ですけど、そもそもがリュネというお国を含んだ人族の大陸に住んでる人、基本的には普通の人間じゃなくて耳が斜めにとんがった部類のエルフ、いえエロフのお姿が基本らしいのです。
「リュネ王家の仇たる魔王、ここで会ったが百歳期目…と申したいところですが、今回は魔族と我らの間に交わした和睦の儀の件で参りました故、よもや争うことはありません、安心なさい…」
ええ、剣聖様もちんぽ披露大会に、ご参加。
しかもですね、剣聖様だけじゃないんですよ。
ええ、娘さんたちも、ご参加。
しかも、初めて痴女皇国関係者と接触した時期よりは少ーーーーしだけ大人になった冬樹くんまでもが。
(アスタロッテ…ぼくまでなんで…)
(仕方ないのだ、勇者…お前ももはや私を孕ませた身、お前たちの言葉で言えばルキフェルの父親であろう…)
(更にはこのイリヤを孕ませてエウドラを産ませた立場なのですよ…)
(ちなみに無粋な事をお尋ねしますけどね、そっちの人族の世界って結婚とか夫婦って概念、あるんでしょうか)
(失礼…一応はございます。もっとも、西方3国では女を囲うのは甲斐性とか申して、女の数で富を誇示するような穢れた風潮もございましたが)
(あれ、私から見てもお前達は一体全体なにをやっとるんだという気になったんだが…)
(本当にそなたら魔族と相対するのはリュネの役目とばかりに、真面目に戦うとか支援する気のない態度に徹しておりましたからね…)
(恩を着せる訳ではないが、不憫に思った私が、わざとリュネを飛び越えて内陸を攻め立てさせた事も一度や二度にあらず…)
そう、少なくともアスタロッテさんは人族の全滅を避けるべく、いわば出来レースめいた戦いを剣聖との間で繰り広げていたのです…。
(まぁ、西方三国の者共は今や半魔族として奴婢とみなし、この魔大陸側で全て預かる立場、それで溜飲を下げてくれ…)
(ええ、農奴の暮らしの上に毎日魔族に犯されております現状、拝見いたしました。あれの境遇を憐れむ気はありません)
(こき使ってもおらぬし、そなたらも我らも恨まれる筋合いはないからな…単に魔毒の濃厚なこちらの大陸で生き延びられるようにさせて頂いただけなのだから…)
このお二人の話で、お分かり頂けたでしょうか。
以前にリシュリューからリュネ世界仕様で撒き散らされた駄洒落菌+鬼細胞弾頭の成果がこれです。
リュネ人と、西方三国とされ直接に魔大陸に面していない後方三国に住む人では、微妙に人種が違っていたのです。
そして、戦争に協力するどころか後方でかなり好きにやってた上に魔毒の影響が少ない土地で富を享受するとか、リュネの人からしたら恨みたくもなる状況だったみたいですね。
「あながち嘘でもないが、人々を延命させる方法だとして強制的に魔族に近い身体にした上に男を女、女を男に変えるとかやって頂いたからな…」
(ふふふふふ、魔王様…その時に頂いた人ども、今や我らの兵に毎日のように犯され、子を孕ませられておるのです…その数は千や二千にあらず…)
(更には我らの兵も半魔と化した人どもの子種で孕み…)
(ぬ、ぬぬぬ…確かに今もこちらの陸の側で何やらやっておる気配であるが…)
見れば、魔王様の股間のちんぽがもりもりと大きくなって上、向いてますよ。
どうも魔王様は金衣能力を解放した私やスザンヌ同様、この地底湖にいてもある程度は遠くまで見れるようですから。
そして、側近ご三家が囁いているえろえろな話の通り、人魔大戦とでも言うべきこの戦いに非・協力的だった西方三国の人々はことごとく若返らされただけではありませんでした。
短命型千人卒痴女種に近い姿…ちんぽ持ちの女の姿をした兵隊魔族に犯されるか跨られ、無理からに羽根や尻尾がなくて魔法の使用に制限がかかった奴隷種族…半人半魔の状態になってしまったのです。
で、かかる状態になったのではリュネとしても討伐対象にするけど、それが嫌なら魔大陸に移住してくれやという話に持っていって、なかば強制的に魔大陸の開拓に従事させているようなのですよね。
(兵魔によって犯した女どもがひり出した仔はもちろん、半魔が孕ませた兵魔の子が今や苗床の養分なのでございます…)
これが、アスタロッテさんとリーゼ姉たちとで定めた、食人風習の代償なのですよ。
ちなみにこの苗床…つまり、この血の池自体が一種の生命体でして、ここに浸かると基本的には溶かされます。
しかし、ここから何万もの兵隊魔族を一気に量産することが出来るのはもちろん、幹部魔族や、果ては剣聖様のようなリュネの人たちの細胞リフレッシュも可能なのです。
その際に必要なのが、魔毒の汚染度が低い人体細胞。
そして蓄積された魔毒ですが、従来は捨てていたそうです。
(世界の果てから外に向けて投げるのが常であったのだが…ただ。マリアリーゼ様からすればあれ、利用価値があるというので取っておくようにしております)
(あの血の池に溶けた人とか、果ては奴隷化された半魔の人たちの恨みつらみを凝縮してるとは聞いてますね)
(そうそう、あれに近いもの、あたくしたちでは処理する方法がありますので、溜まったら引き渡して頂ければ)
実は、これ…そういう怨念を吸わせた上で、邪念結晶の一種として痴女皇国世界に持ち帰って精気に転換することになったのですよ…。
そして、さっき申し上げた「魔族の農奴兼・姦淫奴隷にしている半魔状態の人々の毎日の生活実態」ですけどね。
言うなれば毎日、万を超す魔族や半魔族が孕ませおめこしてる訳です。
これ、リーゼ姉が何もしないと思いますか。
(まぁ、普通なら聖母像か慈母観音像置いて精気をがっつり回収すること、考えるわよねぇ)
(もちろんですわマリアンヌ。魔大陸には魔王様とアスタロッテさんたちの像があちこちに置かれましたからねぇ)
(ただ…人陸…リュネ大陸とされた側の像、私に逸物が生えた裸像なのはやめて頂きたいのですが…)
(我慢してください…それぞれの独立の象徴として建立されたんですから、えらい人の像でないと納得してもらえないと思います…)
(更には、天使とやらに偽装した兵魔族と姦淫を重ねておりますのも…)
(イリヤ母様、リュネでは少し違いますわよ…)
(そうそうイリヤ叔母様、エウドラが申す通りですわ…人どもをまぐわいに耽らせ励ませ、出来の良いものが天使と交わって精気を献上するのが今の人大陸のさだめ…)
そーです。
かつての痴女種同様の精気授受階級構造にも似たこと、やってるのです。
そして、人族から魔毒を抜くための作業でもあるらしいのですよ、この痴女皇国まがいの姦淫システム導入…。
(たりめーだ、あたしらが何かしたら代償はきっちり頂くのが掟だ。とはいえ悪徳商人をやるわけにもいかねーだろ?だからこその精気収入で手を打ったんだよ…)
(その割には過剰なまでに膨大な精気が取れてるみたいなんだけど…リーゼ姉、これがあるから淫化支部が成立してるようなもんでしょ、今や…)
(ああ、このリュネ世界から得た精気は全て淫化支部の成績になるからな…多い時は、こっちの女官換算で1日に二百万人分の精気が頂けるんだから…)
ちなみにこの量、南洋行政局で吸い上げてる日計量に匹敵するそうです。
しかも、リュネ世界の方々は魔法行使能力をお持ちなので、精気消費はごく少なくて済みます。
いわば、リュネ世界から頂く精気、まるっと痴女皇国の収入となるのです。
しかも、さっき申し上げた魔毒と怨念邪念を固めた廃棄物。
これまた邪念結晶として精気に転換できます。
(だからアフターケアもきっちりやって来てくれよ、お前ら…それと、これはアスタロッテさんとイリヤさんが淫化支部の幹部になってもらってマチュピチュとワイナピチュ住まいになるのに関係してっからな…いざって時は、リュネ世界の人を痴女皇国世界で引き取る際の事前準備でもあるんだから…)
玉座から先代魔王を引っぺがしたアスタロッテさん、魔王様ごと血の池に浸かられます。
暫くして、再度、魔王様を抱き抱えながら上がって来られましたが。
「魔王様…いかがですか、お身体の方は」
「わ、我の身体は一体どうなったのだ…何やらやたら身が軽いのだが…」
「魔王様、魔王様のお身体はもはやあの玉座に縛られる事も無くなったのです。ですが…」
その、魔王と呼ばれるお方の顔立ち、血の池に浸かる前とは全く異なっています。
具体的に申し上げますと、おめめが虫のような複眼ではなく、普通の人間の目になっておしまいに。
あと、背中に突き刺さっていたらしい何本もの触手も今や外されていて自由に動けるようになったみたいなのですけど…ただ、その身体、絶対に第二次性徴前なのは間違いないロリヤ向け年齢外観の状態なんですよね…。
で、この苗床とやらの制御、どうするのでしょうか。
「引き続き、魔王様にお願いすることになります…ただし…もはや、魔王様だけでは苗床、制御できませぬ」
えええっと絶句される元・魔王様。
「魔王様がお眠りの間に、苗床に改良が加わっておるのですよ…」と、側近の…四天王のどなたかがひそひそと魔王様に耳打ちを。
「そして元来なれば、只今よりはこのアスタロッテに魔王の位をお譲り頂くべくお願い致したき所でございます。ございまするが…マリアンヌ殿下、スザンヌ殿下」
で、紹介された私たちの姿を見た瞬間、おいおいちょっと待てという顔をされる魔王様ですが、アスタロッテさんたちから何かを囁かれたようです。
で、アスタロッテさんからお話を振られた私、このように申します。
「でさ、可能なら魔王様には魔王様のままでいてもらってもいいんじゃないかと思うのね。ただ…その上の魔族皇帝の地位に、アスタロッテさんを推挙させて欲しいのね。で、スザンヌはどう?」
「そうですわね…それが1番の落とし所に思えますわね…魔王様もどうかこれでご納得を頂けませんこと?」
で、二人して大人形態に変身して、ロリな魔王様をじろっと睨んで差し上げます。
ついでに衣装も切り替えて…二人して白金衣仕様の白薔薇騎士団戦闘服になります。
スザンヌは金色、私は白の色違いといった印象を与えますが、基本はアルトさんの白金衣である穴開きばんぴれらの類似品ですよ。
(さすがにビューティーツインズ仕様のアレはやめとこーね、スザンヌ…)
(それが賢明な判断でしてよ、マリアンヌ…)
「な、なんだ…この女どもは…魔族でないのは一目瞭然であるが…人や剣聖でもなし…何者だ…ああも鮮やかに成長変身を行うなど…」
どうやら、私たちの実力、魔王様からはある程度には推し量れるようです。
「魔王様、この方々は魔族、そして人族から魔毒の恐怖を除き、滅びの危惧を避けるに至る道筋を我らと人族にお授け頂いた一族の皇統となるお二人でございます。即ち…国難を退けた恩人と見てよろしい方々であるかと」
(そもそもは魔王様のご乱心なくば、この方々は我らとは関わりがなかったお立場、いわば行きずりの善人といったところでございます…しかも、恐らくはこのお二人のどちらかですら、我らが総当たりでも敵わぬ強さかと…)
(そ、そのようであるな…しかし何者なのじゃ、迂闊に信用して良いのやら…)
(魔王様がご乱心の後に数歳期が過ぎておりますが、足繁くこちらにどなたかが足を運ばれ、人どもを含め復興に尽力頂いております故、魔王様以外の皆は恩人とみなしておるのでございます…)
知らんのはあんただけやっという顔で、側近の方々がご注進に。
「そして、今や剣聖イリヤとその娘エウドラが統べる人族と、我ら魔族の和睦を取りなして互いの種族の存命と発展にご寄与頂いた大恩人のご一族皇統でもあります…何卒ご配慮を」
と、小柄な少女状態になった魔王様の前に膝をつき、手を取って懇願するアスタロッテさん。
もはや上下関係ではなく、親が娘さんをあやすようなその姿ですけどね。
(ぬぬぬ…アスタロッテに子供扱いされるとは…しかし、余も純粋にそちと同じ歳期を過ごした訳でないから子扱いされても致し方なし…ぬううううう)
妙なところで悩むお方ですね。
(正直言うが、アスタロッテの方が余より遥かに長生なのだ)
「まままままままま魔王様歳齢の話はなしでぇえええええっ!」
アスタロッテさんの絶叫と狼狽ぶりからするに、どうやら魔族の方々にとっても年齢というのは内緒の話にして欲しい禁則事項のようですね。
(それに…余は再生の際に全てを憶えたままで産まれて来れぬのだから…苗床から歴代魔王の記憶を引っ張り出す方法もなくはないが…って余は何をべらべら喋っておるのだ!)
ようやっとお気づきになった模様。
ええ、痴女種の女官細胞、混入していってましたから。
いわば、今の魔族の方々は一種の混血なのですよ。
そして痴女種のステータスランク制御、有効になってるのです。
つまり…とりあえずこの場でいちばん上位階級なのは十億卒のマリアンヌと、同等にされている状態の私なのです。
「ふふふふふ、それが魔王様ご自身の身体に起きた改変なのよっ」
「そうですわ、あたくしたちにもはや隠し事は不可能なのですわっ」
「えーちょっと待て…アスタロッテ、それは真なりや…」
で、おいおいちょっと待って聞いてないわよ状態の魔王様に、今どうなってんのかを思考共有でご説明になるアスタロッテさんと他の3名様。
「は、はぁ…つまり何か、そちらも余も、もはやこの者共には逆らおうにも逆らえぬ立場と…」
ええ、ものっすげぇ嫌そうな目で私とスザンヌ、魔王様から見られてます。
対する我々も、泣かすぞこのメスガキといった顔で対抗しております。
しかし、私たちの間に飛び交う不可視の火花を察した、出来た心の方が間に入って来られます。
むろん、アスタロッテさん。
この方が人格者なのは、リーゼ姉やベラちゃんは元より、アレーゼおばさまからも念押しされていますので…。
「左様。しかし魔王様、よくお考えを。もはや我らも含め、わざわざ苗床に溶けて完全なる再生をせずとも、良うなりましたのでございます…従わねばならぬとは申せど、女官なる階級に組み込まれた利点もまたあまた、なのでございます…」
「ぬう…そ、そんなに色々とお得であるのか…いや、うぬらの顔と心ではそのようであるが…」
「しかもですな、アスタロッテ様は魔皇の座に就かれたとは申せ、諸事情でこの魔大陸をお離れになる事が多うなられまする…」
ある意味では今まで通りでっせ、いえ、やりたい放題には出来ませんけど権力と地位は保証させまっせと囁く側近の皆様。
「加えて魔王様、アスタロッテ様ご自身の魔公女ルキフェル様…アスタロッテ様の娘御の後見人として魔王様をご指名の上、その育成を委ねたいとのご意向…」
「更には、お気付きでしょうか…我らもそうでございますが、ほれ、股ぐらに逸物が」
ええ、側近の方がお見せになった股間のちんぽを見るなり、どぇえええと絶叫なさる魔王様。
「そ、そなたらにもよもやまさか…逸物が?」
「ええ…」
で。
ちんぽ披露大会開催。
しかも。
そこで、ざ、と足音響かせマントのような半透明の外套を翻して現れたるは露出狂変態にしか思えぬTバックビキニアーマーのパツキンで0,8乳上くらいの巨乳の女騎士で…しかも今はエロフというよりはダークエロフに近いエロフのお姉さんです。
むろん、剣聖様こと人族のイリヤ・ヤスニ様。
この方はリュネ王国民から選抜され聖剣を預かることで羽根付きエロフになった人ですけど、そもそもがリュネというお国を含んだ人族の大陸に住んでる人、基本的には普通の人間じゃなくて耳が斜めにとんがった部類のエルフ、いえエロフのお姿が基本らしいのです。
「リュネ王家の仇たる魔王、ここで会ったが百歳期目…と申したいところですが、今回は魔族と我らの間に交わした和睦の儀の件で参りました故、よもや争うことはありません、安心なさい…」
ええ、剣聖様もちんぽ披露大会に、ご参加。
しかもですね、剣聖様だけじゃないんですよ。
ええ、娘さんたちも、ご参加。
しかも、初めて痴女皇国関係者と接触した時期よりは少ーーーーしだけ大人になった冬樹くんまでもが。
(アスタロッテ…ぼくまでなんで…)
(仕方ないのだ、勇者…お前ももはや私を孕ませた身、お前たちの言葉で言えばルキフェルの父親であろう…)
(更にはこのイリヤを孕ませてエウドラを産ませた立場なのですよ…)
(ちなみに無粋な事をお尋ねしますけどね、そっちの人族の世界って結婚とか夫婦って概念、あるんでしょうか)
(失礼…一応はございます。もっとも、西方3国では女を囲うのは甲斐性とか申して、女の数で富を誇示するような穢れた風潮もございましたが)
(あれ、私から見てもお前達は一体全体なにをやっとるんだという気になったんだが…)
(本当にそなたら魔族と相対するのはリュネの役目とばかりに、真面目に戦うとか支援する気のない態度に徹しておりましたからね…)
(恩を着せる訳ではないが、不憫に思った私が、わざとリュネを飛び越えて内陸を攻め立てさせた事も一度や二度にあらず…)
そう、少なくともアスタロッテさんは人族の全滅を避けるべく、いわば出来レースめいた戦いを剣聖との間で繰り広げていたのです…。
(まぁ、西方三国の者共は今や半魔族として奴婢とみなし、この魔大陸側で全て預かる立場、それで溜飲を下げてくれ…)
(ええ、農奴の暮らしの上に毎日魔族に犯されております現状、拝見いたしました。あれの境遇を憐れむ気はありません)
(こき使ってもおらぬし、そなたらも我らも恨まれる筋合いはないからな…単に魔毒の濃厚なこちらの大陸で生き延びられるようにさせて頂いただけなのだから…)
このお二人の話で、お分かり頂けたでしょうか。
以前にリシュリューからリュネ世界仕様で撒き散らされた駄洒落菌+鬼細胞弾頭の成果がこれです。
リュネ人と、西方三国とされ直接に魔大陸に面していない後方三国に住む人では、微妙に人種が違っていたのです。
そして、戦争に協力するどころか後方でかなり好きにやってた上に魔毒の影響が少ない土地で富を享受するとか、リュネの人からしたら恨みたくもなる状況だったみたいですね。
「あながち嘘でもないが、人々を延命させる方法だとして強制的に魔族に近い身体にした上に男を女、女を男に変えるとかやって頂いたからな…」
(ふふふふふ、魔王様…その時に頂いた人ども、今や我らの兵に毎日のように犯され、子を孕ませられておるのです…その数は千や二千にあらず…)
(更には我らの兵も半魔と化した人どもの子種で孕み…)
(ぬ、ぬぬぬ…確かに今もこちらの陸の側で何やらやっておる気配であるが…)
見れば、魔王様の股間のちんぽがもりもりと大きくなって上、向いてますよ。
どうも魔王様は金衣能力を解放した私やスザンヌ同様、この地底湖にいてもある程度は遠くまで見れるようですから。
そして、側近ご三家が囁いているえろえろな話の通り、人魔大戦とでも言うべきこの戦いに非・協力的だった西方三国の人々はことごとく若返らされただけではありませんでした。
短命型千人卒痴女種に近い姿…ちんぽ持ちの女の姿をした兵隊魔族に犯されるか跨られ、無理からに羽根や尻尾がなくて魔法の使用に制限がかかった奴隷種族…半人半魔の状態になってしまったのです。
で、かかる状態になったのではリュネとしても討伐対象にするけど、それが嫌なら魔大陸に移住してくれやという話に持っていって、なかば強制的に魔大陸の開拓に従事させているようなのですよね。
(兵魔によって犯した女どもがひり出した仔はもちろん、半魔が孕ませた兵魔の子が今や苗床の養分なのでございます…)
これが、アスタロッテさんとリーゼ姉たちとで定めた、食人風習の代償なのですよ。
ちなみにこの苗床…つまり、この血の池自体が一種の生命体でして、ここに浸かると基本的には溶かされます。
しかし、ここから何万もの兵隊魔族を一気に量産することが出来るのはもちろん、幹部魔族や、果ては剣聖様のようなリュネの人たちの細胞リフレッシュも可能なのです。
その際に必要なのが、魔毒の汚染度が低い人体細胞。
そして蓄積された魔毒ですが、従来は捨てていたそうです。
(世界の果てから外に向けて投げるのが常であったのだが…ただ。マリアリーゼ様からすればあれ、利用価値があるというので取っておくようにしております)
(あの血の池に溶けた人とか、果ては奴隷化された半魔の人たちの恨みつらみを凝縮してるとは聞いてますね)
(そうそう、あれに近いもの、あたくしたちでは処理する方法がありますので、溜まったら引き渡して頂ければ)
実は、これ…そういう怨念を吸わせた上で、邪念結晶の一種として痴女皇国世界に持ち帰って精気に転換することになったのですよ…。
そして、さっき申し上げた「魔族の農奴兼・姦淫奴隷にしている半魔状態の人々の毎日の生活実態」ですけどね。
言うなれば毎日、万を超す魔族や半魔族が孕ませおめこしてる訳です。
これ、リーゼ姉が何もしないと思いますか。
(まぁ、普通なら聖母像か慈母観音像置いて精気をがっつり回収すること、考えるわよねぇ)
(もちろんですわマリアンヌ。魔大陸には魔王様とアスタロッテさんたちの像があちこちに置かれましたからねぇ)
(ただ…人陸…リュネ大陸とされた側の像、私に逸物が生えた裸像なのはやめて頂きたいのですが…)
(我慢してください…それぞれの独立の象徴として建立されたんですから、えらい人の像でないと納得してもらえないと思います…)
(更には、天使とやらに偽装した兵魔族と姦淫を重ねておりますのも…)
(イリヤ母様、リュネでは少し違いますわよ…)
(そうそうイリヤ叔母様、エウドラが申す通りですわ…人どもをまぐわいに耽らせ励ませ、出来の良いものが天使と交わって精気を献上するのが今の人大陸のさだめ…)
そーです。
かつての痴女種同様の精気授受階級構造にも似たこと、やってるのです。
そして、人族から魔毒を抜くための作業でもあるらしいのですよ、この痴女皇国まがいの姦淫システム導入…。
(たりめーだ、あたしらが何かしたら代償はきっちり頂くのが掟だ。とはいえ悪徳商人をやるわけにもいかねーだろ?だからこその精気収入で手を打ったんだよ…)
(その割には過剰なまでに膨大な精気が取れてるみたいなんだけど…リーゼ姉、これがあるから淫化支部が成立してるようなもんでしょ、今や…)
(ああ、このリュネ世界から得た精気は全て淫化支部の成績になるからな…多い時は、こっちの女官換算で1日に二百万人分の精気が頂けるんだから…)
ちなみにこの量、南洋行政局で吸い上げてる日計量に匹敵するそうです。
しかも、リュネ世界の方々は魔法行使能力をお持ちなので、精気消費はごく少なくて済みます。
いわば、リュネ世界から頂く精気、まるっと痴女皇国の収入となるのです。
しかも、さっき申し上げた魔毒と怨念邪念を固めた廃棄物。
これまた邪念結晶として精気に転換できます。
(だからアフターケアもきっちりやって来てくれよ、お前ら…それと、これはアスタロッテさんとイリヤさんが淫化支部の幹部になってもらってマチュピチュとワイナピチュ住まいになるのに関係してっからな…いざって時は、リュネ世界の人を痴女皇国世界で引き取る際の事前準備でもあるんだから…)
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
エッチな下着屋さんで、〇〇を苛められちゃう女の子のお話
まゆら
恋愛
投稿を閲覧いただき、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*)
『色気がない』と浮気された女の子が、見返したくて大人っぽい下着を買いに来たら、売っているのはエッチな下着で。店員さんにいっぱい気持ち良くされちゃうお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる