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女戦士大地に立つ・7.0
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(ベラちゃん…実は聖院のHT013ってさ、痴女皇国世界のNBからリースを受けてたって知ってた?)横の機長席に座る聖院姉から話が来ます。
えええええ。
ただ…思い起こせば確かに、そういう事になってはいたかと…。
で、このお話、まさに件の変態輸送機たるスケアクロウの操縦室で拝聴しております。
既にスケアクロウはマナウスを離陸し、簡易保険平原の意味でそう名付けられてしまった、かんぽの大平原を目指して高度一万メートルを飛行中。
(そしてベラちゃんも知っての通り、私たちは痴女皇国の5年くらい前の時間軸を後追いして走っている状態よね。だから本当は珍珍電車にしても他の連邦世界由来の何がしかにしても、自分たちの世界に紐付けされているはずの地球から供与されているべきなのよ…)
まぁ、その辺の理屈は何とはなくわかります。
(ただ、こちらでゼロから交渉するよりは痴女皇国の外交や通商ルートに乗っかって諸々を供与してもらう方が楽は楽なのよ。まぁぶっちゃけてしまうと、テンプレスと同じでスケアクロウも元来は聖院側のNBから引き渡してもらう必要があるにも関わらず、聖院側のNB含めて関係者全員がめんどくさがった結果、こうなっちゃったのよね)
つまり、聖院の姉の話はこうです。
スケアクロウHT013、NB側での開発製造技術の進展に伴って、全く同じものを聖院側のNBからリース契約を組んで渡してもらえる段取りがつきました。
ついては前から聖院で使っていたHT013は、痴女皇国世界と紐付いていて聖院世界側からすると5年後の時間軸にあるNBに順次、返却させて頂きます。
ただ、飛行機が欲しいなら今がチャンスだから、返却手続き待ちと称して一旦は聖院島じゃなくて痴女島の方の聖院空港に置き去りにしちゃいます。あとの貸与契約の組み直しや登録番号変更の必要がある場合は痴女皇国側で手続きして下さい。
「でぇ、今はそちらのNBの実質トップはアグネスさんでしょ。あたしも一応は根回しをしておいたけど…
どうもスケアクロウの契約の巻き直しじゃなくて、契約自体はほとんどそのままで痴女皇国に置いとく事も出来るみたいなのよ。というのもね…」
ええ、驚愕の事実。
聖院のスケアクロウ、何と痴女皇国と契約して貸してる事になってました…。
つまり、HT013もIT011も「書類の上ではテンプレス・セキュリティに一括してリースしてる」状態だそうです。
ただ、費用については聖院は痴女皇国…というよりテンプレス・セキュリティの社長…つまり姉同士で内部的な資金移動をして痴女皇国世界のテンプレス・セキュリティが立て替えている形になっていたと。
で、この件でNBとしてはどうなのか、アグネスおばさまにでも見解をお聞きしてみましょう。
(ジーナさんの方が詳しいわよ…流石に契約詳細は空軍の実務者が担当していますからね…)
では、ジーナ母様、どうぞ。
(何や何や…ああ、聖院のHT013の返却の件かいな…聖院のマリアが言うとる通りやし、そもそもスケアクロウのリース料金は年額支払いやから毎年1回はベラ子の端末に決済申請が行ってるはずやぞ…)
(母様…スケアクロウの運用経費はテンプレス・セキュリティの経理扱いです…ですからマリアねーさんの管轄ですよ…)
(あー、せやったか…その辺マリ公に任しっぱやったからなぁ…)
(母様。あれが来た時は皇帝室秘書課長だったじゃないですか…しっかりしてくださいよっ。それに、スケアクロウのリース費に痴女皇国の財務局が関与しているなら、絶対にデルフィリーゼおばさまの所に直接行くか心話連絡して決済承認貰うような金額じゃないですか…さすがのあたしでも気付かない額じゃないですよっ)
(はいはい。まぁともかく、NB空軍の将官としての見解で言う。貸してるもんで戦争起こすような事さえせぇへんかったら、NB空軍としては機材を引き上げたり運用について公式ではとやかく言わん。ただ、実際の運用で変態行為はともかく、変な使い方したら痴女皇国の監督者扱いされとるうちとアグネスさんが円卓会議の席上で吊し上げられるんが現状や…それに、うちがあんたらの親やさかい、余計に火の粉被るねんからな…テンプレス2世に積んでる戦闘機用のミサイル、とっくにP弾頭とかF弾頭分は全部引き上げてCかChに差し替えてるやろ?)
(はぁ…まぁともかく、聖院にいてるHT013が痴女皇国に移っていても問題はないんですね)
(ただ、運用者や操縦者が変わるから連邦宙兵隊に出してる機材登録証や運用管理者名義は一部、書き換える必要があるやろけど…その辺はうちからゴルディーニ大将に話入れといたるわ。まぁ、地球で飛ばさへんかったら特にやいのやいの言われる次元の話やあらへんし、焦る事でもないやろ。運用者の名変処理が終わるまでの間に急ぎで地球側から貸してくれとか助けてくれ言われたら、その時はIT011飛ばしたったらええんちゃうか)
で、よくよくお聞きしてみますと、聖院世界所属機である事を示すレジスターナンバー…HT013を痴女皇国所有機としてIT013に書き換えたり契約書内容の機材番号を一部変更する必要性は生じますが、根本的には「テンプレス・セキュリティが一括して借り受けるリース契約だから聖院に渡してるのは痴女皇国=テンプレス・セキュリティ側の運用であってNBは関係ない」そうです…。
つまり、痴女皇国世界で運用する分については、人の手配がつきさえすれば痴女皇国世界に持って来ても問題はないそうです。
そして、驚愕の話。
聖院でもテンプレス2世と同型の艦をリースしてもらうそうです。
恐らく、テンプレス3世という名前になるようですけど。
(そっちの連邦宇宙軍への登録船名も決まってるわよ。なんか男の娘みたいでもがみん棒ってのを装備しそうで嫌なんだけど)
HMS Tempress the 3rd,N102 Holy Temple.
(DDCV-201,Mogami)
はぁ。
で、空いたテンプレス、いらんかえと。
なんでまた。
(現行のテンプレスについては痴女皇国の2世と違って、自動メンテシステムを積んでないでしょ。で、2世仕様に改装する手間を考えたら、新品回して貰う方が話が早いし費用もあまり変わらないって。で、こっちはテンプレス級が2隻も必要になるまでには時間の余裕もあるしさ。それにそっちのフランスが2隻、リース艦を返却するらしいし、テンプレス級が実質4隻になったらかなり色々捗るんじゃないの?)
どうやら、痴女皇国世界のお船不足を鑑みて、気を配って頂いたようです。
まぁ、確かに…完全な純正の水上コンテナ船ほどではないものの、上部甲板にコンテナ積載レールを増設すれば1万TEUまで積めるらしいので…。
「バルク品積載用のオプションコンテナもあるから、小麦や粗糖…砂糖の輸送なんかもいけるわよ。オイルタンカーとして使うコンテナパックもあるわね」
まぁ要するに、船倉に納まるか甲板に積める大きさと重さなら何でも運ぶと言わんばかりに色々と積めるのは、あたしも研修で習いました。
「ただ、積み付け資格としてパレットマスターかバンニングマスターの試験は受けさせられるわよ…」
ああ、それもお聞きしました。純粋なコンテナ船同様に、コンテナの中身や重さに外部電源供給必要の有無などで、積む場所がある程度決まってくるから積み付けの管理は必要だよと。
ああめんどくさっ。
それはともかく、スケアクロウはマナウスを出発後、アマゾン川の南側の流域を一気に斜めに横断して…連邦世界の地球でしたらブラジリアやサンパウロ・リオデジャネイロが存在するはずの南東の方角目指し、高度1万メートルを上回る高度で出せる最高巡航速度で飛んでいます。
<i738304|38087>
なぜ、大気圏内でも瞬間転移が可能なG型なのに、一気にかんぽ平原まで行ってしまわないのでしょうか。
これは、ティアラちゃんにエンリケ君たちやジョアン4世陛下、そして女戦士族のえらい人に現地までの状況を見学してもらうためです。
で、ブラジルの国土はなんと日本の22.5倍もあるそうですが、その大半がアマゾンの密林を含む未開拓の自然です。
<i738305|38087>
ただ…例の日本とブラジルが協力して、このかんぽ平原に切り拓いた大豆畑だけでも…日本列島の本州に匹敵するほど大規模なものだそうなのです。
そこで…途中で「連邦世界のブラジル上空に転移して、実際にその大豆畑の上を飛んでブラジリア経由でリオデジャネイロまで行ってみる」ということを試みるそうです。
ええのでしょうか。
「だからベラちゃんに副操縦士席にいてもらってるのよ…それに、高度2万メートル…いつものスケアクロウの高度に上がった状態で転移するから、ブラジル上空の航空ルートの支障にはならないはずよ。ゴルディーニさん経由でブラジル空軍に話は入れてもらってるから、迎撃される心配もないわ」
で、聖院姉の指示で機関士席の聖院エマちゃんが転移処理をかけますと。
ええ…衛星高度からでもはっきりと視認できるという、広大な畑が皆の目を奪います。
(ふむ…確かに、これがあるから我らの移住を勧められるのですな…開発の実績があるのならば、同じことをすれば良いというのも理に叶う話でしょう)と、操縦室後方の添乗員席の前にある小型モニター装置で下の広大な農場を眺められるジョアン4世陛下。
(おみずはどうしているのでしょう)
この、アルトさんの素朴な疑問ですが、意外に大事な事ですし、あたしも気になってはいました。
(えーとね、カンポ・デ・セラード自体はサバンナ気候だけどお水がないって訳じゃないわよ。むしろ湿地帯やそれなりの川もあるし…ベラちゃん、今、連邦世界のブラジルでしょ? スケアクロウの対地偵察設備ならダムなんかの人工物を上空から自動でまさぐれるはずよ)
(パイセン…ダムとはまさぐるものなのですか…)ええ、このかんぽ平原の開発はモロに国土局長たる室見理恵パイセンの管轄部署に話をしなくてはならない事案です。
で、痴女宮のオフィスでスケアクロウの偵察結果をリアルタイムで見ているらしいパイセンからの指示ですが、確かに水力発電所…それも、結構大きなものがいくつも、かんぽ平原というよりは高原とでも言うべき地域の中に見つかります。
それに、アマゾンほど常識を外れた長さと規模ではありませんが、それなりに大きな川がいくつも流れていますね。
(実際には川や地下水から灌漑用水を得ているわね。それと、連邦世界のカンポ・デ・セラードは大規模な石灰投入だけでなくて、土そのものを入れ替えてまで大豆畑を作ってるからね…そもそも大豆を作ると決めたのは、よっしゃよっしゃの日本列島改造論でロッキード事件な総理大臣先生の時代の話なんだけど、まずは少ないお水や荒れた大地に向いた大豆を生産して土壌を改良する狙いもあったのよ。大豆畑が性交…いえ、成功すれば翌年以降にはその土地で小麦やとうもろこしなんかも作れるようになるしね)
むっつり助平なパイセンのエロ発言は置いておくとしても、大豆を作るというのは土質改良につながるのですか。
(なにせ強酸性土壌だから、アルカリ性の耕作地土壌に転換するのが並大抵じゃなかったのよ。アルゼンチンチンだと草原を野焼きして生成された灰もろとも耕し直してるけど、そこまでするほど真っ平らじゃないし…もっと言うとそれで中和できるような生易しい土質じゃなかったのね。山火事も怖いし)
(宙兵隊嘉手納基地・航空教育軍団所属の高木まりあ大佐と高木マリアヴェッラ少佐、いらっしゃいますか。こちらブラジル連邦航空宇宙軍所属、ユウコ・フアン・キノシタです。ただいま本機はそちらの左舷同高度を飛行中ですが)
見れば、姉側の側方を飛行するIF-200ニンフェット・大気圏内戦闘機の姿が。
同型の機体は日本の航空自衛軍や海上自衛軍も使用していますし、最近では宙兵隊嘉手納基地にも配備数を増やしていますので姿はお馴染みですが…。
(ブラジリアとリオデジャネイロ上空視察をご希望との件でエスコートに伺いました。高度1万2千メートルまでの降下許可が下りておりますので、先導いたします。当機に続いて降下願います)
で、このキノシタ大尉ですが…ええ、心話であたしたちとお話をしています。
つーまーりー…。
(ええ、ブラジル連邦政府と地球連邦政府の合同極秘計画…低生産貧困民救済に従事している立場でもあります)
つまり、痴女皇国がブラジルに放った「草」のお一人な訳ですね。
そして、ブラジルの人口で決して少なくない貧困層はまだしも、マフィア組織の狩り出しと移送について、ブラジル陸軍と連邦政府上層部とNBのフレミング機関…そしてNB各軍合同で推進している最中なのです…。
もちろん、これにはマフィアだけでなくその配下の売春組織に属する女性やトラニーも、その多数が対象になっています。
ぶっちゃけて申し上げますと、1ヶ月あれば一万人は処理してるんですよ…。
そして、闇堕ちマリア枠で主に語られている女官化→偽女種化して精気収集する処理方法はNBでも密かに促成出産栽培プラントが稼働を始めています。
つまり、連邦世界での穀潰しとまでは申し上げませんけど、貧困層人口の作り直しは、その事業が既に端緒についているだけはありません。
痴女皇国だけでなく、NBでもフレミング機関の息のかかった痴女種軍人女性を動員して、未開拓とされているはずの向こうの大陸を使って処理しているのです…。
(我々は我が連邦共和国ではまだ、ニッケイと呼ばれて比較的高い地位を得ている事も多いのですが、貧困に喘ぎ悪の道に足を踏み入れる者も決して少なくはありません。これは、日伯協会上層部も承認している事業なのです…)
(ほら、ベラちゃん…聖院世界側の地球でもいずれはこれをやる話になってるしね…それに、アメリカやメキシコに中米でも、類似プロジェクトを実施して愛国心の薄い反社会的穀潰しの処理を始めるんでしょ?)
ええ。
現在はクラブジュネス・淋の森店の副店長たるジェニファーちゃんのご実家を経由してアメリカの二大政党幹部とのコネクションも出来ましたので、こちらの方でも何千万人かは処理する事業への合意に向けて目下、最終的な擦り合わせをルクレツィア母様やラッツィオーニ連邦政府行政顧問(予定)が行なっているとお聞きしていますね。
まぁ、その気になればあたしでなくても、アルトさんかダリアさんが転送処理役のエマ助と組んで行けば、たいていの国は一つまるごとドレインして拉致可能なのですよね…。
(我々日伯協会は皇室との連携で動いております。この事業で連邦共和国は一時的に民主主義国家の枠を外れるほどに内乱を来す可能性がありますが、旧宗主国たるポルトガル共和国の協力も得て代替政権の樹立と政経体制復旧の目処は立っております。そのためにも、ジョアン4世陛下率いる痴女皇国世界のポルトガルによるブラジルの植民地化と不良人員移送処理体制の確立は是非にも早期にお進め頂きたい事案なのです。私が護衛件誘導役として派遣されたのも、連邦政府内に日伯協会と痴女皇国の浸透がそれだけ深化していることのご報告もさりながら、政府側でもこの事業で連邦共和国を再建する方向に希望を見出している期待感の表れであるとお考え頂ければ)
えええええ。
ただ…思い起こせば確かに、そういう事になってはいたかと…。
で、このお話、まさに件の変態輸送機たるスケアクロウの操縦室で拝聴しております。
既にスケアクロウはマナウスを離陸し、簡易保険平原の意味でそう名付けられてしまった、かんぽの大平原を目指して高度一万メートルを飛行中。
(そしてベラちゃんも知っての通り、私たちは痴女皇国の5年くらい前の時間軸を後追いして走っている状態よね。だから本当は珍珍電車にしても他の連邦世界由来の何がしかにしても、自分たちの世界に紐付けされているはずの地球から供与されているべきなのよ…)
まぁ、その辺の理屈は何とはなくわかります。
(ただ、こちらでゼロから交渉するよりは痴女皇国の外交や通商ルートに乗っかって諸々を供与してもらう方が楽は楽なのよ。まぁぶっちゃけてしまうと、テンプレスと同じでスケアクロウも元来は聖院側のNBから引き渡してもらう必要があるにも関わらず、聖院側のNB含めて関係者全員がめんどくさがった結果、こうなっちゃったのよね)
つまり、聖院の姉の話はこうです。
スケアクロウHT013、NB側での開発製造技術の進展に伴って、全く同じものを聖院側のNBからリース契約を組んで渡してもらえる段取りがつきました。
ついては前から聖院で使っていたHT013は、痴女皇国世界と紐付いていて聖院世界側からすると5年後の時間軸にあるNBに順次、返却させて頂きます。
ただ、飛行機が欲しいなら今がチャンスだから、返却手続き待ちと称して一旦は聖院島じゃなくて痴女島の方の聖院空港に置き去りにしちゃいます。あとの貸与契約の組み直しや登録番号変更の必要がある場合は痴女皇国側で手続きして下さい。
「でぇ、今はそちらのNBの実質トップはアグネスさんでしょ。あたしも一応は根回しをしておいたけど…
どうもスケアクロウの契約の巻き直しじゃなくて、契約自体はほとんどそのままで痴女皇国に置いとく事も出来るみたいなのよ。というのもね…」
ええ、驚愕の事実。
聖院のスケアクロウ、何と痴女皇国と契約して貸してる事になってました…。
つまり、HT013もIT011も「書類の上ではテンプレス・セキュリティに一括してリースしてる」状態だそうです。
ただ、費用については聖院は痴女皇国…というよりテンプレス・セキュリティの社長…つまり姉同士で内部的な資金移動をして痴女皇国世界のテンプレス・セキュリティが立て替えている形になっていたと。
で、この件でNBとしてはどうなのか、アグネスおばさまにでも見解をお聞きしてみましょう。
(ジーナさんの方が詳しいわよ…流石に契約詳細は空軍の実務者が担当していますからね…)
では、ジーナ母様、どうぞ。
(何や何や…ああ、聖院のHT013の返却の件かいな…聖院のマリアが言うとる通りやし、そもそもスケアクロウのリース料金は年額支払いやから毎年1回はベラ子の端末に決済申請が行ってるはずやぞ…)
(母様…スケアクロウの運用経費はテンプレス・セキュリティの経理扱いです…ですからマリアねーさんの管轄ですよ…)
(あー、せやったか…その辺マリ公に任しっぱやったからなぁ…)
(母様。あれが来た時は皇帝室秘書課長だったじゃないですか…しっかりしてくださいよっ。それに、スケアクロウのリース費に痴女皇国の財務局が関与しているなら、絶対にデルフィリーゼおばさまの所に直接行くか心話連絡して決済承認貰うような金額じゃないですか…さすがのあたしでも気付かない額じゃないですよっ)
(はいはい。まぁともかく、NB空軍の将官としての見解で言う。貸してるもんで戦争起こすような事さえせぇへんかったら、NB空軍としては機材を引き上げたり運用について公式ではとやかく言わん。ただ、実際の運用で変態行為はともかく、変な使い方したら痴女皇国の監督者扱いされとるうちとアグネスさんが円卓会議の席上で吊し上げられるんが現状や…それに、うちがあんたらの親やさかい、余計に火の粉被るねんからな…テンプレス2世に積んでる戦闘機用のミサイル、とっくにP弾頭とかF弾頭分は全部引き上げてCかChに差し替えてるやろ?)
(はぁ…まぁともかく、聖院にいてるHT013が痴女皇国に移っていても問題はないんですね)
(ただ、運用者や操縦者が変わるから連邦宙兵隊に出してる機材登録証や運用管理者名義は一部、書き換える必要があるやろけど…その辺はうちからゴルディーニ大将に話入れといたるわ。まぁ、地球で飛ばさへんかったら特にやいのやいの言われる次元の話やあらへんし、焦る事でもないやろ。運用者の名変処理が終わるまでの間に急ぎで地球側から貸してくれとか助けてくれ言われたら、その時はIT011飛ばしたったらええんちゃうか)
で、よくよくお聞きしてみますと、聖院世界所属機である事を示すレジスターナンバー…HT013を痴女皇国所有機としてIT013に書き換えたり契約書内容の機材番号を一部変更する必要性は生じますが、根本的には「テンプレス・セキュリティが一括して借り受けるリース契約だから聖院に渡してるのは痴女皇国=テンプレス・セキュリティ側の運用であってNBは関係ない」そうです…。
つまり、痴女皇国世界で運用する分については、人の手配がつきさえすれば痴女皇国世界に持って来ても問題はないそうです。
そして、驚愕の話。
聖院でもテンプレス2世と同型の艦をリースしてもらうそうです。
恐らく、テンプレス3世という名前になるようですけど。
(そっちの連邦宇宙軍への登録船名も決まってるわよ。なんか男の娘みたいでもがみん棒ってのを装備しそうで嫌なんだけど)
HMS Tempress the 3rd,N102 Holy Temple.
(DDCV-201,Mogami)
はぁ。
で、空いたテンプレス、いらんかえと。
なんでまた。
(現行のテンプレスについては痴女皇国の2世と違って、自動メンテシステムを積んでないでしょ。で、2世仕様に改装する手間を考えたら、新品回して貰う方が話が早いし費用もあまり変わらないって。で、こっちはテンプレス級が2隻も必要になるまでには時間の余裕もあるしさ。それにそっちのフランスが2隻、リース艦を返却するらしいし、テンプレス級が実質4隻になったらかなり色々捗るんじゃないの?)
どうやら、痴女皇国世界のお船不足を鑑みて、気を配って頂いたようです。
まぁ、確かに…完全な純正の水上コンテナ船ほどではないものの、上部甲板にコンテナ積載レールを増設すれば1万TEUまで積めるらしいので…。
「バルク品積載用のオプションコンテナもあるから、小麦や粗糖…砂糖の輸送なんかもいけるわよ。オイルタンカーとして使うコンテナパックもあるわね」
まぁ要するに、船倉に納まるか甲板に積める大きさと重さなら何でも運ぶと言わんばかりに色々と積めるのは、あたしも研修で習いました。
「ただ、積み付け資格としてパレットマスターかバンニングマスターの試験は受けさせられるわよ…」
ああ、それもお聞きしました。純粋なコンテナ船同様に、コンテナの中身や重さに外部電源供給必要の有無などで、積む場所がある程度決まってくるから積み付けの管理は必要だよと。
ああめんどくさっ。
それはともかく、スケアクロウはマナウスを出発後、アマゾン川の南側の流域を一気に斜めに横断して…連邦世界の地球でしたらブラジリアやサンパウロ・リオデジャネイロが存在するはずの南東の方角目指し、高度1万メートルを上回る高度で出せる最高巡航速度で飛んでいます。
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なぜ、大気圏内でも瞬間転移が可能なG型なのに、一気にかんぽ平原まで行ってしまわないのでしょうか。
これは、ティアラちゃんにエンリケ君たちやジョアン4世陛下、そして女戦士族のえらい人に現地までの状況を見学してもらうためです。
で、ブラジルの国土はなんと日本の22.5倍もあるそうですが、その大半がアマゾンの密林を含む未開拓の自然です。
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ただ…例の日本とブラジルが協力して、このかんぽ平原に切り拓いた大豆畑だけでも…日本列島の本州に匹敵するほど大規模なものだそうなのです。
そこで…途中で「連邦世界のブラジル上空に転移して、実際にその大豆畑の上を飛んでブラジリア経由でリオデジャネイロまで行ってみる」ということを試みるそうです。
ええのでしょうか。
「だからベラちゃんに副操縦士席にいてもらってるのよ…それに、高度2万メートル…いつものスケアクロウの高度に上がった状態で転移するから、ブラジル上空の航空ルートの支障にはならないはずよ。ゴルディーニさん経由でブラジル空軍に話は入れてもらってるから、迎撃される心配もないわ」
で、聖院姉の指示で機関士席の聖院エマちゃんが転移処理をかけますと。
ええ…衛星高度からでもはっきりと視認できるという、広大な畑が皆の目を奪います。
(ふむ…確かに、これがあるから我らの移住を勧められるのですな…開発の実績があるのならば、同じことをすれば良いというのも理に叶う話でしょう)と、操縦室後方の添乗員席の前にある小型モニター装置で下の広大な農場を眺められるジョアン4世陛下。
(おみずはどうしているのでしょう)
この、アルトさんの素朴な疑問ですが、意外に大事な事ですし、あたしも気になってはいました。
(えーとね、カンポ・デ・セラード自体はサバンナ気候だけどお水がないって訳じゃないわよ。むしろ湿地帯やそれなりの川もあるし…ベラちゃん、今、連邦世界のブラジルでしょ? スケアクロウの対地偵察設備ならダムなんかの人工物を上空から自動でまさぐれるはずよ)
(パイセン…ダムとはまさぐるものなのですか…)ええ、このかんぽ平原の開発はモロに国土局長たる室見理恵パイセンの管轄部署に話をしなくてはならない事案です。
で、痴女宮のオフィスでスケアクロウの偵察結果をリアルタイムで見ているらしいパイセンからの指示ですが、確かに水力発電所…それも、結構大きなものがいくつも、かんぽ平原というよりは高原とでも言うべき地域の中に見つかります。
それに、アマゾンほど常識を外れた長さと規模ではありませんが、それなりに大きな川がいくつも流れていますね。
(実際には川や地下水から灌漑用水を得ているわね。それと、連邦世界のカンポ・デ・セラードは大規模な石灰投入だけでなくて、土そのものを入れ替えてまで大豆畑を作ってるからね…そもそも大豆を作ると決めたのは、よっしゃよっしゃの日本列島改造論でロッキード事件な総理大臣先生の時代の話なんだけど、まずは少ないお水や荒れた大地に向いた大豆を生産して土壌を改良する狙いもあったのよ。大豆畑が性交…いえ、成功すれば翌年以降にはその土地で小麦やとうもろこしなんかも作れるようになるしね)
むっつり助平なパイセンのエロ発言は置いておくとしても、大豆を作るというのは土質改良につながるのですか。
(なにせ強酸性土壌だから、アルカリ性の耕作地土壌に転換するのが並大抵じゃなかったのよ。アルゼンチンチンだと草原を野焼きして生成された灰もろとも耕し直してるけど、そこまでするほど真っ平らじゃないし…もっと言うとそれで中和できるような生易しい土質じゃなかったのね。山火事も怖いし)
(宙兵隊嘉手納基地・航空教育軍団所属の高木まりあ大佐と高木マリアヴェッラ少佐、いらっしゃいますか。こちらブラジル連邦航空宇宙軍所属、ユウコ・フアン・キノシタです。ただいま本機はそちらの左舷同高度を飛行中ですが)
見れば、姉側の側方を飛行するIF-200ニンフェット・大気圏内戦闘機の姿が。
同型の機体は日本の航空自衛軍や海上自衛軍も使用していますし、最近では宙兵隊嘉手納基地にも配備数を増やしていますので姿はお馴染みですが…。
(ブラジリアとリオデジャネイロ上空視察をご希望との件でエスコートに伺いました。高度1万2千メートルまでの降下許可が下りておりますので、先導いたします。当機に続いて降下願います)
で、このキノシタ大尉ですが…ええ、心話であたしたちとお話をしています。
つーまーりー…。
(ええ、ブラジル連邦政府と地球連邦政府の合同極秘計画…低生産貧困民救済に従事している立場でもあります)
つまり、痴女皇国がブラジルに放った「草」のお一人な訳ですね。
そして、ブラジルの人口で決して少なくない貧困層はまだしも、マフィア組織の狩り出しと移送について、ブラジル陸軍と連邦政府上層部とNBのフレミング機関…そしてNB各軍合同で推進している最中なのです…。
もちろん、これにはマフィアだけでなくその配下の売春組織に属する女性やトラニーも、その多数が対象になっています。
ぶっちゃけて申し上げますと、1ヶ月あれば一万人は処理してるんですよ…。
そして、闇堕ちマリア枠で主に語られている女官化→偽女種化して精気収集する処理方法はNBでも密かに促成出産栽培プラントが稼働を始めています。
つまり、連邦世界での穀潰しとまでは申し上げませんけど、貧困層人口の作り直しは、その事業が既に端緒についているだけはありません。
痴女皇国だけでなく、NBでもフレミング機関の息のかかった痴女種軍人女性を動員して、未開拓とされているはずの向こうの大陸を使って処理しているのです…。
(我々は我が連邦共和国ではまだ、ニッケイと呼ばれて比較的高い地位を得ている事も多いのですが、貧困に喘ぎ悪の道に足を踏み入れる者も決して少なくはありません。これは、日伯協会上層部も承認している事業なのです…)
(ほら、ベラちゃん…聖院世界側の地球でもいずれはこれをやる話になってるしね…それに、アメリカやメキシコに中米でも、類似プロジェクトを実施して愛国心の薄い反社会的穀潰しの処理を始めるんでしょ?)
ええ。
現在はクラブジュネス・淋の森店の副店長たるジェニファーちゃんのご実家を経由してアメリカの二大政党幹部とのコネクションも出来ましたので、こちらの方でも何千万人かは処理する事業への合意に向けて目下、最終的な擦り合わせをルクレツィア母様やラッツィオーニ連邦政府行政顧問(予定)が行なっているとお聞きしていますね。
まぁ、その気になればあたしでなくても、アルトさんかダリアさんが転送処理役のエマ助と組んで行けば、たいていの国は一つまるごとドレインして拉致可能なのですよね…。
(我々日伯協会は皇室との連携で動いております。この事業で連邦共和国は一時的に民主主義国家の枠を外れるほどに内乱を来す可能性がありますが、旧宗主国たるポルトガル共和国の協力も得て代替政権の樹立と政経体制復旧の目処は立っております。そのためにも、ジョアン4世陛下率いる痴女皇国世界のポルトガルによるブラジルの植民地化と不良人員移送処理体制の確立は是非にも早期にお進め頂きたい事案なのです。私が護衛件誘導役として派遣されたのも、連邦政府内に日伯協会と痴女皇国の浸透がそれだけ深化していることのご報告もさりながら、政府側でもこの事業で連邦共和国を再建する方向に希望を見出している期待感の表れであるとお考え頂ければ)
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「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
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※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
エッチな下着屋さんで、〇〇を苛められちゃう女の子のお話
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投稿を閲覧いただき、ありがとうございます(*ˊᵕˋ*)
『色気がない』と浮気された女の子が、見返したくて大人っぽい下着を買いに来たら、売っているのはエッチな下着で。店員さんにいっぱい気持ち良くされちゃうお話です。
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