178 / 377
女戦士大地に立つ・5.0
しおりを挟む
ずどどどどどどどどど。
連邦世界のアマゾン川で撮影されたポロロッカのサーフィン映像に見入る皆様方。
ええ、全力であの大きな河一杯に広がる波に乗っている人、多数。
そして画面は、満潮時の川辺…氾濫原と呼ばれているそうですが、所々に林が広がる緑豊かな草原が溢れた水にみるみる覆い尽くされていく様子を映し出しています。
「このバルゼアはアマゾン川上流から運ばれて来た有機堆積物が木や草に引っかかってそこに沈澱するため、水が引けば農作物を栽培する畑…そして、人が利用する木を得るための林として有用です。しかし、一旦雨季に入りアマゾン川が満水状態になれば、見ての通りに大湿原と化してしまうのです」
画面にビームポインタを当てながら解説するのは田中雅美・痴女皇国内務局長。
初訪問の翌日たる本日、今度はアークロイヤルからVTOL輸送機を出して頂いてマナウスの女戦士族の集落にお邪魔しております。
そして、昨日のあの後、あたしだけでは説明困難だと思っていたところ、しゃーないわねーとアークロイヤルの艦内に雅美さんが転送されて来ました。
そして、痴女島とマナウスの時差が12時間あるのを利用して、向こうでは夜9時頃の時間にこっちに来れるので、娘さんたち二人…現・黒薔薇騎士団長のペルセポネーゼちゃんと現・女官長のアフロディーネちゃんも来てくれ…三人ともアロハシャツにマイクロビキニとか何考えてんですか。
「だってブラジルだって聞いたからさ…まぁマナウスでもこの格好で充分に過ごせるわよっ」
「私も泥だらけのウクライナ大公国の地で参ったのです…ですがここも泥水あががががが」
「ペルセポネーゼ…どうやらこの茶色の水が森が栄える源を運んでいるようだから、間違っても清めるとか言っちゃダメよ…」
ええ、アマゾン川の水、よほど上流に遡らない限りはその支流を含めて「何らかの色がついているのがプレデフィニート」なのです。
そして、続いて茶筒ラップトップと連動させた大型フローティング投影スクリーンに出したブラジルの地形図を見せて行く雅美さん。
<i733831|38087>
「私たちが今、いるのはこのマナウスです。そして、ポルトガルの皆さんの入植計画についての相談の集まりという事で解説をさせて頂いておりますが、皆さんのお考えではこの密林を切り開いての入植がご希望のようですね。しかし…」
で、アマゾン川流域の広大な密林の役目についてのお話ですが。
・この潮の満ち引きは地球そのものの動きと連動しているため、いじることは出来ない。
・川幅が広大すぎてダムなどで逆流水を阻止するのは難しい
・逆に堰き止めてしまうと将来の船運ができなくなる
。この森全てを人のために使うのは大気中の酸素含有量からもよろしくはない
などなど、うかつに切り開くことのデメリットの説明をしておられます。
「で、私たちが元いた地球でのブラジルの開発状況ですが、実は…私が生まれた日本という国が協力して、大規模な開墾事業の末に、大豆畑を中心とした一大農場を作る事に成功した場所があるのです」
で、ここで写し出されるのが、草原を利用した牧場の中を牛に混じって堂々と歩く、毛深い尻尾で特徴的な長い顔の哺乳類です。
ええ、アリクイという生き物ですね。土の塔のような蟻の巣を軽く壊して口を突っ込んでいます。
で、アリクイが何かを察して逃げると、その先には、ところどころに赤茶色の土が見える地面を覆い尽くすような勢いで集団で前進してくるアリの群れが…。
「巣を作るアリを襲うアリもいます。この赤いアリは軍隊アリと呼ばれていて、極めて強い獣である豹でもこのアリの集団をうかつに踏まないように避けて通っています」
(本当の軍隊アリの生態は夜行性なんだけどね、現地にアルトくんが行ってるでしょ。で、アリさんの群れに精気を渡して演技してもらってんのよ)
そんなこと出来るんですか。
そして、痴女種ならではの「本物の野生動物に出演して頂いている」ヤラセ映像なのでしょうか、樹上に目を移せばくだんの豹が眠そうにしています。
更には、川沿いにのしのしと歩くワニや、色とりどりのインコなどの鳥たちも映されます。
「このように、多彩な野生動物の住む大草原が、今このマナウスから更に南東の方角に存在するのですが…」
そして、画面はさっきのアリクイが壊していたアリの巣の辺りに戻ります。
「問題は、この赤茶色の土にあります。この土でトウモロコシや麦を育てようとしても育たないか、食用に向かない長さや大きさにしか育たないのです。大きくなってくれない訳ですね」
流石に真面目な解説をしているのか、普段の雅美さんなら絶対に言いそうな卑猥な脱線はありませんでした。
(ベラちゃん…とうもろこしを突っ込むわよ…あ、ゆっきー、ブラジル国営試験農場の赤土の畑を見せてあげて)
なるほど…カメラが妙にいい動きだったのは、宇賀神雪子さんが現地で撮影しているからなのですね。
「で、私たちの世界では、このように大きく広がる畑を作るのに成功しています。ただ…他の国に売るためにも作っているので、広大な面積を開発しすぎて自然破壊が問題になっています。不思議に思うかも知れませんが、こうした豆やトウモロコシといった食べられる草を作るためには森や林や草原をある程度は残しておく必要があるのです。全てを畑にすると、いずれは困ったことになるのです…ですが、この大きな草原を…そうですね、仮に1/3を牧場といってお肉や乳を取れる生き物を飼うための場所にしたり、あるいは畑にしても十分に元からこの尻出の地にいる人はもちろん、ポルトガルから移った人たちが食べるには困らないどころか、よそに売って代わりのものをもらうだけの作物が取れるのです」
画面はゆっきーが撮っていたとおぼしきカメラから切り替わり、お乳を絞られる牛さんや、更にはブラジルの街中なのでしょうか、お肉屋さんや…ブラジル特有の串焼きお肉料理を出している映像へと切り替わって行きます。
更にはドローンか何かで空撮されたらしい、彼方まで延々と広がる畑の光景が。
煙を上げて動くトラクターの姿や、空中から農薬らしきを撒いている小型飛行機の姿も、ところどころに見ることができます。
(ゆっきー、アフロディーネ、ペルセポネーゼ、撮影ありがとう。戻って来ていいわよ)
なるほど、娘さんたちが来ていたのは連邦世界のブラジルに行って撮影するためだったのですか。
(そればかりじゃないけどね…まぁともかく、広報部のお仕事でもあるし…あと、内親王殿下のツテで日伯協会を通じて取材に協力してもらったのよ…お金だけじゃなくてコネや伝手も必要な国だから、日系人の築いた信用とネットワークを使わせてもらったのよ…)
なるほど、ブラジルに移民した日本人の皆様の現地団体のご協力を頂いたわけですね。
そして、見せられた大豆畑は先程の映像撮影にも協力頂いたという、日系移民の地元団体の紹介や協力もあって日本とブラジルの共同事業で開墾されたというお話をされる雅美さん。
「ジョアン4世陛下には申し訳ないのですが、実はこの開拓は完全な成功でもないのです。この広大な平原の半分にも上る面積を開拓した結果、自然破壊が問題となったのです。確かにこの赤い土地は育つ植物を非常に選びますので、結果的に人間には有用でない生物ばかりがこのブラジル高原に蔓延していたのです」
「あの巨大な獅子にも見えるまだら模様の猫、あれですら避けるという蟻の群れがおりましたな。あれはよもや、毒持ちで」
「そうです。1匹1匹の毒の量は少ないものの、何万匹ものアリが襲って噛めば大きな生き物にも有効なだけの毒を与える事が出来ますから」
「Señora Tanaka. そう言えば昔の書物にですな、猫絨毯国の凌遅刑について頁を割いたものがございまして…あれも蟻を使って時間を掛けて苦しめるものでしたが、ご存じでございましょうや」
「ええ…あれ、有名なのですよ…世界の残酷処刑を競わせますと、必ず上位10位には入りますね」
何やらジョアン陛下は変な方面の知識をお持ちでもあるようですが…。
「刑法を考えておる際に、リスボンの図書館に尋ねますると司書が書物蔵から出してきおったものに書かれていたのですよ。まぁ…余であれば残忍な処刑よりも公正を期す方を考えますな。でなければそうそう人は従いますまいて」
どうやら、海洋国家でもあったポルトガルでは民衆の支持を得る政策を重視していたようですね。
「海に出ねば我が国は民を養っては行けませぬ。エンリケ君には悪いのだが…本当ならばエンリケの名も我が国の王に名付けたかったのだよ…」
そう、エンリケ航海王子という方、実はスペインではなくポルトガルの王族の方だったんですよ…。
「貴君の名を付けるに当たり、スペインは我等に対し恫喝を仕掛けて来たという事もあってな。だが、貴君の心根を見せて貰ったが、痴女皇国傘下となったからには貴君にも行く行くは我が国の海運について関わって頂く事もあろう。我が子アフォンソと仲良くして頂ければ更に重畳であるが…」
あ、ここで少しご注意をば。
闇堕ちマリアのお話の中でイザベルさんとサミラさんが企てていた、ジョアン4世陛下のお子様をとりかえばやしてしまう陰毛、いえ陰謀には介入させて頂きました。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/193/
あの時に出来た受精卵子は全て回収しております。
従って、王様のお子様はかつて障害者だったアフォンソ様ただ1人の状態に戻しております。
全く、いくら何でもちょっとこれはかわいそうな仕打ちですよっ。
で、クァンタムリンクでスクルド先生に相談しまして。
(しばくわよマリアヴェッラ…何で私が人風情の諜報機関の指揮を執るハメになってんのよ! knulla!)
何やらお取り込み中の様子ですが、こういう事を気にしていてはスクルド先生とお突き合い、いえお付き合いはできません。
情け容赦なくこちらの聞きたい尋ねたい用件を伝えるに限るのです。
(っとにもうっ。で何、王の子を産ませるにあたって運命を操作したい? …Dum! Sömn prata i sömnen!)
おばちゃん、イタリア語とまでは言いません。せめて英語にして。
(寝言ってのは寝てから言って欲しい訳よ…まぁいいわ、アトロポスからも頼まれてるし、コツだけ教えてあげます。そこの王様を男に戻す前に子作りさせなさい。以上)
ええええー、それは、良くて女の子か悪ければ偽女種の子が生まれてしまうではないですか。
それを避けて男の娘、いえ男の子を産ませたいんですよ?
(あんたらなら男性に戻せるやろがいっ。それに、私が何でそんな事言い出したか理解してないわよね…痴女種の女と子作りした場合、その子供は普通の人間と同じ運命決定結果を出せると思う?)
…あ、確か前に言っておられましたね…女官になると必ずしも運命の縛りに強く影響されにくくなるって…。
あと、スクルド先生。
うちの母と日常生活で接してる事が多いせいかも知れませんけどね、聖院第二公用語に関西弁なまりが出ていますよ。
(しゃあないのよ…何やのん、あの強烈な汚染力のある方言は…)
全く、神様すら汚染する関西弁の威力には戦慄するしかありません。
しかも、スクルド先生は関西弁どころか日本語とは全く言語体系が違うエリア担当だった神様です。
(あのキーボードってのでさ、普段使う文字を出すだけでも大変なんよ? わかるや…わかるでしょ?)
逆にイタリア語で使わんキー、4つほどあるんですけどというのはともかくですね。
あの強力な駄洒落への欲求に駆られる駄洒落菌原種ですら、関西弁を上回るウザさの駄洒落連発に至らせるのは困難な気もします。
しかし、偽女種のままで王妃様を孕ませて大丈夫なのか。
こちらとしては、未来の尻出帝国王たるペドロという男の子を産ませなさいというご託宣を頂いておりますので。
ですから、ラケシスさんアトロポスさんクロトさんのご託宣にも関わったというスクルド先生を相談役として、あたしが色々聞くのは正しい行為なのですっ。
それとですねぇ。
今、この場にいるマナウスの集落の主な住民…女戦士と首狩族の皆様とある程度の意思疎通を交わせるようにした結果。
やはり、雨季で居住地が水浸しになってしまうことや、伝染病に危険生物といった人間の存在を脅かす諸々、更には食物の保存性が季節に影響されてしまうことなどが読み取れます。
ただし…あたしたちは決して徒手空拳ではありません。
痴女種能力以前に、類似の場所で千年以上聖娼神殿を経営してきた実績と知識、経験があたしたち痴女皇国の武器なのです。
そう…アマゾン川流域の年間降雨量は時代によって変わりますが、この時代では小氷河期に突入しておりませんので、皆さんのお住まいの地球同様、年間2,300mm程度は降ります。
で、日本の平均降水量は1,600~1,700mm程度ですが、南北東西にそれなりの長さで展開する日本列島ですから、実は都道府県によって大きな差があったりするんですよ。
https://twitter.com/725578cc/status/1648992275266154497?s=20
(高知県と長野県で全然違いますね…)
(鹿児島って絶対に屋久島が数字引き上げてると思うわよ…あそこの降雨量値だけ拾ったら痴女島、つまりボルネオと変わりないからね…)
で、年間降水量8,000mmにもなる屋久島の値は突き抜け過ぎとしても、かなりの場所でそれに近い降水量を記録するのが我が痴女島。
連邦世界のボルネオ島同様か、それ以上の年間平均降水量4,000mmを安定して記録しています。
つまり…痴女皇国はアマゾン以上の雨大国なのです。
ただ、アマゾン川流域ならではの特殊事情があることは忘れてはならないでしょう。
アマゾン川はアンデス山脈の東…ペルー側を主な水源地としています。
で、連邦世界ではペルーの領土になっているイキトスまで3~4,000トン級、そしてこのマナウスまでですと外航航路にも使える1万トン級の船舶が黙って入って来れるほどの川幅と水深があるのですが…普通ならば直線距離でも三千キロ近い距離があれば、アンデス山脈があるのですからそれなりの高低差が存在するでしょう。
ところが…アマゾン川はその流域の大半が、河口のベレンからの高低差が80~90メートルなのです。
ですから、直線距離でも3,000キロはある距離を考えると真っ平らとすら言える大平原たるアマゾン平野を流れるアマゾン川は、その長い歴史の中で蛇行に蛇行を重ね、流路を変えながら流域に大密林を育てて来たのです。
これ、屋久島や痴女島とは雨の降り先の条件が変わってしまうのですよ。
屋久島と痴女島は共に、その島の大きさからすると少々高めの島を有しておりまして、この山の存在が桁外れの降雨量を生み出しています。
しかし、アマゾンはどうなのか。
その広大な密林は、大地に降った雨の水分の直接蒸発を防いでいます。
で、樹木の葉から発散される蒸気はアンデス山脈に当たって雨雲を発生させて上流域に降雨をもたらすのです。
いわば、広大な密林が海のように機能して水蒸気を大気に供給している状態です。
で、その樹木の保水能力に加えて、生い茂る草木は太陽光線をさえぎる効果も発揮します。
そう…アマゾンの密林は、その樹下にじめじめと湿った大地の湿気を保持する作用ももたらしているのですよ。
加えて、雨季に来る洪水の氾濫がなければ屋久島や痴女島と同様に、大地の栄養を根こそぎ流されることはありませんし、だいいち多くの土地では洪水によって沿岸の草木が新たに「補充」されて新たな腐葉土層を形成してしまうのです。
そう…この腐葉土層、ひいては樹木を過剰に伐採することは流域の砂漠化を招き、環境破壊を引き起こしかねません。
伐採だけならまだしも、洪水を防ぎ堤防を作るなどすれば、それは堤防の向こうに水を供給する経路をなかば断つも同じとなります。
まさに、人の都合だけで開発を進めれば何百年か後には別の環境被害が発生して泣く事になる事例の一つでしょう。
こうした事を雅美さんは訴え、アマゾンの密林を切り開くのも程度問題であると教えているのです。
そして、聴衆たる現地住民の方々も「畑を作るとかいう事をするならば平原を目指すべきではないか」という方向に心を動かしています。
それに、雅美さんが見せた…この方々からすれば未来のブラジルの映像は、ある意味では希望に映りました。
なぜならば、機械によって開発を進められた広大な畑の姿は「人が自然を克服した証拠」として彼ら彼女らに見えたのです。
(もちろん、地面を耕す巨獣や空から肥料なり薬を撒く鳥は人の作った機械だっていうことを理解させているわよ…。あたしたちが乗って来た飛行機も、敢えて近寄らせて見せていたでしょ?)
あとですね、あたしたちは強力な開発用の手段を持っています。
それは、植物の成長を通常の10倍から100倍にも引き上げる液体肥料剤…そう、チンポネックスです。
窒素肥料などの使い分けや連作障害防止措置など、めんどくさい事を抜きにして三毛作四毛作を実現する驚異の肥料が、あたしたちの手にあります。
比丘尼国でもこのチンポネックスは威力を発揮していまして、禿山にしても一年かからずに元の森林を取り戻す成果すら観測されています。
(NBにも持ち込まれてとってな…地球型の自然環境を完全に再現できてないところに集中投入されてるんや…あれほんまにバケモンみたいな効き目あるで…うちもスケアクロウで撒く作業、選挙アピールのためにもやってて広報映像撮ってもろてるけどな)
ふむふむ。ジーナかーさまの方でも早速、チンポネックスを活用して豊かな自然資源の創出を手掛けられているようです。
「つまり、この液体肥料…薬を使えば、何も森なら森、平野なら平野の全てを焼いたり刈り取って地面を掘り起こして畑にしなくてもいいのです」と、緑色のちんぽ型容器を手にしながら力説する雅美さんですが。
(べらこへいか…おんなせんしの皆様や、おとこのひとたちはふむふむとうなずくだけですんでおりますが…)
(あの容器はpênisそのものですからなぁ)
(確かに、ポーリャそのもの。目ざとい者ですと効果を疑う危険が)
(僕やカルロ、エンリケは灸場のような場所であのシンポネッス…肥料の威力を知っていますから、とてもありがたい贈り物に見えるのですけど…)
(根を残して刈り取っている意味がわかりました。根だけ残せば、あのポーリャから出る汁を撒いて数日で膝の高さにまで砂糖きびが再び育ってくるからなのですね…)
ええ、痴女皇国関係者は皆が皆、あの容器さえなければという思いに満ち満ちていました。
ですから、チンポネックスという名称とですね、それからあの卑猥なボトルをなんとかしましょうよ、ねーさん!
------------
マリア「商標登録したんだけど」
べらこ(無言ではりせんを振るう)
マリア「いてぇんだよ…」
べらこ「あたしのはりせんムチ、元々はアレーゼおばさまの持ち物であることをお忘れなく」
あると「で、おんな戦士の長からもうしでが。このあとにティアラちゃんたちといっしょに、そのありさんがいるへいげんを見たいそうです。もしよければと」
じょあん「正直、わしもその場所を見たくはあるが、本国の事も気になりましてな…」
るいさ「あなた。そのかんぽの野原とか申す場所、是が非にも見せて頂くべきですわ…」
まさみ(保養所を作るには不適切な場所という気もするけど…)
べらこ(野生動物を見れる自然公園にホテルで良いのでは)
マリア(サファリパーク風味に出来そうな土地はうちで抑えておいてくれよ…)
まさみ(労働者保険加入で使える保養の里にするのね…)
ぼんばる「幸いにも国内の混乱は収まりつつあります。ルイサ妃殿下の痴女皇国ポルトガル支部長就任と、ポルトガル聖母教会に属する雄鶏騎士団結成も吉報となりましょう。陛下は存分に尻出の地を視察頂ければ」
じょあん「いつの間にそんな話が…」
マリア(ジョアン陛下…痴女皇国は敵対国の制度をぶっ壊すのも早いんだけど、手を貸すと決めたら手出しも早いんだよ…)
じょあん(いや、お助け自体は良き事ながら、王たる余に話もなくですな)
るいさ(要らぬ気遣いは不要ですわよ。さぁ、頑張って新たな王都の場を探すのです…)
じょあん(わしの居場所のなさに嘔吐しそうで)
べらこ(なんかジョアン4世陛下に男としての自信を取り戻させる必要が生じた気もします)
あると(ではあたくしがいっぱつ、おめこを)
他全員(別のことで王様として扱ってあげようよ!)
連邦世界のアマゾン川で撮影されたポロロッカのサーフィン映像に見入る皆様方。
ええ、全力であの大きな河一杯に広がる波に乗っている人、多数。
そして画面は、満潮時の川辺…氾濫原と呼ばれているそうですが、所々に林が広がる緑豊かな草原が溢れた水にみるみる覆い尽くされていく様子を映し出しています。
「このバルゼアはアマゾン川上流から運ばれて来た有機堆積物が木や草に引っかかってそこに沈澱するため、水が引けば農作物を栽培する畑…そして、人が利用する木を得るための林として有用です。しかし、一旦雨季に入りアマゾン川が満水状態になれば、見ての通りに大湿原と化してしまうのです」
画面にビームポインタを当てながら解説するのは田中雅美・痴女皇国内務局長。
初訪問の翌日たる本日、今度はアークロイヤルからVTOL輸送機を出して頂いてマナウスの女戦士族の集落にお邪魔しております。
そして、昨日のあの後、あたしだけでは説明困難だと思っていたところ、しゃーないわねーとアークロイヤルの艦内に雅美さんが転送されて来ました。
そして、痴女島とマナウスの時差が12時間あるのを利用して、向こうでは夜9時頃の時間にこっちに来れるので、娘さんたち二人…現・黒薔薇騎士団長のペルセポネーゼちゃんと現・女官長のアフロディーネちゃんも来てくれ…三人ともアロハシャツにマイクロビキニとか何考えてんですか。
「だってブラジルだって聞いたからさ…まぁマナウスでもこの格好で充分に過ごせるわよっ」
「私も泥だらけのウクライナ大公国の地で参ったのです…ですがここも泥水あががががが」
「ペルセポネーゼ…どうやらこの茶色の水が森が栄える源を運んでいるようだから、間違っても清めるとか言っちゃダメよ…」
ええ、アマゾン川の水、よほど上流に遡らない限りはその支流を含めて「何らかの色がついているのがプレデフィニート」なのです。
そして、続いて茶筒ラップトップと連動させた大型フローティング投影スクリーンに出したブラジルの地形図を見せて行く雅美さん。
<i733831|38087>
「私たちが今、いるのはこのマナウスです。そして、ポルトガルの皆さんの入植計画についての相談の集まりという事で解説をさせて頂いておりますが、皆さんのお考えではこの密林を切り開いての入植がご希望のようですね。しかし…」
で、アマゾン川流域の広大な密林の役目についてのお話ですが。
・この潮の満ち引きは地球そのものの動きと連動しているため、いじることは出来ない。
・川幅が広大すぎてダムなどで逆流水を阻止するのは難しい
・逆に堰き止めてしまうと将来の船運ができなくなる
。この森全てを人のために使うのは大気中の酸素含有量からもよろしくはない
などなど、うかつに切り開くことのデメリットの説明をしておられます。
「で、私たちが元いた地球でのブラジルの開発状況ですが、実は…私が生まれた日本という国が協力して、大規模な開墾事業の末に、大豆畑を中心とした一大農場を作る事に成功した場所があるのです」
で、ここで写し出されるのが、草原を利用した牧場の中を牛に混じって堂々と歩く、毛深い尻尾で特徴的な長い顔の哺乳類です。
ええ、アリクイという生き物ですね。土の塔のような蟻の巣を軽く壊して口を突っ込んでいます。
で、アリクイが何かを察して逃げると、その先には、ところどころに赤茶色の土が見える地面を覆い尽くすような勢いで集団で前進してくるアリの群れが…。
「巣を作るアリを襲うアリもいます。この赤いアリは軍隊アリと呼ばれていて、極めて強い獣である豹でもこのアリの集団をうかつに踏まないように避けて通っています」
(本当の軍隊アリの生態は夜行性なんだけどね、現地にアルトくんが行ってるでしょ。で、アリさんの群れに精気を渡して演技してもらってんのよ)
そんなこと出来るんですか。
そして、痴女種ならではの「本物の野生動物に出演して頂いている」ヤラセ映像なのでしょうか、樹上に目を移せばくだんの豹が眠そうにしています。
更には、川沿いにのしのしと歩くワニや、色とりどりのインコなどの鳥たちも映されます。
「このように、多彩な野生動物の住む大草原が、今このマナウスから更に南東の方角に存在するのですが…」
そして、画面はさっきのアリクイが壊していたアリの巣の辺りに戻ります。
「問題は、この赤茶色の土にあります。この土でトウモロコシや麦を育てようとしても育たないか、食用に向かない長さや大きさにしか育たないのです。大きくなってくれない訳ですね」
流石に真面目な解説をしているのか、普段の雅美さんなら絶対に言いそうな卑猥な脱線はありませんでした。
(ベラちゃん…とうもろこしを突っ込むわよ…あ、ゆっきー、ブラジル国営試験農場の赤土の畑を見せてあげて)
なるほど…カメラが妙にいい動きだったのは、宇賀神雪子さんが現地で撮影しているからなのですね。
「で、私たちの世界では、このように大きく広がる畑を作るのに成功しています。ただ…他の国に売るためにも作っているので、広大な面積を開発しすぎて自然破壊が問題になっています。不思議に思うかも知れませんが、こうした豆やトウモロコシといった食べられる草を作るためには森や林や草原をある程度は残しておく必要があるのです。全てを畑にすると、いずれは困ったことになるのです…ですが、この大きな草原を…そうですね、仮に1/3を牧場といってお肉や乳を取れる生き物を飼うための場所にしたり、あるいは畑にしても十分に元からこの尻出の地にいる人はもちろん、ポルトガルから移った人たちが食べるには困らないどころか、よそに売って代わりのものをもらうだけの作物が取れるのです」
画面はゆっきーが撮っていたとおぼしきカメラから切り替わり、お乳を絞られる牛さんや、更にはブラジルの街中なのでしょうか、お肉屋さんや…ブラジル特有の串焼きお肉料理を出している映像へと切り替わって行きます。
更にはドローンか何かで空撮されたらしい、彼方まで延々と広がる畑の光景が。
煙を上げて動くトラクターの姿や、空中から農薬らしきを撒いている小型飛行機の姿も、ところどころに見ることができます。
(ゆっきー、アフロディーネ、ペルセポネーゼ、撮影ありがとう。戻って来ていいわよ)
なるほど、娘さんたちが来ていたのは連邦世界のブラジルに行って撮影するためだったのですか。
(そればかりじゃないけどね…まぁともかく、広報部のお仕事でもあるし…あと、内親王殿下のツテで日伯協会を通じて取材に協力してもらったのよ…お金だけじゃなくてコネや伝手も必要な国だから、日系人の築いた信用とネットワークを使わせてもらったのよ…)
なるほど、ブラジルに移民した日本人の皆様の現地団体のご協力を頂いたわけですね。
そして、見せられた大豆畑は先程の映像撮影にも協力頂いたという、日系移民の地元団体の紹介や協力もあって日本とブラジルの共同事業で開墾されたというお話をされる雅美さん。
「ジョアン4世陛下には申し訳ないのですが、実はこの開拓は完全な成功でもないのです。この広大な平原の半分にも上る面積を開拓した結果、自然破壊が問題となったのです。確かにこの赤い土地は育つ植物を非常に選びますので、結果的に人間には有用でない生物ばかりがこのブラジル高原に蔓延していたのです」
「あの巨大な獅子にも見えるまだら模様の猫、あれですら避けるという蟻の群れがおりましたな。あれはよもや、毒持ちで」
「そうです。1匹1匹の毒の量は少ないものの、何万匹ものアリが襲って噛めば大きな生き物にも有効なだけの毒を与える事が出来ますから」
「Señora Tanaka. そう言えば昔の書物にですな、猫絨毯国の凌遅刑について頁を割いたものがございまして…あれも蟻を使って時間を掛けて苦しめるものでしたが、ご存じでございましょうや」
「ええ…あれ、有名なのですよ…世界の残酷処刑を競わせますと、必ず上位10位には入りますね」
何やらジョアン陛下は変な方面の知識をお持ちでもあるようですが…。
「刑法を考えておる際に、リスボンの図書館に尋ねますると司書が書物蔵から出してきおったものに書かれていたのですよ。まぁ…余であれば残忍な処刑よりも公正を期す方を考えますな。でなければそうそう人は従いますまいて」
どうやら、海洋国家でもあったポルトガルでは民衆の支持を得る政策を重視していたようですね。
「海に出ねば我が国は民を養っては行けませぬ。エンリケ君には悪いのだが…本当ならばエンリケの名も我が国の王に名付けたかったのだよ…」
そう、エンリケ航海王子という方、実はスペインではなくポルトガルの王族の方だったんですよ…。
「貴君の名を付けるに当たり、スペインは我等に対し恫喝を仕掛けて来たという事もあってな。だが、貴君の心根を見せて貰ったが、痴女皇国傘下となったからには貴君にも行く行くは我が国の海運について関わって頂く事もあろう。我が子アフォンソと仲良くして頂ければ更に重畳であるが…」
あ、ここで少しご注意をば。
闇堕ちマリアのお話の中でイザベルさんとサミラさんが企てていた、ジョアン4世陛下のお子様をとりかえばやしてしまう陰毛、いえ陰謀には介入させて頂きました。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/193/
あの時に出来た受精卵子は全て回収しております。
従って、王様のお子様はかつて障害者だったアフォンソ様ただ1人の状態に戻しております。
全く、いくら何でもちょっとこれはかわいそうな仕打ちですよっ。
で、クァンタムリンクでスクルド先生に相談しまして。
(しばくわよマリアヴェッラ…何で私が人風情の諜報機関の指揮を執るハメになってんのよ! knulla!)
何やらお取り込み中の様子ですが、こういう事を気にしていてはスクルド先生とお突き合い、いえお付き合いはできません。
情け容赦なくこちらの聞きたい尋ねたい用件を伝えるに限るのです。
(っとにもうっ。で何、王の子を産ませるにあたって運命を操作したい? …Dum! Sömn prata i sömnen!)
おばちゃん、イタリア語とまでは言いません。せめて英語にして。
(寝言ってのは寝てから言って欲しい訳よ…まぁいいわ、アトロポスからも頼まれてるし、コツだけ教えてあげます。そこの王様を男に戻す前に子作りさせなさい。以上)
ええええー、それは、良くて女の子か悪ければ偽女種の子が生まれてしまうではないですか。
それを避けて男の娘、いえ男の子を産ませたいんですよ?
(あんたらなら男性に戻せるやろがいっ。それに、私が何でそんな事言い出したか理解してないわよね…痴女種の女と子作りした場合、その子供は普通の人間と同じ運命決定結果を出せると思う?)
…あ、確か前に言っておられましたね…女官になると必ずしも運命の縛りに強く影響されにくくなるって…。
あと、スクルド先生。
うちの母と日常生活で接してる事が多いせいかも知れませんけどね、聖院第二公用語に関西弁なまりが出ていますよ。
(しゃあないのよ…何やのん、あの強烈な汚染力のある方言は…)
全く、神様すら汚染する関西弁の威力には戦慄するしかありません。
しかも、スクルド先生は関西弁どころか日本語とは全く言語体系が違うエリア担当だった神様です。
(あのキーボードってのでさ、普段使う文字を出すだけでも大変なんよ? わかるや…わかるでしょ?)
逆にイタリア語で使わんキー、4つほどあるんですけどというのはともかくですね。
あの強力な駄洒落への欲求に駆られる駄洒落菌原種ですら、関西弁を上回るウザさの駄洒落連発に至らせるのは困難な気もします。
しかし、偽女種のままで王妃様を孕ませて大丈夫なのか。
こちらとしては、未来の尻出帝国王たるペドロという男の子を産ませなさいというご託宣を頂いておりますので。
ですから、ラケシスさんアトロポスさんクロトさんのご託宣にも関わったというスクルド先生を相談役として、あたしが色々聞くのは正しい行為なのですっ。
それとですねぇ。
今、この場にいるマナウスの集落の主な住民…女戦士と首狩族の皆様とある程度の意思疎通を交わせるようにした結果。
やはり、雨季で居住地が水浸しになってしまうことや、伝染病に危険生物といった人間の存在を脅かす諸々、更には食物の保存性が季節に影響されてしまうことなどが読み取れます。
ただし…あたしたちは決して徒手空拳ではありません。
痴女種能力以前に、類似の場所で千年以上聖娼神殿を経営してきた実績と知識、経験があたしたち痴女皇国の武器なのです。
そう…アマゾン川流域の年間降雨量は時代によって変わりますが、この時代では小氷河期に突入しておりませんので、皆さんのお住まいの地球同様、年間2,300mm程度は降ります。
で、日本の平均降水量は1,600~1,700mm程度ですが、南北東西にそれなりの長さで展開する日本列島ですから、実は都道府県によって大きな差があったりするんですよ。
https://twitter.com/725578cc/status/1648992275266154497?s=20
(高知県と長野県で全然違いますね…)
(鹿児島って絶対に屋久島が数字引き上げてると思うわよ…あそこの降雨量値だけ拾ったら痴女島、つまりボルネオと変わりないからね…)
で、年間降水量8,000mmにもなる屋久島の値は突き抜け過ぎとしても、かなりの場所でそれに近い降水量を記録するのが我が痴女島。
連邦世界のボルネオ島同様か、それ以上の年間平均降水量4,000mmを安定して記録しています。
つまり…痴女皇国はアマゾン以上の雨大国なのです。
ただ、アマゾン川流域ならではの特殊事情があることは忘れてはならないでしょう。
アマゾン川はアンデス山脈の東…ペルー側を主な水源地としています。
で、連邦世界ではペルーの領土になっているイキトスまで3~4,000トン級、そしてこのマナウスまでですと外航航路にも使える1万トン級の船舶が黙って入って来れるほどの川幅と水深があるのですが…普通ならば直線距離でも三千キロ近い距離があれば、アンデス山脈があるのですからそれなりの高低差が存在するでしょう。
ところが…アマゾン川はその流域の大半が、河口のベレンからの高低差が80~90メートルなのです。
ですから、直線距離でも3,000キロはある距離を考えると真っ平らとすら言える大平原たるアマゾン平野を流れるアマゾン川は、その長い歴史の中で蛇行に蛇行を重ね、流路を変えながら流域に大密林を育てて来たのです。
これ、屋久島や痴女島とは雨の降り先の条件が変わってしまうのですよ。
屋久島と痴女島は共に、その島の大きさからすると少々高めの島を有しておりまして、この山の存在が桁外れの降雨量を生み出しています。
しかし、アマゾンはどうなのか。
その広大な密林は、大地に降った雨の水分の直接蒸発を防いでいます。
で、樹木の葉から発散される蒸気はアンデス山脈に当たって雨雲を発生させて上流域に降雨をもたらすのです。
いわば、広大な密林が海のように機能して水蒸気を大気に供給している状態です。
で、その樹木の保水能力に加えて、生い茂る草木は太陽光線をさえぎる効果も発揮します。
そう…アマゾンの密林は、その樹下にじめじめと湿った大地の湿気を保持する作用ももたらしているのですよ。
加えて、雨季に来る洪水の氾濫がなければ屋久島や痴女島と同様に、大地の栄養を根こそぎ流されることはありませんし、だいいち多くの土地では洪水によって沿岸の草木が新たに「補充」されて新たな腐葉土層を形成してしまうのです。
そう…この腐葉土層、ひいては樹木を過剰に伐採することは流域の砂漠化を招き、環境破壊を引き起こしかねません。
伐採だけならまだしも、洪水を防ぎ堤防を作るなどすれば、それは堤防の向こうに水を供給する経路をなかば断つも同じとなります。
まさに、人の都合だけで開発を進めれば何百年か後には別の環境被害が発生して泣く事になる事例の一つでしょう。
こうした事を雅美さんは訴え、アマゾンの密林を切り開くのも程度問題であると教えているのです。
そして、聴衆たる現地住民の方々も「畑を作るとかいう事をするならば平原を目指すべきではないか」という方向に心を動かしています。
それに、雅美さんが見せた…この方々からすれば未来のブラジルの映像は、ある意味では希望に映りました。
なぜならば、機械によって開発を進められた広大な畑の姿は「人が自然を克服した証拠」として彼ら彼女らに見えたのです。
(もちろん、地面を耕す巨獣や空から肥料なり薬を撒く鳥は人の作った機械だっていうことを理解させているわよ…。あたしたちが乗って来た飛行機も、敢えて近寄らせて見せていたでしょ?)
あとですね、あたしたちは強力な開発用の手段を持っています。
それは、植物の成長を通常の10倍から100倍にも引き上げる液体肥料剤…そう、チンポネックスです。
窒素肥料などの使い分けや連作障害防止措置など、めんどくさい事を抜きにして三毛作四毛作を実現する驚異の肥料が、あたしたちの手にあります。
比丘尼国でもこのチンポネックスは威力を発揮していまして、禿山にしても一年かからずに元の森林を取り戻す成果すら観測されています。
(NBにも持ち込まれてとってな…地球型の自然環境を完全に再現できてないところに集中投入されてるんや…あれほんまにバケモンみたいな効き目あるで…うちもスケアクロウで撒く作業、選挙アピールのためにもやってて広報映像撮ってもろてるけどな)
ふむふむ。ジーナかーさまの方でも早速、チンポネックスを活用して豊かな自然資源の創出を手掛けられているようです。
「つまり、この液体肥料…薬を使えば、何も森なら森、平野なら平野の全てを焼いたり刈り取って地面を掘り起こして畑にしなくてもいいのです」と、緑色のちんぽ型容器を手にしながら力説する雅美さんですが。
(べらこへいか…おんなせんしの皆様や、おとこのひとたちはふむふむとうなずくだけですんでおりますが…)
(あの容器はpênisそのものですからなぁ)
(確かに、ポーリャそのもの。目ざとい者ですと効果を疑う危険が)
(僕やカルロ、エンリケは灸場のような場所であのシンポネッス…肥料の威力を知っていますから、とてもありがたい贈り物に見えるのですけど…)
(根を残して刈り取っている意味がわかりました。根だけ残せば、あのポーリャから出る汁を撒いて数日で膝の高さにまで砂糖きびが再び育ってくるからなのですね…)
ええ、痴女皇国関係者は皆が皆、あの容器さえなければという思いに満ち満ちていました。
ですから、チンポネックスという名称とですね、それからあの卑猥なボトルをなんとかしましょうよ、ねーさん!
------------
マリア「商標登録したんだけど」
べらこ(無言ではりせんを振るう)
マリア「いてぇんだよ…」
べらこ「あたしのはりせんムチ、元々はアレーゼおばさまの持ち物であることをお忘れなく」
あると「で、おんな戦士の長からもうしでが。このあとにティアラちゃんたちといっしょに、そのありさんがいるへいげんを見たいそうです。もしよければと」
じょあん「正直、わしもその場所を見たくはあるが、本国の事も気になりましてな…」
るいさ「あなた。そのかんぽの野原とか申す場所、是が非にも見せて頂くべきですわ…」
まさみ(保養所を作るには不適切な場所という気もするけど…)
べらこ(野生動物を見れる自然公園にホテルで良いのでは)
マリア(サファリパーク風味に出来そうな土地はうちで抑えておいてくれよ…)
まさみ(労働者保険加入で使える保養の里にするのね…)
ぼんばる「幸いにも国内の混乱は収まりつつあります。ルイサ妃殿下の痴女皇国ポルトガル支部長就任と、ポルトガル聖母教会に属する雄鶏騎士団結成も吉報となりましょう。陛下は存分に尻出の地を視察頂ければ」
じょあん「いつの間にそんな話が…」
マリア(ジョアン陛下…痴女皇国は敵対国の制度をぶっ壊すのも早いんだけど、手を貸すと決めたら手出しも早いんだよ…)
じょあん(いや、お助け自体は良き事ながら、王たる余に話もなくですな)
るいさ(要らぬ気遣いは不要ですわよ。さぁ、頑張って新たな王都の場を探すのです…)
じょあん(わしの居場所のなさに嘔吐しそうで)
べらこ(なんかジョアン4世陛下に男としての自信を取り戻させる必要が生じた気もします)
あると(ではあたくしがいっぱつ、おめこを)
他全員(別のことで王様として扱ってあげようよ!)
0
お気に入りに追加
26
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる