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女戦士大地に立つ・4.0
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「確かに、その提案には一考の余地あり。ですが…マリアリーゼ陛下、余もこの身体となって分かるのですが、疲れにくくはなりましたものの身体自体の力は元々の男の身より少しく劣る様子。更にはこのなりで、果たして女戦士とやらが恐れてくれるものやら」
なるほど。
右隣のポルトガル国王・ジョアン4世陛下のお身体は今、股間のクロッチ部をずらせば出てくるちんぽ…まずまずご立派そうなものを除けば、女性と変わりません。
それに、若返っておられます。
物腰や態度にはそれなりに貴人王族の気風を感じるものがありますが、果たして血の気が多い女戦士たちにそれが通じるものなのか。
ええ、こうしてマナウス上空を飛行しながら地上の気配を探っておりますけど、聞き慣れない音を立てて飛ぶ「鳥」に時ならぬ騒ぎを見せているようなのですよ…女戦士と首狩り族の集落。
もっとも、この低空飛行は故意にやっています。
それに…低空と言っても、彼らの身体能力から木の槍なり弓矢なりで撃って来ても当たらなさそうな高度…対地高度650フィート程度を飛んでいます。メートル法換算だと200メートル程度、ちょうど聖院開闢記念大堤を飛び越せるか越せない程度の高さですね。
しかし、噂に聞く連邦世界の北センチネル族よりは知能が高いような気もします。
何故なら、無闇に矢を射かけるような行動が見られないからです。
(ちなみに痴女皇国世界での北センチネル族は鬼作戦の際にうちらが保護してるからな。純粋な古代人の遺伝子を持った貴重な存在として生きていてもらう必要があるんだわ)
なんか、姉がとっても重要な事を喋った気もしますが流しておきます。
しかし、この距離で当たる槍なりを投げないところを見ると、投槍器めいたものを持ってはいないようですね。
(敵意はないようです…。というかおばさま、この方々にポルトガル語を教えたんですか? 飛行機の事を鳥だって言ってますけど…)
(ああ、最低限度の意思疎通は可能なようにしておいた…何せ、主要な言語だけでも大まかに分けて3つくらいはあるのかな…部族間の意思疎通も困難な事があったからなぁ)
このアレーゼおばさまのお話、閃くものがありました。
確か、欧米の侵略がある前の南米、最大使用者が1千万人を超すケチュア語、そしてそれに続くアイマラ語やグアラニー語といった地域由来の言語が広まっていたようですが…同じケチュア語でもインカと他地域、いえ淫化帝国内でも完全な同一言語ではなく、例えて言うならば津軽弁と薩摩弁くらいは違っていたようなのです。
(更には文字だ。必ずしも使用言語と文字が一致している訳でもないのだよ…)
まぁ、我々痴女種なら心話を使うとか、あるいは強制的に相手の脳内に言語知識を叩き込むようにして学習させてしまえるのですけどねぇ。
ただ、眼下の女戦士族と首狩り族の皆様が、どんな文字を使っているのかと、その言語体系はどこが由来であるかで「文明や文化に影響を及ぼしている」民族や国家が割り出せます。
ええ…雅美さんが言っていた「鉄器が流入している」件、あたしには引っかかってるんですよ。
確かに連邦世界の埋蔵量には及ばないものの、ブラジルの主要な二大鉄鉱石鉱脈をはじめとして鉄が取れない土地ではないでしょう。
ですが、鉄鉱石があってもそれを精錬して鉄器にする技術があるかはまた、話が別です。
17~18世紀となりますが、日本の難破船の残骸、はるばる太平洋を越えて北米大陸に流れつき、積まれていた日本産の鉄器や日本刀から製鉄を考えついたなんて信じられないような話もあるくらい、連邦世界で鉄を利用していた歴史は…全世界で見ると浅いと言えば浅いのですよねぇ…。
これはあずさん…あたしの高校でのクラスメートで現在は分体を出して通学中、本体は通商局産業担当部長となった五百旗頭梓さんからの受け売り知識ですけど。
(日本のたたら製鉄も砂や燃料を浪費したことで起きた環境被害が結構洒落になってないのよ…製鉄には洋式であろうと和式であろうと、大量の燃料を消費するんだけどさ…日本ではそれを炭に求めたの。で、木炭製造のために木を刈りすぎてさ…江戸時代の各地での禿山化、決して江戸などで起きた大火事の復旧資材や増え続ける人口のための住居建材だけじゃなくて、農機具や包丁に鍋、あるいは釘などの生活用資材のための鉄の需要に応えて鍛冶屋さんたちが頑張ったせいもあるのよ…)
で、この、あずさんのお話ですけどね。
江戸時代の日本の主要都市…わけても実質的な都の江戸は世界的に見ても、実はかなりの高度文明都市だった訳ですよ。
そして、南米の淫化帝国、その江戸時代の日本に匹敵するのではないかとあたしは睨んでいます。
カミソリの刃すら入らないという高精度の石造建築をあんな山の中に作り上げたり、金を精錬したりするだけでもただものではないでしょう。
(マリアヴェッラ…サン=ジェルマンだけどさ…僕の知り合いが淫化に噛んでるかも知れないんだよね…南米で見つかっている宇宙船や飛行機らしい黄金細工の話は知ってるかな)
あらら。サン=ジェルマンさんが珍しくクァンタムリンクで繋いで来られました。
(なんか聞いたような記憶も。そもそも、明日輝や魔屋も連邦世界同様に、当時の地球の人類の水準を超えたなにがしかを残していたと聞いてますけど。ただ、あの辺の文字ってどうなんですか…ニオちゃんがいけにえ村で使ってたルーン文字の更に上をいく難解さですよっ。どうせ言語を与えるなら文字ももうちょっとまともなもんを与えておいてくださいよっ)
(無茶言わないでよ…だから僕の担当じゃなかったんだから…と言うかあの当時は…うん、担当したくても出来ない時期だったな)
はいはい。言い訳はともかく、今回はこちらに来るんですか。
なんかフランスで裏工作してるらしいのは聞いてますけど。
(淫化で君たちが揉めたら行くつもりだから。ただし…僕が行くとややこしい話になるから、出来れば君たちでカタをつけて欲しい。それと、今、君たちの眼下にいるインディオ…先住民族は困っている事があるから、それを解決してあげるなら話を聞いてくれると思うよ。ではまたっ)
あ…接続を切られました…。
全く、言うだけ言ってはいさよならとか何をしているんですか、あのおっさんは。
(お兄さんだお兄さん!)
どっちでもいいでしょ。それよりも、そんな事をしているヒマがあるなら手伝ってくださいよっ。
それに、この飛行機はあと…2時間は飛んでられますけど、なるべくならばさっさと交渉を済ませたいところです。
しかし、滑走路なんてもの、このマナウスにはまだ存在しません。
連邦世界では大都会と化していて、立派な国際空港や空軍基地に、軽飛行機の訓練飛行場と幾つもの滑走路が存在するマナウスですけど、痴女皇国世界の上にこの時代ですし。
では、どうするか。
アルトさん、出番でっせ。
あたしは操縦桿を引いてスロットルを開け、機首上げ角度30度くらいの結構な急上昇を決めます。
で。
放物線を描いて、宙返りする頂点手前でタイミングを図ってアルトさんに後ろのドアを開けてもらいます。
これなら飛行機が飛ぶ風圧でドアのヒンジが壊れたりする事はありませんし、だいいち、上ヒンジになっているDA62のドアのロックレバーを外せば、自重で下に落ちるようにして楽にカパッと開いてしまうのです。
で「へい、へいか。さいくはりゅうりゅうでございます」と、エンリケ君の座っている前の床に置かれたもの…四角いバックパックを持ち上げて見せるアルトさん。
で、狭い機内で器用に背負うと、あっという間にエンリケ君を掴んで、下向きに開いたドアを避けてスパッと飛び降りてしまいます。
ぎゃああああああとか心で叫ぶ少年の声は、聞こえなかったふりをしましょう。
そして、宙返りから機体を水平に戻すのをなるべくゆっくりと行ってそろっとドアが閉まるように機動したついでに、はりせんムチを使ってドアのロックレバーを無理からに閉めてしまいます。
で、宙返りしながら下の光景を見ると、アルトさんが背負ったバックパックから滑空翼が組み上げられ、地表に向かって降りていくのが見えます。
そう、毎度毎度ですが紫薔薇騎士団員が主に使っている、例の偵察用背負い式ハングライダーめいた滑空翼です。
これ、上級痴女種の重力低減能力を自動的に惹起するように出来ているらしいので痴女種以外は使えないそうですけど、ハングライダーやウルトラライトプレーンよりも遥かに小さな翼面積で滑空できるんですよ。
しかも、使い方を誤らなければヒマラヤ山脈すら飛び越えられるのは初登場の時にお話が出ていましたよね。
(むぅ、何という身体捌き…流石は陛下のお国の将軍様であらせられる)
(アルトさんをおだてると調子に乗りますからね…ほどほどにお願いしますよ…)
はい。
ジョアン4世陛下から見ても、紫薔薇や黒薔薇騎士団員そこのけに滑空翼を使うアルトさんの姿は驚異的に映ったと思いますが、あれは万卒以上ならあの程度には使えるものなのです…。
(しかし、果たして将軍様のお話に女戦士とやらが乗ってくれるものやら…)
(地上の状況はこちらでモニタしますから、危なそうなら増援を手配します)
ええ、アルトさんが暴れそうになった場合、アレーゼおばさまに回収してもらう手筈にしていますから…え?
(マリアヴェッラ。私も一応は地上に降りた。彼女たちの中に私を知っている者がいたので、私が行く方が話は早いだろう…)
あらら。
見れば、下流方向から「水面上を走る馬」に乗って来るおばさまの勇姿が下方監視カメラに捉えられています。
しかし、これこそ驚く話じゃないでしょうか。
いくらアマゾン川が大きく波しぶきを上げる川じゃないと言っても、川の上ですよ。
(マリアヴェッラも可能な事だぞ。それも、私とは違って、ふた通りの方法でな…)
(ああ、MIDIボディの装備でしょ…ただ、あれは普段は封印されてますから…)
まぁ、あたしがそれをちゃんと出来るかはともかく、以前お話した茸島での緊急出動ですけど、ああいう場合にこの、重力低減や慣性コントロールで封じ切れない衝撃を緩和したり、次のジャンプや駆け足に備えるために、走る場所として推奨されているのが水面だったりします。
しかし、水面上を時速200キロ以上の速さで駆け抜けるお馬さんを見ておりますと、何かこう、普通にあの水の上を歩けそうな気もしてくるから不思議なものです。
(普通の人間には無理、というか聖院湖で練習したら危険よ…あそこ、堤防からすぐ水深100m以上になってるじゃない…)
たのきちと理恵パイセンはまぁ、仕方ないです。
この二人にあまり騎士訓練のデフィシレなのをやらせると危険なのが分かっておりますので…というより、この二人には茸島はもちろんのこと、痴女島での智秋記念牧場への緊急出動訓練すら受けさせていません。
ただ、最低どちらかの訓練を受けた上で実施される試験で到着までの時間が10分を切らないと、騎士兼務職3級以上に上がれないんですよ…。
一方、アルトさんとエンリケ君はきれいに川沿いの砂浜になった辺りに着地。
粗末な丸木舟やいかだらしい船が引き上げられて置かれていたり、桟橋めいた作りのものがありますのでここからネグロ川に向かって出て行っているのは間違いないでしょう。
ただ…妙に気になる事がありますので、アルトさんには浜辺の木の幹をさりげなく観察しておいて欲しいとお願いしておきます。
そして同様の事はおばさまにも、依頼。
恐らく…原住民の方が悩んでいることもそれに関係してると思いましたので。
そして、おばさまが心話で呼びかけて頂いたのでしょう。アルトさんとエンリケ君の前に数人の女戦士らしきが現れます。
武器は…弓矢に槍に、そして棍棒や盾らしきを持った男たちが後ろに控えていますが、それなりに飾りを身につけた一際体格のいい女性を含めて、女戦士たちは武装をしていません。
ただ…詳細な事は分析してみないとわかりませんが、胸当て周りの皮革や布、どうもこの辺りで取れたものや加工したものでは無さそうです。
(マリアヴェッラ。彼らはイキトスから来る交易品として布や加工された皮を手に入れている。ただ、その代償に下流に住み着く権利を得ているようだ。支流の川砂をさらえているとも聞いたな…)
まさか、それは砂金を探しているのではないでしょうか。
連邦世界であればいまだに、泥や川砂を掬って砂金を選別して生計を立てている方々がおられるようですが…。
(どうも女戦士族に何かしらを渡しているのは純粋な淫化人ではなく、淫化の下僕めいたインディオたちのようだ。私が尻出国に滞在した時にニ、三度見かけたが、彼らは女戦士たちに交易品を渡すと船で川を下り、適度な場所を見つけては住み着いているらしい。何せ、いくらアマゾンの流れが緩やかと言っても、そう簡単に川を遡っては来れないからな…いや待て、川の遡行があったな…)
(おばさま…彼ら、ポロロッカを利用してアマゾンを遡っているんですか?)
姉が愕然とした感情の心話を流して来ました。
(満月や新月の時に潮の干満が最大になるだろ。ある程度の大きい川なら、その時に河口から海水が逆流してくるんだけど…アマゾンのは特に強烈で、最大波高5mくらいになるやつが来る。条件が揃えば、サンタレン…マナウスよりもう少し河口よりの街の辺りまで逆流してくるんだ)
(よし、彼らがどのように淫化の地に戻っているのかは定かではないと言う事にしておこう。下流の者たちに聞くか、あるいは淫化皇帝に直接尋ねれば済む事だ。なぜ、他者に実質的な施しをさせてまで民を川に向かわせるのかはそれで判明する。…お、アルトが贈り物を渡して使い方を教えているぞ)
とりあえず淫化の人々への疑問より、まずは女戦士族への対応でしょうか。
で、その対応ですが。
バックパックから取り出した…この改良型格納滑空翼の背負い箱、それなりに物が入るようになったようです…ナタのような山刀や包丁にのこぎりめいた刃物をいくつも取り出し、心話による知識流し込みも含めてこういう風に使い研ぎや拭き取りといったお手入れはこうこうこうしますよ、と教えておられます。
この、鉄製品の贈呈は女戦士はもちろん、後ろで見ている首狩族の男性も目を輝かせていますね。
更には、アルトさんはエンリケ君の従者を演じています。
そのエンリケ君の説明の要約はこうです。
自分達の縁者の国に男を女まがいにする偽女病なる病が広がり、人々を恐れおののかせている。
偽女病にかかった者は女の体力になってしまうことや、遥かこの先の山の向こうの淫化の地に人を救う何かがあるかも知れないため、あまり雨の降らないかの国から雨多く緑豊かなこの尻出の地を知る者が移民を企て始めているのだが、いきなり大人数で押しかけてもあなたがたのような先に住む者が困るであろう。
ついては、海を渡る船を持ち、こうした場所の探検の経験がある者たちの助けを借りて僕を使者として派遣することになりました。僕のような子供でもこの地から安全に帰ることが出来るのならば移民先の見込みあり。
更には、子供の僕が選ばれたのは決してこの地を襲って土地や物や人を奪うためではなく、平和に移り住み、できるものならば共に暮らせないかを提案するためです。
そして、従者が持ってきた鉄というもので出来た器具を作る技術、彼らは持っています。彼らの力を借りられるならば、この川で漁をする船どころか、往来が出来る大船も作ることが出来ますよと、聖環の画像や映像も見せながら女戦士の皆さん…そして首狩族の皆さんを話に引き込んでいます。
そこに、馬を従えたアレーゼおばさまが現れます。
「その者達の話は本当なのをこのアレーゼが保証しよう。アマゾナスたちよ、久しぶりだな」
見れば、その女戦士の族長はおばさまに駆け寄り、抱き合っておられます。
(おお我が恩者、お久しうございます。お元気そうで何より)
どうも、おばさまはこの女戦士達に対して、かなり恩に着るような事をなさっておられたようですね。
「うむ。そなたたちにまだ、名前がないのは知っておるが、そうした事の不便も含めて、この子供を使いに出した者達はそなたたちの暮らしをより良くする手立てを知っておるのは私も知るところだ。そなたらのこれまでの暮らしや、築き培って来た生きる術も大切だとは思うが、新しい生き方や暮らし方を学ぶ良い機会でもあろう」
その場にいる原住民の皆様の感情からしても、おばさまの声と…そして心話には頷けるものがあるようで賛同の意を表すもの、多数。
これはいい感じですね。
(マリアヴェッラ陛下…将軍様やアレーゼ様を介してそちら様の読心の力が多少なりともこの余にも使えるようなのですが、やつばら女戦士たち…そして男どもが素直なのは、何も将軍様やアレーゼ様がお強い方であったり、あるいは贈った刃物の価値に喜ぶばかりでもないようですな…彼らは彼らで、いわば国難に等しい出来事にかねてから悩んでおる様子。やつめらの悩みを聞き出す訳には参りませぬでしょうか)
右隣のジョアン4世陛下がこちらを見て申されます。
で、おばさまやアルトさん、エンリケ君にそのことを伝えますと。
「おんな戦士のみなさま、そして殿がた。みなさまは何かおなやみの事はございませんか。どうやらみなさまは、今おわたししたどうぐを作り、そして大きなおふねや人の乗るとりに、がんじょうなたてものを作る…まだこの地をふんでいない、ひっこしをのぞまれている方々になにかおねがいしたいことがあるようす」
「アレーゼ様とお知り合いであれば、何かしらのお悩みをここでお話になれば聞いていただけるかも知れません。もしよろしければ…」
で、つたない言葉と地面に描いた図や身振り手振りで彼らが申すには。
(やはりか…まずは大海嘯の影響と、乾季と雨季の差だ。かなり内陸に移り住まないと、大雨が降ったり遡る川の水で住まいが水浸しになったり、仮に蓄えたものがあっても流されるようだな。内陸に住むと豹や大蛇など危険な獣が住む上に、毒を持つ何がしかに脅かされるのでこれはこれで困るし水の便も悪いということか…)
(やはり、ですか…)
(マリアヴェッラも気にしていたな、樹木や大地が水に浸かった痕跡を…)
(地理の授業に出た記憶がありましたから。この地は痴女島の連邦世界におけるボルネオ島と似たような環境にあって、痴女島ほど無茶苦茶ではないものの近い雨量があります。それに、これだけの川ですから、雨期には必ず氾濫が起きていると思ったのです。上空から見ても、蛇行する川はまさに、雨期に増大した水量を受け止め切れずに大地を削り流れを幾度も変えていったような印象でしたから)
(なるほど、そうして考えれば上空からの偵察には意味もあるだろう。とにかく、人には豊富すぎるこの水と緑を克服して安定した暮らしを欲する彼らの要望と、新たな大地を求める移民希望者の意向は合致すると見て良いと思えるが、ジョアン4世陛下、いかがが)
(は…マリアヴェッラ陛下がこの地への移民を促す理由が分かる気が致しまする。確かに行手を阻む何某かは多数なれど、切り拓けば多量の樹木に広大な農地、そして獣や魚に…更には地に埋まる何がしかも期待出来ましょうぞ。アレーゼ様、マリアヴェッラ陛下のご提案の内容次第では余や妃に宰相のみならず、新たな大地を求め冒険に船出する事にやぶさかではない我らポルトガルの民はこの地を希望の地と見るやも。もし可能なら、今、ルイサとセバスティアンに聞いてみたいのですが)
(あなた…陛下、確かにこの地はあまりに広大。しかし、切り拓けるのであれば恵みもそれなりかと。湿気が多そうではございますけど、普段はこの地の民同様に尻を出して暮らせば良いのではございませんか?)
(陛下。緑少なき我が国土に比して、何と豊かな大地に見えましょうや。かねてから探検の者たちより緑の地獄であるとは聞き及んでおりまするが、マリアヴェッラ陛下のお言葉であれば尻を出して暮らす民の困窮を救うに我らの知識技術を求めてもらえるのであれば、これは取引となるでしょう)
(それと、マリアヴェッラ陛下…これはわたくしルイサの思いつきですけど、今、拝見いたしております動き絵を見ておりまするだに、この女どもは逞しくはあれど田舎臭い風態。もしもそちらさまのお力で、陛下やアレーゼ様に将軍様同様の美しき美姫のなりに変える事がおできになりますれば、そちらさまの求める男のまぐわいの際の精と、そして気をやる際のなにがしかを得るのも楽にはかどるのではございませんか)
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べらこ「ルイサ妃殿下、その発想は気に入りました」
るいさ「でしょでしょ?そうでございますでしょ?」
あると「つまりですね、おきさきさまはあたくしたちのように、見た目がすけべいに見えるように女せんしの皆様の身体を変えてしまえば、ぽるとがるの男のひとたちはぶらじるにいっておしりを出しているおんなのひとたちとおめこしたがるだろう、むしろおおよろこびでぶらじるに移りすむのではないかとおかんがえなのですね」
るいさ「将軍様のお話に身も蓋もなく思いますが、大筋ではさようでございますわ。ええ、マリアヴェッラ陛下や将軍様を見る亭主の目がそれなりでしたし、うちの亭主やセバスチャンは海の男でもございますから抑制は効いておったかと存じますが、やはりそちらさまの尻を出す衣装、聖院の時から男の目を惹くものでありましょう」
べらこ「正直にバラします。ジョアン4世陛下は痴女種とのおめこを経験しておられます。まぁ、ポルトガルがスペインの属国になる時点で何かしら仕掛けてるんですけどね」
じょあん「ちなみにこのまぐわいはルイサも渋々ながら。いえ、最近ではリスボンに嫌々ながらに作らされた聖母教会の小僧に夢中な様子でして」
ぼんばる「私めセバスティアンも、一応は聖母教会を経験しております。ただ、我が国はイスパニアの属国の立場でもありますので、国民には精気供出のためであると言う事で渋々ながら納得させてはおりまする」
いざべる「ジョアン陛下。ルイサ妃様ともども結構な頻度でお通いのようで」
じょあん「仕方ありますまい。それに、正にこのような女遊びを我らにさせて懐柔も、聖母教会の意図するところでございましょう。我らは属国の立場で敢えて筋書に乗り、忠誠を示したまで」
いざべる「むぐぎぎぎぎ」
べらこ「ジョアン4世陛下はなかなかに立派なお考えのようですね。で、陛下、そして妃殿下としては男の浮気はどうなんでしょ」
るいさ「渋々ながら。それに、王たる者が妾の一人や二人という思いも一方であるのは事実。国が傾かぬ程度の艶聞を宮廷に流し、貴族たちを噂に流させて操るのもこの時代の手法でございますし…」
べらこ(痴女皇国世界ではキリスト教があまり広まってないせいで、下半身に割とリベルタな価値観が世の趨勢を占めています…)
あると(せいぼ教会がおめこすることをひろめているのもおおきいですね)
べらこ(精気を頂くためには仕方ない話なのです…)
じょあん「で、男も…そうですな、仮にあの蛮族たちにも偽女の病が広まれば、いかにも恐ろしげな蛮人の見た目ではなくなるのでございますな?」
べらこ「ほも行為は…待ってください、ねーさん、偽女種のヲカマさんたちと精気授受っていけましたっけ?」
マリア「痴女種のようにしたいんだろ?できる。偽女種のプロセスはまず、鬼細胞の強力な作用の助けでまずは女官種に変化させてから、次にプラウファーネさん化してしまうんだ。だから精気授受については一人卒女官種と同じと考えてくれ」
べらこ「希望の光が更に見えて来ましたね。痴女皇国では従来、ほも行為は実は禁止に近かったのを覚えておいででしょうか」
マリア「理由は簡単で、精気が取れないからだ。だけど今は聖母像や慈母観音象があるし、それに偽女種は連邦世界のヲカマさんたちと違って精気授受が可能だ」
るいさ「あなた…これはつまり、偽女種になる病を広めれば、あの男どももあなたと同じくガーロ持ちの偽の女になるということですわ。即ち、男はもちろん、女も偽女種を相手するにやぶさかではなくなるでしょう」
じょあん「確か偽女種が人の女のビシャーノにガーロを入れて種付け致しても、今や女児も生まれるとか。では、我らのみならず、偽女種となった者どもはセクソをして子を儲け孫を見れる事となりますな」
ぼんばる「美しいなりであれば偽女種であろうと男も女も気を引かれるでしょう。むしろ、聖母教会にとっても男の精気とやらを得るに偽女種は有用ではございませぬか」
べらこ「ますますもってポルトガルの政策に手を貸したくなりました。財務局にはあたしが掛け合いますから、頑張って移民計画を推し進めてください」
いざべる「ぽるとがるばかりぃいいいいいい」
べらこ「イザベルさん。それにこれはスペインにもお得な話なのですよ。リスボンやポルトに高速列車を通せば、スペインやフランスとの陸伝いの動きでも出来ます。ポルトガルの立地を考えると、貨物も人もスペインを通るんですよ…?」
いざべる「それはそうなのですがねぇ」
べらこ「それに、バスクや諸子宦官国のをかまさんたちが逆出稼ぎでスペインに移り住んで売春することも許可してますよね。それがおkで、ポルトガルのをかまさんたちに売春させないのはダメだと思うのです!」
いざべる「ちなみに諸子とバスク人は聖母教会の用人扱いで売春を認めていますよ」
るいさ「つまり、わたくしどもはそこにポルトガルの偽女種を入れて、イスパニアで外貨稼ぎをさせる事も可能になると…」
ぼんばる「更には、船を出せば尻出の地に女を買いに行く酔狂者も出るやも知れませぬ。イザベル陛下、既に北アメリゴでは水夫に女を買わせておるのでしょう?」
いざべる「灸場やハバナをそのような島まるごと売春宿にしたいのですわ…」
じょあん「それはお国の偽女種をお使い頂ければ…いや、我が国の尻出開発が成れば、働き手としても売春人足としても、偽女種を出せるやも知れませぬ。なにせあの広大な大地、人を増やす恵みはござろう」
るいさ「うまくすれば、人を売る話にはなりますが、イスパニアに必要な人足を偽女種として用立てできるやも」
いざべる(誰でしょうや…尻出国をポルトガルに渡す条約を結んだうちの国の先祖は…ああくやしいっ)
べらこ「イザベルさんが隣の芝生は青かった状態ですけど、とりあえずポルトガルの皆様は俄然、乗り気ですね」
あると「ただ、をかまさんやおんなせんしのみなさまのおなやみを解けつしてあげませんと」
べらこ「そのための怪傑アルトさんなのです。次回もがんばってもらうのですよっ」
あると「ひぃいいいいいいいい」
なるほど。
右隣のポルトガル国王・ジョアン4世陛下のお身体は今、股間のクロッチ部をずらせば出てくるちんぽ…まずまずご立派そうなものを除けば、女性と変わりません。
それに、若返っておられます。
物腰や態度にはそれなりに貴人王族の気風を感じるものがありますが、果たして血の気が多い女戦士たちにそれが通じるものなのか。
ええ、こうしてマナウス上空を飛行しながら地上の気配を探っておりますけど、聞き慣れない音を立てて飛ぶ「鳥」に時ならぬ騒ぎを見せているようなのですよ…女戦士と首狩り族の集落。
もっとも、この低空飛行は故意にやっています。
それに…低空と言っても、彼らの身体能力から木の槍なり弓矢なりで撃って来ても当たらなさそうな高度…対地高度650フィート程度を飛んでいます。メートル法換算だと200メートル程度、ちょうど聖院開闢記念大堤を飛び越せるか越せない程度の高さですね。
しかし、噂に聞く連邦世界の北センチネル族よりは知能が高いような気もします。
何故なら、無闇に矢を射かけるような行動が見られないからです。
(ちなみに痴女皇国世界での北センチネル族は鬼作戦の際にうちらが保護してるからな。純粋な古代人の遺伝子を持った貴重な存在として生きていてもらう必要があるんだわ)
なんか、姉がとっても重要な事を喋った気もしますが流しておきます。
しかし、この距離で当たる槍なりを投げないところを見ると、投槍器めいたものを持ってはいないようですね。
(敵意はないようです…。というかおばさま、この方々にポルトガル語を教えたんですか? 飛行機の事を鳥だって言ってますけど…)
(ああ、最低限度の意思疎通は可能なようにしておいた…何せ、主要な言語だけでも大まかに分けて3つくらいはあるのかな…部族間の意思疎通も困難な事があったからなぁ)
このアレーゼおばさまのお話、閃くものがありました。
確か、欧米の侵略がある前の南米、最大使用者が1千万人を超すケチュア語、そしてそれに続くアイマラ語やグアラニー語といった地域由来の言語が広まっていたようですが…同じケチュア語でもインカと他地域、いえ淫化帝国内でも完全な同一言語ではなく、例えて言うならば津軽弁と薩摩弁くらいは違っていたようなのです。
(更には文字だ。必ずしも使用言語と文字が一致している訳でもないのだよ…)
まぁ、我々痴女種なら心話を使うとか、あるいは強制的に相手の脳内に言語知識を叩き込むようにして学習させてしまえるのですけどねぇ。
ただ、眼下の女戦士族と首狩り族の皆様が、どんな文字を使っているのかと、その言語体系はどこが由来であるかで「文明や文化に影響を及ぼしている」民族や国家が割り出せます。
ええ…雅美さんが言っていた「鉄器が流入している」件、あたしには引っかかってるんですよ。
確かに連邦世界の埋蔵量には及ばないものの、ブラジルの主要な二大鉄鉱石鉱脈をはじめとして鉄が取れない土地ではないでしょう。
ですが、鉄鉱石があってもそれを精錬して鉄器にする技術があるかはまた、話が別です。
17~18世紀となりますが、日本の難破船の残骸、はるばる太平洋を越えて北米大陸に流れつき、積まれていた日本産の鉄器や日本刀から製鉄を考えついたなんて信じられないような話もあるくらい、連邦世界で鉄を利用していた歴史は…全世界で見ると浅いと言えば浅いのですよねぇ…。
これはあずさん…あたしの高校でのクラスメートで現在は分体を出して通学中、本体は通商局産業担当部長となった五百旗頭梓さんからの受け売り知識ですけど。
(日本のたたら製鉄も砂や燃料を浪費したことで起きた環境被害が結構洒落になってないのよ…製鉄には洋式であろうと和式であろうと、大量の燃料を消費するんだけどさ…日本ではそれを炭に求めたの。で、木炭製造のために木を刈りすぎてさ…江戸時代の各地での禿山化、決して江戸などで起きた大火事の復旧資材や増え続ける人口のための住居建材だけじゃなくて、農機具や包丁に鍋、あるいは釘などの生活用資材のための鉄の需要に応えて鍛冶屋さんたちが頑張ったせいもあるのよ…)
で、この、あずさんのお話ですけどね。
江戸時代の日本の主要都市…わけても実質的な都の江戸は世界的に見ても、実はかなりの高度文明都市だった訳ですよ。
そして、南米の淫化帝国、その江戸時代の日本に匹敵するのではないかとあたしは睨んでいます。
カミソリの刃すら入らないという高精度の石造建築をあんな山の中に作り上げたり、金を精錬したりするだけでもただものではないでしょう。
(マリアヴェッラ…サン=ジェルマンだけどさ…僕の知り合いが淫化に噛んでるかも知れないんだよね…南米で見つかっている宇宙船や飛行機らしい黄金細工の話は知ってるかな)
あらら。サン=ジェルマンさんが珍しくクァンタムリンクで繋いで来られました。
(なんか聞いたような記憶も。そもそも、明日輝や魔屋も連邦世界同様に、当時の地球の人類の水準を超えたなにがしかを残していたと聞いてますけど。ただ、あの辺の文字ってどうなんですか…ニオちゃんがいけにえ村で使ってたルーン文字の更に上をいく難解さですよっ。どうせ言語を与えるなら文字ももうちょっとまともなもんを与えておいてくださいよっ)
(無茶言わないでよ…だから僕の担当じゃなかったんだから…と言うかあの当時は…うん、担当したくても出来ない時期だったな)
はいはい。言い訳はともかく、今回はこちらに来るんですか。
なんかフランスで裏工作してるらしいのは聞いてますけど。
(淫化で君たちが揉めたら行くつもりだから。ただし…僕が行くとややこしい話になるから、出来れば君たちでカタをつけて欲しい。それと、今、君たちの眼下にいるインディオ…先住民族は困っている事があるから、それを解決してあげるなら話を聞いてくれると思うよ。ではまたっ)
あ…接続を切られました…。
全く、言うだけ言ってはいさよならとか何をしているんですか、あのおっさんは。
(お兄さんだお兄さん!)
どっちでもいいでしょ。それよりも、そんな事をしているヒマがあるなら手伝ってくださいよっ。
それに、この飛行機はあと…2時間は飛んでられますけど、なるべくならばさっさと交渉を済ませたいところです。
しかし、滑走路なんてもの、このマナウスにはまだ存在しません。
連邦世界では大都会と化していて、立派な国際空港や空軍基地に、軽飛行機の訓練飛行場と幾つもの滑走路が存在するマナウスですけど、痴女皇国世界の上にこの時代ですし。
では、どうするか。
アルトさん、出番でっせ。
あたしは操縦桿を引いてスロットルを開け、機首上げ角度30度くらいの結構な急上昇を決めます。
で。
放物線を描いて、宙返りする頂点手前でタイミングを図ってアルトさんに後ろのドアを開けてもらいます。
これなら飛行機が飛ぶ風圧でドアのヒンジが壊れたりする事はありませんし、だいいち、上ヒンジになっているDA62のドアのロックレバーを外せば、自重で下に落ちるようにして楽にカパッと開いてしまうのです。
で「へい、へいか。さいくはりゅうりゅうでございます」と、エンリケ君の座っている前の床に置かれたもの…四角いバックパックを持ち上げて見せるアルトさん。
で、狭い機内で器用に背負うと、あっという間にエンリケ君を掴んで、下向きに開いたドアを避けてスパッと飛び降りてしまいます。
ぎゃああああああとか心で叫ぶ少年の声は、聞こえなかったふりをしましょう。
そして、宙返りから機体を水平に戻すのをなるべくゆっくりと行ってそろっとドアが閉まるように機動したついでに、はりせんムチを使ってドアのロックレバーを無理からに閉めてしまいます。
で、宙返りしながら下の光景を見ると、アルトさんが背負ったバックパックから滑空翼が組み上げられ、地表に向かって降りていくのが見えます。
そう、毎度毎度ですが紫薔薇騎士団員が主に使っている、例の偵察用背負い式ハングライダーめいた滑空翼です。
これ、上級痴女種の重力低減能力を自動的に惹起するように出来ているらしいので痴女種以外は使えないそうですけど、ハングライダーやウルトラライトプレーンよりも遥かに小さな翼面積で滑空できるんですよ。
しかも、使い方を誤らなければヒマラヤ山脈すら飛び越えられるのは初登場の時にお話が出ていましたよね。
(むぅ、何という身体捌き…流石は陛下のお国の将軍様であらせられる)
(アルトさんをおだてると調子に乗りますからね…ほどほどにお願いしますよ…)
はい。
ジョアン4世陛下から見ても、紫薔薇や黒薔薇騎士団員そこのけに滑空翼を使うアルトさんの姿は驚異的に映ったと思いますが、あれは万卒以上ならあの程度には使えるものなのです…。
(しかし、果たして将軍様のお話に女戦士とやらが乗ってくれるものやら…)
(地上の状況はこちらでモニタしますから、危なそうなら増援を手配します)
ええ、アルトさんが暴れそうになった場合、アレーゼおばさまに回収してもらう手筈にしていますから…え?
(マリアヴェッラ。私も一応は地上に降りた。彼女たちの中に私を知っている者がいたので、私が行く方が話は早いだろう…)
あらら。
見れば、下流方向から「水面上を走る馬」に乗って来るおばさまの勇姿が下方監視カメラに捉えられています。
しかし、これこそ驚く話じゃないでしょうか。
いくらアマゾン川が大きく波しぶきを上げる川じゃないと言っても、川の上ですよ。
(マリアヴェッラも可能な事だぞ。それも、私とは違って、ふた通りの方法でな…)
(ああ、MIDIボディの装備でしょ…ただ、あれは普段は封印されてますから…)
まぁ、あたしがそれをちゃんと出来るかはともかく、以前お話した茸島での緊急出動ですけど、ああいう場合にこの、重力低減や慣性コントロールで封じ切れない衝撃を緩和したり、次のジャンプや駆け足に備えるために、走る場所として推奨されているのが水面だったりします。
しかし、水面上を時速200キロ以上の速さで駆け抜けるお馬さんを見ておりますと、何かこう、普通にあの水の上を歩けそうな気もしてくるから不思議なものです。
(普通の人間には無理、というか聖院湖で練習したら危険よ…あそこ、堤防からすぐ水深100m以上になってるじゃない…)
たのきちと理恵パイセンはまぁ、仕方ないです。
この二人にあまり騎士訓練のデフィシレなのをやらせると危険なのが分かっておりますので…というより、この二人には茸島はもちろんのこと、痴女島での智秋記念牧場への緊急出動訓練すら受けさせていません。
ただ、最低どちらかの訓練を受けた上で実施される試験で到着までの時間が10分を切らないと、騎士兼務職3級以上に上がれないんですよ…。
一方、アルトさんとエンリケ君はきれいに川沿いの砂浜になった辺りに着地。
粗末な丸木舟やいかだらしい船が引き上げられて置かれていたり、桟橋めいた作りのものがありますのでここからネグロ川に向かって出て行っているのは間違いないでしょう。
ただ…妙に気になる事がありますので、アルトさんには浜辺の木の幹をさりげなく観察しておいて欲しいとお願いしておきます。
そして同様の事はおばさまにも、依頼。
恐らく…原住民の方が悩んでいることもそれに関係してると思いましたので。
そして、おばさまが心話で呼びかけて頂いたのでしょう。アルトさんとエンリケ君の前に数人の女戦士らしきが現れます。
武器は…弓矢に槍に、そして棍棒や盾らしきを持った男たちが後ろに控えていますが、それなりに飾りを身につけた一際体格のいい女性を含めて、女戦士たちは武装をしていません。
ただ…詳細な事は分析してみないとわかりませんが、胸当て周りの皮革や布、どうもこの辺りで取れたものや加工したものでは無さそうです。
(マリアヴェッラ。彼らはイキトスから来る交易品として布や加工された皮を手に入れている。ただ、その代償に下流に住み着く権利を得ているようだ。支流の川砂をさらえているとも聞いたな…)
まさか、それは砂金を探しているのではないでしょうか。
連邦世界であればいまだに、泥や川砂を掬って砂金を選別して生計を立てている方々がおられるようですが…。
(どうも女戦士族に何かしらを渡しているのは純粋な淫化人ではなく、淫化の下僕めいたインディオたちのようだ。私が尻出国に滞在した時にニ、三度見かけたが、彼らは女戦士たちに交易品を渡すと船で川を下り、適度な場所を見つけては住み着いているらしい。何せ、いくらアマゾンの流れが緩やかと言っても、そう簡単に川を遡っては来れないからな…いや待て、川の遡行があったな…)
(おばさま…彼ら、ポロロッカを利用してアマゾンを遡っているんですか?)
姉が愕然とした感情の心話を流して来ました。
(満月や新月の時に潮の干満が最大になるだろ。ある程度の大きい川なら、その時に河口から海水が逆流してくるんだけど…アマゾンのは特に強烈で、最大波高5mくらいになるやつが来る。条件が揃えば、サンタレン…マナウスよりもう少し河口よりの街の辺りまで逆流してくるんだ)
(よし、彼らがどのように淫化の地に戻っているのかは定かではないと言う事にしておこう。下流の者たちに聞くか、あるいは淫化皇帝に直接尋ねれば済む事だ。なぜ、他者に実質的な施しをさせてまで民を川に向かわせるのかはそれで判明する。…お、アルトが贈り物を渡して使い方を教えているぞ)
とりあえず淫化の人々への疑問より、まずは女戦士族への対応でしょうか。
で、その対応ですが。
バックパックから取り出した…この改良型格納滑空翼の背負い箱、それなりに物が入るようになったようです…ナタのような山刀や包丁にのこぎりめいた刃物をいくつも取り出し、心話による知識流し込みも含めてこういう風に使い研ぎや拭き取りといったお手入れはこうこうこうしますよ、と教えておられます。
この、鉄製品の贈呈は女戦士はもちろん、後ろで見ている首狩族の男性も目を輝かせていますね。
更には、アルトさんはエンリケ君の従者を演じています。
そのエンリケ君の説明の要約はこうです。
自分達の縁者の国に男を女まがいにする偽女病なる病が広がり、人々を恐れおののかせている。
偽女病にかかった者は女の体力になってしまうことや、遥かこの先の山の向こうの淫化の地に人を救う何かがあるかも知れないため、あまり雨の降らないかの国から雨多く緑豊かなこの尻出の地を知る者が移民を企て始めているのだが、いきなり大人数で押しかけてもあなたがたのような先に住む者が困るであろう。
ついては、海を渡る船を持ち、こうした場所の探検の経験がある者たちの助けを借りて僕を使者として派遣することになりました。僕のような子供でもこの地から安全に帰ることが出来るのならば移民先の見込みあり。
更には、子供の僕が選ばれたのは決してこの地を襲って土地や物や人を奪うためではなく、平和に移り住み、できるものならば共に暮らせないかを提案するためです。
そして、従者が持ってきた鉄というもので出来た器具を作る技術、彼らは持っています。彼らの力を借りられるならば、この川で漁をする船どころか、往来が出来る大船も作ることが出来ますよと、聖環の画像や映像も見せながら女戦士の皆さん…そして首狩族の皆さんを話に引き込んでいます。
そこに、馬を従えたアレーゼおばさまが現れます。
「その者達の話は本当なのをこのアレーゼが保証しよう。アマゾナスたちよ、久しぶりだな」
見れば、その女戦士の族長はおばさまに駆け寄り、抱き合っておられます。
(おお我が恩者、お久しうございます。お元気そうで何より)
どうも、おばさまはこの女戦士達に対して、かなり恩に着るような事をなさっておられたようですね。
「うむ。そなたたちにまだ、名前がないのは知っておるが、そうした事の不便も含めて、この子供を使いに出した者達はそなたたちの暮らしをより良くする手立てを知っておるのは私も知るところだ。そなたらのこれまでの暮らしや、築き培って来た生きる術も大切だとは思うが、新しい生き方や暮らし方を学ぶ良い機会でもあろう」
その場にいる原住民の皆様の感情からしても、おばさまの声と…そして心話には頷けるものがあるようで賛同の意を表すもの、多数。
これはいい感じですね。
(マリアヴェッラ陛下…将軍様やアレーゼ様を介してそちら様の読心の力が多少なりともこの余にも使えるようなのですが、やつばら女戦士たち…そして男どもが素直なのは、何も将軍様やアレーゼ様がお強い方であったり、あるいは贈った刃物の価値に喜ぶばかりでもないようですな…彼らは彼らで、いわば国難に等しい出来事にかねてから悩んでおる様子。やつめらの悩みを聞き出す訳には参りませぬでしょうか)
右隣のジョアン4世陛下がこちらを見て申されます。
で、おばさまやアルトさん、エンリケ君にそのことを伝えますと。
「おんな戦士のみなさま、そして殿がた。みなさまは何かおなやみの事はございませんか。どうやらみなさまは、今おわたししたどうぐを作り、そして大きなおふねや人の乗るとりに、がんじょうなたてものを作る…まだこの地をふんでいない、ひっこしをのぞまれている方々になにかおねがいしたいことがあるようす」
「アレーゼ様とお知り合いであれば、何かしらのお悩みをここでお話になれば聞いていただけるかも知れません。もしよろしければ…」
で、つたない言葉と地面に描いた図や身振り手振りで彼らが申すには。
(やはりか…まずは大海嘯の影響と、乾季と雨季の差だ。かなり内陸に移り住まないと、大雨が降ったり遡る川の水で住まいが水浸しになったり、仮に蓄えたものがあっても流されるようだな。内陸に住むと豹や大蛇など危険な獣が住む上に、毒を持つ何がしかに脅かされるのでこれはこれで困るし水の便も悪いということか…)
(やはり、ですか…)
(マリアヴェッラも気にしていたな、樹木や大地が水に浸かった痕跡を…)
(地理の授業に出た記憶がありましたから。この地は痴女島の連邦世界におけるボルネオ島と似たような環境にあって、痴女島ほど無茶苦茶ではないものの近い雨量があります。それに、これだけの川ですから、雨期には必ず氾濫が起きていると思ったのです。上空から見ても、蛇行する川はまさに、雨期に増大した水量を受け止め切れずに大地を削り流れを幾度も変えていったような印象でしたから)
(なるほど、そうして考えれば上空からの偵察には意味もあるだろう。とにかく、人には豊富すぎるこの水と緑を克服して安定した暮らしを欲する彼らの要望と、新たな大地を求める移民希望者の意向は合致すると見て良いと思えるが、ジョアン4世陛下、いかがが)
(は…マリアヴェッラ陛下がこの地への移民を促す理由が分かる気が致しまする。確かに行手を阻む何某かは多数なれど、切り拓けば多量の樹木に広大な農地、そして獣や魚に…更には地に埋まる何がしかも期待出来ましょうぞ。アレーゼ様、マリアヴェッラ陛下のご提案の内容次第では余や妃に宰相のみならず、新たな大地を求め冒険に船出する事にやぶさかではない我らポルトガルの民はこの地を希望の地と見るやも。もし可能なら、今、ルイサとセバスティアンに聞いてみたいのですが)
(あなた…陛下、確かにこの地はあまりに広大。しかし、切り拓けるのであれば恵みもそれなりかと。湿気が多そうではございますけど、普段はこの地の民同様に尻を出して暮らせば良いのではございませんか?)
(陛下。緑少なき我が国土に比して、何と豊かな大地に見えましょうや。かねてから探検の者たちより緑の地獄であるとは聞き及んでおりまするが、マリアヴェッラ陛下のお言葉であれば尻を出して暮らす民の困窮を救うに我らの知識技術を求めてもらえるのであれば、これは取引となるでしょう)
(それと、マリアヴェッラ陛下…これはわたくしルイサの思いつきですけど、今、拝見いたしております動き絵を見ておりまするだに、この女どもは逞しくはあれど田舎臭い風態。もしもそちらさまのお力で、陛下やアレーゼ様に将軍様同様の美しき美姫のなりに変える事がおできになりますれば、そちらさまの求める男のまぐわいの際の精と、そして気をやる際のなにがしかを得るのも楽にはかどるのではございませんか)
-------------------
べらこ「ルイサ妃殿下、その発想は気に入りました」
るいさ「でしょでしょ?そうでございますでしょ?」
あると「つまりですね、おきさきさまはあたくしたちのように、見た目がすけべいに見えるように女せんしの皆様の身体を変えてしまえば、ぽるとがるの男のひとたちはぶらじるにいっておしりを出しているおんなのひとたちとおめこしたがるだろう、むしろおおよろこびでぶらじるに移りすむのではないかとおかんがえなのですね」
るいさ「将軍様のお話に身も蓋もなく思いますが、大筋ではさようでございますわ。ええ、マリアヴェッラ陛下や将軍様を見る亭主の目がそれなりでしたし、うちの亭主やセバスチャンは海の男でもございますから抑制は効いておったかと存じますが、やはりそちらさまの尻を出す衣装、聖院の時から男の目を惹くものでありましょう」
べらこ「正直にバラします。ジョアン4世陛下は痴女種とのおめこを経験しておられます。まぁ、ポルトガルがスペインの属国になる時点で何かしら仕掛けてるんですけどね」
じょあん「ちなみにこのまぐわいはルイサも渋々ながら。いえ、最近ではリスボンに嫌々ながらに作らされた聖母教会の小僧に夢中な様子でして」
ぼんばる「私めセバスティアンも、一応は聖母教会を経験しております。ただ、我が国はイスパニアの属国の立場でもありますので、国民には精気供出のためであると言う事で渋々ながら納得させてはおりまする」
いざべる「ジョアン陛下。ルイサ妃様ともども結構な頻度でお通いのようで」
じょあん「仕方ありますまい。それに、正にこのような女遊びを我らにさせて懐柔も、聖母教会の意図するところでございましょう。我らは属国の立場で敢えて筋書に乗り、忠誠を示したまで」
いざべる「むぐぎぎぎぎ」
べらこ「ジョアン4世陛下はなかなかに立派なお考えのようですね。で、陛下、そして妃殿下としては男の浮気はどうなんでしょ」
るいさ「渋々ながら。それに、王たる者が妾の一人や二人という思いも一方であるのは事実。国が傾かぬ程度の艶聞を宮廷に流し、貴族たちを噂に流させて操るのもこの時代の手法でございますし…」
べらこ(痴女皇国世界ではキリスト教があまり広まってないせいで、下半身に割とリベルタな価値観が世の趨勢を占めています…)
あると(せいぼ教会がおめこすることをひろめているのもおおきいですね)
べらこ(精気を頂くためには仕方ない話なのです…)
じょあん「で、男も…そうですな、仮にあの蛮族たちにも偽女の病が広まれば、いかにも恐ろしげな蛮人の見た目ではなくなるのでございますな?」
べらこ「ほも行為は…待ってください、ねーさん、偽女種のヲカマさんたちと精気授受っていけましたっけ?」
マリア「痴女種のようにしたいんだろ?できる。偽女種のプロセスはまず、鬼細胞の強力な作用の助けでまずは女官種に変化させてから、次にプラウファーネさん化してしまうんだ。だから精気授受については一人卒女官種と同じと考えてくれ」
べらこ「希望の光が更に見えて来ましたね。痴女皇国では従来、ほも行為は実は禁止に近かったのを覚えておいででしょうか」
マリア「理由は簡単で、精気が取れないからだ。だけど今は聖母像や慈母観音象があるし、それに偽女種は連邦世界のヲカマさんたちと違って精気授受が可能だ」
るいさ「あなた…これはつまり、偽女種になる病を広めれば、あの男どももあなたと同じくガーロ持ちの偽の女になるということですわ。即ち、男はもちろん、女も偽女種を相手するにやぶさかではなくなるでしょう」
じょあん「確か偽女種が人の女のビシャーノにガーロを入れて種付け致しても、今や女児も生まれるとか。では、我らのみならず、偽女種となった者どもはセクソをして子を儲け孫を見れる事となりますな」
ぼんばる「美しいなりであれば偽女種であろうと男も女も気を引かれるでしょう。むしろ、聖母教会にとっても男の精気とやらを得るに偽女種は有用ではございませぬか」
べらこ「ますますもってポルトガルの政策に手を貸したくなりました。財務局にはあたしが掛け合いますから、頑張って移民計画を推し進めてください」
いざべる「ぽるとがるばかりぃいいいいいい」
べらこ「イザベルさん。それにこれはスペインにもお得な話なのですよ。リスボンやポルトに高速列車を通せば、スペインやフランスとの陸伝いの動きでも出来ます。ポルトガルの立地を考えると、貨物も人もスペインを通るんですよ…?」
いざべる「それはそうなのですがねぇ」
べらこ「それに、バスクや諸子宦官国のをかまさんたちが逆出稼ぎでスペインに移り住んで売春することも許可してますよね。それがおkで、ポルトガルのをかまさんたちに売春させないのはダメだと思うのです!」
いざべる「ちなみに諸子とバスク人は聖母教会の用人扱いで売春を認めていますよ」
るいさ「つまり、わたくしどもはそこにポルトガルの偽女種を入れて、イスパニアで外貨稼ぎをさせる事も可能になると…」
ぼんばる「更には、船を出せば尻出の地に女を買いに行く酔狂者も出るやも知れませぬ。イザベル陛下、既に北アメリゴでは水夫に女を買わせておるのでしょう?」
いざべる「灸場やハバナをそのような島まるごと売春宿にしたいのですわ…」
じょあん「それはお国の偽女種をお使い頂ければ…いや、我が国の尻出開発が成れば、働き手としても売春人足としても、偽女種を出せるやも知れませぬ。なにせあの広大な大地、人を増やす恵みはござろう」
るいさ「うまくすれば、人を売る話にはなりますが、イスパニアに必要な人足を偽女種として用立てできるやも」
いざべる(誰でしょうや…尻出国をポルトガルに渡す条約を結んだうちの国の先祖は…ああくやしいっ)
べらこ「イザベルさんが隣の芝生は青かった状態ですけど、とりあえずポルトガルの皆様は俄然、乗り気ですね」
あると「ただ、をかまさんやおんなせんしのみなさまのおなやみを解けつしてあげませんと」
べらこ「そのための怪傑アルトさんなのです。次回もがんばってもらうのですよっ」
あると「ひぃいいいいいいいい」
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