アルトリーネさんのいけない修行の日々

女戦士大地に立つ・2.0

「はぁ…何ですか、つまりはタカギCEOのやらかしと、こちらの世界のポルトガルの地震はたまたま起きる事が予想されていただけで、直接には無関係と」

という訳でギアナ沖に浮かぶお船の艦長公室にお邪魔中のあたし、マリアヴェッラ。

そして、お話中のお相手は…。

Beatrice Marguerite ベアトリス・マルグリット Thousand Suction. 千人卒 Slut Visual. 痴女外観  Blue ocean Knights, Imperial of Temptress. 痴女皇国紺碧騎士団 New-British SPACY OF-5 Captain. NB宇宙軍大佐 Ian Lancaster Fleming anniversary Information Research Center. Foreign Affairs Division 2nd. イアン・フレミング記念情報研究センター外事第二室

えーとですね、マルグリット大佐ですが、あたしがまだ生まれてない頃のお話ですけど、テンプレスを聖院世界に回航して来る任務につかれた方だそうです。

そして、ジーナ母様の爵位叙爵式の補助を務められたとも。
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/16/

つまり、ジーナ母様とは面識のあるお方です。

そして、マルグリット大佐…ベアトリスさんとお呼びすべきでしょうか。

この度はNBのコンテナ積載宇宙空母たるアークロイヤルの艦長として、ここにお越しです。

何せ全長700メートル…通常の水上コンテナ船の長さも幅も2倍はある大型船です。

その艦長を任されるだけでも、NBでは出世株だというのがジーナ母様のお話です。

「実は今回お伺いしたのは、テンプレス・セキュリティのタカギCEOの招請もあったのですが、これを機会にアークロイヤル級の保有を検討してみてはと国防大臣と宇宙軍・海軍大将閣下が申されているからなのですよ…いわば、アークロイヤルの売り込み役ですわ。私も痴女種化しておりますから、要らぬハラゲイや余計な言い回しをせず、単刀直入に訪問目的を明らかにせざるを得ないと思っておりますの」

「確かに、今や大規模な輸送をこのアメリカ大陸から欧州に向けて定期的に行う必要も生じておりまして…動力装備帆船を大量に建造していますけど、それでも追いつかない有様ですから、アークロイヤル級の保有それ自体は大変に魅力的な提案ですよ…ただ…乗員養成の問題や、何よりリース料金についての懸念がまたしても噴出して来るでしょう…」

「まぁ、マリアヴェッラ陛下にしてからが、テンプレス級の水上・大気圏内操舵訓練を終えられたところですものね…」

で、この件…覚えておいででしょうか。

一時期、アークロイヤル級がNBで余ってるからと、痴女皇国と聖院に押し付けてリース料金を稼ごうとされた件です。

ところが…鉄道建設と、それに関連した事業の展開で事情が変わってしまったのです。

有り体に申しまして、アークロイヤル級を総動員して地球～NB～痴女皇国or聖院世界の地球へのピストン輸送を行う必要が生じた結果、持て余すどころか更に三隻を追加で建造することになってしまったそうです。

「今現在は12隻が就航しておりますが、その全てを対地球圏との貿易輸送に投入する訳にもいきませんので…NB恒星圏内の哨戒母艦としての運用は他の艦を充当するとしても、こちらの本土での海上輸送艦としての任務が入っておりますから…」

ええ、汎用の宇宙船または水上艦としての設計が災いして、あっちこっちに駆り出される事になったとのお話、聞いております。

そして、アークロイヤル級を動員して輸送しているものですけど…まずは三河監獄社とルノーを幹事企業とした自動車メーカーの完成品、もしくはノックダウン生産部品。

…そして、英国の国防産業にテンプレス・セキュリティとダッソー社、そしてタレス社にブレダメカニカ社が資本参加する形態で、防衛関係企業がNBに進出していますので、これらの企業に関係するものが輸送されています…お化けが茸島や痴女島に出た話の時にも、ジーナ母様が向こうに送るはずだった双発の哨戒機をお借りして夜間偵察に使っておられたでしょう。

あれも、NBの発展に伴って必要なものを調達するのと…停滞気味だったフランスやイタリアの経済を支援するための「お仕事作り」発注の結果なのですよ…。

そして…室見理恵パイセン曰くの「この木何の木社」とお父様の勤務先もテンプレス・レイルウェイズと合弁会社を設立した上で車両組立工場の建設に協力して下さってます。

こうした企業の製品や、製造に必要な原料を輸送するために駆り出されているアークロイヤル級、もはや譲渡だリースだと言っておれるような余裕ある運用スケジュールで動かせなくなっているのは明らかです。

つまり、地球とNB…そして聖院または痴女皇国世界を結ぶ貨物船便に、保有するアークロイヤル級をほぼ全て投入するに近い状況となるまでに運用が逼迫ひっぱくしていたのです。

更には、航空自衛軍や海上自衛軍の所属艦は流石に厳しいとしても、緊急時支援演習名目でイタリア海軍のポーラとフランス共和国のお船が交代で対NB…そして痴女皇国世界への輸送に駆り出される事態になるまでに、切羽詰まった状況が続いていたのです。

ただし、この状況は関係者にはある程度予測されておりまして、初期開業に必要な製品やら原料やら部品に工作機械類などの輸送がひと段落すれば落ち着くだろうと見られていました。

で、NBと灸場きゅうばを含むスペインに続いて比丘尼国…つまり痴女皇国世界の日本と、そしてストラスブール～バーデン=バーデン間を結ぶ路線が開通してひと段落した現在、アークロイヤル級12隻が就航しているうち、3隻が予備運用または定期保守でドックに入るシフトを組まれているそうです。

現時点でのアークロイヤル級の配備状況と、アークロイヤルをもう少し小さくして使い勝手と海上航行時の通行水域や利用可能な港の自由度を上げたテンプレス級、そしてイタリアとフランス向けに合わせたリース機材として、更に小型化したザラ級とリシュリュー級の就役状況リストも頂きましたので、ちょっと拝見させてもらいましょう。

NB所属艦（全てアークロイヤル級）
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HMS Ark-Royal,N001
アークロイヤル
HMS Hermes,N002
ハーミーズ
HMS Repulse,N003
レパルス
HMS Formidable,N004
フォーミダブル
HMS Illustrious,N005
イラストリアス
HMS Furious,N006
フューリアス
HMS Renown,N007
レナウン
HMS Nelson,N008
ネルソン
HMS Hood,N009
フッド
HMS Majestic,N010
マジェスティック
HMS Implacable,N011
インプラカブル
HMS Indomitable,N012
インドミタブル

聖院・痴女皇国所属艦（テンプレス級）
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HMS Tempress,N100 Holy Temple.
(DDCV-200,Kumano)
テンプレス
HMS Temptress II,N101 Imperial of Temptress.
(DDCV-199,Suzuya)
テンプレス・ザ・セカンド

王立宇宙軍所属艦（テンプレス級・英国仕様）
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HMS Queen Elizabeth,CC01
クイーン・エリザベス
HMS Prince of Wales CC02
プリンス・オブ・ウェールズ

海上・航空自衛軍所属艦（テンプレス級・自衛軍仕様）
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DDCV-197,Kaga
かが
DDCV-198,Kongou
こんごう
SAC-201,Akagi
あかぎ
SAC-201,Kirishima
きりしま

イタリア共和国海軍所属艦（ザラ級）
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MMIt CVC-00１"Zara"
ザラ
MMIt CVC-002"Fiume"
フィウメ
MMIt CVC-003"Pola"
HMS Pola, Imperial of Temptress.
ポーラ

フランス共和国航空宇宙軍所属艦（リシュリュー級）
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Porte-avions PAS-01 Richelieu
リシュリュー
Porte-avions PAS-02 Charles de Gaulle
シャルル・ド・ゴール
porte-avions PAS-03 Clemenceau
クレマンソー
Porte-avions PAS-04 Fougueux
フグー

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ちょっと、カエル女ジョスリン。

何でフランスってド・ゴール将軍でなくて宰相のリシュリュー枢機卿を軍艦の級名にしたのよ。

（いえいえ、第二次大戦前後に事例がありますよ。当時の戦艦としては世界最速級のリシュリュー級が４隻計画されて３隻が進水しております…）

あ、なんか言葉を濁してますね。どうもドイツに占領された辺りのゴタゴタでややこしい事になったお船のようなので、詳細な追求は敢えて避けましょう。

「で、このうちリース艦としての返却を既に受けているのがポーラ、そしてフランスからは2隻の返却を打診されています。ですので、現状ではリシュリュー級2隻…実質はザラ級と同サイズの艦船が痴女皇国に対して振り向ける事が可能となります。但し、搭載兵装や索敵装備などが連邦宇宙軍準拠仕様となっておりまして…」

この２隻の返却も、実のところは例の鉄道建設に絡んで完成したばかりのクレマンソーとフグーが車両や設備、更にはレールや枕木といった資材の輸送に駆り出された際、切羽詰まっているこちらの状況を見ての申し出だそうです。

ええ、確かに配船に悩んだ挙句、海事部長も「ふぐぅ」とか変な声を上げてましたね。

（なお、Fougueuxとは血の気が多いとか血気盛んという意味でして、うちの支部長とかマドモアゼル・ブリュントレーネとそのご先祖様のように突進する傾向のある…Aïe!いたい！Aïe!いたい！Aïe!いたい！）

（で、ジョスリン…２隻をこちらに回すとして、フランスとしては残り２隻で運用が足りるのですか？）

（それがですねぇ…今後の大統領選での有力候補として挙げられている人物は現在の閣僚で国防相を担当している人物なのですが、一種の倹約策をNBに提案しているのですよ。ほら、我が共和国は元々アークロイヤル級を欲しておりましたが、現実問題として母港の浚渫はもちろん、寄港地でも接岸が困難な場合があまたという話で結局は断念してテンプレス級を複数導入するという話になりましたでしょう）

ああ、見栄を張っておっきいのを欲しがった件ですね。

あの船、かなり深く掘らないと接岸不可だというのは知っています。

ですので、一見すると不安定にも見えるのですが、地面すれすれに空中に浮いた状態でエレベーターなり斜路なりを出して荷役する事も多いのです。

「マラッカ海峡すら飛行状態で通過する船ですからねぇ…」と呆れておられるマルグリット艦長ですが、苦情はこんなものを設計した皆様にお願いしたいのです。

ええ、テンプレス２世ですらいい加減大型艦だというのがよくわかりましたから。

あれをたった一人で、とりあえず浮かせて飛ばしたり水の上を走らせるだけでも大変なのですよ…？

さて、今回…マルグリット艦長とアークロイヤルに来て頂いた理由、まさにこの辺の擦り合わせもあったのです。

このお船は海に浮かぶように出来ていますが、何分にも喫水…つまり、水面から下の部分の深さもそれなりです。

ですので、アークロイヤル級が水上船として接岸できる港、連邦世界では指定されています。

理由は申し上げるまでもなく、機密がどうのこうのという以前に「底を海底で擦る」からなのです…。

ですので、NBとしてもフランスがリース契約を見直して２隻をNBに返却するならば、そっちを保有する方がいいのではないかという妥協案も用意しておられます。

ただ、根本的な問題として、アークロイヤル級もテンプレス級も「空を飛ぶし宇宙空間も航行可能、更にはスティックス・ドライブレベル４という瞬間移動形式の超光速航行手段を有している恒星間航宙船」という代物ですから、その操船に必要な人材を手当する必要があるのです。

そして、今回のアークロイヤルの派遣についてこちらからお願いしている理由ですが、まずポルトガルとバスクで実施したヲカマ化…偽女種化作戦と、その波及影響や地震問題からポルトガルを救済する必要が生じています。

何分にもポルトガルの地震、数百年に一度は「高確率で起きる部類」だそうです。

今回はマイレーネさんのパンチで地殻プレートのひずみによって溜まった地震発生の源を潰して事なきを得ましたが、時至れば再び起きる部類のようなのですよ、この沖合での地震…。

で、地理を習われた方であればこの手の地震は地球内部のマントル対流と密接に関係があるのをご理解頂けると思うのです。

即ち、地震や火山の噴火が起きるからと言って、マグマを冷やせば地熱もなくなって地球の生態環境そのものが壊滅する事になってしまうのですよ。

ですから、いくらそういう事があっさり出来る人や神様が我々の陣営にいたとしても、そういう過激な対策はなしにしておきたいものです。

となると、次に来るのは地震への備え。

そして、ポルトガルにはやって欲しい事があります。

姉の構想であれば、イベリア半島はスペインに任せてポルトガルはブラジルに該当する南米尻出国の地で遷都建国、ヲカマと女戦士の国にして彼の地に封じるだの、重罰罪人のための流刑地兼・精気収益を上げるための蠱毒おかまの壺にしてしまう考えだったようです。

で、実のところはあたしもそれ、全面反対でもありません。

尻出国の地で取れるもの、あるいは開墾や開拓で得たいものがあるからです。

それは…木材。

もっとはっきり申し上げますと、紙の原料となるパルプ材です。

そして、可能であれば連邦世界では日本の協力を得て作られたという大規模な大豆畑。

お豆さんの生産をやって欲しいのです。

（砂糖きびの生産もお願いしたいんですけどね…糖蜜を発酵させてアルコールを製造し、更には元素転換でガソリンや軽油・重油を作る原料となりますから…）

そうです。石油の代わりに、アマゾン川流域に広がる広大な密林を活用したいのです。

連邦世界ではアマゾンの密林の伐採が問題になっていますが、痴女皇国世界ではチンポネックスを投入すれば森林地帯の復元はさほどの期間を要することなく、可能。

現在は同様の目的でサハラ砂漠やゴビ砂漠・タクラマカン砂漠といった砂漠地帯の緑化も進めていますが、育った森林が資源化可能となるまでは今しばらくの時間を要します。

（しかしあなた…陛下、確かにこれはマリアヴェッラ陛下の提案に合意すべき話と思えますわ）

（恐れながら陛下、わたくしも王妃様に同意申し上げます。金はいずれ掘り尽くされる…それも早期にと聞けば、せっかく広大な土地を用意頂けておるのですから、あとは我らの開拓の意志あるのみでしょう。幸い、地震が次に襲った際の猛威は広く国民に知られまして、移民の話にも興味を示す者多数。あとは現地住民の合意さえ得られるならば、開拓団を募って遷都なり第二政府とやらの樹立を考えるなりする価値があるように思えまする）

で、ポルトガル本土に残って事態の収拾を図っておられる王妃様と宰相様からも中継心話を頂きます。

あ、王妃様、とりあえず姉が非接触施工で一人卒化して心話が使えるようにしてもらっていますよ。

そして…敢えて偽女種状態固定になって頂いているポルトガル国王のジョアン４世陛下、このアークロイヤルに添乗しておられます。

実際にポルトガルからの移民がどの程度集まるかは不明ですが、少なくとも新天地への希望を表明する国民の意識をそれなりに読み取れていますので、10万人くらいは志願者が集まりそうです。

で、その移民の移送…ええ、アークロイヤル級またはテンプレス級を用意して運ばせて頂くことになるかと。

それとですね、ティアラちゃん一行の南米視察のアシ。

これを用意するってあたしは啖呵を切っちゃいましたので、せめてブラジルまでだけでも運んで上げる必要があるのですよ。

なにせ、テンプレス２世はその気になれば聖院湖の停泊位置から動かせますけど、今は北方帝国攻略で必要になった場合に備えて待機している状態なのです。

ですから、南米に持って来るにはちょっと…という事情があるとお考え下さい。

そして、アルトさんのご実家とその関係者一同をアラビア半島から鳥羽沖の答志島へ移送した時とはまた条件が違うのですよねぇ…あの時はスケアクロウを総動員して運んだそうですし、何より輸送したのは一機につき人は10人未満でしたが、お船や漁具や家財道具などなどが結構かさばる状況だったそうです。

しかも、今度は10万人ですから…。

勢い、一度に運べるものではありませんし、ポルトガル側の準備も必要。

何より…向こうの女戦士族や首狩族との「交渉」が必要です。

それとですねぇ、ブリーフィングルームで揉めてるんですよ、ティアラちゃんと息子さんたちが…。

「エンリケ…ここからは危険極まりないそうですよ…お願いですからナッソーに戻るように」

「いえ母様、なればこそこのエンリケはもちろん、ピオやカルロにとっても見聞を広める機会というものです…船の手配さえつくのであれば、是非にもその、尻出国とやらを私も見てみとうございます…」