アルトリーネさんのいけない修行の日々

すずめのおやど

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アメリカ縦断ウルトラ耐久研修ツアー・11

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えええええ。

いきなりの展開に驚く、わたくし中井ティアラ。

ですがマリアリーゼ陛下のお話は続きます。

(マヘレット。わりー、マリアだ。あんたとこのヲカマ化率って今、どんくらいかおおよそでいいから数字出せるか?)

…えーと、マヘレットさんと言えば確か、暗黒大陸本部の諸子担当の方だったかと。

(そうですね、全てに行き渡らせるには至っておりませんが、少なくともカサブランカから東方交易路の途上にあるラバト・フェス…そしてタンジェに至る各都市では順調に進行中。宦官国男子全体の感染率は4割から5割というところです)

(そしてティアラさん…שלום, שמי נעמי מראט. תושב קזבלנקה…初めまして、タンジェ支部常駐のナオミ・マレットです…実は私は湯田屋の者でして、ディアディリーネ出納部長のご実家の遠縁に当たります)と、心話と共にステータス照会結果が聖環に表示されます。

Maherett (Naomi Merrate נעמי מהלת ) マヘレット Thousand Suction (Limited ten thousand). 千人卒 (限定万卒) Slut Visual. 痴女外観 Red Rosy knights. 赤薔薇騎士団 Director of Morocco Tranny Kingdom(ⵜⴰⴳⵍⴷⵉⵜ ⵏ ⵍⵎⵖⵔⵉⴱ) Branch., Africa Regional Administrative Headquarters. 暗黒大陸地区本部諸子宦官国支部長

(まぁ、慌てずに感染を見守ってくれ。何せ暗黒大陸は広いが、ことマグリブ地域に限れば、交易路は限られてるからな…それに、諸子はスペインの対岸だって事で聖環経済に移しつつあるだろ。で、乳がデカくなって女の体になったとか騒いでる奴にはさ、女体化が進んでしまうと本当にちんぽが失くなってしまうからって言ってさ、聖母教会で治療措置を受けることと、抑制のために聖環を装着させてくれればいいよ)

(ふふふ、諸子宦官国の王家や重臣どもの一族縁者の男は真っ先に偽女にしてしまいましたからねぇ。働かせる身分の物共には今のところ、仰せの通りに全てを偽女と致してはおりません)

(あぁ…なんせ体力や思考が完全な男性互換になっているか要観察だからな。女の要素が入り過ぎた場合は精気の質が大きく損なわれるのはわかるよな)

(は。マリアリーゼ陛下が常々申しておられる、雄の精でなくてはならない件、吸い取りを経験した者であれば誰でなくとも悟る話と存じます)

(ただ…諸子に出入りするだけで女まがいになるって噂は撒き散らすように頼むよ。実際にはあたしたちが自在にヲカマ化出来るとしても、あくまで風土病…地域由来の伝染病に見せかける必要があるからな)

(は。少なくともタンジェやカサブランカなど、主な都市に在住する男どもは、後に移り住んだ者も含めて女を買うどころか飲み食いをするだけで偽女と化すのではとの風評に怯えております…諸子に来るだけで偽女になってしまうという風評が立てば、交易どころか隊商すら避ける事でしょう。この時代ですから噂の伝わりが遅いのが救いかと)

(で、ヲカマになった連中からの治療の相談って出てるかな…アーペディオーネ、イザベルさん…その辺はどうよ)

(ラバトの諸子王室より聖母教会に治療依頼が参りましたが、陛下のお教えの通りに告げております。「男を女にする病が流行っておると諸子より南に住まう肌黒い者より嘆願多数。王室をはじめ聖環を嵌めておる者がいまだ逸物を失っていないのは、即ち聖環の働きなり」と伝え、念のために連れて行った女官と性交させて女と交わるに不便はないことを実証しております)

(こちらもアーペディオーネ本部長と話の口裏を合わせております。諸子の者が女の身に成り果てる病あり、聖環を嵌めねば魔羅を失い女と化すであろうとして、聖環普及率を上げております…ただ、ポルトガルにつきましては彼の国独自の貨幣でございますポルト・レアルを使いたがっておりまして…聖環普及の妨げとなっております件、敢えて向こうの王室には強く働きかけておらぬままですわ)

(ああ、セイント金貨や銀貨を貯め込みたがってるんだろ。経済力の弱い…貨幣を鋳造する技術に乏しかったり、原料になる銀や銅を手に入れるのにも苦労する国ならありがちな話さ。ましてうちの硬貨は再鋳造できないように仕掛けをしてるからな…)

なるほど…聖環を腕に装着していないとヲカマさんになってしまうと触れ回っているのですか…。

そして、スペインやイタリアがそうですが、聖環による支払いはかなりの所まで一般化しております。

ただし、聖環の貸与に当たっては本名と年齢、そして国籍の登録が最低でも必要となります。

スペインを例に取りますと、フランスから陸路を伝って入国した旅人なり商人、大西洋側のサン・セバスチャンまたは地中海側のフィゲレスに所在する聖母教会で聖環貸し出しの手続きを取りますが…これがかなり待たされると評判なのですよ…。下手をすると1泊しないとならないとまで。

(そりゃそうだよ。デポジット…預託金を貰い受けるんだから。で、この列がめんどくさい場合は地元の聖母教会であらかじめ聖環貸し出しの手続きをしとけって話をさせてるんだよね)

(ほほほほほ、身元も分からぬ者に商いなどさせておっては我が国の商人が食いはぐれますので、聖環を持たぬ者にはフィゲレスを通る時点で入市税を取るようにしております。比丘尼国の関所の考え、祖国フランスはもとより、神聖ローマでもやっておりませんでしたからねぇ…)

(だから乳上のところでも最初はブーイング出まくったんだよね…)

あ、この話には注釈が必要なようです。

私もびっくりしたのですが、中世のヨーロッパには「国境」というものをはっきりと定義する門なり壁なりがない事の方が多かったようなのです。

(しょっちゅう戦争やってて領主が変わるから、あっても戦いの邪魔なんだよな。それよりは町に入った時に入城税を取る方が合理的だって考えだよ。スペインでもそうだけど、城塞都市…街の外側にお堀なり壁を築いてることが多いだろ?)

ですね。あと、乳上アルテローゼ様の東欧支部管内では、かつての鬼汗国の襲来を契機として、特に強固な城壁を築く傾向があったようですね。

ただ、密輸商人や他国の密偵だの犯罪者をフリーパスにしても困るということで、現在のルーマニアの地の街道には関所を作ってしまわれたそうです…これはベラ子陛下からお聞きしました。
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/79/

そして、スペインでもピレネーを越えてくるいくつかの街道には関所を設けるようになりました。

更には、マドリードから北…バルセロナを越えてフィゲレスまで延ばされるべく絶賛工事中の鉄道ですが、既存の開通区間を含めて汽車の乗車には聖環、必須。

(汽車じゃない…せめて電車)

(室見局長。機械ものに疎いのは女性の性です。諦めてください。それよりですねぇっ)

と、室見局長の話題の脱線を訂正します。

まず、罪人17号さんたちの今後について。

ヲカマさんたちが偽女種という第三性別として分類されたのはともかく、この方々を今後、どうするのか。

言うなれば悪魔島とサン=ジョセフ島は両島合わせても五十名未満のヲカマさんを蠱毒壺こどくつぼ…とでも言うのでしょうか。

「虎の穴ならぬヲカマの穴で残り短い寿命をカマレズ三昧で過ごさせるってのが基本だからねぇ、悪魔島の刑罰…だから逆に17号さんほどの優良罪人が出てしまうと、それはそれで困った事になるってのが正直なところじゃないかな、ワル子さん」

「理恵さーん、ワル子は…まぁいいでしょう。とりあえず17号について助命嘆願を寄せたい思いは私も変わりません。ただ、偽女種を収容する刑務所がこの悪魔島と…無理をすればこの向こうの本土側のギアナ罪人寮くらいしか私には思いつきませんが…」

「で、そこでさっきまりりが言ってた、諸子宦官国の男性を偽女化してしまう話が関係してくるわけよ。正直、連邦政府としては国ごとそっくり人がいなくなってしまう方が有難いほど、無政府状態になってる地域もあるし、そこまでは行かなくとも人口の三分の一くらいは処理して欲しいという国家もあると言われてます」

「そんなにも宜しくない人がいるのですか…」

「例えば南米尻出国に該当するブラジル連邦共和国。ここの人口、連邦世界じゃ6割が貧困層認定出されてて政府から何らかの生活補助金を支給されてる立場なのよ」

「えええええ…そんな惨状なのですか…」

「だって国民の51%が月の所得75,000円程度か、それ未満。百人卒未満の女官が全体の人口の半分なわけよ…しかも、その6割の全員が働ける訳じゃないからね…老人や子供もいてその数字なの…」

「ふむ。つまり…尻出国は現状、原住民がいくつもの部族を形成して海岸沿いまたはあの大きな川を遡った辺りに住んでいるだけの未開の地だったな…室見さん、あなたはもしかして、尻出国を偽女種の国家に変えるつもりかね?」

「アレーゼ局長。正にその通りです。そして、ポルトガルの要人や富裕層に対して偽女種化戦略を展開した理由として、彼らに尻出国を統治させ資源開拓を図らせる腹案、上皇マリアリーゼが持っています」

(おばさま…連邦世界だとポルトガルとオランダ、そしてフランスがブラジルを取り合った歴史が存在します。そして、ブラジル奥地のアマゾン川流域に住む原住民は原始生活を営んでおり、尻出国の由来となった裸族状態ですよね)

(ああ、初回視察時に一応の交流は持ったからその辺は理解しているが…)

(彼らはアルゼンチンやペルー、メキシコの先住民と違って国家を形成するまでには至っていません。むしろ、周囲に食物となる生物が多数存在するが故に、他地域を侵略する必要性が薄いのですよ…)

(ただ、文明の成熟度が低いのは…これはこれで困った話だぞ。マリアもよく分かっているとは思うが、かつて初代様が南洋王国と交渉してあの地に聖院を開闢した時よりも、更に厄介な状況とは言える。彼らをポルトガルの属国として組織することは果たして可能なのか?)

(おばさま…そこで、汎用細胞が効くんですよ…アマゾン流域の原住民には白化アルピノ処理と併せて偽女種化処理を行います。そこに、自分達と見た目があまり変わらない連中が来たらどうなります?)

(なるほど、同族と思って受け入れる可能性は高いな…)

えええええ。

つまり、マリアリーゼ陛下とアレーゼ様は、痴女皇国に逆らったり、あるいはこちらの方針にそぐわない国の人間を天然のヲカマさんに変えるのみならず、南米にヲカマさんの国を作らせるというのでしょうか。

(その通りだよ。りええとあたしの案じゃ、史実通りにポルトガルがブラジルを抑える訳だけど、そのポルトガルが純粋なポルトガル人だって証明がものすごく楽になるように今、絶賛処理中な訳だ。で、スペイン人はイザベルさんの統治下でさ、ちゃんとしたスペインの国民なら聖環を装着してくれてるじゃんか)

どうも、私たちが南米にいる間に、既に諸子宦官国とポルトガル…痴女皇国世界では海綿菓子国と表記するそうですが、そこに対して広域的な微生物汚染処置を終えてしまっているようですね…。

(仕事が早いのが痴女皇国ってやつだよ。ぶっちゃけ、鬼作戦の時のカウンター細胞散布に使ったミサイル…ドラメも改良が進んでいてね。あたしがゴーサインを出してから…長くても20分あれば菓子国と尻出国の全域を覆えるだけの、ヲカマ細胞を含んだ雨を降らせるための生物災害弾頭が痴女島から現地上空に到着して爆発しているんだよ)

しかし、こんなに簡単に人を作り変えてもいいのでしょうか…。

(その答えはりええが語ってくれてるよ。何せ、連邦側の世界だとその南米一帯は肌の黒い人も結構いてるんだけど、ティアラちゃん…理由はわかるかな? あ、これは答えられなくても無理はないから気にせずに、思いついた事を言ってくれていいよ)

お優しいマリアリーゼ陛下のお言葉に甘えて、私は考えてみます。

そもそも肌が黒い人というのは、世界的に見ればアフリカのネグロイド族とかいう人種が由来であったはず。それが、大西洋を隔てたアメリカ大陸に渡るだけのお船を作る技術を持っていたのでしょうか。

もしくは、黒人の方々の中に女官種や痴女種同等の超能力を持っている方がおられないと、あの広い海を越えて移住するのは困難だったはずです。

つまり、どなたかが連れて来ないと、黒い人たちはアメリカにはいないはずの人々である。

そして、連れて来る理由とは…。

(ああそうだ、奴隷だよ。南米の植民地の開発や開拓のために、多数の黒人を連行したんだ。向こうのアフリカ西部の地名に、象牙海岸だの奴隷海岸なんてのが残ってるくらいに、資源や人を乱獲したんだよ)

(だいたい一千万人から二千万人を連れ去ったとあるわね。そして…ネグロイドの遺伝子は白人と混血するとムラートと呼ばれる混血児…黒人の特徴をより強く表した混血人種を生み出すのよ。この白人・黒人・混血児が更に複雑に交わった結果が連邦世界の南米諸国の人種的特徴と思ってね)

マリアリーゼ陛下のお話と室見局長の補足説明で、私にも事情が理解できました。

連邦世界のブラジル…そして、そこから北に上がった多くの国々…無論、キューバやカリブ海沿岸諸国には、大西洋を超えて連れて来られた多くの黒人が奴隷として生活していた事実。

そして、中には白人や現地人と子を設けて混血児を産んでいた者も少なくなかったのでしょう。

(むしろそっちが社会の勢力として大きくなったんだわ…ムラートって言ってな。国によっては混血者が政治や経済の中心に居座るようになっちゃったんだよ…そして、新たな差別の火種の原因にもなったんだ)

ああ…なるほど…だからこそ痴女皇国世界では、暗黒大陸地区本部の管轄下にある人々の肌の色、白人に近づけようとしたり、外観をカイゼンしようとなさっていたのですね。

(そして、南米については…繁殖力を重視しようというのがあたしの考えだ。だが、連邦世界の過去のように黒人を奴隷として連行すると、同じ轍を踏みかねねぇだろ…だから最初はおばさまに頼んで、原住民は原住民で自治能力を獲得させようと教育をする方向で処置をお願いしていたんだけどなぁ)

「だが、それにも限界があったんだ…高度な文明を有してはいたものの、生贄文化の存在で目をつけられて衰退したり、行き詰まっている国が南米には最低でも2つは存在する。そして、北米は北米で原始共産主義から脱却できない部族が多数派なのだよ。で、マリアリーゼの考えた方法は、かなり過激ではあるんだが…」

(着目したのは黒人の繁殖力の強さだ。それと同じくらい性欲が強くて、欧米的な価値観をある程度刷り込まれている黒人の代替人種で、南米の開発に当たらせることはできないかって事だよ。もうわかるだろ? ティアラちゃん…)

ええ。

つまり、ヲカマさんたちでも、差別される可能性はあるでしょう。

しかし、見た目が女性と同じで裸になるか、それに近い状態であればどうでしょう。

更には、美人が多いとすれば。

その方々は、むしろ差別どころか珍重される存在になるのでは。

(既に、イザベルさんからはポルトガルの王室とビルバオのバスク朝に向けて親書を出してもらってる。内容は、此度の奇病について痴女皇国の支援を仰ぎながら分析を進めているが、可能であれば治療方法の確立に向けての支援もやぶさかではない。ついては患者を診察させて頂くなどの協力を賜りたい、とね)

(そして返答もマリアリーゼ陛下から戴いておりましてよ。すなわち、目下我らは南アメリゴ大陸の開発を推進している状況にあるが、貴国の王族や貴族に蔓延した病にかかった者たちと同様の姿をした部族を発見している。彼らも自分たちの暮らしをより良くする提携先と協調するにやぶさかにあらずの姿勢。ついては、かの尻出国について貴国と国交を結び、偽女と女の暮らす国を作るも方法ではないかと、ですわねぇ)

-------------------------
2023.4.2追記

べらこ「という訳で、本編の続きの前に少しお読み頂きたい前編が2本、こんにちわ、マリアの方と闇堕ちマリアの方で一本ずつ公開されました」
https://ncode.syosetu.com/n6615gx/125/
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/193

まさみ「これさぁ…ティアラちゃんには見せない教えない方がいいわよ…」

べらこ「もちろんです。特に闇堕ちマリアの方は絶対にまずい話になりますよね…」

まさみ「あとさぁ、イザベルさんって前から思ってたけど、ジョスリンとは結構仲がいいんじゃない?」

べらこ(類友だと思います…かなり過激な性格してますからね、二人とも…)

まさみ(読者の皆様へ。なぜイザベルさんが乳上やクレーニャはもちろん、マリーよりもステータスが下なのかという理由ですが…ですが…)

べらこ(ほんこれ、というものです。本当にイザベルさんはあまり強力にすると、マリーちゃんより過激で血を見たがる性格が露骨に出てしまうんです…闘牛も強姦…それも暴行凌辱が大好きなんですよ…)

まりー(べらこ陛下に言われたくない気も致しますが、おおよそのところでは同意しますわね。イザベル陛下は本当に内心、わたくしも引くほどの過激なお方なのですわ…)

じょすりん(まだまだ修行は必要ですね。眉ひとつ動かさずに女を犯して中出しする眉毛の太い殺し屋程度には精進して頂きませんと、小官の領域に達するには困難でしてよ)

他全員(達しなくてもいい!)
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