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アルトリーネ・ブートキャンプ「珍子墓地編」・5

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むむむむむ。

あたくしはお尻こそ動いておりますが、お師匠さまのひとことに内心、驚きのあまりにことばを失っております。

女官は男を尻に敷いてなんぼだったのではないでしょうかぁっ。

(アルト…おめー、知識共有、ちゃんとかかってんのかよ…)

(ねーさん。あたしが説明します。アルトさん…あまりに男性の自主性や主導権を奪うと精気の質に影響が出るという分析結果が出たんですよ…それも間違いがないかを茸島分校の問題児男子たちを使って、何度も検証を重ねたんです…男を過剰に支配下に置くのも考えものって話が出てるの、かかってこの実証実験を重視した結果なんです。本当に、かなり悪くなりますよ…)

な、なんと言うことでしょうか。

べらこ陛下、聖院女官の時はそこまでは…。

(成人の罪人と少年では将来の展望や人生観、まるっきり違って当たり前ですよね…。まだ人生経験が少ない、ものの見方が鋭角的な少年や少女については特に過剰抑制が危ないって話になったんです。で、未来を閉ざすような事をしたり、単に生きている張型…こけしディルドとして扱うような事をするのではなく、知性ある家畜…同じ牛や豚や鶏でも、やはり飼い主が精魂を込めて面倒を見てあげた方が味が良くなるのと同じなんですよ)

ふむふむ。

(智秋記念牧場の家畜がのびのびと育っているのと同じで、いくら大人の罪人に等しいか、それ以上の事をしでかした野獣のような少年少女であっても、あたしたちなら再犯を防ぎながらうまく「飼い慣らす」事も可能だろうと指摘されては、さすがのあたしも考え込まざるを得ませんでした)

上の温泉ではくりすさまとあんあんやっておられるべらこへいかですが、そのくりすさまの頭にもかかわるおはなしと聞いては、すててはおけませんね。

(ほら、アルトさんもおじさまとおめこしておられたからわかるでしょ…犯罪者少年については悪影響や害のない範囲で、ですけど、男性の主権を尊重するのをシェヘラザード支部長も主張されているのですよ…)

(だから陛下がベテハリを囲い込んでいるのが許されているのは、彼が親兄弟から日常的に暴行を受けていた事を加味しているのもあったのだけどね…陛下がベテハリを寵愛しているのが精気授受効率や純度に及ぼす影響を調査しているのもあるのよ、アルト…)

おやオリューレ。きのこじまはたしかにあなたのかんかつですけど、ほようしょは…。

(アルトさん、茸島保養所の貴賓棟区画については内務局皇帝室管轄なので、ベテハリくんの保養所用人雇用と、奥さん…アニサちゃんの茸島行政支局勤務については雅美さんが認可してますよ…)と、おきぬさん…てしがわら第二女官管理室長がおしえてくれます。

ま、まぁ…おとこのこたちをかわいいかわいいしてるのは、聖院のあたくしもやっていたことですね。

おとこのこが女官たちにおとなあつかいしてもらうためにも、いろいろおしえていたようですし。

(サレルフィール。あなたが故郷の浜で暴れ回っていた時の事を思い返してみなさい。そして、あなたが聖院に迎えられた後、妹のナディアフィールにはわたくしが助言しております)

あんぎゃあああああ、お、お師匠さま、なんということを……!

(お・ね・え・さ・ま。あたくしはお姉様不在の後、どれほどの苦労をしたことか。幸い、わたくしの時は比丘尼国の答志島とうしじまに移住した後でしたから、言うなれば我らはよそもの。更には村の悪餓鬼どもとて同じくよそものであるからには、地元の武人や漁師の息子と仲良くせざるを得ませんでした。幸いにして、私がお師匠さまに授けられたを奮いまして、村の若いおなごたちで男子を片端から懐柔いたしましたが…)

(えーとですね。アルトさんは言いたくないと思いますからあたしが代わりに状況説明します。ナディアさんとアルトさんのお父さんお母さんのご一家率いる漁師の一族郎党、答志島で真珠養殖を主な生業なりわいにした漁師生活をしてたんですけどね。ナディアさんは地元の子供たちや若者に取り入るために、少女を率いて痴女行為をしてたんですよ、漁師部落の大人の女の人の振る舞いを参考にして…)

べ、べらこへいか、おねがいしますぅ…ばらさないでくださいぃ。

(お姉様のおかげであたくし、魔羅ちんぽいじりが得意になりましてね…しかも、その噂を聞きつけた九鬼守隆くきもりたか様のお招きを頂いて鳥羽のお城に呼ばれてご縁が出来たのですよ…ただ、守隆様は既にお若い身空で奥様をお娶りになっておられたので、守隆様のお父君の嘉隆よしたか様のご寵愛を授かる身となりまして…)

えーと、このあたりの…ナディアが痴女皇国に来るいきさつのおはなしは前に出ておりましたね。
https://novel18.syosetu.com/n5728gy/59/

つまり、あたくしのようにわるがきどもをしばきたおしはずかしめるだけではなく、いいおもいをさせていたのですよ、ナディアたち…。

(更には島中の海女たちも助っ人をしてくれまして、漁師のまらをいじって楽しむのは我らの風習になるまで…今では漢島に出来た慈母寺に出稼ぎに行く女までおるはずですわよ)

(ですからサレルフィール、決して男を完全に支配しようとしてはならないのです。女官となってよわいを重ね老いていく事への恐れがなくなった我々はいざ知らず、普通の女は「売り時」を逃さぬよう動くもの。今を生きねば未来などないと思うのがおなごでしょう。しかし、男は女に対して夢を見るものです)

むむっ。

(あるとさーん…おじさまやベテハリ君見てたらわかるでしょ…あたしたちはもはや痴女種で女官ですから恋愛何それおいしいのって考えになっちゃいがちですけどねぇ、普通の男性ってそれなりに、対象の女性とお付き合いが始まった後の事を考えるもんですよ…あれしようとかこれしようとか、ああなったらいいなとかぁっ。そして普通なら女性もそーゆー事を夢想するんですよ? それが乙女心というものなのですぅっ)

ああ、こいする乙女のこころのこうてい陛下がいらっしゃいましたね。

(ただ、クリスさんとのノロケを心話でダダ漏れはやめて欲しいと思うのよね…普通はベラちゃん止まりのはずなのにさ、なんであたしに流れて来んのよ、クリスさんとのおめこの実況中継!)

(パパパパパパパパイセンっなんですかそれっ)

(…理恵さん…皇族扱いの証拠ですそれ…しかも、理恵さんは女官長資格者でしょ…だから秘書課長に何かあった場合の皇族管理のために皇族枠に入れられてるはずなんですよ…で、うちも黒薔薇時代から皇族認定者の位置や状態把握のために、基本的には意識共有がかかるようになってんですけど、理恵さんも多分それですよ、ベラ子陛下があんあん言ってるのが流れてくるのって…ただ、注意してないと聞きすごすような感じなんで、もしかしたら陛下が理恵さんに無意識のうちに聞かせをやってるか、さもなかったらうちが言ったみたいに、女官長資格者として必要な情報を渡されてるんかも知れまへんで)

(えええええダリアそれ本当?)

(ちょちょちょ、ちょっと待って下さいよダリアさん…って事は、たのきちにも?)

(田野瀬です。ベラちゃん。ダリアさんの言ってる話、本当と思うよ…。だからさ、茸島保養所の皇族棟敷地の中以外であれこれしない方がいいってまりりや初代様に言われなかった? あたし一応初代様とも繋がってるから、今教えてもらってるけどさ…茸島保養所だと例の懲罰具倉庫の奥の部屋と同じ仕掛けがしてあるからダダ漏れしにくいんだけど、淋の森とかその温泉滝壺だとさ…ベラちゃん、あたしが言いたいこと、わかってくれるよね…)

ぎゃあああああというこえがしました。

でもですね、べらこへいか。

いまさらというきがしますよ。

もうなにやってるか、おそらくけっこうな女官がしってるとおもいますから。

それに、へいかのしているおめこのいちぶしじゅう、女官にはおてほんでもあるわけです。

とくに、恋愛かんじょうというもの。

ダリアもそうですが、くりすさまとのおつきあいのときはおとめの心。

とくにダリアは「あのダリアさんが…」と言われるくらいにじゅんじょうでおとめおとめしていますからね。しんじてもらえないかもしれませんが、べらこへいかのようなえろえろではないのです。

(アルトさん! またうちの恥部をばらすのやめてくださいよ…)

(がんらいならそういうひみつをばらさないようにするのがダリアのおしごとではないのですか?)

(アルトさん…それ、どっちかというと雅美さんの仕事でっせ…)

まぁよいでしょう。

それよりも、れんあい感情。

女官になれば、これは消えてなくなるか…そこまでひどくなくても、ふつうのおんなの人のようにはいきません。

そのわけはかんたんですが、みなさまはすでにごぞんじかもしれませんね。

どんなに強いおとこの人であっても、よめマリアリーゼなりしょだい様なりが加勢しないと、あたくしにはかてません。

もっというと、せかいで一番つよいおとこのひとでも、いったいいちならば十人卒の女官でじゅうぶんにたたきのめせます…いえ、へたをすれば女官なりたての一人卒ですら、ドレインしておしまいです。

では、わたくしたちはどのようにして生徒さんや罪人たちとなかよくしているのでしょうか。

たとえば…あたくしと警務罪人役の黒ひげが、りんのもりをみまわったとしましょう。

(アルトさん…なんで俺なんだよ…)

(あなたはなんだかんだいって女官たちとなかよしだったではないですか。それも、おめこもせずにさかばで皆をあつめてさわぐのがとくいだったでしょう? あれはおもしろいこころみだということで、うちのよめが月2回の罪人会を居酒屋罪人でひらくきっかけになったのですよ?)

あ、居酒屋罪人は罪人寮の2階にある酒場ですよ。

ここでは女官のかわりに罪人がはたらいています。そして、女官ものみにくるのです…ただ、今は痴女宮では夜だけはたらく罪人や女官も少なくありませんので、一日中ひらいていますよ…。

で、罪人会というのは罪人たちがつみたてたおかねに、あたくしやダリアや警備本部長などの騎士のしごとをしている警務局づけのみんながつみたして、罪人におさけをのませるあつまりです。

そして、月2回ともうしましたが、これは夜はたらく罪人と、夜はねている罪人をわけてさんかさせるためです。

そして、いつもはびしばし…でもありませんね…罪人たちをしきっている騎士がおしゃくをしたり給仕をするのです。

このときに、きにいった罪人からさけをぬいて、ひそかにりんのもりにつれだしてもよいことになっていますが…。

(アルト閣下…それをやるか酔い潰さないと席が空かないんですよ? 着席制限時間を設けたのも罪人に平等にいい目をさせるためですからね?)

ええ、ペルセポネーゼちゃんにしかられたとおりですね。

まぁともかく、そうしたぷらいべーとではなく、おしごとでりんのもりを見回っていたとしましょう。

そして、ばいしゅんなりぷらいべーとでおめこしていた騎士と罪人を見てちんぽをしこしこしているへんたいをみつけたとします。

(やる奴いるのかよと思ったけどよ、本当にいるから困るんだよ…人のやってんのを見てる方が興奮するとかな…)

(まぁ、そこでかりにあたくしがいかって、へんたいを殴ろうとしたとしましょう。ティーチ、あなたはどうしますか)

(とりあえず殴るよりは声をかけてやめさせるな。で、警務罪人なら、組んでる騎士はアルトさんでなくても変態がどこのどいつかわかるだろ。とりあえず他の悪さをしてなくて、金を持ってんなら手近な非番女官か騎士を呼んで買春させろってのがまぁ、ありがちな始末のつけかただな)

(ではぎゃくに、くつとくつしたしかみにつけていないすっぽんぽんのへんたい紳士ならどうしますか)

(今度は俺が殴りたくなってくるな。いくら淋の森って言ってもよ、そんな格好してるのはまず間違いなく、俺の国のやつだったからな…サトウ領事が頭を抱えもするぜ…)

ああ、えいこくのかたはまじめくさっているわりにへんなことをするのがだいすきですからね。

(市場でジャガイモって新種の芋を買って、けつめどに押し込んで遊んでて取れなくなって泣きつく馬鹿とか、唐辛子ってアレの袋にいちもつを突っ込んで腫らして泣き叫ぶ阿呆とかな…)

くりすさまやわーずわーすさまのそこくのわるくちをいいたくはないのですが、イギリスというのはへんたいしかいないのですか。

(アルトさん…ケイシーです。サリアンが泣いています。あと、私も今のアルトさんの発言にはいくらアルトさんが私の上役って言っても聞き捨てなりません。しかし、思い当たる節もありますからアグネス顧問に言い訳して頂きますね)

(ケイシー…何で私なのよ…そちらに行ったらジュネスかgonorrheaりんの forestもりの中で、貴官の頭の中と身体に尋ねたい質問があるのだけどよろしいかしら)

(顧問が私にお尋ねしたい内容、既に理解していますから謹んで拒否させて頂きます)

(ふむ。ではフレミング機関本部への出頭命令書か、またはジュネス淋の森店の臨時勤務を選ばせてあげます。これでよいかしら)

(It's power harassment!)

(ケイシー。あなた痴女皇国への出向時のNB陸軍入隊契約書の内容、覚えておいで?)

(NB国民として憲法で保障された権利は出向解除もしくは除隊時まで凍結される、ですか…)

(それを覚えているならば、あなたがすべき事は理解していますね?)

GYAAAAAAAとかJESUSとかOMFGとかなんかきこえてきましたが、きこえなかったことにしましょう。

どうせろくなことはいってないとおもえましたので。

しかし、わたくしたち女官はまだよいでしょう。

まさみさんがよくいっている「人は平等じゃない」ということばですね。

しはいされるのがいやならば、ほかのひとを従えるがわにまわれと女官に向けて言っているのですから。

そして、そのことばどおりに女官の上下関係はきめられています。

その上下関係にしても、聖院のほうがもっときびしいのですよね。

痴女皇国ではあるていどはいいかえしたりできますけど。

で、そうしているりゆう。

(言い返すくらいは認めてるわよ…社会人としての常識の範囲ならだけどさぁ…)と、聖院のマリア様がいかっていますね。

(いいことアルト。そもそも女の我慢と男性の我慢は少し違うからね。女の我慢って、仕返しする機会を窺うために我慢してることが多いのよ。そして執念深い。だから、連邦世界でもある程度の高齢になって子供さんができて旦那の退職金なんかでまとまったお金が入った時を狙って離婚訴訟を起こしたりするわけじゃない…)

むむむむむ。

たしかに、あたくしでなくとも、おんなであれば、そういうしかえしを考えるかもしれません。

(ただ、聖院や痴女皇国にそういう仕返しを考えられたら困るでしょ? だから忠誠を誓える女官を作るのもあたしたちの仕事だからね…ほら、そっちのあたし…黒マリが実験的に東ヨーロッパでやってるでしょ、一種の人工授精で汎用型の女官を産ませてるの…)

あー…はいはいはい。

あれはちちうえが主な仕切りだったはずですね。

ちょっとちちうえにきいてみましょうか。

(アルト閣下…シェヘラザード支部長もよくご存じですよ…女官への種付け対応要員なのですし、それに第一、私のところだけではなくて中東支部配属の女官を増員するために本宮から押し出して配置転換するために始めたことではないですか…)

なるほど。

ですが、それにしてもお師匠さまは今、お取り込みちゅう。

ちちうえがかいせつしてくださいよ。

あたくしたちはいま、およつぎをつくれとか言われておめこにはげんでおるのですからっ。

(面倒なんですよ…まぁ、仕方ありません…この件は私が説明します…)

で、この…女官をつくるというお話ですが、東欧支部のしせつを使っておこなっています。

あそこのあたらしいたてもの、そのためにつくったようなものだというのは、あたくしもいちおうは存じておりますから。

でまぁ、そのおはなし、ちちうえにしてもらいましょう。

なにせ、ふつうのひとにはあたまがいたくなりそうなことばかりでしょうから。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/164/

(サレルフィール…わたくしと貴女がなぜ、それぞれの娘を作れと言われたのか。それは単に聖院側に産まれた子たちと対をなす子を作るだけではありませんよ。必要であるから孕むのです。特にわたくしは、もしかすると、寿命を迎える可能性があるからとマリアリーゼ陛下に言われておりますからね…)
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