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悪霊の盆踊り? 赤道祭りだワッショイ・10
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(お待ちなさいマリアヴェッラ。これは、この少年の幼馴染をいけにえ…というよりは、女官候補としてひとみごくうにさし出させるための演出…貴女方が言う「やらせ」というものですわ)
ふむ。確かに、初代様があたしの中にいるのに、住民に害をなす自然災害をみだりに許しはしないでしょう。
今回の茸島の幽霊騒ぎで改めて浮き彫りにされましたが、聖院開闢からこちら、金衣女聖を筆頭にした女官が東南アジア一帯を人が住めるようにカイゼンして行った内容、それなりに壮絶なものでした。
水源確保や日常生活用器具の普及に始まり、生活指導。それはそれは、初代様の身体寿命を縮めてしまうほどのあれこれが起きたようでして。
しかも聖院開闢当時の条件が「内政不干渉」であり、他にも色々ときつい制約があった中では、とうてい今のようなのほほんとした痴女宮のような雰囲気ではなかったようですね…。
で、そうした規則に対して切れた姉が痴女皇国を建国した事で、聖院規範を力ずくで有名無実化したと問題にはなりました。
ですが、連邦やNBの勢力を呼び込む事で結果的に世界の存続に寄与したとなりまして、差し引きゼロで引き続き痴女皇国として名称変更した聖院経営を行う建前で家族会や比丘尼国朝廷他も納得するという話に。
更には、二代目皇帝にあたしが即位就任する事で、周辺諸国を力で従えるのみならず、宗教的価値や資源に技術と言った飴をちらつかせる政策に転換した事を印象付けて、巧みに地球人類文明の舵取りの主導権を握るに至ったのだと説明されています。
あのー、あたし、何もしてないに等しいんですが…。
(マリアリーゼいわく、それで良いそうですわよ。言うなればマリアヴェッラは痴女皇国の象徴であり、歩く帝冠。そのおみこしをかつぐ者が痴女皇国の臣下にふさわしい人物であると言い切っておりますからねぇ)
さいですか。
おばちゃんに、こうも言い切られては言い返す気にもなりません。
(それと、マリアヴェッラはある意味では皇帝らしいとも申しておりましたわね、あの子は…。ほら、普通なら皇帝らしいところを見せようとして何か手柄を立てようとするが、貴女にはそれがないから却ってよい結果を生んでいるとも、ね。あたくしから見ましても、変に焦らないのは好ましいところでしてよ)
あぁ、それも姉や母様から言い聞かされています。
下手にgestoに走るなとも。
特にジーナ母様は、評価を焦るあまりに「余計なことをしようとする」士官候補を指導する立場でしたから、尚更。
で、我々が向かっている南洋島は正に南洋王国の首都が所在する島であり、目的地のジョクジャカルタもインドのマハラジャに該当する藩王が在する町だとか。
つまり、必要以上に助けては南洋王国からクレームが来る可能性があります。
更にはベテハリ君の懸念たる、昔の彼女の去就。
これを調べるためだけであっても、うかつにあたしたちが姿を見せれば、恐れながら聖院の女官様が何故にお越しになられたのでしょうかと訝しがられるお話になるようです。
言い換えれば、今の南洋王国現王朝とはそういう関係みたいですね。
(痴女島だけでなく、茸島も実質的にあたくしたちが奪い取ったかのように思っておるようで)
(租借条約を結んでやったのに何やってんだか。今の前の当主がアホボンだったから政権交代に手を貸してやった恩を忘れやがって…しかも、あたしはまだしも、初代様からクレーゼ母様までの歴代金衣、一体どれだけてめぇら南洋王国の復興や興隆を手助けしてやったのかよと言いたくなりますよ)
(ですわよねぇ。マリアリーゼ、あまり邪魔立てするようであれば滅ぼすにやぶさかではありませんわね。なに、あの蔵が立つおやまをちょいと吹き飛ばす勢いで噴かせれば)
と、物騒な怒り方をしていますけど、初代様と姉が怒ること自体は無理もないでしょうってお話もあるんですよねぇ。
ただ、今回の噴火、向こうにはそれなりの脅威に映っているでしょう。
姉からも地元藩王が泣きつく可能性がある程度に、初代様が山を揺するからなとの連絡が入ります。
(母様、偵察カメラをこちらで使いたいのでFL200まで高度を上げますよ。キャビン与圧警報に注意願います)
(了解…あ、ベテハリ君ね)
そうです。
高度順応力が普通の人でしかないベテハリ君がいるのに、無与圧状態で高度6,000m以上になんて上がれません。それこそ高山病待ったなしですよ。
(現在の外気温マイナス6度、気圧は490ヘクトパスカルか…)
(それは地上に比べて、どの程度低いのでしょうか)と、隣のアンヌマリーちゃんがベテハリ君を気遣っています。
(気圧や酸素濃度は海面すぐの空気の半分。気温は…今は地表だと30度くらいね)
(普通の人間は死なないにしても弱りますね…)
幸い、あたしとアンヌマリーちゃんの間の天井部に設けられた空調のスポット吹き出し口からは適温の空気が出ており、機内気圧も現在は0.9~0.8気圧程度で推移しています。
で、エマ助が遠隔でオートパイロット入力値を変更した通りに、雲を突っ切って上昇を続けて行きます。
それはそうと、飛行機を飛ばしていると、ぴろりんとかポンとか言う電子音に敏感になるそうですが…一応、あたしとアンヌマリーちゃんはゴツいヘッドセットを着けていますよ。
そして、主翼前縁や吸気口辺りの氷結検知警報と、アンチアイス作動表示の点灯を確認するとかしております。
ええ。それなりに雲海を眺められる…富士山の2倍近い高さまで上がりますと、さっきのアンヌマリーちゃんとの会話で話が出た通りの外気温になります。
当然、翼の端と言わずプロペラの先端と言わず、風に晒されている場所が凍りつきます。
で、飛行機が事故を起こす話が大好きな人はよくご存知だとか姉が言いますけど、電熱やエンジンの排熱で氷を溶かす仕掛けが飛行機にはついています。
これが音速を超えると、逆に機体と空気の摩擦熱でどうやって冷やすかという話になってしまいますが、この飛行機は巡航速度や最高速度があたしの乱暴ルギーニと大して変わりません。
つまり、高い高度に上がれば上がっただけ、冷やされてしまうのです。
その代わりに軽くて小さめなので、重さもあたしの乱暴ルギーニと大して変わらない2.3トンですよ。
更にはエンジン、180馬力のターボ過給機付きディーゼルエンジンが、ふたつ。
2つ合わせてすら出力が乱暴ルギーニの半分で、よく空を飛べるとは思いますけど…まぁ、実際にこうして飛んでいますからよしとしましょう。
で、凍るような寒い場所まで上がる理由。
機首下部のカメラを使って、偵察をするからですと。
(派手な水蒸気爆発の割には色々飛び散っていませんね。ただ、見た目は噴煙をそこそこに噴き上げていると…)
そう、事もあろうに、ムラピ山の山頂の火口を撮影したいとエマ助がっ。
あのねぇ、火山弾とか火山灰、大丈夫なんでしょうね。
(大丈夫ですって。それがためにわざわざ南側に避けてるんすよ。それより順調に高度上がってますよね…)
ええそうです。この飛行機、無風状態では最高でも毎分1,000フィートしか上昇しません。メートル法に直すと300メートル。
つまり、離陸からこっち、上昇しっぱなしでも、高度六千メートルの高さまで上がるには二十分かかるんです。
これは戦闘機はもちろん、毎分2,500メートルという通常上昇率で高度を稼いで行けるスケアクロウよりもかなり遅い数字になってしまいます。
で、時間潰しがてら、ちょっと話を聞いておきましょう。
と申しますのも、初代様が言われますので。
(慌てて行っても得られるものはありません。それよりも、あそこの町に住むものや、果ては南洋王国の都にまでお山が火を噴く恐ろしさをたっぷりと味わってもらってから、あたくしどもがお邪魔した方が有り難みが増すというものです。まぁ、本当に害が及ぶような勢いで噴かせてはおりませんから、安心なさい)
そして、実際には…北東に吹いていたはずの風の風向をいじって、なんとジョクジャカルタから見て西のジャカルタの方角に向けて噴煙が流れて行くように嫌がらせをしていますよ、エマちゃんと初代様…。
更には、火山弾が南洋王国の王宮に着弾しております。そして、ジョクジャカルタの町にも何発かを落としているみたいですよ…これ、早くあたしたちが行って助けた方が…。
(ですから慌ててはなりませんよと。で、このようがんで燃やしたいものもあるのですよ。ほほほほほ)
いつから、このおばちゃんは放火魔になったのでしょうか。
火遊びが大好きなのは、雅美さんを口説いて犯し合う仲になるとか、はたまたジョスリンを食べたり、果てはマリアンヌ&スザンヌの二人を性奴隷同然に調教してしまったことでわかるのですけど。
(貴女も人の事が言えるのですか。そのムチは何ですの…)
ああ、ちょっと例のはりせんムチ、触手のように伸ばしていますね。
いえいえ、さっきの射精のようなことは勿体ないなぁと思っただけです。
他の三人のちんぽ、それとなく愛撫しているだけですよ。
(あふぅううっ、こ、これは罪人女官どもの卑しいChatteの動き…)
(こ、これは理恵さんのおめこの締まり…ベラ子陛下、まさか…)
(あなたがたの記憶と経験から導き出した擬似性器です。なかなかに再現性が高いと思うのですけど)
(しかし、これ再現性が高すぎますよ…)
(思わずベテハリのお尻を狙いたくなります…)
むろん、ベテハリ君はこの発言で嫌な顔をしますが、そこはそれ、あたしのムチで愛撫しながら無闇に襲わせはしないから安心しなさいと語りかけますと、どうもあたしには本心を吐露しても大丈夫と思ってくれたようです。
でまぁ、せっかくオリューレさんが手塩にかけて育てた子です。
しかも、本人にはまだ、言えませんけどね…特にベテハリ君の「出荷先」は決まってるようなものなんですよ…。いわば痴女皇国の戦略用の貢物。
それゆえに、あたしが出て来てまで面倒を見ていたりするんです…ただ、これも今、本人に言うと絶望する可能性があるので言い出しづらい話だったのです。
ですので…正直、この幼馴染の存在はものすごい吉報なんですよね、うまく使えば。ふふふ。
(しかし、ベテハリ君…仮にですよ、あなたの想い人のアニサちゃんですか、彼女が誰かと結婚していたとして、諦められますか)
(ええ…そうなっていると思うから、余計に気にしちゃうんです…)
(では、更にお聞きしましょう。仮にアニサちゃんが、やっぱりベテハリ君がいい、またお付き合いしたいと言い出したらどうしますか? )
(そのときは…そうだ、皇帝さまなら、人の心が読めるんですよね? あの子の心を読んでもらえないでしょうか? )
うぉっ。な、なんという賢い発言っ。
これでは、アニサちゃんをだまくらか…いえいえいえいえ、説得するのはちょっと困る話になりますね。
確かに、あたしには皇帝の自覚はあまりない…というよりも、痴女皇国の皇帝という肩書の権威の程度をあまり大したことがないように思いがちですけど、実際にはかなりの威圧や威迫を与えるようです。
例えば、あたしが仮にアニサちゃんが生きているとしまして「ベテハリ君は痴女皇国で保護しています。あなたの事を今でもすごく心配して気にしているから、一度会ってあげて貰えませんか」などと頼んだとしましょう。
これ、アニサちゃん本人にしてみれば、ベテハリ君とよりを戻しなさいとあたしが暗に強要したように感じてしまう可能性すらあるんです。
ですから、ちょっとその辺りを考えてあげたいところではあります。
で、それはそれとして元気を取り戻した少年ちんぽ。
(まだまだ未熟なところはあるけど、将来は期待できますわ。それと陛下…あたしは元の出自がほら、あれですやん。それもあってベテハリ君みたいな子にはイマイチ食指が動かなかったんですけどね、これは雅美さんとか乳上とか、あとは陛下がハマるのがわかりますわ)
いいいいい。ちょっと待ってダリアさん。あたしは少年が好きなんじゃないの! クリスおじさまがあの年齢外観固定だからはぁはぁしてるだけなんですよっ。
(え…皇帝さまも若いおとこのこがすきなんですか)
ちょちょちょちょちょ、ベテハリ君それ誤解誤解誤解!
というわけで、あたしの聖環ライブラリから秘蔵のおじさまとのファックシーンを見せてあげます。
あ、こないだ、おじさまの秘書嬢を鍛えるためにも、おじさまの目の前でアンヌマリーちゃんを犯したことあったよね。あれにしましょう、あれに!
(あーそうか、陛下に調教受けてたあれですね)と、あたしの上に乗りながら腰を使うアンヌマリーちゃん。
ええ、挿入させてあげてます。
狭い場所でごめんなさいね。
(それで私の身体を一時的に14歳程度に戻したのですか…。Coqだけは成人用で…)
(そうそう。クリスおじさまの身体と同じようなものよ…)
(ベテハリ、今こっちを見るのは難しいと思うけど、聖父様…クリス・ワーズワース皇配殿下は今の私と同じで、見た目通りの年齢じゃないわよ? それに貴方も、身長や体格を調整されて、見た目はか弱くてはかなげな少年の姿にされたでしょう? 私たちは人間の外観をある程度は自由に変えることができるのです。ただ…)
(その先はあたしが言います。ベテハリ君、この方…クリスおじさまは、望まない性体験をしたせいでその後の人生を狂わされかけた不幸な方です。そして、あたしたち痴女皇国にとって国としてやって行くための必要な勉強の成果を授けてくださる、ある意味では神様のようにありがたい方なんですよ。で、その見返りに、あたしたちは、おじさまに長生きしてもらえるようにさせて頂きました。ただ…副作用…絶林檎の実を食べたら、おいしいけど後で大変でしょう。それに近いことがあるのです)
(ああ、何かしてもらったおかえしですね…今、騎士だんちょう様にごほうしを受けておりますけど、そのおかえしをするようなものですか)
(まぁ、そんなところです。そして、おじさまは…大人の姿になれなくなったんです。もちろん、あたしたちが助ければ、大人の姿に変わることもできますよ。けれども、おじさまの奥様であり、あたしの母親で最初の聖母のジーナ・高木を始め、痴女皇国のみんながおじさまに少年の姿である方が尊いとお願いしたのです。そして、おじさまは皆の願いを聞き入れて下さいました)
(それで、僕とあまり変わらない姿のままに…)
(そして、ベテハリ君。誰かから説明を受けたと思いますけど、実は、あなたの身体も似たようなことになっているんですよ。ただ、あなたの場合は罪人として調整されています。これも聞いたとは思いますけど、貴方は女の人を喜ばせないとすぐに死んでしまうようになっているんです。これは、皇帝であるあたしでも簡単に「じゃあベテハリ君は真面目だから罪をゆるしてあげよう」ということはできません。だけど、ですよ…よく聞いてね? あなたが生きているだけでも喜んでくれる人が、あたしを含めて何人もいてくれたり、今はダリアさんがしてくれてるけど、あなたとこういう事をして喜んでくれる人が増えるほど、あなたは生きていられるのです。そして、アンヌマリーちゃんが今はそうなんだけど、あなたのご主人様をしてくれる人がいれば、これも、あなたの寿命を伸ばす助けになるんですよ。ふふふ。そう…なぜ、あなたを南洋島に連れて行くのか、わかりますね…)
ふむ。確かに、初代様があたしの中にいるのに、住民に害をなす自然災害をみだりに許しはしないでしょう。
今回の茸島の幽霊騒ぎで改めて浮き彫りにされましたが、聖院開闢からこちら、金衣女聖を筆頭にした女官が東南アジア一帯を人が住めるようにカイゼンして行った内容、それなりに壮絶なものでした。
水源確保や日常生活用器具の普及に始まり、生活指導。それはそれは、初代様の身体寿命を縮めてしまうほどのあれこれが起きたようでして。
しかも聖院開闢当時の条件が「内政不干渉」であり、他にも色々ときつい制約があった中では、とうてい今のようなのほほんとした痴女宮のような雰囲気ではなかったようですね…。
で、そうした規則に対して切れた姉が痴女皇国を建国した事で、聖院規範を力ずくで有名無実化したと問題にはなりました。
ですが、連邦やNBの勢力を呼び込む事で結果的に世界の存続に寄与したとなりまして、差し引きゼロで引き続き痴女皇国として名称変更した聖院経営を行う建前で家族会や比丘尼国朝廷他も納得するという話に。
更には、二代目皇帝にあたしが即位就任する事で、周辺諸国を力で従えるのみならず、宗教的価値や資源に技術と言った飴をちらつかせる政策に転換した事を印象付けて、巧みに地球人類文明の舵取りの主導権を握るに至ったのだと説明されています。
あのー、あたし、何もしてないに等しいんですが…。
(マリアリーゼいわく、それで良いそうですわよ。言うなればマリアヴェッラは痴女皇国の象徴であり、歩く帝冠。そのおみこしをかつぐ者が痴女皇国の臣下にふさわしい人物であると言い切っておりますからねぇ)
さいですか。
おばちゃんに、こうも言い切られては言い返す気にもなりません。
(それと、マリアヴェッラはある意味では皇帝らしいとも申しておりましたわね、あの子は…。ほら、普通なら皇帝らしいところを見せようとして何か手柄を立てようとするが、貴女にはそれがないから却ってよい結果を生んでいるとも、ね。あたくしから見ましても、変に焦らないのは好ましいところでしてよ)
あぁ、それも姉や母様から言い聞かされています。
下手にgestoに走るなとも。
特にジーナ母様は、評価を焦るあまりに「余計なことをしようとする」士官候補を指導する立場でしたから、尚更。
で、我々が向かっている南洋島は正に南洋王国の首都が所在する島であり、目的地のジョクジャカルタもインドのマハラジャに該当する藩王が在する町だとか。
つまり、必要以上に助けては南洋王国からクレームが来る可能性があります。
更にはベテハリ君の懸念たる、昔の彼女の去就。
これを調べるためだけであっても、うかつにあたしたちが姿を見せれば、恐れながら聖院の女官様が何故にお越しになられたのでしょうかと訝しがられるお話になるようです。
言い換えれば、今の南洋王国現王朝とはそういう関係みたいですね。
(痴女島だけでなく、茸島も実質的にあたくしたちが奪い取ったかのように思っておるようで)
(租借条約を結んでやったのに何やってんだか。今の前の当主がアホボンだったから政権交代に手を貸してやった恩を忘れやがって…しかも、あたしはまだしも、初代様からクレーゼ母様までの歴代金衣、一体どれだけてめぇら南洋王国の復興や興隆を手助けしてやったのかよと言いたくなりますよ)
(ですわよねぇ。マリアリーゼ、あまり邪魔立てするようであれば滅ぼすにやぶさかではありませんわね。なに、あの蔵が立つおやまをちょいと吹き飛ばす勢いで噴かせれば)
と、物騒な怒り方をしていますけど、初代様と姉が怒ること自体は無理もないでしょうってお話もあるんですよねぇ。
ただ、今回の噴火、向こうにはそれなりの脅威に映っているでしょう。
姉からも地元藩王が泣きつく可能性がある程度に、初代様が山を揺するからなとの連絡が入ります。
(母様、偵察カメラをこちらで使いたいのでFL200まで高度を上げますよ。キャビン与圧警報に注意願います)
(了解…あ、ベテハリ君ね)
そうです。
高度順応力が普通の人でしかないベテハリ君がいるのに、無与圧状態で高度6,000m以上になんて上がれません。それこそ高山病待ったなしですよ。
(現在の外気温マイナス6度、気圧は490ヘクトパスカルか…)
(それは地上に比べて、どの程度低いのでしょうか)と、隣のアンヌマリーちゃんがベテハリ君を気遣っています。
(気圧や酸素濃度は海面すぐの空気の半分。気温は…今は地表だと30度くらいね)
(普通の人間は死なないにしても弱りますね…)
幸い、あたしとアンヌマリーちゃんの間の天井部に設けられた空調のスポット吹き出し口からは適温の空気が出ており、機内気圧も現在は0.9~0.8気圧程度で推移しています。
で、エマ助が遠隔でオートパイロット入力値を変更した通りに、雲を突っ切って上昇を続けて行きます。
それはそうと、飛行機を飛ばしていると、ぴろりんとかポンとか言う電子音に敏感になるそうですが…一応、あたしとアンヌマリーちゃんはゴツいヘッドセットを着けていますよ。
そして、主翼前縁や吸気口辺りの氷結検知警報と、アンチアイス作動表示の点灯を確認するとかしております。
ええ。それなりに雲海を眺められる…富士山の2倍近い高さまで上がりますと、さっきのアンヌマリーちゃんとの会話で話が出た通りの外気温になります。
当然、翼の端と言わずプロペラの先端と言わず、風に晒されている場所が凍りつきます。
で、飛行機が事故を起こす話が大好きな人はよくご存知だとか姉が言いますけど、電熱やエンジンの排熱で氷を溶かす仕掛けが飛行機にはついています。
これが音速を超えると、逆に機体と空気の摩擦熱でどうやって冷やすかという話になってしまいますが、この飛行機は巡航速度や最高速度があたしの乱暴ルギーニと大して変わりません。
つまり、高い高度に上がれば上がっただけ、冷やされてしまうのです。
その代わりに軽くて小さめなので、重さもあたしの乱暴ルギーニと大して変わらない2.3トンですよ。
更にはエンジン、180馬力のターボ過給機付きディーゼルエンジンが、ふたつ。
2つ合わせてすら出力が乱暴ルギーニの半分で、よく空を飛べるとは思いますけど…まぁ、実際にこうして飛んでいますからよしとしましょう。
で、凍るような寒い場所まで上がる理由。
機首下部のカメラを使って、偵察をするからですと。
(派手な水蒸気爆発の割には色々飛び散っていませんね。ただ、見た目は噴煙をそこそこに噴き上げていると…)
そう、事もあろうに、ムラピ山の山頂の火口を撮影したいとエマ助がっ。
あのねぇ、火山弾とか火山灰、大丈夫なんでしょうね。
(大丈夫ですって。それがためにわざわざ南側に避けてるんすよ。それより順調に高度上がってますよね…)
ええそうです。この飛行機、無風状態では最高でも毎分1,000フィートしか上昇しません。メートル法に直すと300メートル。
つまり、離陸からこっち、上昇しっぱなしでも、高度六千メートルの高さまで上がるには二十分かかるんです。
これは戦闘機はもちろん、毎分2,500メートルという通常上昇率で高度を稼いで行けるスケアクロウよりもかなり遅い数字になってしまいます。
で、時間潰しがてら、ちょっと話を聞いておきましょう。
と申しますのも、初代様が言われますので。
(慌てて行っても得られるものはありません。それよりも、あそこの町に住むものや、果ては南洋王国の都にまでお山が火を噴く恐ろしさをたっぷりと味わってもらってから、あたくしどもがお邪魔した方が有り難みが増すというものです。まぁ、本当に害が及ぶような勢いで噴かせてはおりませんから、安心なさい)
そして、実際には…北東に吹いていたはずの風の風向をいじって、なんとジョクジャカルタから見て西のジャカルタの方角に向けて噴煙が流れて行くように嫌がらせをしていますよ、エマちゃんと初代様…。
更には、火山弾が南洋王国の王宮に着弾しております。そして、ジョクジャカルタの町にも何発かを落としているみたいですよ…これ、早くあたしたちが行って助けた方が…。
(ですから慌ててはなりませんよと。で、このようがんで燃やしたいものもあるのですよ。ほほほほほ)
いつから、このおばちゃんは放火魔になったのでしょうか。
火遊びが大好きなのは、雅美さんを口説いて犯し合う仲になるとか、はたまたジョスリンを食べたり、果てはマリアンヌ&スザンヌの二人を性奴隷同然に調教してしまったことでわかるのですけど。
(貴女も人の事が言えるのですか。そのムチは何ですの…)
ああ、ちょっと例のはりせんムチ、触手のように伸ばしていますね。
いえいえ、さっきの射精のようなことは勿体ないなぁと思っただけです。
他の三人のちんぽ、それとなく愛撫しているだけですよ。
(あふぅううっ、こ、これは罪人女官どもの卑しいChatteの動き…)
(こ、これは理恵さんのおめこの締まり…ベラ子陛下、まさか…)
(あなたがたの記憶と経験から導き出した擬似性器です。なかなかに再現性が高いと思うのですけど)
(しかし、これ再現性が高すぎますよ…)
(思わずベテハリのお尻を狙いたくなります…)
むろん、ベテハリ君はこの発言で嫌な顔をしますが、そこはそれ、あたしのムチで愛撫しながら無闇に襲わせはしないから安心しなさいと語りかけますと、どうもあたしには本心を吐露しても大丈夫と思ってくれたようです。
でまぁ、せっかくオリューレさんが手塩にかけて育てた子です。
しかも、本人にはまだ、言えませんけどね…特にベテハリ君の「出荷先」は決まってるようなものなんですよ…。いわば痴女皇国の戦略用の貢物。
それゆえに、あたしが出て来てまで面倒を見ていたりするんです…ただ、これも今、本人に言うと絶望する可能性があるので言い出しづらい話だったのです。
ですので…正直、この幼馴染の存在はものすごい吉報なんですよね、うまく使えば。ふふふ。
(しかし、ベテハリ君…仮にですよ、あなたの想い人のアニサちゃんですか、彼女が誰かと結婚していたとして、諦められますか)
(ええ…そうなっていると思うから、余計に気にしちゃうんです…)
(では、更にお聞きしましょう。仮にアニサちゃんが、やっぱりベテハリ君がいい、またお付き合いしたいと言い出したらどうしますか? )
(そのときは…そうだ、皇帝さまなら、人の心が読めるんですよね? あの子の心を読んでもらえないでしょうか? )
うぉっ。な、なんという賢い発言っ。
これでは、アニサちゃんをだまくらか…いえいえいえいえ、説得するのはちょっと困る話になりますね。
確かに、あたしには皇帝の自覚はあまりない…というよりも、痴女皇国の皇帝という肩書の権威の程度をあまり大したことがないように思いがちですけど、実際にはかなりの威圧や威迫を与えるようです。
例えば、あたしが仮にアニサちゃんが生きているとしまして「ベテハリ君は痴女皇国で保護しています。あなたの事を今でもすごく心配して気にしているから、一度会ってあげて貰えませんか」などと頼んだとしましょう。
これ、アニサちゃん本人にしてみれば、ベテハリ君とよりを戻しなさいとあたしが暗に強要したように感じてしまう可能性すらあるんです。
ですから、ちょっとその辺りを考えてあげたいところではあります。
で、それはそれとして元気を取り戻した少年ちんぽ。
(まだまだ未熟なところはあるけど、将来は期待できますわ。それと陛下…あたしは元の出自がほら、あれですやん。それもあってベテハリ君みたいな子にはイマイチ食指が動かなかったんですけどね、これは雅美さんとか乳上とか、あとは陛下がハマるのがわかりますわ)
いいいいい。ちょっと待ってダリアさん。あたしは少年が好きなんじゃないの! クリスおじさまがあの年齢外観固定だからはぁはぁしてるだけなんですよっ。
(え…皇帝さまも若いおとこのこがすきなんですか)
ちょちょちょちょちょ、ベテハリ君それ誤解誤解誤解!
というわけで、あたしの聖環ライブラリから秘蔵のおじさまとのファックシーンを見せてあげます。
あ、こないだ、おじさまの秘書嬢を鍛えるためにも、おじさまの目の前でアンヌマリーちゃんを犯したことあったよね。あれにしましょう、あれに!
(あーそうか、陛下に調教受けてたあれですね)と、あたしの上に乗りながら腰を使うアンヌマリーちゃん。
ええ、挿入させてあげてます。
狭い場所でごめんなさいね。
(それで私の身体を一時的に14歳程度に戻したのですか…。Coqだけは成人用で…)
(そうそう。クリスおじさまの身体と同じようなものよ…)
(ベテハリ、今こっちを見るのは難しいと思うけど、聖父様…クリス・ワーズワース皇配殿下は今の私と同じで、見た目通りの年齢じゃないわよ? それに貴方も、身長や体格を調整されて、見た目はか弱くてはかなげな少年の姿にされたでしょう? 私たちは人間の外観をある程度は自由に変えることができるのです。ただ…)
(その先はあたしが言います。ベテハリ君、この方…クリスおじさまは、望まない性体験をしたせいでその後の人生を狂わされかけた不幸な方です。そして、あたしたち痴女皇国にとって国としてやって行くための必要な勉強の成果を授けてくださる、ある意味では神様のようにありがたい方なんですよ。で、その見返りに、あたしたちは、おじさまに長生きしてもらえるようにさせて頂きました。ただ…副作用…絶林檎の実を食べたら、おいしいけど後で大変でしょう。それに近いことがあるのです)
(ああ、何かしてもらったおかえしですね…今、騎士だんちょう様にごほうしを受けておりますけど、そのおかえしをするようなものですか)
(まぁ、そんなところです。そして、おじさまは…大人の姿になれなくなったんです。もちろん、あたしたちが助ければ、大人の姿に変わることもできますよ。けれども、おじさまの奥様であり、あたしの母親で最初の聖母のジーナ・高木を始め、痴女皇国のみんながおじさまに少年の姿である方が尊いとお願いしたのです。そして、おじさまは皆の願いを聞き入れて下さいました)
(それで、僕とあまり変わらない姿のままに…)
(そして、ベテハリ君。誰かから説明を受けたと思いますけど、実は、あなたの身体も似たようなことになっているんですよ。ただ、あなたの場合は罪人として調整されています。これも聞いたとは思いますけど、貴方は女の人を喜ばせないとすぐに死んでしまうようになっているんです。これは、皇帝であるあたしでも簡単に「じゃあベテハリ君は真面目だから罪をゆるしてあげよう」ということはできません。だけど、ですよ…よく聞いてね? あなたが生きているだけでも喜んでくれる人が、あたしを含めて何人もいてくれたり、今はダリアさんがしてくれてるけど、あなたとこういう事をして喜んでくれる人が増えるほど、あなたは生きていられるのです。そして、アンヌマリーちゃんが今はそうなんだけど、あなたのご主人様をしてくれる人がいれば、これも、あなたの寿命を伸ばす助けになるんですよ。ふふふ。そう…なぜ、あなたを南洋島に連れて行くのか、わかりますね…)
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