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夏の仮装肝試し祭り!・4

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あのですねぇ。

予定していた話と違う。

これ、痴女皇国ではありがちな話だと思うのです。

しかし今回は苦情を言います。強く。

垂直尾翼にHT013と書かれた黒い大きな飛行機。

海から痴女皇国の聖院空港滑走路の先の斜面を使って上がって来たそれを見た瞬間、聖院の母様に文句を言いました。

何でこれを持ってくるのかと。

ええそうです。

言わずと知れた変態輸送機のスケアクロウが目の前に。

ですからこっちはですね、バンシーとババヤガーの発進準備をエマちゃんに頼もうとしてたんですよ?

そしたら緊急心話で「聖院側の要望で飛行機を持ち込むからそれ使ってくれ」という連絡が来まして、聖院空港に駆けつけたらこれじゃないですか。

一体何故にこんな変態飛行機を持ち込むのかぁっ。

およそ操縦席区画に乗る資格がある全員が嫌がるこの飛行機を持ち込まずとも。

あ、痴女皇国の方のスケアクロウIT011号機、今はNBに戻されて完全解体に近いところまでバラされて点検を受けているそうです。どうやってるのかは不明ですが…。

(うちが特殊空間でバラしとります。で、歪みや疲労蓄積度を検査して、規定値外のパーツはそっくり再構成または再生して組み直しですわ。もう1日に人間やめるお酒10本は欲しいレベルです…あーハイラ○トうめー)

ちょっと待ったエマちゃん。

そういう事してる場所って普通、禁煙じゃないのですか。

(ちゃんと喫煙コーナー作ってますぅ。うちの周囲の粒子量がJIS規格のクラス3、NASA規格のクラス1になるようにちゃんと調整してから再組み立て工程に戻ってますがな…)

で、あとどれくらいかかるの。

確か1ヶ月は要するとか聞いたんだけど。その、全般検査っての。

(そっすねー、急かされたんなら2日くらいで)

(1ヶ月きっちりかけていいから。お願いだから)

(そんなにこれを飛ばすのが嫌なんですか、かーさま…)

(こっちに今聖院の013号機が来てるのよ? それすらあたしは動かしたくないのです。せっかく011号機がNBに車検みたいな事で送り返されるというから心が安らいでいたのですが)

(かーさま。IT011は痴女皇国歴で7月20日までにはそっちに戻せと指示が来てます。理由は聖院学院の夏季輪姦学校。今年の行き先はハワイだそうですけど、例の死霊退治とか盆踊りの風習の定着とかで変更の可能性もあるみたいなんで、校外学習の具体的な行き先は田野瀬さんに聞いて下さい。それと、早めたらうちのIT011を飛ばす話になりかねませんよっ)

ダメ!なら絶対工期の前倒しはダメ!慌てずにじっくりやってね?頼むわよ?

(ほんっとーにスケアクロウに乗りたくないんですね…)

(乗りたくないじゃなしに、操縦が嫌なの!)

と、スケアクロウの乗員室ドアが開いて階段が降ろされます。

降りて来たのは聖院母様と聖院の方のエマちゃんに、篠村直美さん…。

ぬぁんで瞳さんがぁっ。

「面子に必要だからと乗せられたのです。苦情はこちらに」と、聖院母様を見る瞳さん。制服は聖院女官服ですよ。

「サリーは今、乗せられんからな…ベラちゃん、とりあえず日没後に茸島に着くようにフライトプラン組むから、ちょっとそっちの部屋どっか貸してくれるか」

了解了解。

と言っても滑走路と格納庫、それと簡単なプレハブ事務棟しかない聖院空港です。

雅美さんに心話で本宮の会議室が空いているか確認、地下鉄の団体扱いを理恵さんにお願いします。

(ちょい待ってね。聖院のジーナさんとエマちゃんと篠村さんと…瞳さんとベラちゃんは皇帝室公務扱いで乗車許可出てるから…聖院の三名様には2日有効のフリーパス出したから、聖環かざすだけでOK。ついでに2番線の4両編成、回送扱いで本宮地下駅に送り込む分だからそれに乗ってくれたら罪人寮じゃなしに本宮行けるよ。ホーム監視担当の騎士さんにホームドア開けてもらって)

どうやら聖院学院の生徒さんが団体で乗る時と同様、専用電車を出してくれるみたいです。

で、聖院空港正門すぐそばの新港事務所地下駅にエレベーターで降りまして、改札を通ってホームに降ります。

「2 回送 Out of service」のホーム表示が出ている側に騎士さんが立っていて、こちらですよと案内してくれます。

「六◯ライナーと変わりませんね…」篠村さんがふむふむと乗り込んだ車内を見回しておられます。

確かに、私も今学年からは分体を出して通わせていますあそこ高校ですが、その埋立地行きの豆電車、学校敷地のすぐ横を走っているんですよね。

「私は別の女子校に行かされたんですけど、そこの同級生の方が自宅に招いて下さいまして…聞けば、デベロッパーのお付き合いでそこの分譲に入居したらしいんですよ。まぁ便利かどうかは推して知るべしで」

あたしは、ポートアイランドの方なら何度か行った事はあるんですけどね。

(車言うかトラックやったら何度かあるんやけどな。うちはほんま、高校出たら電車に乗らんようになってもうたからなぁ)

そう言えば母様が沖縄でのアシにしていた軽乗用車、ありましたね。基地軍人住宅に置いてたの。

「あれはうちはまだ持ってるけど、痴女皇国のうちは処分しとる筈やぞ。何や、使うんやったら初年度登録からそろそろ10年行くしナンバー切って渡すけど」

(軽というのがこのおばはんのケチ癖を語っているが、ベラ子がねだる魂胆はわからなくもない。要は酷道2号線を経由して車をダムの下に下ろすのが面倒だから、工場街でアシにできるのが欲しいんだろ?)

ついでに言うと、あたしの伝手なら頼めばイタリア製の小型車を手配できます。ただ…あの一番小さい丸い目のあれ、本当に小さいんですよ。

母様が沖縄で使っていた軽の方がまだ、大人4人がちゃんと乗れます。特に後ろ。


(あと、駅から工場まで遠い罪人さんもいますからね。日除け雨よけが歩道に付きましたけど)

ボンボン、とチャイムが鳴って出発した電車の中で話を続けます。聖院港の埠頭から本宮正門へは動く歩道を付ける話もあるようですけど、工場街には不向きな設備でしょう。

(うちら側のやられ社から連接バスを買う。あれは自動運転オプションがつくタイプだから、地下鉄の駅から防火水路の手前までを巡回運転させりゃちょうどいいだろ)

話を聞くと、監獄社の子会社の車台に西日本やられ車体社がボディを載せて作る新品らしいですね。

(三河監獄国でもの寮と工場の間の囚人輸送用に導入する話を進めてるからな。ついでに九州監獄社の敷地の横にニドン社がバスとトラックの工場を作るそうだ)

「こんにちわ、マリア」を含めたこのお話、前からお読みの方はお気付きかも知れませんが、聖院や痴女皇国世界で言う中洲泡風呂国に該当する県に対して、やたら支援めいた話が多いとお気付きの方、いらっしゃいますか。

姉曰く「泣きつかれたから事情を調べた。あたしらは聖院規範が行動の基準になってるから、泣きつかれた順番で助ける。ま、あたしらにも利のある話なら親切の押し売りもやぶさかじゃないけどな」

バーデン=バーデンやスペインなんかは正にそれですね。

はっきり言うと、姉はこういう親切に見せかけた食い込みと利権確保、大好きです。

きっちり九州北部の苅田港にアークロイヤル級の寄港地を確保するとか、リニア延伸に絡めてあたしの同級生やパイセンやたのきちの実家を含めて利権や営利を得るとか、基本的に単なる善意では絶対に動かないと思った方がいいでしょう。

厳しい見方をすれば、あたしを飾り立てる費用を出しているのも一種の広告塔やシンボルイメージ役を期待しているからでしょう。

(そりゃ当たり前だろ。ただ、こうでもしないと善意の有り難みを真剣に捉えてくれない人間も少なくはないよな? だから、タダほど高くつくもんはないと教える必要もあんだよ)

ええ、ルクレツィア母様やうちの叔父叔母、姉のこの思考を痛いほどよく知っている部類です。厚かましくするのは危険であるとさえ思っていますね。

(だから逆に多額の投資を引き出せてんだよ。それと毒盛りはマメだな。自分が学ぶ意味もあるけど、かなり頻繁に報告連絡相談を入れてくる部類だ。連邦世界での自分の最期がよほど応えたみたいでな…そうだ、フランスにあいつの嫁さんと子供いてるだろ。あれの保護したいから数日中に黒薔薇借りるぞ。行き帰りのアシはバーデン飛行場に置いてるアトランティック2を使うからベラ子は気にしなくていい。ただ、黒薔薇2人くらい借りてるのだけ覚えといてくれ)

了解。

あー…叔父の奥様とお子様なのに、フランスに住んでるせいで隠し子も同然の方々ですね。

ちなみに聖母教会、一夫多妻またはお妾さん、認めてますよ。

(マリア。空いてたらうちのHT013貸そか? うちらも聖院学院聖院島校の野外活動で使うまでは空いてるしな)

(白かーさんあんがとー。まー、まずは茸島絡みの話片付けてからでいーよー)

そんな話をしていると、電車は港町駅から来た1号線と合流する場所に差し掛かったらしく、いつもこの辺りを走る時と違う動きを見せます。

大きく車体をくねらせて右側に走っている線路というか、道路のような…軌道というのですね、パイセンから突っ込みが入りました。

(聖院新港の先に車庫作ってもらったから、そこから出す列車は今みたいな回送電車の送り込み用のポイントを通るのよっ。通常視覚だと見えてないと思うけど、反対側の軌道、入れ替わりに基地に入れて点検に入る回送が行ったからね)

はぁ。

(それより痴女宮本宮駅に入ったらすぐ降りてよ? 今乗ってんの、折り返しで港町行きの営業運転に入れるからね)

はいはい。

で、正門前駅をゆっくり通過した電車、パイセンの言葉通りに財務局専用…でもないか、最近は…駅に滑り込みます。

で、あたしたちと入れ替わりに通勤で乗る女官や、先頭に積み込まれる現金輸送用の電動台車が待ち構えるホームに降ります。

この駅はホームが線路の両側に作られまして、お金の積み下ろし用に使うホームと人間用のホームが分かれています。むろん、あたしたちは人間用に行きますが、こちらからだと財務局直通のエレベーターが使えますので…。

そうそう、最近ではスイス経由でスペインやイタリア、果ては英国に持ち出される金銀の量も増えているとかで、1日一便は必ず運航される欧州便の帆船には「何か」が必ず積まれているようですね。

(一気に移動させてもいいんだけど、向こうでインフレ起こしたくないってのもあるからな。あと聖院港の案内所に持ち込まれた現地通貨あるじゃん。あれも欧州に戻して本部や支部で消費させる必要あるし)

そんな訳でハバナとナッソーの木工職人や船大工さんが大忙しで量産している姉曰くの「月刊大型帆船」オセアン型、元々の設計が連邦世界でのフランス王国の船であるにも関わらず、痴女皇国世界ではまだ影も形もなかったのを良い事にイギリスとスペインの共同設計扱いにして増産しているようです。

(まぁ、ヴィクトリー級みたいな半鋼製船体の船の製造の目処がつけば交代していく船だけどな。やっぱ帆船だと帆柱とか帆桁の存在が空気抵抗やら何やらで色々邪魔ではあるんだよ、高速航行時に)

そりゃそうでしょ…原型の帆船の何倍の速度で走ってんですか、あれ。あんな無茶苦茶なもの、見た人全員が頭を抱えていますよ。特に連邦世界の方々。

(この時代にいきなり全鋼製ダブルハル…二重以上の複雑な船殻の鋼製船体を造れる訳ねぇだろ…一応は造船技術をこっちの世界で持たせたいんだからさぁ…)

とまぁ、姉のぼやきに適当に突っ込み返しつつも財務局を経由して会議室へ。

「でまぁ、今晩のフライトやけど、とりあえず痴女皇国のマリ公からのオーダーはお化けの出没痕跡がないかを探るのもさりながら…一番に見て欲しいのは集落の生活実態やそうや。ぶっちゃけ、日没後にアレの気配が多い場所をチェックしておいてくれと言われたんやけどな」席について挨拶の後で、聖院母様がいきなり切り出されます。

で、アレですか…。

アレとは、即ち

この世界のこの時代の赤道帯域で熱帯であれば、日が暮れて暗くなった後で年頃の男女なら高い確率で始めているあれですよ、あれ。

「痴女島でもまぁまぁやってた訳やし、人口がもっと多いバリ島…茸島なら更にそういう事をしておるやろうと」

「まぁ正直、聖院時代でも買春に来てたらしいですけどねぇ…はるばる」

こっち聖院でも茸島からの買春専用転送ルートあるぞ」あるんですか。

「当たり前やがな。痴女皇国側の衛星偵察での推計人口調査データ見せてもろたけど、聖院世界とそんなに変化はない。おおむね数十万人は島全体で居住してる。面積が類似の日本の愛媛県と比べても…明治時代に80万人を割り込んでるし、ピークが昭和時代の高度経済成長期の150万人やからな、愛媛。バリ島とは可住面積がまるっきり違うから比較にならんけど、第三次世界大戦前のバリでピーク時500万人近い。連邦世界での現在は300万人超えという所やから、中世時代の状況としては上出来な部類やろ」

つまり、茸島というのは聖院や痴女皇国にとっても労働力資源や精気資源として着目はしていたのですよ。

ただ…南洋王国の統治領ということで、今まではあまり盛大に占領支配出来なかったんですよね。

「北側は痴女皇国の支配地域にしたんやったか。で、お化けが暴れて困るということで、南側のデンパサール近辺を含めて実質占領の口実にしたいというのが本音やな。これは聖院側でもいずれは茸島全域を開発する必要があるから、今回のお化け作戦についてはある程度の支援をして欲しい。これはうち聖院のマリアからの要請でもある。なんせインポタケっちゅう戦略物資の産地や。これは何が何でも抑えておくべきやろ」

既にこちら痴女皇国側では茸島に警備本部を置くわ行政事務所を置くわと、結構やりたい放題やってはいますが、何せ痴女皇国の施設は北部地域に置かれています。

南側のデンパサールに移転すると、痴女島からの往来が不便になるんですよねぇ…。

(ベラちゃん。デンパサール空港DPSの位置に飛行場を作れば全てが解決するやんか。あそこやったら09/27か…270の方も90の方も滑走路端が海にかかっとるからM型とG型の出入り用の斜路も作れるやろ)

(それが嫌だから、南側はなんとかして間接統治のままであたしたちの言うこと聞かせたいんですよっ。そりゃ資源提供したらNBの持ってるスケアクロウのM型の残り、G型に改装して引き取るくらい余裕で出来ますけどね…誰が飛ばすのかという人材育成の話がですねぇっ)

(まぁ、ベラちゃんがスケアクロウの操縦を嫌がっているのは今更やから会議に話を戻すで)

はいはい。

で、茸島の地形に何となく近いの、あたしはナポリ界隈を想像したんですけど…日本の方には静岡や高知に近いと言うとお分かり頂けますでしょうか。

元来のボルネオ島に近い地形で、山がちな北部に対して南部に大きな河洲めいた平地が広がっていて、そこの海に近い場所がデンパサールです。

つまり、ボルネオはともかく山岳地ばかりの痴女島に比べて人が住めそうな土地の面積が広いのです。

更には赤道帯域で、痴女島ほどではないにしても熱帯性気候でスコールもきっちり降りますし、水源となる河川も豊富で米作に適しているとか。

(言うても乾季と雨季でかなり気候特性、変わるぞ。季節風の影響もあって、島の全域で熱帯雨林を形成するには至ってへんからな)

なるほど、これは必然的に南側に偏りますね、人口…。

「で、アグン山やキンタマーニ高原のエリアには連邦世界より更に人口が少ないという観測結果も出てるし、夜間の低空飛行を余儀なくされるから、これはおかみ様と鈴鹿御前さんと幽霊さんの遠隔観測に留めてもええやろ。実際に幽霊は北部のシンガラハ近郊…つまり、ファインテックの施設や保養所のある辺りと、島の中央から南側…デンパサールから川を遡って平野が途切れる辺りの村で目撃例が出てるらしいからな。宗教的な浸透作戦を考えるにしても主な対象はやはり南部平野の集落やろ」

と、大真面目に言う母様ですが。

そうです。

卑猥な地名として日本でも知られる、キンタマーニ高原。

この地名に関して言及も駄洒落も一切言わずスルーしてブリーフィングを続ける母様には尊敬しかありません。

痴女皇国の母様なら絶対に何か言ってたでしょう。更には姉か雅美さんであれば、なおさら。

(しばくぞ…あんたは実の母親の事を何と思うとんねや…うちかて真面目に話す時は話すわいっ)

(かーさんに同意、今どきうちの女官にキンタマとかちんぽとかおめことか平気で言えないのは…)

(マリアさん…私は苦手ですけど…)怒りを抑え切れない口調の心話で、瞳さんが。

あー…瞳さんはそう言う言葉を口に出来ない訳ではありませんけど、言う場所と時間を厳密に選びますよね。

(本当はそういう淫語とか卑猥語の部類って、苦手なんですよ…?)挙句の果てにじろっと睨まれます。

「んで、本当ならキンタマーニ高原を見たい者もおるやろけど…あそこはあかんぞ。でかい火口湖が高原の面積の大半を占めとる」更には聖院母様にまで。

あたしは無実ですぅ…。

「で、バリ島にある水利組合。これが聖院世界はもとより痴女皇国世界にも一応は存在するようやねん。実のところ、この水利組合があって水田耕作が出来るようでな、意外に耕作水源が少ないのは連邦世界と大きく変わらんのよ、バリというか茸島」

ほんまですか。

「基本的にバリは火山島やろ。つまり火山灰が覆っていた上に、長い期間をかけて耕作可能な土壌が形成されていった歴史がある。そして…どでかい水源はあるにはあるけど、その湖がよりによって、キンタマーニ高原のカルデラの中やねん…勢い、水が流れる出口の川の場所は限られるやろ」

つまり、栄養のある土壌が、他所に売れるほどに降る量の雨で流される悩みのある痴女島とは全く異なる環境であると…。

「まぁ、その辺は実際に飛んでみたほうがわかりやすいやろ。ただなぁ…そんな地形の上に、スケアクロウで飛行する時の通常高度で飛ぶとお化けを探せない可能性もあるねんわ」

え。

「あれは基本、偵察に使う場合も主翼付け根のコンフォーマルポッド内に装備したカメラやらが主要偵察手段や。で…ベラちゃん、主翼伸ばしたままで高度2,000m未満をあれで飛んだらどないなる」

「かなり不安定な飛行姿勢を強いられるのでは。しかも三千メートル級と千五百メートル級の山の南側に可住地域が広がってるんですよね。夜は特に風で姿勢が乱れやすくなる気がします」

「グライダーのように上昇気流を利用した滑空飛行をするんやったらまだええねんけどな。今回は平野部をかなり、しらみつぶしに飛ぶ必要があるやろ。そして偵察行動時には主翼モードはシングル、つまり単葉で飛ぶのが鉄則や。複葉モードやと下側の主翼がカメラの邪魔になるからな」

うげげげげ。

そうなんですよねぇ…。

スケアクロウの偵察用センサー類は左右両方の上側主翼付け根に装着されたコンフォーマルポッドという物体に内蔵されています。

で、センサーはもとより一部兵装を使うと下側の主翼が邪魔になりますので、単葉機状態に変形しておくのを強く推奨していると教えられましたし。

「従って今回はさすがにベラちゃんに無理をさすわけにもいかへん。これがうちがここに来た理由や。それとな…お化けの気配を探るのにはやはり、おかみ様と鈴鹿さん以外にも探知能力に優れた比丘尼国関係者を乗せたいという話もあるねんけど…痴女皇国で霊感の強いのは室見さんか。あの子は嫌がるやろけど、乗せた方がええという話をそっちのマリアがしてな」
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