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夏の仮装肝試し祭り!・1
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皆様コニチワ、マリアヴェッラです。
さて今回は過去に暴れた妖怪さんと、現生への未練のあまりに化けて出た幽霊さん、千年後の痴女皇国に引っ張られて来る少し前から始まりますよ。
時系列的には闇堕ちマリアの↓の辺りからになるそうです。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/135/
…で、何故、そんな迷惑な方々を引っ張って来たのかについては…それなりの理由がありました…。
---------
「ふむふむ。確かにそんな話を聞いては捨て置けませんね。ただ、ひとつ案がございます」比丘尼国天女頭の鈴鹿御前と言われる方が口を開かれます。
「何でしょう」
「中原龍皇国では魔除けの祭りを開き、魔物を退けようとする風習がございます。確か琉球国でも似たならわし、されておりましたかと」
なるほど…地元の固有のお祭りとか何かあるんですかね。
雅美さんっ。
「バリ島にはあるわよ。それこそいっぱい。ただ…茸島ではやってなかったんじゃないかな。…おーい、オリューレさーん」
(はいはい。…そうですね…かなり昔の話だそうですが、天竺の神が悪王を討ち果たし平和をもたらした連邦世界の伝説と似た事、当代の聖院金衣が成し遂げたという話が伝わっております。茸島の統治が比較的良好に行えていますのも、この件が語り継がれておりますからかと)
「了解ー。ガルンガンに近いものはあるのね。あとはオダランは茸島じゃやっていなかったわね。あ、ガルンガンってのは悪い王様に苦しめられた民衆の嘆きを聞きつけたシヴァ神が魔人みたいな悪王をしばいて民衆を解放した故事を祝うお祭りで、オダランはバリ島に2まんこ…いえ、二万はある各宗教の寺院の創立祭よ。数が数だけにしょっちゅうどこかでやってるからね」
なるほど、お祭り自体は盛んにしていると。あと、寺院の数を個として勘定するのは仏罰ものなので後でパンチさんに謝っておいてください。痴女皇国は仏教徒とは円満な関係で推移したいですから。
では、ボルネオはどうなんでしょ。
「連邦世界だとイスラム教地域だから、偶像崇拝やイスラムの戒律に引っかかるような祭礼はなし。ただ…収穫祭めいた事はしているわね」
では…宗教の制約が薄い痴女島、ひいては南洋王国界隈に独自のお祭りの風習を広めてもいいんじゃないでしょうか。
最初は痴女島と茸島だけにしておいて、噂が広まれば他所で開いてもいいよとしておけば。
ただ、問題は聖母教との関連。
聖母教の教えはキリスト教をベースにしており、痴女皇国や痴女種に都合の悪い記載を変更するというカスタマイズをして広めています。
ですので…土着の神様を信仰する風習があるならば、聖母教の布教は都合が悪いかも知れません。
「んなもんかんたんやがな。比丘尼国でわしら祀ってても、おおみそかには寺に行くやろ。あれと同じようにしたったらええやんけ。じっさいにくすりやいしゃの手配とか、はたけにまく種わたしたるとか、せいぼ教の寺から逃げられへんようにしといた方がええやろけどな」
「つまり、お地蔵さんとかお稲荷さんを祀る感覚で地元の神様のお堂とか作ってあげるのもいいと思うわよ」
「ま、幸いにして、あんたらのご先祖様が助けた恩が伝説として伝わってるし、それに聖院が人助けしたのはその時だけじゃないでしょ? この辺の土着民に聖母教とやらを教え込むのが難しいなら、簡単な神様伝説を基にしたお祭りをやってみるのが理解が早くていいんじゃないかしら」
と、スクルド先生も申されます。
「ただ…5月のウプサラの再現はやめてね。未開民族だとすぐにあの手の生け贄の発想に行くからね」
あー大丈夫です。
いけにえ村作戦に参加した面子なら、あの村、引いては昔の北欧神種族支配地域で何をしていたか、思い出したくもない嫌な記憶としてしっかり覚えていますから。
「となるとさぁ、自作自演になるけど、我々が実際に幽霊なり妖怪なりを退治してあげる方が信じて貰えるわよねぇ。もともと色々な事で信頼は築いているはずだから」と、悪党顔で申されます内務局長。
つくづく、この人は悪事いえもといよろしくない事を考えさせたら天才的痛い痛いお尻痛いから!
「ベラちゃんの痔主姿を私も見たくはないのよ…」あたしに見せつけるように黒ぷっちょを顔の前で振る雅美さんですが、それやったらお返しに金柄の方のはりせん柄を突っ込みますからねっ。
「まーまー。で、悪霊退治に祭りはどうやと持ちかけて祭礼の風習を広める。で、あんたらの事だから若い男の童貞を奪うとかすりゃいいんじゃない? 下手な貢ぎ物とか生け贄よりもこれが一番効くでしょう。ついでにあんたらの神殿にお参りさせる風習作るとか、聖母堂なり教会作るとか」
むー。確かに買春には来てくれてるんですけど、やはり南洋王国はどちらかと言えば貧困国の部類。食べるものにあまり困らないのが救いみたいな所はありますからねぇ。
「連邦世界ならゴムやら麻黄やらコーヒーやら、いかにも植民地産業でございって産品、安い労働力で収穫させていたからね」
「ただ、痴女島の住人の皆様は罪人寮に出稼ぎまたは通いの労働者として稼いでもらっていたんですよ。で、今後は道路工事やら農耕牧畜を推し進めて海岸周辺だけでもある程度の人口を確保してもらう話、雅美さんとたのきちに頼んで考えてもらいましょう」
「文教局長の私がとか泣くわよ」
「あまり忙しくないのは知っています。聖院学院に福祉主任や教育主任女官を置いて、女官当たりの管理生徒数をなるべく少なくして教育程度を上げたい話も認めてあげたのですから!」
ええ、たのきちがわがまま言いやがりましたので久々に犯しました。
やっぱりベラちゃんのちんぽ最高とか叫ばせましたが何か。
ただでも千人卒以上の昇格を厳格化しとるところに、相反する計画…福祉部は女子生徒からの抜き取りがありますから、ちんぽ持ちの千人卒は一定数を必ず必要とするんです。
しかもそこに持ってきて、いくら教育制度をきちんとしたいからと言っても、学年主任ならぬ福祉主任とか教育主任とかねぇっ。
まぁ、生徒さんの中には福祉や教育の重要性に目覚めて聖母教会勤務他、人を教える職務を志望する人が出て来ている話でもあります。
優秀な教育者は痴女皇国、そして聖母教思想の伝導者になるよと雅美さんに玄奘さんに、果ては他部局からも賛成の話を聞かされては仕方ありません。
「ただ、教育に力を入れてるの、今回はプラスに働くかもよ…うちの罪人工場に就職してる少年や女官に行った少女でもさ、村や町に行かせて教育や自治を指導する役目を与えたら痴女島や茸島全体の民度向上にも繋がるじゃん」と言うのは、アオザイ姿を頑なに崩そうとしない文教局長、たのきち先生。
「で、これも痴女種だから面倒が見れる話だけどさ、ゆくゆくはジャワ島にスマトラやスラウェシにフィリピンまで、痴女皇国の衛星国として開発を進めるなら絶対に界隈の住民が協力的なことが前提になるよね。それなら今回の幽霊話、南洋王国の直轄領でも出る話にすれば南洋王国に政治介入できなくない?」
えげつない事考えるわねっ。
「だってさ、そもそも聖院時代から熱帯や火山地帯に由来する災害を抑制して来た訳でしょ? それなのに禿山を量産しかねない焼畑農業とか舐めてんのって思わない?」
「確かに田野瀬麻里子の話には一理あるわね…ただ、文明文化を与えて進化させるにしても、猿に強力な火器を与えて殺し合いする羽目にはならないようにお願いするわよ。肥料やら何やらで燐が必要だからってさ、島が水没するまで掘ってたらそこの島の住民、困るでしょ?」教鞭片手に眼鏡を光らせじろりと皆を一瞥するスクルド先生。
あー、連邦世界でそんな島、ありましたね。
「日本でも大東島がそうよ。特に南大東島と沖大東島。火薬や爆薬の原料になるせいもあるけど、急速な食料増産政策の煽りでやらかしたのは水俣の窒素肥料メーカーだけじゃないからね…」
で、ここは痴女宮本宮22階の会議室。
緊急招集がかけられて、とりあえず比丘尼国の天女頭たる鈴鹿御前様の報告による調査結果をもとに対策会議を開いています。
正直、こんな会議でですね。
連邦世界だと、それなりの面積と人員を擁し存在感は決して低くないインドネシアに相当する南洋王国の未来に干渉して属国化を推進して良いものか。
しかし、この地の民度や生活水準を考えますと幽霊やお化けの類に怯えて逃げるのも困りものです。
雅美さんとか他の人が散々に言ってくれましたけど、実はこのマリアヴェッラ、一部の方の読み通りで幽霊や妖怪の正体暴きや原因究明にあまり意欲を持っておりません。
しかしながら、本当にお化けが出るかはともかく、その原因を南洋王国民の過去の伝承や歴史に求めて痴女皇国がカイゼンして差し上げる。ついでに精気と労働力と耕作地や貿易拠点よこせ。
いわばお化け絡みで南洋王国を揺さぶり痴女皇国の介入統治を強化できるならば、それは国富のための戦略行動です。
原始的ではあれど、聖母信仰と祭礼の風習を与えて我々に協力的かつ従順であってくれるなら、やらない法はないでしょう。
で、会議の内容を受けたあたしは、おかみ様並びに鈴鹿御前さんと一緒に地下の墓所へ。
「ふむふむ、要はお化けの役目をするもんが欲しいと…おかみ様、これ…うちやなしに山本はんか、神野はんに頼む話やおまへんやろか」
「あほな事言うな。確かに鈴鹿が探してくれたけど、それやなしに昔、この島を荒らしたほんものがおるやろ。そいつらがばけもの役をやってくれたらわしらの手間は省けるんとちゃうか?」
「仮に呼び出したとして、ゆうこと聞いてくれますかな」
「ぱんちはんの話では成仏しとらんのがおるかもわからんらしいからな。もののけは何とかなっても、ゆうれい言うのはなぁ、探すんが難しいんや」
「むしろ本物がおった方が話が早うおまんな。別に言い伝えのばけもんまんまやのうてええから、幽霊がおったらすかうとしまひょか」
なるほど。霊感センサーも必要と。
という訳で…。
「ちょっくら行ってきますわ」
「なんで私がぁあああ」
(これは流石に皆で押し掛けるとまずい話、当代のあたくしに一言入れる必要もございますしね)
で、久々にテンプレス2世の格納庫から引っ張り出されたカリバーン、エマちゃんの制御で開闢当時の聖院に行って来るそうです。
更には初代様をエマちゃんが預かりまして、あちらの初代様に話をつけてから捕獲に及ぶと。
あと、スクルドさんが川◯浩探検隊の衣装なのは気にしないでおきましょう。ゆけゆけスクルドさん。
(本当にマリアヴェッラの人生を短縮したくてたまらないんだけど…覚えてなさいよっ!)
で、カリバーンの後席にスクルドさんを詰め込んだエマちゃんが前に座ってコクピットハッチを閉めてしまいます。
そして一瞬だけカリバーンが揺らいだように見えた次の瞬間に…。
(ほほほほほ、何せ一度探し出して焼き払っておりますからね。捕獲するなど造作もありませんわ)
カリバーンの前で高笑いするエマちゃんの中の初代様が首輪をつけて引き立てる青白い全裸女性と、スクルドさんが気色悪そうにしながら右手で髪の毛を掴んで持つ、首と内臓だけの気色悪い女性妖怪がそこに。
そして、この妖怪さんと幽霊さんがどうなったかは闇堕ちマリア↓の方で触れていますけど…妖怪さんはまだしも幽霊さんは非常に協力的でした。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/136/
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さて、ここでお話は幽霊さんやおかみ様を乗せて、副操縦士席の母様に手伝って頂きながら闇夜の痴女島周辺を飛行している時に進みますよ。
痴女島はボルネオより少し小さいのと…と言っても日本列島くらいの面積はあるそうですが、長細くはありません。
そして定住者の移住ルートの関係で、フィリピンに近い北岸と、ジャワ島などに近い西岸に村落が偏っているとは初代様の弁…。
(偏らせました。島の全部まで見張ってられるかですわっ)
高齢者って、何かと面倒臭がりますよね。
(マリアヴェッラ…本当にしばきますわよっ)
だいたい、統治を面倒臭がって住民を強制移住とか、どこのロシアとかソビエト連邦ですかっ。
(ただ、ボルネオもそやけど、元々は火山島やろ。うちらの日本列島でもせやけど、可住地や可耕地が少ないんや…加えて山が半端なく険しいから、建設機械が使えるうちらの時代はいざ知らず、道作るだけでも大変な話やで…専制君主が万を超える人足を集めるか、さもなかったら初代様とかクレーゼさんとかエマちゃんみたいなのがスパパパパっとやってまうしか手ぇあらへんやろ。聖院島でも道路開発の問題は出てるから他人事やないんよなぁ)
しかし、我々がこうして飛んでいて、逆に幽霊とかお化け扱いされたらどうするんでしょうか。
(雅美さんが手を打ってくれていますわ。マリアリーゼが広域心話で光りながら音を立てて飛ぶ鳥が2羽見られるかも知れないが、痴女皇国の依頼でおばけを探すために飛んでいるから心配無用であると住民に通告しております)
なら安心ですね…鈴鹿さんの方はどうでしょうか。
(うちは後ろをついて行っとります。むしろそっちの翼の明かりがあった方が追いかけやすいんで)
(鈴鹿の目ではどないや)
(正直、変な気配はしませんわ…もしいけるんやったら、明日の晩は茸島っちゅうんですか、あっちも探しといた方がええかも知れませんな。向こうは痴女島ほどには女官の支配が行き届いてへんのですやろ?)
(なるほど…確かに、人口も痴女島より多いし、何より住む場所も偏ってませんからね…)
(下手をするとおうちを作らない…野宿同然の暮らしをしている者すらおりますからね、痴女島)
これは連邦世界のボルネオにもいらっしゃいますね。ほとんど手荷物だけで狩りを主体として暮らしている方々…。
痴女島では立ち入れる場所を制限していて、ボルネオほどには多数の方々がお住まいではないようですけど。
(しかし、ほんまにうちらの応仁の乱以前…下手したら飛鳥あたりまで遡った時分の暮らしをしてはりますな。わたしらが進んでおるかはともかく、文字を使っておるんかすら怪しい連中もおりますで)
(そら、たのきちががくもんをひろめなあかん言い出しよるくらいやから、あるていどはけんとうをつけとったけどなぁ。あいぬもたいがいやったけど…)
(先程から目の前の板に出ております何がしかを見ておりますけど、私なら私が化けて出たこと…口で言い伝えているようなのですよ。海の向こうと物をやり取りしたり、後から移って来た者たちは硬い棒やら刃物やらを持って文字なる物を板や革やら石やらに書いておりましたが)
で、南洋王国があかん子の理由の一つですけど、文明の進み具合が国土の大半でこれというのがあります。
識字率を強制的に高める試みは聖院時代から幾度となく行って来ましたけど、定住しない人たちでは捕まえるにも一苦労。
聖院の規則で人治にあまり強く干渉できない事もあって、猛獣を配置したりうんぬんで住所不定な方々の可住地域をある程度絞り、人里との交流を図らせるくらいしか出来なかったようですね。
(もしかしたら、幽霊っちゅうのはそういう住所不定さんたちが里に降りて来たせいかも知れへんなぁ)隣の聖院母様が申されますが、日本にも山窩という方々や、慶次郎さんと親しい河原者といった住所不定の人たちがいますからねぇ。
(害がないなら放置したいんですけど、定住者と揉めても困りますからねぇ)
(いやがりよるやろけど、あいぬと同じや。自分らだけでくにを作れるようにならんと、よそから来たれんちゅうにしてやられてしまうからなぁ)
つまり、おかみ様としてはそうした不定住者はいずれは既存の集落に入り込むか、はたまた定住化するかしないと、武器や知恵を持っている他部族に滅ぼされるしかないとお考えなのでしょうか。
(そうでもあらへん。あいぬがええれいや。あいつらのかみさんがわしらとの仲がわるうないから、れんちゅうをほろぼすのは待てやとわしが江戸や松前に話しとるやろ? ここのれんちゅうにはおまえらがおるやないか。まもったるんやったらまもったり)
(姉の申す通りですわよ、マリアヴェッラ。貴女方はこの島や茸島の民にはもはや生き神の部類。ま…アレーゼのように、こんな生き方もあるぞと文明の利便性を教えて教化するのが無難でしょうね。時間はかかりますが)
(アレーゼだ。マリアヴェッラ。落ち着いたら一度米大陸の視察に来るが良いだろう。一応はお前の管轄する領土ではあるのだし、私もマイレーネも、お前とマリアに仕える立場なのを忘れないでくれよ?)
そーなんですよねー。大変にお強い上に、あたしや姉のお目付役ではありますけど、名目的にはあたしの家臣扱いでもあるのですよ、おばさまとマイレーネさん…。
(一応はあたくしを含めた家族会も、当代金衣の臣下となるのですよ。ただ…読者の皆様には監査役ですとか、すうみついんと申しますとよろしいかしら)
(ちなみにうちの聖院での今の役職は内務室長…そっちの雅美さんポジションやな)
(だからいい加減経理をですねっ)
(あと数年待ち。シェリーがモノになってからやっ)
と、言い合いしながら飛ばしておりますと。
(とりあえず鈴鹿さんにおかみ様まで出てもらって反応もないし、東側の調査は切り上げて戻って来てくれるかな?その位置なら大痴女山避けて聖院湖上空を飛行して戻れるだろ)
と、姉から要請が。
(酷道1号がブルネイまで通じてるんやろ。そこでヒトハチマル向いて戻りでええか、マリア)
(そんでいーよ。燃料も恐らく3割残しで帰還できると思うし)
という訳で連邦世界のブルネイに該当する町の上空で南に向きを変えて、聖院湖を目指します。
標高4,000mを越すキナバル山が北にそびえるボルネオ島と違いまして、聖院湖の真西に聖院山または大痴女山がそびえ立つ痴女島では、山を迂回するためにも聖院湖の上を飛ぶのが確実でしょう。
ちなみに智秋記念牧場、この大痴女山の南側のダラっとした斜面…標高1,000~2,000mの間にありますよ。
しかし、流石にこの辺りは暗いですね。
月の光を反射する湖面の上を縫うように飛んで行きますが、聖院湖は単純な形ではありません。
その北側は、さながら北欧のフィヨルドが両岸に広がるごとし。
まっすぐに飛ばすと確実に山にぶつかりますから、高度を上げるか地形に沿って慎重に飛ばす必要があります。
(水面高度ワンタウザン維持。聖炎島から5マイル地点で海面高度600、2千フィートまで降下。そのまま進路180で痴女宮上空飛び抜けて反転、ファイナルアプローチに入るで)
(了解です。対地高度一千、聖炎島5マイル手前で海面高度600…水面高度300、ウェイポイント、ST01で方位30まで旋回、HTA03にILS進入します)
これを翻訳しますと、聖院湖面から高度一千メートルを保って飛行、後宮の北側5マイル…8キロまで来た時点で聖院湖面高度300メートルまで降下。
そして聖院湖開闢記念大堤、つまり痴女宮と後ろのダムを飛び抜けて海に出て、海上の想定ポイントで北北東に旋回、電波誘導を受けながら聖院空港に南から進入して行くコースを取りますよ。
(風向変更の場合はST01で進路変更後、ウェイポイントNNE01で方位フタナナマルに反転、27へ南向きに進入するで)
こちらの場合はいったん滑走路を左に見ながら、滑走路北端の沖合で左旋回してから南南東に向かって着陸することになります。
(これやったら築城や岩国くらい楽やろ? 嘉手納と違うて混んでる事もあらへんしな…うちらの聖院島もこの仕様で作ってもらおか、空港)
(聖院にいる飛行機はバンシーとカリバーンでしたね、あとスケアクロウ)
(ただ、やっぱりある程度のサイズの陸上機を持っといた方が楽な話もあってな。スケアクロウみたいに水陸両用やったら運営の幅は広がるねんけど、あれは変態やからな…)
(便利なんですけどめんどくさいんですよね。変態飛行機ですし)
(転移機能があるのはええとして、あの値段で音速超えへんとか何やねんと…ようあんな変態仕様の特殊用途機考えつきよったな)
(サン=ジェルマン先生も設計に噛んだそうです。いかにもライミーが考えそうなモノにしてやろうと。腹が立ったのでこの間、他の件とあわせておちんちんの毛を永久脱毛してあげました)
(まぁ妥当やろ。あいつは性欲あらへんらしいし、パイパンでも困る事はないであろう)
(ただ、秘書さんが見てる前でオラオラと…)
(それでおっさん怒っとんのか…あんま無茶したらあかんで…)
(痛い目に合わせてはいませんから良いのではないかと…)
とまぁ、そんなおバカな話を混ぜながら聖院湖上空を飛びます事、2時間。
そろそろ明るくなった聖院湖上空の空を眺めながら…。
(母様。ちょっと申し訳ないんですけどぉ…離宮の側だけ手動操縦で飛ばしていいですか)
(危険な曲芸飛行やなかったらええけど…ああ、あれか…)
そうです。このまま飛んで行きますと離宮と後宮のすぐ上を通過します。
で、先程述べた高度処理の予定を変更、スロットルレバーを緩めて緩降下、聖院湖面から20メートルくらいの低空飛行に移ります。
でまぁ…離宮に接近する前にフラップを出して着陸脚も下ろします。
(失速速度はフラップフルダウンで110ノット。失速速度の15km/hくらい前でブザーが鳴るから注意しぃや)
ええ、聖院母様も、あたしがやりたい事を理解してくれました。
(正直、あまりやらしたないんやけど…ストールスピード近辺での技能飛行にはなるやろ…その代わりに絶対落とすなよ…)
そうそう、今あたしたちが見ている操縦席の計器類ですが、これに近いと思って下さい。
https://twitter.com/725578cc/status/1544256093810937856?s=20&t=Dn_XspKA5fwGxKI8DKL_qw
で、天の声も書いてますけど、この飛行機の失速速度、全ての補助翼を水平位置にした場合で278km/h未満、フラップをめ一杯に降ろした状態で204km/h未満です。
そしてですね。機長席側の…画像を見ながらお読み頂くのは難しいと思いますけど、計器盤の上のひさしのすぐ下にV速度計・方位計・時計が並んでいるすぐ左の赤いスイッチの更に横に白いスイッチが4つほど並んでますよね。
これとほぼ同じものが、あたしが今飛ばしている飛行機にもついています。
(よし今や)
母様の合図で、LANDINGと書かれたスイッチをONに。
瞬間、この機種の場合は主翼付け根の下側に付けられた着陸灯という結構明るいライトが点灯して、離宮のあたしの部屋を直撃します。
(普通は前の着陸脚についてるねんけどな、この機体の前脚は短いし小さいからそんなもん付ける余裕はないという事で、割とおもろい位置に付いとんのよな、ランディングライト)
(バンシーもスケアクロウも前輪ですね)
で、当然、あたしの部屋の中もベランダも、かなり明るい白色光で照らされます。
(えええええ? へ、陛下?)
(きゃあああああああ!)
ふふふ。あんたら、あたしの留守中に何をやっとんじゃいと言う代わりの悪戯ですよ、イタズラ。
つまり…あたしが何をやったのかと申しますと、夜間に飛行機を地上で動かす際のヘッドライト代わりの前照灯を点けて、離宮の自分の部屋を照らしたんです。
大人しく寝ていたら何もしませんでしたけど、何かしてるふいんき、近づく前に分かってましたから。
(おほほほほほ!瞳さんってあたしの留守中にあーーーーんな事とかこーーーーーーんな事してたんですねっ!ベラ子悲しいから泣きますっ!)離宮手前でえいやっと左旋回上昇、反転して高度を少し稼いでから離宮上空、そして堤防を飛び抜けながら部屋の中の人物に心話を送っておきましょう。きひひ。
(陛下…悪趣味ですよっ!)
(突然照らされるから何事かと…)
(何が起きたかと思いました…)
でまぁ、部屋の中で誰と誰と誰が何をしていたかは後でお話しさせて頂くとしまして、着陸脚…もうめんどくさいから出したままでいいですか、母様。
(速度上げたままはやめときや。この明るさやったらビジュアルアプローチでもいけるからショートカットをエマちゃんに頼み)
(了解ですぅ)
(ベラ子かーさま…何を大人げない事をしてはるんですかぁ…瞳さんとゼアラニーネさんとアンヌマリーちゃん、めっちゃ怒ってまっせ…)
(あたしの留守中にあんなんとかこんなんしてへんかったら許しました。しかしあんな事とかこんな事をしていたのを許せると思う? エマちゃん…)
(はいはい。とりあえずビジュアルアプローチで03に降りて下さい。参道上空から滑走路視認してファイナルアプローチかけた事にしときますから…連邦世界の市街地でこんな飛び方したらイエローカードでっせ…)
で、聖院空港に無事に飛行機を降ろして駐機場に向かう最中の会話ですが。
(まるでレジャーボートや離島の別荘上空にVTOL機とかヘリで忍び寄ってダウンウォッシュで嫌がらせをするような事を…)
(そんなんしてたんですか母様)
(やり過ぎたら小船やと沈むから程々にな。あとバンシーでやったらあかんぞ。あれの排気温度、マジで直近やと人が火傷で死ぬとか物が焦げたり焼けるからな)
(流石にそこまで無茶はやりませんよ…)
(嘉手納の陸戦は夜間の訓練の際に、演習地境界付近で車を停めてる奴を暗視で見て中の行為を覗いているようやけど…まぁ不審車両を発見したから監視してましたぁで通してるからな…)
(それTAPPS着用時の話ですよね…)
(もちろんやがな。うちのあおかん号の赤外線望遠やと、痴女種視覚に近いくらいにそれはもう数百メートル先からばっちりと)
(うちの方のあおかん号、母様がテンプレス2世の格納庫に置いて行ってますよ。こっちのおじさまにお話ししておきましょうか?)
(悪くない提案や。後でじっくりとその話を聞くとしよう)
えーと、この後の惨劇というか色々を知りたい人、いらっしゃいますか。
絶対におられると思うのです。
特に、あたしは自分の部屋に速攻で戻るつもりですから。
いいじゃないですか、こちらは夜通しに近い長時間飛行で地味に飛んでたんですよ?
ちょっとくらいのストレス解消なら!
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ひとみ「陛下がちょっとで済ませる気はないと思います」
ぜあら「あの明るい光が悪意に満ち満ちていました」
あんぬ「何事かと思いましたよ…あのウルシの刀というのですか、あれ構えようかと」
べらこ「長時間労働に身をやつした皇帝をねぎらう誠意があれば考えます」
ひとみ「いつも労っている気がします」
あんぬ「マリアンヌ母様からお聞きした通りでしたわね…ベラ子陛下は割と根に持つと」
べらこ「アンヌマリーちゃん。近々ストラスブールに行った際には、幹部三人首を洗って挨拶に来るよう言っといて下さい」
あんぬ「ひいいいいい」
ジーナ「ちなみに聖院の方やけど、この手の肉体言語が得意なのが意外と揃ってたりするのである」
べらこ「実は聖院のダリアさんや向こうのマリーちゃんは穏健派だったりするんですよ」
ひとみ「そう言えば、私、聖院で研修もあるんですよね…」
べらこ「なるべく早く戻してもらえるようお願いしています。瞳さんも頑張って覚えて来て下さい」
ジーナ「ベラ子がついて来そうな気がするんやけど」
ひとみ「流石にその時は、痴女皇国ほったらかして何してるんですかと怒ります」
ジーナ「夜くらいやったら大目に見るけどなぁ」
べらこ「やったー」
ジーナ「その代わり騒ぐなよ。サリーがめっちゃ怒るで…」
べらこ「あぃ…忘れてました…(しゅん)」
ひとみ「陛下も一応は人の親になったのですから、サリーさんのお見舞い名目なら良いのでは」
べらこ「その手があったか!」
ひとみ「ただ…そこではっちゃけたら本末転倒ですからね。あくまでもお見舞いが目的ですよっ」
ぜあら「瞳様がどんどん陛下の教育役の立ち位置に」
たのの「あたしですらベラちゃんの教育には散々苦労したのに…」
ひとみ「犬や猫よりは簡単ですよ?」
べらこ「どんどん猫扱いされてる…」
さて今回は過去に暴れた妖怪さんと、現生への未練のあまりに化けて出た幽霊さん、千年後の痴女皇国に引っ張られて来る少し前から始まりますよ。
時系列的には闇堕ちマリアの↓の辺りからになるそうです。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/135/
…で、何故、そんな迷惑な方々を引っ張って来たのかについては…それなりの理由がありました…。
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「ふむふむ。確かにそんな話を聞いては捨て置けませんね。ただ、ひとつ案がございます」比丘尼国天女頭の鈴鹿御前と言われる方が口を開かれます。
「何でしょう」
「中原龍皇国では魔除けの祭りを開き、魔物を退けようとする風習がございます。確か琉球国でも似たならわし、されておりましたかと」
なるほど…地元の固有のお祭りとか何かあるんですかね。
雅美さんっ。
「バリ島にはあるわよ。それこそいっぱい。ただ…茸島ではやってなかったんじゃないかな。…おーい、オリューレさーん」
(はいはい。…そうですね…かなり昔の話だそうですが、天竺の神が悪王を討ち果たし平和をもたらした連邦世界の伝説と似た事、当代の聖院金衣が成し遂げたという話が伝わっております。茸島の統治が比較的良好に行えていますのも、この件が語り継がれておりますからかと)
「了解ー。ガルンガンに近いものはあるのね。あとはオダランは茸島じゃやっていなかったわね。あ、ガルンガンってのは悪い王様に苦しめられた民衆の嘆きを聞きつけたシヴァ神が魔人みたいな悪王をしばいて民衆を解放した故事を祝うお祭りで、オダランはバリ島に2まんこ…いえ、二万はある各宗教の寺院の創立祭よ。数が数だけにしょっちゅうどこかでやってるからね」
なるほど、お祭り自体は盛んにしていると。あと、寺院の数を個として勘定するのは仏罰ものなので後でパンチさんに謝っておいてください。痴女皇国は仏教徒とは円満な関係で推移したいですから。
では、ボルネオはどうなんでしょ。
「連邦世界だとイスラム教地域だから、偶像崇拝やイスラムの戒律に引っかかるような祭礼はなし。ただ…収穫祭めいた事はしているわね」
では…宗教の制約が薄い痴女島、ひいては南洋王国界隈に独自のお祭りの風習を広めてもいいんじゃないでしょうか。
最初は痴女島と茸島だけにしておいて、噂が広まれば他所で開いてもいいよとしておけば。
ただ、問題は聖母教との関連。
聖母教の教えはキリスト教をベースにしており、痴女皇国や痴女種に都合の悪い記載を変更するというカスタマイズをして広めています。
ですので…土着の神様を信仰する風習があるならば、聖母教の布教は都合が悪いかも知れません。
「んなもんかんたんやがな。比丘尼国でわしら祀ってても、おおみそかには寺に行くやろ。あれと同じようにしたったらええやんけ。じっさいにくすりやいしゃの手配とか、はたけにまく種わたしたるとか、せいぼ教の寺から逃げられへんようにしといた方がええやろけどな」
「つまり、お地蔵さんとかお稲荷さんを祀る感覚で地元の神様のお堂とか作ってあげるのもいいと思うわよ」
「ま、幸いにして、あんたらのご先祖様が助けた恩が伝説として伝わってるし、それに聖院が人助けしたのはその時だけじゃないでしょ? この辺の土着民に聖母教とやらを教え込むのが難しいなら、簡単な神様伝説を基にしたお祭りをやってみるのが理解が早くていいんじゃないかしら」
と、スクルド先生も申されます。
「ただ…5月のウプサラの再現はやめてね。未開民族だとすぐにあの手の生け贄の発想に行くからね」
あー大丈夫です。
いけにえ村作戦に参加した面子なら、あの村、引いては昔の北欧神種族支配地域で何をしていたか、思い出したくもない嫌な記憶としてしっかり覚えていますから。
「となるとさぁ、自作自演になるけど、我々が実際に幽霊なり妖怪なりを退治してあげる方が信じて貰えるわよねぇ。もともと色々な事で信頼は築いているはずだから」と、悪党顔で申されます内務局長。
つくづく、この人は悪事いえもといよろしくない事を考えさせたら天才的痛い痛いお尻痛いから!
「ベラちゃんの痔主姿を私も見たくはないのよ…」あたしに見せつけるように黒ぷっちょを顔の前で振る雅美さんですが、それやったらお返しに金柄の方のはりせん柄を突っ込みますからねっ。
「まーまー。で、悪霊退治に祭りはどうやと持ちかけて祭礼の風習を広める。で、あんたらの事だから若い男の童貞を奪うとかすりゃいいんじゃない? 下手な貢ぎ物とか生け贄よりもこれが一番効くでしょう。ついでにあんたらの神殿にお参りさせる風習作るとか、聖母堂なり教会作るとか」
むー。確かに買春には来てくれてるんですけど、やはり南洋王国はどちらかと言えば貧困国の部類。食べるものにあまり困らないのが救いみたいな所はありますからねぇ。
「連邦世界ならゴムやら麻黄やらコーヒーやら、いかにも植民地産業でございって産品、安い労働力で収穫させていたからね」
「ただ、痴女島の住人の皆様は罪人寮に出稼ぎまたは通いの労働者として稼いでもらっていたんですよ。で、今後は道路工事やら農耕牧畜を推し進めて海岸周辺だけでもある程度の人口を確保してもらう話、雅美さんとたのきちに頼んで考えてもらいましょう」
「文教局長の私がとか泣くわよ」
「あまり忙しくないのは知っています。聖院学院に福祉主任や教育主任女官を置いて、女官当たりの管理生徒数をなるべく少なくして教育程度を上げたい話も認めてあげたのですから!」
ええ、たのきちがわがまま言いやがりましたので久々に犯しました。
やっぱりベラちゃんのちんぽ最高とか叫ばせましたが何か。
ただでも千人卒以上の昇格を厳格化しとるところに、相反する計画…福祉部は女子生徒からの抜き取りがありますから、ちんぽ持ちの千人卒は一定数を必ず必要とするんです。
しかもそこに持ってきて、いくら教育制度をきちんとしたいからと言っても、学年主任ならぬ福祉主任とか教育主任とかねぇっ。
まぁ、生徒さんの中には福祉や教育の重要性に目覚めて聖母教会勤務他、人を教える職務を志望する人が出て来ている話でもあります。
優秀な教育者は痴女皇国、そして聖母教思想の伝導者になるよと雅美さんに玄奘さんに、果ては他部局からも賛成の話を聞かされては仕方ありません。
「ただ、教育に力を入れてるの、今回はプラスに働くかもよ…うちの罪人工場に就職してる少年や女官に行った少女でもさ、村や町に行かせて教育や自治を指導する役目を与えたら痴女島や茸島全体の民度向上にも繋がるじゃん」と言うのは、アオザイ姿を頑なに崩そうとしない文教局長、たのきち先生。
「で、これも痴女種だから面倒が見れる話だけどさ、ゆくゆくはジャワ島にスマトラやスラウェシにフィリピンまで、痴女皇国の衛星国として開発を進めるなら絶対に界隈の住民が協力的なことが前提になるよね。それなら今回の幽霊話、南洋王国の直轄領でも出る話にすれば南洋王国に政治介入できなくない?」
えげつない事考えるわねっ。
「だってさ、そもそも聖院時代から熱帯や火山地帯に由来する災害を抑制して来た訳でしょ? それなのに禿山を量産しかねない焼畑農業とか舐めてんのって思わない?」
「確かに田野瀬麻里子の話には一理あるわね…ただ、文明文化を与えて進化させるにしても、猿に強力な火器を与えて殺し合いする羽目にはならないようにお願いするわよ。肥料やら何やらで燐が必要だからってさ、島が水没するまで掘ってたらそこの島の住民、困るでしょ?」教鞭片手に眼鏡を光らせじろりと皆を一瞥するスクルド先生。
あー、連邦世界でそんな島、ありましたね。
「日本でも大東島がそうよ。特に南大東島と沖大東島。火薬や爆薬の原料になるせいもあるけど、急速な食料増産政策の煽りでやらかしたのは水俣の窒素肥料メーカーだけじゃないからね…」
で、ここは痴女宮本宮22階の会議室。
緊急招集がかけられて、とりあえず比丘尼国の天女頭たる鈴鹿御前様の報告による調査結果をもとに対策会議を開いています。
正直、こんな会議でですね。
連邦世界だと、それなりの面積と人員を擁し存在感は決して低くないインドネシアに相当する南洋王国の未来に干渉して属国化を推進して良いものか。
しかし、この地の民度や生活水準を考えますと幽霊やお化けの類に怯えて逃げるのも困りものです。
雅美さんとか他の人が散々に言ってくれましたけど、実はこのマリアヴェッラ、一部の方の読み通りで幽霊や妖怪の正体暴きや原因究明にあまり意欲を持っておりません。
しかしながら、本当にお化けが出るかはともかく、その原因を南洋王国民の過去の伝承や歴史に求めて痴女皇国がカイゼンして差し上げる。ついでに精気と労働力と耕作地や貿易拠点よこせ。
いわばお化け絡みで南洋王国を揺さぶり痴女皇国の介入統治を強化できるならば、それは国富のための戦略行動です。
原始的ではあれど、聖母信仰と祭礼の風習を与えて我々に協力的かつ従順であってくれるなら、やらない法はないでしょう。
で、会議の内容を受けたあたしは、おかみ様並びに鈴鹿御前さんと一緒に地下の墓所へ。
「ふむふむ、要はお化けの役目をするもんが欲しいと…おかみ様、これ…うちやなしに山本はんか、神野はんに頼む話やおまへんやろか」
「あほな事言うな。確かに鈴鹿が探してくれたけど、それやなしに昔、この島を荒らしたほんものがおるやろ。そいつらがばけもの役をやってくれたらわしらの手間は省けるんとちゃうか?」
「仮に呼び出したとして、ゆうこと聞いてくれますかな」
「ぱんちはんの話では成仏しとらんのがおるかもわからんらしいからな。もののけは何とかなっても、ゆうれい言うのはなぁ、探すんが難しいんや」
「むしろ本物がおった方が話が早うおまんな。別に言い伝えのばけもんまんまやのうてええから、幽霊がおったらすかうとしまひょか」
なるほど。霊感センサーも必要と。
という訳で…。
「ちょっくら行ってきますわ」
「なんで私がぁあああ」
(これは流石に皆で押し掛けるとまずい話、当代のあたくしに一言入れる必要もございますしね)
で、久々にテンプレス2世の格納庫から引っ張り出されたカリバーン、エマちゃんの制御で開闢当時の聖院に行って来るそうです。
更には初代様をエマちゃんが預かりまして、あちらの初代様に話をつけてから捕獲に及ぶと。
あと、スクルドさんが川◯浩探検隊の衣装なのは気にしないでおきましょう。ゆけゆけスクルドさん。
(本当にマリアヴェッラの人生を短縮したくてたまらないんだけど…覚えてなさいよっ!)
で、カリバーンの後席にスクルドさんを詰め込んだエマちゃんが前に座ってコクピットハッチを閉めてしまいます。
そして一瞬だけカリバーンが揺らいだように見えた次の瞬間に…。
(ほほほほほ、何せ一度探し出して焼き払っておりますからね。捕獲するなど造作もありませんわ)
カリバーンの前で高笑いするエマちゃんの中の初代様が首輪をつけて引き立てる青白い全裸女性と、スクルドさんが気色悪そうにしながら右手で髪の毛を掴んで持つ、首と内臓だけの気色悪い女性妖怪がそこに。
そして、この妖怪さんと幽霊さんがどうなったかは闇堕ちマリア↓の方で触れていますけど…妖怪さんはまだしも幽霊さんは非常に協力的でした。
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/136/
---
さて、ここでお話は幽霊さんやおかみ様を乗せて、副操縦士席の母様に手伝って頂きながら闇夜の痴女島周辺を飛行している時に進みますよ。
痴女島はボルネオより少し小さいのと…と言っても日本列島くらいの面積はあるそうですが、長細くはありません。
そして定住者の移住ルートの関係で、フィリピンに近い北岸と、ジャワ島などに近い西岸に村落が偏っているとは初代様の弁…。
(偏らせました。島の全部まで見張ってられるかですわっ)
高齢者って、何かと面倒臭がりますよね。
(マリアヴェッラ…本当にしばきますわよっ)
だいたい、統治を面倒臭がって住民を強制移住とか、どこのロシアとかソビエト連邦ですかっ。
(ただ、ボルネオもそやけど、元々は火山島やろ。うちらの日本列島でもせやけど、可住地や可耕地が少ないんや…加えて山が半端なく険しいから、建設機械が使えるうちらの時代はいざ知らず、道作るだけでも大変な話やで…専制君主が万を超える人足を集めるか、さもなかったら初代様とかクレーゼさんとかエマちゃんみたいなのがスパパパパっとやってまうしか手ぇあらへんやろ。聖院島でも道路開発の問題は出てるから他人事やないんよなぁ)
しかし、我々がこうして飛んでいて、逆に幽霊とかお化け扱いされたらどうするんでしょうか。
(雅美さんが手を打ってくれていますわ。マリアリーゼが広域心話で光りながら音を立てて飛ぶ鳥が2羽見られるかも知れないが、痴女皇国の依頼でおばけを探すために飛んでいるから心配無用であると住民に通告しております)
なら安心ですね…鈴鹿さんの方はどうでしょうか。
(うちは後ろをついて行っとります。むしろそっちの翼の明かりがあった方が追いかけやすいんで)
(鈴鹿の目ではどないや)
(正直、変な気配はしませんわ…もしいけるんやったら、明日の晩は茸島っちゅうんですか、あっちも探しといた方がええかも知れませんな。向こうは痴女島ほどには女官の支配が行き届いてへんのですやろ?)
(なるほど…確かに、人口も痴女島より多いし、何より住む場所も偏ってませんからね…)
(下手をするとおうちを作らない…野宿同然の暮らしをしている者すらおりますからね、痴女島)
これは連邦世界のボルネオにもいらっしゃいますね。ほとんど手荷物だけで狩りを主体として暮らしている方々…。
痴女島では立ち入れる場所を制限していて、ボルネオほどには多数の方々がお住まいではないようですけど。
(しかし、ほんまにうちらの応仁の乱以前…下手したら飛鳥あたりまで遡った時分の暮らしをしてはりますな。わたしらが進んでおるかはともかく、文字を使っておるんかすら怪しい連中もおりますで)
(そら、たのきちががくもんをひろめなあかん言い出しよるくらいやから、あるていどはけんとうをつけとったけどなぁ。あいぬもたいがいやったけど…)
(先程から目の前の板に出ております何がしかを見ておりますけど、私なら私が化けて出たこと…口で言い伝えているようなのですよ。海の向こうと物をやり取りしたり、後から移って来た者たちは硬い棒やら刃物やらを持って文字なる物を板や革やら石やらに書いておりましたが)
で、南洋王国があかん子の理由の一つですけど、文明の進み具合が国土の大半でこれというのがあります。
識字率を強制的に高める試みは聖院時代から幾度となく行って来ましたけど、定住しない人たちでは捕まえるにも一苦労。
聖院の規則で人治にあまり強く干渉できない事もあって、猛獣を配置したりうんぬんで住所不定な方々の可住地域をある程度絞り、人里との交流を図らせるくらいしか出来なかったようですね。
(もしかしたら、幽霊っちゅうのはそういう住所不定さんたちが里に降りて来たせいかも知れへんなぁ)隣の聖院母様が申されますが、日本にも山窩という方々や、慶次郎さんと親しい河原者といった住所不定の人たちがいますからねぇ。
(害がないなら放置したいんですけど、定住者と揉めても困りますからねぇ)
(いやがりよるやろけど、あいぬと同じや。自分らだけでくにを作れるようにならんと、よそから来たれんちゅうにしてやられてしまうからなぁ)
つまり、おかみ様としてはそうした不定住者はいずれは既存の集落に入り込むか、はたまた定住化するかしないと、武器や知恵を持っている他部族に滅ぼされるしかないとお考えなのでしょうか。
(そうでもあらへん。あいぬがええれいや。あいつらのかみさんがわしらとの仲がわるうないから、れんちゅうをほろぼすのは待てやとわしが江戸や松前に話しとるやろ? ここのれんちゅうにはおまえらがおるやないか。まもったるんやったらまもったり)
(姉の申す通りですわよ、マリアヴェッラ。貴女方はこの島や茸島の民にはもはや生き神の部類。ま…アレーゼのように、こんな生き方もあるぞと文明の利便性を教えて教化するのが無難でしょうね。時間はかかりますが)
(アレーゼだ。マリアヴェッラ。落ち着いたら一度米大陸の視察に来るが良いだろう。一応はお前の管轄する領土ではあるのだし、私もマイレーネも、お前とマリアに仕える立場なのを忘れないでくれよ?)
そーなんですよねー。大変にお強い上に、あたしや姉のお目付役ではありますけど、名目的にはあたしの家臣扱いでもあるのですよ、おばさまとマイレーネさん…。
(一応はあたくしを含めた家族会も、当代金衣の臣下となるのですよ。ただ…読者の皆様には監査役ですとか、すうみついんと申しますとよろしいかしら)
(ちなみにうちの聖院での今の役職は内務室長…そっちの雅美さんポジションやな)
(だからいい加減経理をですねっ)
(あと数年待ち。シェリーがモノになってからやっ)
と、言い合いしながら飛ばしておりますと。
(とりあえず鈴鹿さんにおかみ様まで出てもらって反応もないし、東側の調査は切り上げて戻って来てくれるかな?その位置なら大痴女山避けて聖院湖上空を飛行して戻れるだろ)
と、姉から要請が。
(酷道1号がブルネイまで通じてるんやろ。そこでヒトハチマル向いて戻りでええか、マリア)
(そんでいーよ。燃料も恐らく3割残しで帰還できると思うし)
という訳で連邦世界のブルネイに該当する町の上空で南に向きを変えて、聖院湖を目指します。
標高4,000mを越すキナバル山が北にそびえるボルネオ島と違いまして、聖院湖の真西に聖院山または大痴女山がそびえ立つ痴女島では、山を迂回するためにも聖院湖の上を飛ぶのが確実でしょう。
ちなみに智秋記念牧場、この大痴女山の南側のダラっとした斜面…標高1,000~2,000mの間にありますよ。
しかし、流石にこの辺りは暗いですね。
月の光を反射する湖面の上を縫うように飛んで行きますが、聖院湖は単純な形ではありません。
その北側は、さながら北欧のフィヨルドが両岸に広がるごとし。
まっすぐに飛ばすと確実に山にぶつかりますから、高度を上げるか地形に沿って慎重に飛ばす必要があります。
(水面高度ワンタウザン維持。聖炎島から5マイル地点で海面高度600、2千フィートまで降下。そのまま進路180で痴女宮上空飛び抜けて反転、ファイナルアプローチに入るで)
(了解です。対地高度一千、聖炎島5マイル手前で海面高度600…水面高度300、ウェイポイント、ST01で方位30まで旋回、HTA03にILS進入します)
これを翻訳しますと、聖院湖面から高度一千メートルを保って飛行、後宮の北側5マイル…8キロまで来た時点で聖院湖面高度300メートルまで降下。
そして聖院湖開闢記念大堤、つまり痴女宮と後ろのダムを飛び抜けて海に出て、海上の想定ポイントで北北東に旋回、電波誘導を受けながら聖院空港に南から進入して行くコースを取りますよ。
(風向変更の場合はST01で進路変更後、ウェイポイントNNE01で方位フタナナマルに反転、27へ南向きに進入するで)
こちらの場合はいったん滑走路を左に見ながら、滑走路北端の沖合で左旋回してから南南東に向かって着陸することになります。
(これやったら築城や岩国くらい楽やろ? 嘉手納と違うて混んでる事もあらへんしな…うちらの聖院島もこの仕様で作ってもらおか、空港)
(聖院にいる飛行機はバンシーとカリバーンでしたね、あとスケアクロウ)
(ただ、やっぱりある程度のサイズの陸上機を持っといた方が楽な話もあってな。スケアクロウみたいに水陸両用やったら運営の幅は広がるねんけど、あれは変態やからな…)
(便利なんですけどめんどくさいんですよね。変態飛行機ですし)
(転移機能があるのはええとして、あの値段で音速超えへんとか何やねんと…ようあんな変態仕様の特殊用途機考えつきよったな)
(サン=ジェルマン先生も設計に噛んだそうです。いかにもライミーが考えそうなモノにしてやろうと。腹が立ったのでこの間、他の件とあわせておちんちんの毛を永久脱毛してあげました)
(まぁ妥当やろ。あいつは性欲あらへんらしいし、パイパンでも困る事はないであろう)
(ただ、秘書さんが見てる前でオラオラと…)
(それでおっさん怒っとんのか…あんま無茶したらあかんで…)
(痛い目に合わせてはいませんから良いのではないかと…)
とまぁ、そんなおバカな話を混ぜながら聖院湖上空を飛びます事、2時間。
そろそろ明るくなった聖院湖上空の空を眺めながら…。
(母様。ちょっと申し訳ないんですけどぉ…離宮の側だけ手動操縦で飛ばしていいですか)
(危険な曲芸飛行やなかったらええけど…ああ、あれか…)
そうです。このまま飛んで行きますと離宮と後宮のすぐ上を通過します。
で、先程述べた高度処理の予定を変更、スロットルレバーを緩めて緩降下、聖院湖面から20メートルくらいの低空飛行に移ります。
でまぁ…離宮に接近する前にフラップを出して着陸脚も下ろします。
(失速速度はフラップフルダウンで110ノット。失速速度の15km/hくらい前でブザーが鳴るから注意しぃや)
ええ、聖院母様も、あたしがやりたい事を理解してくれました。
(正直、あまりやらしたないんやけど…ストールスピード近辺での技能飛行にはなるやろ…その代わりに絶対落とすなよ…)
そうそう、今あたしたちが見ている操縦席の計器類ですが、これに近いと思って下さい。
https://twitter.com/725578cc/status/1544256093810937856?s=20&t=Dn_XspKA5fwGxKI8DKL_qw
で、天の声も書いてますけど、この飛行機の失速速度、全ての補助翼を水平位置にした場合で278km/h未満、フラップをめ一杯に降ろした状態で204km/h未満です。
そしてですね。機長席側の…画像を見ながらお読み頂くのは難しいと思いますけど、計器盤の上のひさしのすぐ下にV速度計・方位計・時計が並んでいるすぐ左の赤いスイッチの更に横に白いスイッチが4つほど並んでますよね。
これとほぼ同じものが、あたしが今飛ばしている飛行機にもついています。
(よし今や)
母様の合図で、LANDINGと書かれたスイッチをONに。
瞬間、この機種の場合は主翼付け根の下側に付けられた着陸灯という結構明るいライトが点灯して、離宮のあたしの部屋を直撃します。
(普通は前の着陸脚についてるねんけどな、この機体の前脚は短いし小さいからそんなもん付ける余裕はないという事で、割とおもろい位置に付いとんのよな、ランディングライト)
(バンシーもスケアクロウも前輪ですね)
で、当然、あたしの部屋の中もベランダも、かなり明るい白色光で照らされます。
(えええええ? へ、陛下?)
(きゃあああああああ!)
ふふふ。あんたら、あたしの留守中に何をやっとんじゃいと言う代わりの悪戯ですよ、イタズラ。
つまり…あたしが何をやったのかと申しますと、夜間に飛行機を地上で動かす際のヘッドライト代わりの前照灯を点けて、離宮の自分の部屋を照らしたんです。
大人しく寝ていたら何もしませんでしたけど、何かしてるふいんき、近づく前に分かってましたから。
(おほほほほほ!瞳さんってあたしの留守中にあーーーーんな事とかこーーーーーーんな事してたんですねっ!ベラ子悲しいから泣きますっ!)離宮手前でえいやっと左旋回上昇、反転して高度を少し稼いでから離宮上空、そして堤防を飛び抜けながら部屋の中の人物に心話を送っておきましょう。きひひ。
(陛下…悪趣味ですよっ!)
(突然照らされるから何事かと…)
(何が起きたかと思いました…)
でまぁ、部屋の中で誰と誰と誰が何をしていたかは後でお話しさせて頂くとしまして、着陸脚…もうめんどくさいから出したままでいいですか、母様。
(速度上げたままはやめときや。この明るさやったらビジュアルアプローチでもいけるからショートカットをエマちゃんに頼み)
(了解ですぅ)
(ベラ子かーさま…何を大人げない事をしてはるんですかぁ…瞳さんとゼアラニーネさんとアンヌマリーちゃん、めっちゃ怒ってまっせ…)
(あたしの留守中にあんなんとかこんなんしてへんかったら許しました。しかしあんな事とかこんな事をしていたのを許せると思う? エマちゃん…)
(はいはい。とりあえずビジュアルアプローチで03に降りて下さい。参道上空から滑走路視認してファイナルアプローチかけた事にしときますから…連邦世界の市街地でこんな飛び方したらイエローカードでっせ…)
で、聖院空港に無事に飛行機を降ろして駐機場に向かう最中の会話ですが。
(まるでレジャーボートや離島の別荘上空にVTOL機とかヘリで忍び寄ってダウンウォッシュで嫌がらせをするような事を…)
(そんなんしてたんですか母様)
(やり過ぎたら小船やと沈むから程々にな。あとバンシーでやったらあかんぞ。あれの排気温度、マジで直近やと人が火傷で死ぬとか物が焦げたり焼けるからな)
(流石にそこまで無茶はやりませんよ…)
(嘉手納の陸戦は夜間の訓練の際に、演習地境界付近で車を停めてる奴を暗視で見て中の行為を覗いているようやけど…まぁ不審車両を発見したから監視してましたぁで通してるからな…)
(それTAPPS着用時の話ですよね…)
(もちろんやがな。うちのあおかん号の赤外線望遠やと、痴女種視覚に近いくらいにそれはもう数百メートル先からばっちりと)
(うちの方のあおかん号、母様がテンプレス2世の格納庫に置いて行ってますよ。こっちのおじさまにお話ししておきましょうか?)
(悪くない提案や。後でじっくりとその話を聞くとしよう)
えーと、この後の惨劇というか色々を知りたい人、いらっしゃいますか。
絶対におられると思うのです。
特に、あたしは自分の部屋に速攻で戻るつもりですから。
いいじゃないですか、こちらは夜通しに近い長時間飛行で地味に飛んでたんですよ?
ちょっとくらいのストレス解消なら!
-----------------------------
ひとみ「陛下がちょっとで済ませる気はないと思います」
ぜあら「あの明るい光が悪意に満ち満ちていました」
あんぬ「何事かと思いましたよ…あのウルシの刀というのですか、あれ構えようかと」
べらこ「長時間労働に身をやつした皇帝をねぎらう誠意があれば考えます」
ひとみ「いつも労っている気がします」
あんぬ「マリアンヌ母様からお聞きした通りでしたわね…ベラ子陛下は割と根に持つと」
べらこ「アンヌマリーちゃん。近々ストラスブールに行った際には、幹部三人首を洗って挨拶に来るよう言っといて下さい」
あんぬ「ひいいいいい」
ジーナ「ちなみに聖院の方やけど、この手の肉体言語が得意なのが意外と揃ってたりするのである」
べらこ「実は聖院のダリアさんや向こうのマリーちゃんは穏健派だったりするんですよ」
ひとみ「そう言えば、私、聖院で研修もあるんですよね…」
べらこ「なるべく早く戻してもらえるようお願いしています。瞳さんも頑張って覚えて来て下さい」
ジーナ「ベラ子がついて来そうな気がするんやけど」
ひとみ「流石にその時は、痴女皇国ほったらかして何してるんですかと怒ります」
ジーナ「夜くらいやったら大目に見るけどなぁ」
べらこ「やったー」
ジーナ「その代わり騒ぐなよ。サリーがめっちゃ怒るで…」
べらこ「あぃ…忘れてました…(しゅん)」
ひとみ「陛下も一応は人の親になったのですから、サリーさんのお見舞い名目なら良いのでは」
べらこ「その手があったか!」
ひとみ「ただ…そこではっちゃけたら本末転倒ですからね。あくまでもお見舞いが目的ですよっ」
ぜあら「瞳様がどんどん陛下の教育役の立ち位置に」
たのの「あたしですらベラちゃんの教育には散々苦労したのに…」
ひとみ「犬や猫よりは簡単ですよ?」
べらこ「どんどん猫扱いされてる…」
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