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将軍様への隠密指令:新人幹部候補を育てろ!・8

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ふむふむ。

話をお聞きしていますと、従来の女官と罪人の結婚、件数としてあるにはあったがごく少数に留まっていたと。

更には痴女島では働き口が少ないという問題があり、結婚した場合は最終的に開拓地を始めとする他地域への転勤転居事例あまた。

(わるいはなしになりますが、罪人をやすく使っておりましたからねぇ…けっこんしてこどもをやしなえるしごとをつくる話もむかしは出ていたそうですが、罪人はまだしもわたくしども女官のおしごと、ことごとくこどもにはいえませんし、ましてやみせるなんてとてもとてもというものでしたから)

これが痴女島、わけても門前町で刑期満了後の罪人や還俗後女官をほとんど見かけない理由であると。

(ほら、うちの島は基本的に原生林を極力維持する方向でしょう。おまけに山がちで密林ばかりな上にあの雨ですから、茸島ほどには住民が定着しなかったんですよ…)

(かいはつも考えたのですけどね、今で言う南洋王国のおおもとになった国がありまして…ひとことでいうと怠け者の国。で、こんな連中にあれこれされてはたまったもんじゃありませんから、島には象や虎、果てはきょうりゅうを多く生かしておくようにいたしましてね…)と、開発をなさったその当事者が解説なさいます。

(当時はやったとしても焼畑農業でしょうしね…)

このお話に出てくる窒素固定だの燐化装置だのという代物が何に使われているか、私ですら想像がつきます。

奈良時代から平安時代に該当する時代から既におトイレの水洗化がなされていたと言う聖院、肥料というものの重要性に気付いておられない訳がないでしょう。

そして罪人寮の先に広がる聖院工場と名付けられた工場街の中に、各地で生産された燐をマッチや肥料に加工する棟が存在するとも聞かされています。

で、先ほどの聖院ダリアさんのお話にもありましたが、聖院工場と名付けられてはいる工場街、聖院側と痴女皇国側ではその規模や事業内容、大きく異なるようです。

(聖院がわではつうきんにちかてつをとおすほどではありません。ばすとちんほ…ちんちんでんしゃでまにあっているそうですよ)

これ、私も二重に驚いたんですよね…。

まず、痴女皇国側では地下鉄…ゆり◯もめみたいな小さなものですが、聖院港観光事務所兼聖母記念銀行港町支店兼港町警備本部に向かう1号線は現在4両、工場街合同事務所兼警備本部に向かう2号線は8両で走らせているそうです。

そして8両で400人を運ぶこの地下鉄、今は最大4分間隔で走らせているそうですが、電車の本数さえ増やせば2分間隔で運転して1時間に1万人以上を運べるとか。

で、1号線は一般参詣者や港町への通勤女官用の駅が聖院学院の正面玄関階段のちょうど手前のやや深い場所、そして財務局出納部や金庫室に繋がる専用駅が…。

(実はあの駅の場所、墓所の真横の少し上ですよ。で、今は地下墓所の金庫室からも直接積み下ろしできるように通路が整備されてはいます)

この地下鉄、元々は痴女宮地下金庫に隠されている壮絶な量の金銀を各国の痴女皇国支部や、後になって開設された聖母記念銀行との間でやり取りするために造られた経緯があると聞かされました。

しかし…地下深い場所にあるにもかかわらず通勤に便利で足も汚れないとなれば、使いたいのは人情。

更には門前町に行くにも便利とあっては、財務関係者以外への利用開放は時間の問題だったようです。

https://novel18.syosetu.com/n0112gz/81/

幸いにも一般利用を見越した設備をあらかじめ作っておられたようでして、幻の駅だった聖院正門駅を開放して一般利用や財務以外の女官利用も可能になって行った経緯や、更には2号線を罪人通勤に使わせるために始発駅位置を変更して罪人寮地下に専用駅を新設した経緯を教えて頂きます。

昔は本当に細々とした家内製工場めいた規模だったらしいのですが、この10年未満の間に拡張も著しく発展を遂げ、今では沖を埋め立てて出来た聖院空港を含めると、初めてジーナさんがこの聖院世界にお越しになられた時の十倍以上が切り開かれて一大工場地帯になったようですね。

そして聖院側ではそこまで大規模に海岸沿いの森を切り開き海を埋め立てるまでは行かねど、やはり当初の五倍くらいには広がっているため、九州の大手バス会社の中古連接車を生体発電駆動に改造したハイブリッド電気バスを罪人や女官の通勤用に走らせていると…。

(需要が増えたら例のゴムタイヤで走るフランス製ベースで日本企業がライセンス生産した珍珍電車が走れるように、あらかじめレールも工場街への道路に敷いてあるそうです。あれ、生体発電駆動に切り替えると電線がなくても一本のレールだけで走って行きますし、理恵パイセンによれば、レールから離して普通の連接バスとしても使えるそうなんですよね)

しかも、痴女皇国の地下鉄は既に自動運転で走るものなのは、ゆりか◯めを知っている私にも一瞬で理解できましたし、聖院のバスや電車もゆくゆくは自動で走るようにしたいとか…。

(姉の計画では、今後300年以内にこうした物を自力で生産可能な技術を痴女皇国世界へ移転したいとされています。女官寮や罪人寮の拡大は、こうした近代生活に慣れた人々を世に浸透させ、連邦世界歴史の倍以上の早さで人類を宇宙生活に適応させる事にあります)

…その目標の理由は…。

(むろん、この世界の地球が資源不足のまま氷河期に突入して人類が滅亡することを阻止するため。その際に我々と人類が選択可能な生存手段を増やしておくのです。例え地球と共に滅びようとも、故郷を離れたくない方は決して少なくないだろうと…)

まぁ、この辺の話は全ての人に聞かせて良い話題ではないでしょう。ベラ子陛下からクァンタムリンクで密かに教えて頂いた内容もある、という事で。

そして今回は痴女皇国のアルトさんの方が詳しい場所、という訳で…痴女宮アルトさんはリミッターを解除され、白髪の…いえ銀髪の将軍様状態に。

そして聖院アルトさんも、いざという時のための業務代行の際に必要でしょうからと、工場視察に同行する事になりました。

まずは罪人寮の地下にエレベーターで降りますと、私の知っている範囲では京成電車に乗って都内に行く際に降りる地下鉄の駅くらいの広さに見える駅に出ます。

で、聖環で自動改札を抜けて階段やエスカレーターでホームに降りる事になります。

そしておなじみのチャイムに振り向けば…自動改札で引っかかっているクロムウェルさんが。

(エマちゃんっクロムウェルさんに地下鉄2号線の業務利用許可出してーっ!)

(はいはい。片道乗車分100ルピー入金しましたよって、とりあえずそれで通って下さい。んでクロムウェルさんの業務利用申請ですけど…絶対に先に警務局で罪人頭としてステータス登録した後で、忘れんとうちの交通部に出してくださいよっ。罪人頭として役任命してないと、先に無料利用申請入れたかてハネられますさかいに要注意でっせ)

実はこの辺り、前にベラ子陛下がぼやいていましたが…同じ罪人でも聖院新港駅から通勤可能な工場勤務登録されていない人、きっちり聖環から運賃を引かれてしまうらしいのです…。

むろん罪人頭ともなれば工場は警務局管轄内ですから、晴れて頭の地位に登録された暁には業務で使う分には無料利用可能…ですから警務局長の痴女宮アルトさんと、そして局長代行の聖院アルトさんも無料利用可能な立場です。

で、ベラ子陛下は今回、お金を取られる立場なのか。

まるで日本の電車に乗るかのごとく改札を通る…今は連邦世界の日本の場合、タッチしなくても通過できますよ…陛下、今回は有料乗車を教える電子音は鳴りませんでした。

(黒薔薇騎士団指揮権限がありますので、警務幹部として通過できたようです。これが財務管轄の痴女宮地下駅や聖院地下駅だとあたし、お金取られるんですよ…当時の財務局しょだいさま長の嫌がらせで!)

聞けば財務関係者以外の女官に利用開放した時点で、用もないのに乗る人多数…で、怒った財務局長と国土局長が有料化に踏み切るタイミングを早めたと聞かされては失笑を禁じ得ません…。

まぁ、そもそもこの地下鉄、正式名称が痴女皇国高速鉄道とか言うらしいので、皇帝陛下の持ち物にお金を払うのもおかしい気がします。

それに緊急時に実務で乗車する可能性もおありでしょう。

構内立ち入りも含めて、旅客利用を認めている所有者が安全を守るために痴女皇国最強人物が騎士団を率いて緊急で入る義務もあるのではないでしょうか。

(た、確かに…)

(更には素人考えですが、混雑の度合いを調べて電車を増やしたり、はたまた駅や電車内のおそうじチェックなど、お金を取っているからには求められるものがあると思いますし、実際に利用してみないとわからない話もあるのでは…)とりあえず、陛下があまりにかわいそうなので請願とやらをしてみましょう。

(承知しました。マリアヴェッラ、国土局に管理者乗車証を申請するように。ただし…管理者ですから基本的には先頭のくるまに乗るように。後ろに乗る場合おきゃくさま優先の規定が女官にはあったはずですわよっ)

(またそんな嫌がらせをっ)

まぁともかく、陛下はこれで乗るたびにいちいち200円くらいのお金を引き落とされなくても良くなるみたいです。

(ありがとうございます…これ、瞳さんが言ってくれなかったら、いじわるおばちゃんは痴女皇国が滅びるまでずーーーっとあたしを有料扱いにしていたと思います…)

(えらい言いようですわねっ)

(それはともかく、地下鉄と言いますけど地面の下を走るだけで、ゆりかも◯とか◯人ライナーと変わらないんですね。私の地元に近い場所にもこんなの走ってる団地があるのですが。ほら、コアラが大好きな木の名前の)

(室見です…瞳さんの言ってるあれ…まさか、この22世紀になってもまだ冷房入れてないっていうアレ?)何故か室見理恵・国土局長様が参戦して来られました。何と言う強力なエゴサーチ。

(はいそうです。夏場はうちわ配ったり、冷やしたおしぼりを入れたクーラーボックス置いてくれるあそこ。高校の友人であそこ住んでたのがんですよ…)

(過去形なのが怖いわ…)

(ええ。通学は我慢したけど通勤は嫌だって、わざと通うのに困りそうな千葉市内に就職して家を出たんです…)

(限界ニュータウンが生まれる瞬間を垣間見た気がする話よね…)

(この電車は冷房効いてるからいいですよね…)

(そもそも何でそんな電車走ってたんですか。イタリアで一時期成立していた自動車のエアコンを制限する法律じゃあるまいし…)ベラ子陛下が目を剥いておられます。

いくら痴女皇国よりは涼しい日本でも、冷房がないなんて事はないだろうという顔で。

で、事情を知る室見さんが教えて下さった理由が驚きでした。

元々関西の会社で関東に進出して不動産事業を始めた企業様が、自社で開発したニュータウンと電車の駅を結ぶための豆電車を敷いたものの…当時はこの手の新交通システムという形の豆電車自体、あちこちのメーカーが手さぐりで理想の姿を追求していたらしいのです。

で、何と室見さんのお父様の勤務先の企業様が出した案が採用されましたけど、当時は今ほど冷房必須な世の中ではなかったようですね。

そして、普通なら電車を走らせる会社が手がけるような話だと思うのですけど、不動産屋さん自らが電車を走らせる部門を社内に作って自分たちで走らせていたそうなんです。それで駅のPOPとか何か素人っぽく見えたのか…。

で、電車の専門家ではない件の不動産屋さん…じゃあ経費節減のためにもエコロジーを売りにしようとお考えになったのでしょうか…3本作られた電車、全てクーラーやエアコンを積まないどころか、将来的に混雑した場合に冷房を積む準備すら施さずに完成させちゃったみたいなのですよ。

ええ、私は友人の家に、課題を見せ合うためと称して遊びに行きました。

お盆前だったので、暑さだけは記憶にきっちり残りました。

冷たいおしぼり、活躍してくれました。

例えおっさんと言われようと顔や首を拭かずにはいられない。女子高生として見られなくてもいい。

人の尊厳なんて4分かからずに崩れるという事を、私はその時に学んだ気がしました。

(冷房付きを入れてくれないんでしょうか…)

(世界でもあまり例がない線路と電車らしくて、特注品になるから不動産屋さんも困ってるらしいんですよ…このご時世に、しかも東京への通勤圏余裕な地域に冷房がないのがいるって有名みたいですけど…)

(最初に色々考えておかないと困る事例にもなってるからね…それとベラちゃん、ストラスブールからバーデン=バーデン線とリスボン=カディス線の開通記念式典の日程は忘れないでよ? NBと比丘尼国はあたしとまりりで何とかするけどさ…)

聞けばこの痴女皇国世界に鉄道を走らせる話が出ているそうですね…。

(すでにコルドバからセビリアの間で試験車両、時速600キロ出したわよ)

え。

そのスピード、飛行機じゃありませんよね。

電車…ですよね? リニアでもありませんよね?

(もちろん見た目は普通のフランスっぽい電車よ。ただ、痴女皇国仕様の生体発電機を積んだやつだけど…編成出力2万キロワットまで強化してね。あと、その試験用編成、NBに持って行ってニューロンドンとニューキャピタルの間で同じ高速試験やるけど…ベラちゃん付き合う?)

(イザベルです…あれには二度と乗りたくありません…何故走らせる前にわざわざ雨を降らせたかわかりました…巻き上げる風で後ろに土埃が舞い上がるどころか、せんろ沿いの石まで巻き上げるのですね…)声からすると痴女皇国南欧支部長…そしてスペイン王国のイザベル女王陛下なのでしょう。

(パイセン…お願いですから事故だけは事故だけは。というか、その電車の運転ってもしかして)

(事業主幹会社の鉄道事業部長で動力車操縦免許持ち。しかも試験用編成、敢えて製造に父社噛ませてない上にさ、わざと痴女皇国世界のスペインでやったから親父も文句言えないしっ)

(ねーさん!何でパイセンにハンドル握らせたんですか!)

(…あのなぁ…一番環境や安全でやかましくない場所で、そんな高速運転した後の線路の修理が楽そうな所が現時点では痴女皇国世界、それも人がなるべく住んでない場所って言ったらスペイン中央部の岩石砂漠地帯になるだろ…今の時点じゃあそこかNBが一番やりたい放題できるんだよ…)

(場所はともかくパイセンですよ? 運転…)

(あたしも運転席にいたけどよ、何度か往復してきちんと色々試しながら慎重にやってるぞ? エマ子もあたしも乗ってんのに事故らせる訳ねーじゃんか…)

(まぁまぁ。ベラちゃん…スペイン分のTGV-H編成、要人利用を考えた車両がいるってまりりからもリクエストもらってたんだよね)

(要人…つまり王族や貴族ですか)

(でねぇ、連邦世界のスペインで走ってた初期型TGVのスペイン仕様にあった特別一等車のクルブってやつ、あれ参考にして個室仕様のVIP車連結したんだよね。試験編成はいいとして、量産先行編成のテスト運転、あんたが来ないならジーナさんかアグネスさん呼ぶけどいいかな)

(ベラ子…りええの趣味がいい方向で炸裂したぞ…昔の日本の特急こだま号みたいな開放サロン席と4人定員の個室席だ…あたしもモックアップってのか。インテリアを決める客室だけの試作時から口は挟んだけどよ…ありゃ陛下を乗せても大丈夫だ)

(ベラちゃん。もう一度言うよ。個室だからね?)

ええ。人の尊厳が数分で崩れる瞬間、またしても目撃した気がします。

それは良いのですが。

(瞳さん。その試作編成試乗時には同行願います。特別席や食堂について、各国要人の利用に適しているかを試す必要を感じますので)

(ちなみにH編成ってHENTAIの略ね。アルストムの人にも呆れられたから。しかも連邦世界だと、アメリカや英国どころかヨーロッパでもNBでもHENTAIってアニメネタだけじゃなくて変態の意味で通るからね…)

…その個室とやら、どんな個室なのでしょう。時間をいじって高速会話中を良い事に、室見さんが画像を送って下さいましたが、確かに上品でレトロな感じもする木目の壁面と黄金調の椅子です。窓際の折り畳み式テーブルの根元には小さな照明ランプも付き、夜ならばいい雰囲気を出しそうです。

しかし…レザー風のシートカバーが常備してあるとか、更には座布団というか、クッション部を前に引き出すと一種のベッド状になる作りを見せられたベラ子陛下の目の輝きが忘れられません。

更に、個室におトイレが備わるのはまだしも、寝台車でもないのにシャワーがついてるのか。

そして開放室とかいう一人がけの席が並んだお部屋、これ自体は昔の飛行機みたいなレトロ感はありますが、白いレースの縁どりの座席カバーが要所につけられていて、いかにもな貴賓席の雰囲気を出しています。

ですが、窓の大きさが飛行機の真逆です。開放室も個室も、スピードを出していなければ車内でナニをしているか丸見えに近いくらい大きな窓です。

昔の展望車というんですか、お客様が景色を見やすくするため窓の大きさにこだわったものは理解できますが、車内のお客様の行為を展望させる車にしか見えませんよこれ…。

(一応、液晶ブラインドは付けさせてます。あたしも米沢行きの瑞◯で、ベラちゃんのお母さんにひっどい目に遭わされたからね…)

つまり、このガラス張りに近い電車の設計、完全に室見さんの本意ではないのでしょう。座席に座って従者にお口で奉仕させている情景すら浮かびます。その開放席の肘掛け、跳ね上がって色々な邪魔にならないようにできるみたいですし。

そしてそれらを見たベラ子陛下の、絶対に何かに閃いたお顔。それも、かなりよろしくない思いつきに及んだ表情でしょう。

え? 痴女種なら相手の心が読めるだろう?

いえ。世の中、答えが分かっている事もあるのです。いちいち確認しなくとも良い事が。

…しかし室見さんの先手を打つ技術、なかなかに侮れません。さっき言っていた冷房のない電車の話と合わせて考えてみると、先見の明という言葉が思い浮かびます。

ですが、お父様は日本の会社に勤務しておられるのになぜ新幹線やリニアを使わないのか。普通は親孝行という言葉が頭に浮かぶ気がします。

(日本の会社って割と技術を出し惜しみするから。切り売りしてくれないのよ。盗用や模倣で一度ならず痛い目に遭ってるから仕方ないんだけどね…)

ですが、日本製で固められない理由もあったようですね。

(今回はイギリスはまだしも、鉄道事業だと日本の商売敵の本拠地のフランスでやるから、フランス王国と国土条件がほぼ同じフランス共和国の協力も欲しかったのよね。で、エマちゃんやまりりと相談して、電子部品や電気部品は日本製をパーツとして買ってフランス主導で設計。車体関係はフランスで作らせて組み立てはイギリスとイタリアの日系企業の工場でなんて、ややこしい事してんのよねぇ)

(ただ、新幹線技術はかなり入ってるしパテント費用も払ってるよ。一言で言うと精気で動いてるTGVの皮を被った新幹線なんだよ、その変態編成)

しかし…変態行為に使うかはともかく、明るく大きな窓や懐古感と斬新さが混ざった車内、欧州の方々には好評をもって迎えられそうですね。

(イザベルさんが自慢するから、デステさんが早くイタリアにもとか言い出して喧嘩になったんだ…毒盛り兄貴はかっこよく見える座り方を追求し始めるし、串刺しくらいじゃないかな、冷静だったの)

(ドレイクさんとビクトリア陛下は怒ってたわよ。うちが先じゃないか!ってさ。あと串刺しさん、乳上になんとかしてブダペストまで線路敷かせる請願、入れさせるつもりよ)

(まぁ…痴女皇国関係者で、あれの価値が分からない人はそうそういないでしょうから、現物を見せられると顔に出るかどうかはともかく、まず興奮する。そして次には自分の管轄地域や統治地域がその恩恵に預かれるかを考えるでしょうね…私も正直、あれを最初にどう使うか考えたのが、あの高速で走るものと組み合わせて造られた荷物を運ぶためのせんろ。あの価値の方がむしろ大きいと思っております)

(ありゃアメリカや北アフリカからの輸入貨物を運ぶためだからね。だからカディス・マラガ・ジブラルタルに貨物主体の線路も一緒に敷いておいたんだよ。ちょっと無理してバルセロナまで線路を敷いておいた理由はベラ子にもイザベルさんにも説明、したよな?)

(ええ…フランス王国を経由せずともイタリアに船で荷を送るため…ですわよね)

(例えば牛を生きたままアルゼンチンチンからスペインまで運んだとしよう。牛に餌や水を与える必要はあるけど、生かしたまま運べば冷凍設備はいらねぇし、うちの船ならブエノスアイレスやモンテビデオからカディスまで1週間かかんねぇ上に転送利用なら1日だ。で、スペイン国内で食肉加工するなり、生きたまま再度積み出すもよしって寸法だよ…冷凍貨物船も試作させてるけど、精気を結構食うんだよな…ヨーロッパや南米だと駄洒落宗信者を調達出来ねぇし)

ああ、あの寒い駄洒落ばかり言う信徒で知られる仏教宗派ですね。

あと、アルゼンチンの国名…。

(このお話では仕方ないのです。フェラ   ーリと間を空けて発音するようなものなのです)

正直、ナチュラルにセクハラ単語が出る傾向が強いの、慣れる必要はあると思ってます。

さて、そんな高速雑談の中にも聞き捨てならない話がありました。

まず、食肉の生産と輸出事業が南米で始まっている件ですね。

痴女島で消費している牛肉、既にオーストラリア産に切り替えているそうですが、これはあの大陸にも既に支部が存在しているのでしょう。

そして南米もオーストラリアも、広大な大地が広がる大陸。

そこで必要とされる人材の数を考えるだけでもゾっとします。

罪人寮だけでも1万人を超す人間を収容可能なように出来ると言う話も、裏を返せば労働者としてこうした新大陸的な場所に送り込む教育を施してから「出荷」するための施設という風にも聞こえます。

(実際にそうなんですよ…痴女島門前町の規模、わざと必要最小限にして原住民の数も増えすぎないようにしていますから…)
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