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将軍様への隠密指令:新人幹部候補を育てろ!・4

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むむっと驚く話が。

確かに痴女皇国の方々は揃いも揃って肥満は誰一人見かける事、ありませんでした。

そして罪人ですら体脂肪率一桁台に向かってまっしぐら…まぁ、ここは熱帯も熱帯、そして雨が非常に多い島だとは聞いております。

日本の屋久島や大台ヶ原の雄大な素晴らしさに勝るとも劣らないボルネオの自然環境と…そして後先考えない森林伐採や自然破壊の実態、父から聞かされましたし。

ですが自然環境の大半を手付かず…でもなく、田畑を作るために地面表層の栄養分があまりザバザバと流れないよう微妙に植生をいじったり間引きしているそうですが…。

ともあれ、空から見ても酷道1号線という道を走っても理解できる、美しくも雄大な自然。

この場所に文明的な肥満は似合わないとさえ思えます。

水夫と呼ばれる方や罪人の中にはお腹、出てる人は確かにいます。

いますが…そういう方はまずおしなべて腕も脚も太いプロレスラーのような体型ですね。

「あたしも族やってた時期よりかなり引き締められましたね…乳はある程度でかい方が売れるって言われてこれですけど」

ナ◯ミ・キャンベルの全盛期みたいな姿を立って見せながら言われるマライアさん。

ほれほれレディース時代ですよと上半身サラシ姿の大迫力な画像を見せて頂きましたが…テニスのワールドプレイヤーですか、当時のあなたは…。

失礼な言い方ですが、一言で言うと筋肉ゴリラ。

「信じられないでしょうけど、実はこの時より確実に強くなってるんですよ…わたしは米軍にいた父の勧めで柔道の二段と空手の初段を持っていますけど、明らかに日本にいた時よりスピードも打撃力も上がっていますね。もう少し稽古をつければ人に教えられるとも言われていますし、千人卒昇格審査にも有利だとは聞いてますけど、日本かアメリカに戻りたい気持ちも強いんで、悩んでるところですよ」

苦笑いしているマライアさんですが、根は悪くなさそうな方ですね。

「まぁ、こちらに捕まって厄介になる話になったのも、そもそも弟が喧嘩の加勢って事で頼んできたからなんですよねぇ…日本で一番喧嘩の強い姉さんに頼みがあるとか言われて…」

実際に、他の反社作戦時の捕獲者と同様に痴女皇国入りする際に経歴調査が行われたのですが…この方は既に痴女種なのかと思うぐらい凄かったようです。

多摩の何とか伝説、必ずしも嘘は言ってないのが過去調査で明らかになりまして…。

もう、その当時のご勇姿見た目まんまの戦いっぷりだというのが判明しました。

何せ、過去に遡行して記録を収集してきたマリアリーゼ陛下が呆れるあまりに「こいつは騎士候補にいいから絶対うちで拉致る!ってダリアに言いつけて確保させたんだよねぇ」と言い切ったくらいでして…。

数字の8と9と3で表される方々の車に原付バイクを持ち上げて投げつけて壊すとか、単車で抗争相手の集団に単身突入して衝突寸前に飛び降りて回避、燃え上がる2台のバイクを見て怯み逃げ惑う男性の珍しい走り方が大好きな方々を殴りつけ蹴りを入れ泣かして回るとか…。

あげく敵対するその集団のリーダーを裸に剥いて、股間の象さんの粗末さを笑う画像を撮影させるとか…。

(い、いやいやいや!上には上がいるってここ来て思い知らされましたから大人しくしてますってば!)

確かに私が生まれ育った暴走する人の多い半島のある県にはマライアさんが戦って来たような男性や、はたまた従えていた…人類としての性別は女性に分類される方々は少なからず棲息しておられましたので、そういう珍しい方々の生態は割とよく存じてはおります。

ただ…暴力団や反社会的集団何するものぞとばかりに、ゴリラの女王様を彷彿とさせる暴れ方をした人は…さすがにここまではいらっしゃらなかったかと。

(瞳さん…もっと壮絶な暴れ方で故郷の浜を制圧していた人物が2名ここに…)

誰でしょうか、そんな凶暴無比な方…まさか、アルトさん?

ええ、ベラ子陛下が無理からに当時のアルトさんの記憶を再生しておられます。その姿は鬼か阿修羅か。

気に入らぬ子供は海に投げ込み叩き込み、下帯を脱がして男児の尊厳を剥奪する有様です。

そして更には鳥羽沖の島の砂浜で、同じように子供たちを率いて抗争に打ち勝ち、名乗りを上げるナディアさんらしい姿までも晒しておしまいに。

あうあうと悶え苦しむ二人のアルトさんを…尊敬の目で見る四人の寮生たち…ああ、そうです。

マライアさん他、この部屋の居住者にとって強さは正義であったようです…。

(アルトさんのご実家、調べたらシャフバンダル…バンダル人の一族みたいです。で、地中海沿岸ではバンダル人と言えば蛮族の代名詞のような方々で…英語のVanditの起源になるような事をしていたらしいのですよ…)

はぁ。つまり、マライアさんの類友。

確かに聖院や痴女皇国との親和性が高いのは頷けます。

この国の方々はなんだかんだ言って女性、女同士では特に手が出ることに躊躇しない性質がありますが、特に手の早い人が揃いも揃っている印象がますます強まりました。

…そりゃ、ベラ子陛下がSMに目覚めて絶対強者である事を時折見せようともなさいますよね…。

(私にはしないでくださいよ…)

(やりませんよ…あるところからやったら泣かすって…)

(ライトSMというものがあるそうですが、それ以上に踏み込んだらゆっきーのお父さんに言えってスクルドさんとマリアリーゼ陛下が…)

(ぎゃあああああ! NoNo!やめてそれダメ絶対やめてください!)

えーと、マリアリーゼ陛下が言われた通りでした。

(あたしの事はマリアさんでいーよ。ま、宇賀神さんか慶次郎さんの名前を出せば、さしものベラ子も心やましい事なら黙るから活用してくれ。ふははははは)

(それはそうと私たちの聖院訓話はどうしたら良いのでしょうか。正規であれば出勤前に訓話を拝聴するスケジュールになっているはずですが)

(あなたとアルトは初日勤務後にヒアリングがあるから、そのまま出勤してくれていい。聖院アルトとベラ子が女官管理室に案内するから随行してくれ)

(ありがとうございます)

(ま、初日だし手順履修に全力振りでいいよ。んじゃねー)

高木企画の時でもそうでしたけど、マリアさんは基本的に気さくな方です。そして本人は否定しますが、芸人の素質と才能を強くお持ちです。

…田所さんがマリアさん主演でトーク番組をやれたら視聴率二桁とか三桁万瞬間視聴は絶対いけると太鼓判を押してオファー、取りたがってますから…。

で、今の女官服に着替えます。

私の場合は聖環操作で全裸になった後に、袋に入ったそれを着てから被服登録をすれば以降は瞬間更衣可能になるそうですが、とりあえず普通に着てみます。

ふむふむ。

一見すると今まで拝見した一般女官服よりは大人しめ…というよりは身体のラインを強調する印象ですね。

一言で言うとハイレグTバックレオタード、要所要所にあざとい穴やシャーリングが入っている代物で、色は両脇が痴女皇国の国色というピンク基調のエナメル素材です。で、センター部が首筋から股間部に至るまでほぼ白色の薄手の水着素材になっていて、スラっとした印象を与えるカラーリングですね。

そして袖や襟部にカラーを装着…これ、レオタード部を単色にして耳と尻尾つけたらバニーになりません?クロッチ部に穴が空いたシーム入り編みタイツとか趣味感丸出しなんですけど…。

そして、さっきまで痴女宮アルトさんが着ていた女官服とは全く違うじゃないですか…。向こうはどうも騎士仕様のビキニアーマータイプみたいでしたけど…。

「あ、瞳さん…これは4月からの新型女官装備らしいんです。で、ステータスランク…卒数が上がると露出度を選べるようになるそうですよ」マライアさんがご自身の紐に近い姿を見せてくれます。

「これ、私たちも卒数が上がると他のデザインの服が選べるようになるというのでみんな喜んでましたよ。全員似たようなのじゃ、やはり差別化できませんし…」

「最初はそれで、一週間後からまずはビキニタイプが選べますよ」

「そうそう、どんどん露出度の高い制服が選べるようになっていくんだよね」

とまぁ、やる気のある…参詣者はもちろん、色街旅館などでのアピールに積極的な女官には好評を以て迎えられているようです。

(あたしらの所にも何度か意見を聞きに来てたんですよね、オリューレさんって方。で、試作品も何種類か着用して仕事に出てたんですよ)

これを聞いたベラ子陛下が、申し訳なさそうな顔で誰かと心話を交わしていましたが、痴女宮への復帰は断固拒否していたようです。知らんけど。

で、バニーまであと1歩が3名(私・痴女宮アルトさん・陛下)と金色の聖院将軍用という紐状騎士服姿の聖院アルトさん、そして様々な形態の女官服4名、揃ってお部屋を出ます。

(私とクレベリーは女官管理室の地下通路から例の隠し通路で色街旅館に行きます…あと、ジュネス勤務者は体型問題があるから食事規則は適用されていないんですよ…ここで失礼させて頂きます…)と、女官管理室の中に入って行くマライアさんです。

陛下に教えて貰えましたが、身体のラインが勝負なのでご飯を食べ過ぎると胃下垂でなくともお腹が出てるのが丸分かりになるのが嫌みたいです。

ですからジュネス勤務者でステータスランクの関係上、高速消化という技が使えない人は向こうの賄いか、出前のお弁当をタイミングを見計らって食べているとか。

で、マライアさんたちが消えた先…明らかに普通の女官が出勤するルートじゃない場所の解説も頂けました。

(あのお部屋の中の専用ドアの先が地下通路に繋がっていまして、下足処の地下事務室や聖院学院の地下を経由して色街旅館経由で門前町と淋の森の警備本部にそれぞれ繋がってるんです…昔の現金輸送用通路でして、ジュネスへの通勤や食事輸送に使われていますよ…)と陛下からこっそり耳打ちテレパシーが。

なるほど…昔は現金を扱っていたり、あるいは通勤時に目立たない方がいい方が使われる秘密通路なんですね。

で、残り二人と私たちは女官食堂に行きます。

時刻は夜7時ですが、生活時間帯が必ずしも日の出日の入りと一致しない人もいますので、朝食メニューやアラカルトも選べるようになっているとの説明を頂きます。

何でベラ子陛下が詳しいのかと思いましたが、定期的に食事内容をチェックするメンバーに入っておられるそうです。

厚労局・警務局・文教局それぞれの局長と陛下他の皇族数名が栄養価や食事内容調査のアンケートに基づいて定期的に試食をしているとお聞きします。

これも、自分たちだけがいいものを食べてない…というよりも千人卒以上は基本的に食事を取る必要がゼロに近くなるために生じる食事の軽視を防ぐための意味もあるそうです。

新人用制服も皇帝・上皇・内務局長または皇帝室長のうち最低二人が必ず袖を通して確かめているという話もあり、こうした「女官の生活を身近に考える姿勢を示す」姿勢をそこかしこで見るのは、生産系大企業の経営者っぽい考え方が徹底しているのでしょう。

国家としてはともかく、売春が国策事業という特殊組織なのですから、こうした勤労者重視の姿勢を忘れないのも要職に就く人材に求められる勤務態度になると思えます。

で…この時間に和食の朝食は流石にありませんよね…。

日本出身者は絶対に一言物申すここの食事、何を申すのかと申しますと…ご飯です。

そう、インディカ種のロンググレインライスなんです…。お米自体はかなり日本米に近いようでして、そんなに違和感はないのですが…。

で。日本米と味噌汁が一定時間帯のみ提供という事で、一部地域出身者または経験者がブーブー言ってる事も悩みの種ではある模様。

「朝から牛肉のフォーとか焼き飯とか…という話がありまして、パン食も設けたんですよ。ただ、この痴女島ではあらゆる食品の消費期限が厳しくなるので、食事をする予定人数と食材管理を厳密にしているんです。残飯はミールシュレッダーにかけて下水経由で燐化装置送りにするか、さもなくば智秋記念牧場に回して豚の餌にするかで処理していますけど、やはり物を大事にするという考えもありますから、日本米の提供時間を限定しているのもそのためなんです」

と、タイ米他の長いお米を重用している理由を教えて頂きます。茹でてザルで引き上げれば比較的素早く提供できることから、食堂にあまり人が来ない時間帯を中心に重用しているとか。

「あと、普通に炊いてお出ししてる場合もありますよ。これですと食感は日本米とあまり変わりません」ほうほう。

「売店でも注意を受けるんですよ。パンでも放っとくとすぐカビが生えるよって。だから袋菓子とかも要注意ですね。袋の口を縛ってただけだと後で絶叫するような状態になってました…なんで女官居室の中に低湿庫があるのか、その時に嫌というほど思い知らされまして…」ああ、そこに入れずに放置してたのか…。

「本宮と女官寮、それから聖院学院と罪人寮では基幹水冷系統はまだ動かしていますからね。かつての女官種時代のように廊下の壁と言わず床と言わず、水浸しに近い状態にして流していた系統は止めていますけど、建物の中にはまだ、かなりの量の水が流れていますよ」

その水流を利用しているのが、例の石造の水洗便所兼風呂兼シャワーだそうです。

これを近代化しようかという意見もありましたが、女官の方でも「例の用途」で使うケースがありまして…。

その「例の用途」で常用していると排水系統に臭いが出るようになったりする弊害があるので、大量の水を使えるこちらの方が向いているようです。

そして、天の声氏曰くの「コメ○のモーニングセットに近い」メニューの朝食をみんなで食べ終えて食器を返却します。

トレイをテーブルから外すとピピっと音がして、座っていた場所のテーブル面を他の席と隔離する低い仕切りに取り付けられた灯りが消えます。

これ、着席してから一定時間内にトレイをどけないと…つまり食事を終えないと指導する女官の方が飛んで来て怒られる仕掛けになっているそうですね。

「今はあたしが食事に関する意見を伺う場として話しながら食べると言ってましたから、着席管理担当者が時間の件で指導を受けることはありませんよ。ご安心を」

(こうして幹部や上司が強い権限を持っているのをアピールしろってね…まぁ実際に朝ごはんと昼食や晩ごはんで食事規定時間は変わりますし、朝食だと15分制限だったかな。今が19時でも個人個人の聖環と連動してますから、そのトレイが朝食扱いとか夕食扱いなのをきっちりチェックされますからね)

で、以前にもこのお話が出たという食事時間強制機能ですが、新兵訓練時の軍隊の食堂を参考にしたそうです。

何せ女官と言えば女性。ダベりながら食べると、ただでも食事時間の長めの人が多いのに延々と混んだままという事になりかねません。

そこで、食事時間をきっちりと管理する何らかの仕掛けを古くから食堂に付けていたそうです。

「門前町の聖院参道正門があるでしょう。聖院埠頭の手前で西に曲がる場所。あの門を抜けてすぐに茶房が何軒かあったり、茶房の方々が2階の喫茶部で働いているのはその対策ですよ。食事を早く終わらせる代わりにお茶を飲む場所を作る提案が通りまして…ちなみにその提案をしたのは現在、文教局長をしている日本人出向者のあれです、アレ」

(あたしはもはやアレ扱いなんかいっ)

(やかましい…離宮に帰って来なさいよ…)

(局長室が快適なのよ!)

もはや別居妻扱いらしいのですが、田野瀬麻里子・文教局長が怒っています。陛下の愛人の一人とはお聞きしていますが、初代様と言われる聖院初代金衣女性テルナリーゼ様…本当の姿はシュメールの原初海洋母神ナンム様だそうです…の愛人でもあると。

(あたくしがティアマトめすのへびかみさますら産んだ起源神だというのにこんな場所で…まぁ、たのきちのおかげで色々と捗った点は強く強く評価すべきでしょう。あの子が皇族扱いを外れていないのはあたくしの意向がつよーく反映しておりますのよ、瞳さん…)

ほうほう。

聞けば初代様は田野瀬さんが痴女皇国の財務に関わるきっかけを作られたお一人で、復活して財務本部長を勤められて今の痴女皇国の財政システムの基礎を築かれたとか。

(まぁ、元々の聖院のあれこれの原型、そもそもあたくしが作りましたからねぇ…だからこそ、たのちゃんには色々カイゼンしてくれた件で御礼がしたいのですわ…瞳さん、今は無理とは思いますけど、決して焦ってはなりませんよ。この子たち…百人卒をとりあえずの目標としている新人さんや、還俗か昇格かの狭間に立っている子と違い、あなたにはマリアリーゼとマリアヴェッラが時間を与えておりますから、慌てずにご自身の成果をお出しなさいませ)

大層厳しい方とはお聞きしましたけど、なんか私にはお優しいのですが…。

(おばちゃんの好みだからです。このおばちゃんは東洋人が大好きなのです)

ひえええええ。

(しばきますわよマリアヴェッラ。それより食事が済んだらさっさと皆を登院させなさいっ)

という訳で食後は再び一階の女官管理室へ。厳密に言えば管理室横の自動改札機めいたゲートに聖環をかざせば出勤扱いになるそうです。

そして、お客様…参詣者用エレベーターとは別の、奥側のエレベーターで割り振られた個室に向かいます。

「では、私は0332ですね」

「わたしは0416です」

この数字、ゲート通過時に聖環に転送されてくるそうでして、何階の何号室に行くのかを示しているとか。

昔は女官管理室が女官下足処となっていて、文字通り履物を預けて裸足で登院するのが慣わしだったそうですが、今は普通にサンダルや靴で歩いて行けますね。

(水冷の弊害で床が水浸しになっていたせいなんですよ…参詣者用もそうですが、下足処から先は裸足でないと危険なくらいに濡れて滑るので…今はドライフロア化されていますよ。定期的な熱消毒・殺虫時には当時の構造を利用して水を流しますけどね)

ふむふむふむ。女官種の時は人によりますが、数十度から百度を超える熱を普通に出していたそうですから、そりゃ、蚊やハエは近づくだけで死んでしまいますよね…。

で、私の場合は0214。2階14号室だそうです。

そして、ここでも2階に上がって自分の個室にすぐ行くのではなく、階ごとの女官詰所に出勤を申告する決まりになっているのを教えられます。

(0214伊藤瞳、研修です。交換品と補充品授与、お願いします)と陛下がテレパシーで連絡すると、詰所の女官の方が0214と書かれた通い箱と通い袋を出して来られます。

しかし、アルトさんたちもそうですけど、本当に細かい手順をちゃんと知ってるんですねぇ…。普通は社長さんや他のえらい人、こんな細かい実務の手順、なかなか知らないのではないでしょうか。

(姉もこれ、ちゃんと教えられますよ。これが痴女種、それも上級の能力というものですっ)

(それにしんじんさんには、これをちゃんとやらないとおこづかい、日割り計算でさっ引かれるよと教えてますからね…)

(そして、ここで寝床の敷物や拭き物…たおるけっとやしーつやたおるを受け取るのです。補充のひつようがあれば液体せっけんや他のおくすり類のびんも渡されますよ)とアルトさんからも注釈が。

(で、りねんというのですか、布はおしごとがおわるか、よごれたりぬれたらさっきの詰所に返します。おしごとちゅうにかえる場合はあたらしいものをもらいますが、おしごとが終わって寮にかえるばあいはかたづけておそうじをしておくだけでいいですよ)ふむふむ。痴女宮のアルトさんもここはさすがに慣れておられますね。

(上級騎士でもときたま上級用のおせったいがあったんですよ…)

(いまは千人そつでも、人によってはひんぱんにおきゃくさまをとりますからね)

で、14号室に入ります。聖環をかざすと引き戸のロック解除を示す緑の光が、鍵の部分で光りますね。この辺りはホテルやオフィスビルのカードキーの操作めいています。

そしてお部屋の構造ですが、これまた水冷の名残とかで天井まで壁は続いていません。

つまり足場があれば隣の部屋、上から覗けますよね…。まぁ、女官の方なら大抵の男性が変な事してもやっつけてしまうと思いますけど、万一何かがあっても壁を飛び越えて部屋に押し入れるためでもあるのでしょう。

(あとは部屋に湿気がこもりすぎたりしないような対策でもあります。それと、声を他のお部屋にわざと聞かせるためでもあるんですよ…その方が興奮するでしょ…)とベラ子陛下がニヤニヤしながら教えてくださいますが、ええ、2階に上がった時から既に何箇所かで聞こえてますね…。

で、聖院アルトさんと痴女宮アルトさんから備品をセットしたり点検するなどのお支度の方法を習いながら実習をする間に、痴女宮…聖院も同じですけど、驚愕の料金制度を聞かされる事になります。

なんと千円程度のお金でも、とりあえず受け付けるそうなんですよ…。

(これはせいいんの頃から変わってませんね。わたくしたちはあくまでもごほうししているたちばです)

(ですので、精気をいただくのがわたくしたちのとして、たてまえではからだを治すついでにきもちよくなってもらうというほうしんです)

(で、ドレインの際の還元精気流を利用して参詣者の不調部位や傷病欠損部位の細胞をリフレッシュしちゃうんです。これは女官の体調不良他を治療するのと同じ方法ですよ)

(そして、これだけならいっしゅんで終わりますから、あとは必要におうじて汗をながしてもらっておかえり頂きます。だいたいごふんかじゅっぷんあればおかえしできますね)

で、参詣者の方には気持ち良くなった記憶がありますから、元気になった体で働いて稼いでまた来てねという訳ですか…。

(ふほほほほほ。りぴーたーをつくるのはせいぎなのですっ)

(じかんがあるならばもっとええことができますよとふきこむのです。そしてですねぇ…ぐふふふふふ)

二人のアルトさんが悪い顔です。いえ、ベラ子陛下まで。

そう言えばこのフロアに上がってから全員、会話はテレパシーでしたよね…。

(うふふふふふ。瞳さん…気付きました?時間の長いコースで入ってる個室の扉、いつの間にか開いていて中が覗けるようになってたの…)
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