アルトリーネさんのいけない修行の日々

すずめのおやど

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ザ・レイプウーマン 炸裂!ヨコ8ムゲンダイ・3

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皆様チャオ。

つまり今回はマリアヴェッラが聖院からお送りすることになります。

で…理恵パイセンもいることで話題をお察しください…。

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「そうねぇ、まず交通ルールから普及させるべきね」

「具体的にはどんな感じで」

はい、我々は今、聖院本宮に来ております。

そして立っている場所は本宮横の聖院修学宮地下2階、聖院財務局専用バスターミナルです。

そして聖院の場合、地下鉄ではなくバスと珍珍電車トラムが港と聖院の間を結んでいます。

といってもこの珍珍電車、ベネチアの島と陸地の間を結ぶ電車と同じものでして、レールは1本しか道路に埋まっていません。

そしてゴムタイヤで走ります。更にはハンドルもついており電動バスとしても走れます。

<i620982|38087>

「理恵さんが諸々手配してくれたんだけど、トランスロールっていう電車にTVRっていう、これまた電車と連接バスの合いの子みたいな機能を付け加えたようなものなのね、これ。で、バスとして動かす時用のエンジンの代わりに生体発電機と電池を積んだらしいんだけど」

「痴女島もそうですけど、聖院島の場合、台風や津波の襲来の危険もあるし、市街地に裸の高圧集電線張り巡らせるのもまずいかなーって。何より帰線電流の漏電問題が出ましたからねぇ」

そうです、この「電車」が屋根の集電装置パンタグラフを上げるのは両端の終点と聖院から参道横の専用線路の坂道、そして車庫だけ。

そして折り返し待ちの10分くらいの間に充電して、門前町区間は内蔵バッテリーの電気または非常用の生体発電機を動かした電気で走るそうです。

実際に走っている姿を見ましたが、聖院姉いわく「痴女宮の地下鉄と違って、運転する人が必要なの忘れてたのがうかつだったわ…更には乗り慣れてない人がいるからワンマンで動かせなくて、車掌さんが必要なのよね…ヨーロッパの珍珍電車みたいに信用乗車ってのかしら、お客が必ず聖環タッチしてくれるという前提で走らせられないしねぇ」

そうなのです。ベネチアにとどまらず、ヨーロッパの珍珍電車、乗り放題切符機能のあるプリペイドカードを「買う」か切符を購入して乗る必要があるんですよね。

これだけなら地下鉄と変わらないと思いますけど、紙の切符の時代からの名残りの習慣だという動作が必要なんですよ。

具体的には電車の停留所か電車内にある、多くは黄色やオレンジに塗られているチケットキャンセラーやバリデータと言われている機械に乗り放題ICカードや切符を突っ込んで有効化するという作業が必要になります。

で、これを忘れたり、あるいはそもそも切符の類を一切持たないで乗っていると、ときおり巡回してくる検札係の人から無賃乗車扱いを受けて高い高い罰金を取られるんです。つまり乗る人は切符を必ず買っているという前提で信用しているけど時々チェックするから、破ってたのがバレると罰金を取るよというのが信用乗車というシステムなんだそうです。ね、パイセン。

「見学の時に既に発覚してたんだけどさ、まぁ乗員については研修で何とかなるかって事で導入しちゃったんだよね…ヨーロッパじゃおばちゃんやお姉さんが普通に運転してるものだし」

「これ、痴女皇国の人手不足や精気不足の件がにわかに他人事じゃなくなる話なのよ…うちでも順次、水流ジェットエンジンの船とか入れてるから精気需要、今後はどんどん増大すんのよねぇ…いやさベラちゃん、聖院世界でも人口増加政策を真剣に実施せざるを得ないかもねぇ」

という訳で運転席に座る理恵パイセン。どうもこの電車を走らせるようです。怖いのですが。

「それ以前に制限速度60km/hに設定してるからスピード出ないわよ…とりあえずリバーサーとマスコンは…うっ、ボンバルくさっ」

どんな匂いなのでしょうか。

このメーカーぼんばるでぃあっぽい運転台だからなのよベラちゃん…電車として動かす時はハンドルロックレバーを入れてあるか確認…と」

「バスとして動かすんやったらうちが指導出来んねんけどなぁ、電車になるとなぁ」聖院の母様が複雑そうな表情を後ろで浮かべていますが、あたしもこんな連接式のヘビみたいに長い車、ちょっと気を使いますね。

「で、車内側電源スイッチを入れて運転用ICカードリーダーに聖環をかざします。これで運転情報が電車側に正常に伝達されますと、こっちのモニタに本当なら運転時刻表が表示されます。今は監督者権限での試運転モードですが。そしてブレーキ制御用の油圧が規定値なのかですとか架線電圧の確認ですとか、ボンバルさんちのマニュアルに準拠して出発準備を進めて行きます」

実はこの電車、正式開業前だそうでして、とりあえず聖院関係者を乗せて試験的に走らせているそうです。

「痴女皇国側の地下鉄も最初は業務利用だけだったしね。まぁ、新規開業するホテルが正式オープンする前に問題洗い出しのために行う試泊期間だと思えばいいのよ、ベラちゃん」

「で、聖院地下駅から出る場合にはパンタグラフスイッチはそのまま。架線電圧DC750V、電流値確認。この電流計表示が赤く点滅していたら饋電きでん回路に何か問題があるってことです。実際、さっきも言いましたけど、レールからの帰線電流、過剰に地絡ちらくしてた件がありましたよね」

「あーあれ…漏れてたら問題になるのよねぇ」理恵パイセンと聖院姉が深刻そうに話しています。

(そりゃそうよ、750Vって、日本の電線でご家庭に届く一歩か二歩手前の交流の電気の電圧よりはるかに高いのよ…しかも直流だから人を感電させるだけじゃなしに、鉄や他の錆びる金属を加速的に錆びさせてしまう副作用があるのよ)なるほど、だから漏電を恐れていたと。

これ、あたしも知らなかったんですけど、電車って屋根の上の電線から取った電気、レールに流して電気回路を作ってるんですね…。

(で、変電所に戻すための帰線電流回路も作っておく必要があるわけよ。痴女皇国だとその辺の電流問題は地下鉄にすることであらかた解決したけどね)

「とりあえず鉄管を使った水道管などは防錆ぼうじん処理、専用軌道化で地絡漏電による感電危険性を下げています」聖院のエマちゃんが深刻そうに言ってますね。

「よし、とりあえず出します。左右よし前方よし、リバーサー前進。ブレーキ緩解、出発進行」理恵パイセンが駐車ブレーキを外したりした後、ハンドルに手を添えているだけで電車が動き出しました。

「で、これ…電車として動かす際もアクセルを踏みます。そしてですね、やっちゃえ社おっさん自動車のエロパワーシリーズとか豚のお鼻の電気自動車なんかと同様にアクセルを戻すと回生ブレーキが働きます。急ブレーキをかけたい際にはブレーキペダルを踏んでください」

なるほど、車の運転のように動かせると。

「足の細かい動きに敏感に反応するから、そろーっと出してあげてください」

そして我々を乗せた試運転電車、割と急な坂を登って聖院参道横の専用軌道に出ます。

「この前方信号機が赤の場合は当然、停車。ここで聖院地上バスターミナルからの電車やバス路線と合流します。よし、信号青、左右よし前方よし、出発」そうそう、この電車はバス同様に運転室左右にバックミラーが出ていますよ。他に左右後方を監視するカメラも付いているようです。

「ベネチアのトラムもそうだったけど、割とゴトゴトすんのよねぇ」

「構造上仕方ないんですよ…回生よし」聖院参道は痴女宮正面の参道同様に長い下り坂になっています。かつてインクラインという、船を引き上げる仕掛けが左右にあったそうですけど、ダムからの水路を兼ねているそれを埋めるか地下水路化した上をこの電車は走っているそうです。痴女宮の場合は参道を広げてますね。

で、坂道を発電しながら下って行きますと。

「前方赤、停止」正面に聖院埠頭、右に曲がれば門前町街道に出る場所の信号で一旦止められます。

「この標識の場所でパンタグラフを降ろします。ここからは聖院港湾事務所まで搭載電池と精気発電機による電力走行を行います。この区間では半専用軌道ですけど歩行者や馬車、あるいは荷車などの軽車両が交差点で軌道を横切ります。住民への電車優先…というよりも電車は急に止まれない点の教育を徹底しないと事故必須ですから」言いながらてきぱきと「1本レールに案内されて走る電気自動車」への切り替え処理を進めるパイセン。
そのりりしい姿に「なぜ車を運転する時とこうも違うのだろう」という疑念が湧いてきます。

(うっさいわねぇ…苦手なものは苦手なのよっ。ベラちゃんもスケアクロウ、積極的に飛ばしたい?)

(むろん嫌に決まっています。パイセンがあたしや雅美さんのちんぽを嫌がるようなものです)

そうそう。これ注意。パイセンは雅美さんならまだしもあたしとおめこすんのを何故か嫌がります。

理由は想像つかなくもありませんが、あえて人間関係をカイゼンせずに嫌がらせの材料として放置しております。ほほほ。

(むぐぎぎぎぎ。皇帝の横暴許すまじ…というのはまぁちょっと置いといて、いよいよ道路の上を走るわよ。監視お願いね)

「この準専用軌道で門前町区間の交通事故や感電を防ぐようにせざるを得なかったのよねぇ…途中で電池切れとかあるかな」

「現行の区間だけなら、蓄電池だけで全然大丈夫だと思いますよ。劣化防止のために生体発電機を意図的に定期起動して、そっちで発電してあげる必要はあるでしょうけどね。信号青、出発進行、左右よし、警告音装置作動」

ぱーぱーぱー・ぱーぱーぱー・ぱーぱーぱーぱー。
ぱーぱーぱー・ぱーぱーぱー。ぱーーーーーーー。

読者の皆様、ベラ子がおかしくなったとか言わないでくださいっ。

はいパイセン、今鳴らしている間抜けな音はなんなのですか。

歩いてる人、片端から何じゃ何じゃと驚いてますよ。

我が実家のそれはわたしのある近辺おいなりさんたうんにも赤い魔手を伸ばすスカーレット社のパノラマな特急電車に装備されたミュージックホーンどけよほーんの音の使用許可を(無理やり)取り付けたのよっ。それも伝説の北アルプス用音痴階調完全再現よっ」

鉄ヲタの趣味はようわかりません。

「ベラちゃん…なんでも三河監獄国みかわかんごくこくの領地の北の方か、尾張他訳国おわりたわけこくになるのかな…お猿さん集めた動物園のある遊園地が後々に出来るあたりの橋いぬやまきょうりょう、電車用の橋を別にかけるためのお金を節約しようとしてこうしたらしいのよ」

で、聖院姉が見せてくれた動画と画像。
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なんですかこの、本格的な電車を通してよい光景には全く見えない橋と道路。

更にお猿さんの動物園を作る場所、よりによって猿の天敵扱いされている犬の山ってなんなんですか。

三河監獄国にも悪いことする猿をぶん投げてたのが由来だっていう地名さなげがありますけど、たわけエリアとかだぎゃーエリアだとかケッターマシンエリアとかいうあのあたり、猿を虐待するのが流行だったんですか。

そして昔の日本だというのはわかりますよ。わかりますけど。

電車の前にも北アルプスって看板、出てますけどね。

「それはディーゼルカーじゃ…まぁ電車でもドケヨホーンってんだけどさ、付いてる電車なら片端からどーけーよーどーけーよーこーろーすーぞーって歌いながらその橋抜けてたんだけどね」

「天の声がパ○ラマスーパーに乗って抜けたときはあまり派手に鳴らさなかったらしいけど、近くの席にいた地元の親子の親御さんいわく、横の道路が渋滞していたら鳴らしっぱなしで走ってたそうよ」

…ものすごい場所を走ってたんですね…。

「今は車や歩行者用の橋が別にかけられたけどね。それより飛び出しに注意…と」

で、今、時速30km未満でゆっくりと走っている聖院大通りなる道。

痴女皇国でも門前町港通りとして同じ道がありますけど、聖院の道の方はこの電車やバスを通すためにかなり手を入れられています。

まず道の中央にこの電車や、はたまたバスを通すための専用通行帯ができました。それに伴って道幅も広げたそうです。

そしてこの専用通行帯は塗装が入っていまして、人や荷車の白いピクトグラムに大きくバツを描かれた記号が、交差点など一般の人や車が入って来れそうな場所に書かれています。そして聖院第二公用語とジャワ語と英語フランス語イタリア語スペイン語で「電車専用道路・侵入禁止」と書かれた警告やら看板が要所要所に立っています。

今日は試運転があるのであちこちに警備に当たっている騎士や罪人の姿も見えますね。

で、理恵さんはヘッドライトや車体側面などに設けられた衝突防止灯の点灯をあたしたちに確認させています。

つまり、音と光でこの電車、走っているよというのを周りに警告しながら動いている訳です。

「なにせこんなもの、本当ならあと200年は先でないと道路の上に現れないはずだったからねぇ…まずはこれが急に止まれないのを教える事から始めるわけでしょ。痴女島でも車、最初は限られた道から走らせて現地住民の皆様とか連邦世界を知らない人にはさ、これがどういう存在でどういう走行特性があるかを教えてからでないとあちこち走らせられなかったじゃん」

ごとがたごとがた。

見れば先頭を、警察のオートバイみたいな赤い灯火をつけたスクーターらしいものが先導しています。

「こうして本格的な営業運転までの間に、電車やバスの存在を片端から認知させるわけなのよ…」

なにせ全長30メートルくらいはあるそうです、この電車というか連接バス。

そして最後尾が痴女宮の地下鉄と同じように財務局専用車両にされている模様。

つまりこの電車、現金輸送車を兼ねています…。

そして市場街の右側を走る電車、道に沿って緩やかに大きく左にカーブした先に港湾事務所の大きな建物が見えてきます。

前方の道の先にバスターミナルらしい構造と、そこに行かずにまっすぐ直進する先に空いた長方形の穴。見れば穴は二つあって、右の1つは扉が閉まっています。

「水密扉よ。この電車が入る時とあっちが出る時だけ開くから」

あーそっか、港、近いですもんね。

そして電車はバスターミナルへの道と別れて穴の中に。入るときにぼぴー、という結構独特で大きな警笛を鳴らして入っていきます。

ヘッドライトを点けて照らされたのは出来立てのトンネルのような真っ白い穴。

「トンネルそのものじゃない…で、あそこのプラットホームに停めたらパンタグラフを上げて充電するのね」

で、理恵パイセンが教えてくれたそのプラットホームとやら、実は線路が敷かれた道路とあまり高さが変わりません。

そして我々の乗る電車、運転台のところは少し高く出来ていますが、お客さんが乗るあたりの床には段差がありません。これはベネチアの電車と同じで、ドアを開けるとプラットホームと段差がありません。下手をすると車椅子やベビーカーを乗せるための渡し板すら必要なさそうです。

で、次はバスということで聖院の方のジーナ母様が、地上の一般客用バスターミナルの方に用意されたバスを運転することになりまして、我々は地下駅から地上に上がります。

で、そこにあるバス。

何かこう、芋虫みたいな感じでちょっと長いです。

そしてお色は…あの博多駅前のバスターミナルや天神の百貨店に電車の駅が組み合わさったあそこから、わらわらと出てくる…屋根が黄色で下回りが白といった塗り分けで、やられバス社のロゴすらまだ残っている代物です…せめて文字だけでも消した方がいいと思うんですけど…。

「運賃は前払い前乗りやな、電車もそないするんやろ」ああ、なるほど、都営バスとおんなじですね。

ただ、聖環用のカードリーダーが運転席横の精算機の上でどかっと存在を主張しています。
つまり、硬貨でのお支払いには対応していません。

これはバスターミナルにも注意看板が大きく出されていまして、聖環貸し出しをしている観光案内所の窓口はこっちだという表示も。

そしてこのバス、実は2車体連接車というものです。

混む時はバスターミナル側で聖環支払いを受け付けてからお客さんを乗せる方法にも対応しているそうでして、前側車体の後部と後ろ側車体の前部に大きな折戸がついています。

「これはやられ社の博多港~天神線の中古らしいですね」

「最終的には新車を入れる話になると思うんだけどね、とりあえずその路線で使ってる国産車の入れ替えに合わせて聖院世界に10台送られてくるんだって」

「前は便通のシャーシに国産車体やったらしいけどな」と聖院母様が運転席に座ってエンジンをかけます。関係者が乗り込むと扉を閉めて出発進行。

「これも最終的には生体発電機積むとか言うてるらしいな」

「っとですね、監獄社とヒノノニドン社でテスト中です。現状では監獄社お得意のハイブリッドシステムとニドン社のセミオートマミッションを組み合わせてるそうですけど」

あ、このバスのエンジンの燃料、天然ガスですよ。屋根におっきなタンクを積んでいて、タンクを隠すための覆いがついています。

そしてバスは信号機に従って、電車も走るさっきの道路の上り線…って言っていいんですかね、今度は港湾事務所方向の軌道を右に見る形で走り出します。

「バス停は市場街と…色街入り口やな」まだ試運転中の段階なので路肩の停留所をゆっくり通過。そして聖院参道横の専用軌道に入る際の信号機で一旦停車してから、左に大きく曲がって坂道を登って行きます。

「平地は電車より速いけど、坂道はやっぱり苦しいなぁ」ごろごろ唸りながらバスは坂道を上がって行きます。

そして聖院修学宮手前のバスターミナルへ。ここは電車と違って信号だけで入れますので、青信号を確認した聖院母様、そのままバスを左に軽く曲げてバスターミナルにさっさと着けておしまいになります。

「はい、聖院本宮~聖院本宮~どなた様もお忘れ物のないようにお降りください~」とか言ってますけど。

そして試験の意味もあって、全部の扉をがばっと開きます。

「神戸の山の中とか神奈川県でもそうしてるみたいだけど、運賃の支払いに手間取るらしいから急行バスとして使うケースが多いそうなのよ。始発駅でお金をあらかじめ払う改札を作って、そこを通った人を片端から詰め込んで出発って流れでないと効率が悪いのはわかるわね」

で、このバスを作る理由。

言うまでもありません。

聖院でも痴女皇国同様、船で来た参拝客を片端から聖院に連れて行くようにするそうです。

つまり精気を頂くための仕掛けです。

うちの地下鉄は結果的に一般の参詣者を受け入れましたが、聖院側では最初から一般利用を考えており、需要に応じてさっきのゴムタイヤ電車とバスを使い分けるそうです。お客さんが少ない時はバス、多い時は連接バス2台分の人数を運べる電車を使うような感じで。

そして、受け入れる聖院側でも4月のバス路線開業に合わせて改革が入るそうです。

と言っても単純ですよ。

制服が変わるくらい…え?

「そーですよー、うちの制服、痴女皇国の女官標準に合わせるって話が出てますから…」

はい、聖院本宮22階の会議室で見せてもらいました、その制服。

レースやフリル飾りは違いますけど…色も聖院ホワイトですけど…痴女宮うち服とほぼ、同じ。

女官の皆様が恥ずかしそうにしています。そして全員の想いは同じ。

4月を待たずにこれを着るのは正直、つらい。

デザインももう少し何とかならないか。

「慣らすしかないっすねぇ…」その服を着ている聖院の方のダリアさんもどうしたもんかっていう顔で申します。

「とりあえず騎士服から順次これにしていく予定です。最終的には4月までには全騎士・女官が痴女皇国制服に近い姿になると思ってください…」菅野しほ子さんが嫌そうに言います。

ええ、しほちゃんも新型騎士服ですよ…。

「えーなに、しほ子嫌なの?」

「サリー…あたしは日本人体型なのよ…腰骨の位置とかお尻の形があんたと同じじゃないのよ…」

ええ、高木サリーさん…聖院のジーナ母様とアルトさんのお子さんです。つまりロシアとアラブ系の混血。

そーいやアレーゼおばさまって人種わかりませんよね。

「あの人たちは古代シュメール人の血統だと思っとくといいわよ。ところでベラちゃん…ちょっとお願いがあるのね」と、試乗会の反省やら新型騎士服採用に関する意見交換などが済んで理恵パイセンと一緒に痴女宮に帰ろうとすると、聖院姉に呼び止められました。

「理恵さん、悪いけど先に帰ってもらえる?」

「はいはいいいですよー。ベラちゃんはマリアさんに拉致されたって言っときますー」

パイセン…まぁともかく、聖院姉がちゃっちゃとパイセンを痴女宮に送り返してしまいます。

そして聖院姉の誘導で会議室と同じフロアの貴賓室区画に引っ張っていかれた先には。

「フローレシェーネ、痴女皇国のマリアヴェッラ皇帝陛下です。ご挨拶を」

「聖院女官幹部候補生のフローレシェーネと申します。現在は千人卒に昇格致しました」

ふむふむ。何かこう、北欧の妖精という感じの女官がそこに。

身長といいふいんきといい、現在は北欧支部勤務でかつてのいけにえ村住民だったニオオフラーネちゃん、あの子をもう少し上品にしたような感じですね。で、IFFステータスはっと…。

Floreesiene. フローレシェーネ Thousand Suction. 千人卒 Slut Visual. 痴女外観 Priestess, Holy Temple. 聖院女官

…何かこう、すっきりしすぎているステータスにかえって引っかかるものがあります。

で、聖院姉はなぜあたしとこの子を引き合わせたのか。

「ベラちゃん…この子の万卒昇格をお願いしたいんだけど大丈夫かな…。痴女皇国側の痴女種との性質差を確かめたいのが大きいのよ…」

えええええ。

いや、依頼されればやりますけど…それとねーさん、うちの方の姉のOK取ってますか。

(はいはい。ベラ子、あたしにもその子の試験昇格の話、来てるから。ちょっと頑張ってみてくれよ。リミッターかけたらお前としても害はないだろ。遠慮なくやってくれ…)
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