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アルトリーネの仁義なき妻たち 11
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皆様、少し遅くなりましたが新年あけましておめ
いえ、Buon Anno! マリアヴェッラです。
まぁ、今回でとりあえず反社作戦は大体終わるという事です。
…天の声に聞きたいのですけど…本当に普通に終わるんですか? 何か、不安なのですが…。
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「はぁ…手間掛けさせんなよ…」
「とりあえず火は消しました。で…えいっ」
何ということでしょう。
さっきまで燃え盛っていたはずの変な形の便通が元の変な姿に。
「ふははははは。これで売れまっせ。名義はマリアねーさんに書き換えといたし車庫証明も池尻大橋のマンションの駐車場で上げといたし。ついでに中井さんが所有していた記録は抹消さしてもらいますたっ」
これ、火事場泥棒とか言わないんでしょうか。
ついでに宇賀神さんが呆れてますが。
「まぁ、今回のあれこれでかかった経費の相殺にゃ役立つだろ。せめてこいつらから回収するの、10億は引っ張らねぇと赤字も赤字だぜ…」
はいはい。とりあえずこいつらの始末に使う費用をできる限り節約するか元を取りたいのはわかりましたからっ。
(それより撤収して下さいよ、今、高速隊が向かってますから…)と加藤さんから連絡が入ります。
で、何でこうなったのか。
中井さんという方が突き合っていた女性を車に乗せて逃げようとしたのを追いかけたら、首都高速羽田トンネル内でスピンして車が燃えました。
で、燃える直前に乗員を助けた姉がエマちゃんを呼んで車を修復させたついでに「中井さんの車」じゃなくしてしまったようなんです。
そしてあたしですが。
どういう訳か吉崎さんの車のはずの黒と黄緑の乱暴ルギーニで追いかける羽目になりました。
と言っても、この変なドアの開き方する乱暴ルギーニ、大体同じ型をイタリアとドイツで何度か乗ったこと、あるんですよ。
あ、日本でもあるか。
そうです、にゅるにゅるした道でF1パイロットの方の数秒遅れのタイムを出したらえっらい驚かれたアレです。あれ。
ですので、とりあえずドアの開け方閉め方とかエンジンのかけ方はわかります。ドアはともかく、エンジンについてはあたしのと大体同じですし。
そして追いかけたの、あたしだけじゃなかったんですよ。
ええ、宇賀神さんのお父さんのマスタング…姉があげた物ですけど、ものすごく速いんですね。
(そりゃ重量で言えば、お前の乗ったのとかあの便通より200kg近く軽い上に同じくらいの馬力のエンジン積んでんだぞ。速くねぇ訳ねーだろ。ふははははは)
聞けば、本来このマスタングに載せたエンジンに付けているはずだったホーリーの4バレルキャブレターとかいう吸気装置に替えると、この車の本当の性能が出るそうです。馬力は普段の500馬力から700馬力超えになるそうで…。あたしの持ってる方の四駆の乱暴ルギーニと同じじゃないですか…。
「いやぁ速い速い怖い。何とかミッドナイトの黒いZ以上の馬力あるからなぁ、これ」と宇賀神さんが、広い額に浮かんだ汗を拭き拭き申されます。
まぁ、とりあえず事故現場はエマちゃんが片付けてくれたので、さっさとテンプレス2世に戻りましょう。
とりあえず例の便通マークがついた車、合計で4台。
更にはロールスロイスとフェラ ーリとさっきの乱暴ルギーニが格納庫に並んでいます。
あと、奥さんの車らしい便通のちっさいの。
これ全部、高木企画名義にして売るらしいですけど。
「だってこれ全部、ことごとく痴女皇国の地球で使いもんになるか? 石灘の開演とか中井のゲレンデくらいだし、かーさんが拒絶反応示してるじゃん。それに、お前の乱暴ルギーニ以上に変なカスタムしてオンロードしか走れねぇような感じにしてるからな。元に戻すのだけでも一苦労だぜ」
まぁ、それなら仕方ありませんね。
それはともかく、中井さんと突き合ってた…いえ、お付き合いしていた女性です。
見た目は派手っぽいですし身長も割とありますね。
ただ…体型が日本人だなぁ、と。細くて手足も長くてすらっとしてるんですけどね。
姉曰く「おーとさろんけい」だそうです。
ああ、いらっしゃいますね。とちぎメディアの車番組にも週替わりでゲストで呼ばれている、きゃんぎゃるとか言われてる女性の方々。
ちょうどあの方々に似た体型です。
どうも、石灘さんの伝手でお突き合いを始められたようで。
更には別室に隔離している中井さんの奥様、何やらこの方と似た印象です。
こういう方が好みなのですかね。
ま、この方の女の好みはなんとなく理解しましたが、この先、そういう女性を相手することは出来ないようになるのでしょう。
…気の毒と言えば気の毒ですが、石灘さんや吉崎さん同様に、男のままで罪人扱いにはしたくないですね。
その前に、姉に言われて中井さんの奥様と、まだ若い娘さんの処理をするように言われます。
で、テンプレス2世の船室へ。
あらかじめリモートドレインしておいてから聖環でロックを外し、少しだけ奥様を回復させておきます。
娘さんは寝たままで。
ええ、指定がかかっています。
かわいそうですが、現状の幼稚園児状態から、修学寮収容児童同様に12歳くらいまで成長促進させます。
そして人格消去と女官人格刷り込み…の前に。
そこに、ジョスリーヌさんとアルトさんがさっきの女の人を連れて来ました。
(既に罪環は装着済みです。まぁ…暴れさせはしませんけど)
「べらこへいか。なかいみゆきさんとてぃあらさんについてですが、まず…この女のひとがだれなのかをみゆきさんにおしえて上げてとよめがいいますねん」
はいはい。
「吉村美咲さん、ですか」その方がギョッとしています。
なんでこいつ、あたしが何も言ってないのに名前がわかんのよ。
確か見たことあるわね…義文がいやらしそうな目で見てた車の番組に出てた外人の子で、やたら高そうな車で乱入してくるいじられ役だったっけ。
「そうですよ。単にベラちゃんで番組では通していますけどね。で、中井美由紀さん。あなたはこの吉村美咲さんと同じように今、声を出せないようにさせてもらっています。そして中井さん、吉村さんをご存知でしょうか」
知りません。主人が好きそうな女性ですけど…まさか!
「ミユキ・ナカイ。なかなかに勘が鋭いな。陛下。よろしいですか?」
「仕方ありませんね。記憶共有、入れます…」
や…やっぱりあの男! それにあれもこれも買ってもらいやがって! それにあのホテルって…!
「ああ…奥様…義文さん、吉村さんに結構な金額の支出、されていたのですね。お気の毒様です」
「うわきはよくないですねぇ」
「いや、正妻にもきちんと愛を注ぎ与えるものを与えていれば良かったのでしょうけど…私の父親に該当する男もあれだったからなぁ…」
な、何よこいつら…あたしの頭の中見れるわけ? ひょっとして私の考えてる事も…。
「ほほほほほ。まるみえでっせ。あたくしたちはすこしばかり色々とふつうのおんなのひととはちがいましてね」
「まぁミユキ・ナカイ…確かにお前は気の毒な立場ではあるが、全くお前に非がないわけでもなさそうだな。ああ、ミサキ・ヨシムラ。我々はお前にインドウを渡すためにここに連れて来たのだ」
あたしが何したってんだよ。ヨシフミが血相変えてお前もヤバいから逃げるぞって荷物まとめさせられて成田まで向かうハメになっただけじゃん。
「ミサキ・ヨシムラ。お前は本当にやましいことはないのか。神に誓って清廉潔白なのだな?」
そうそう、ジョスリーヌさん…紺色の制服姿になっていますね。
(一応フランス国家憲兵の身分も持っていますからね)
「さて、ミサキ・ヨシムラ。自己紹介が遅れたが、私はジャンダルメリ・ナシオナル…フランス国家憲兵のジョスリーヌ・メルランという。現在は痴女皇国という異世界都市国家に出向して、マリアヴェッラ皇帝陛下の部下として仕える立場だ。そして、こちらのアルトリーゼ警務局長の指揮下にもあるのだが…まぁ、とりあえずこれを見てくれ。日本警察から回ってきた、お前の逮捕状だ」
えええ! 何でフランス人があたしを逮捕できるんだよ!
え? 連邦政府機密漏洩幇助罪? 何よこれ? ヨシフミの奥さんがしたんじゃないの? あたしも?
「では日本の警察に引き渡すが、それで本当によいのだな? そうだ、ミユキ・ナカイ。お前にも逮捕状は出ている。身体は動かせないだろうから…これで読めるか?」
えーと。人身売買に売春管理幇助。…ああ、千葉の民泊、あたしの名義だったわね…。あの馬鹿、どこで足を掴まれたのよ…。それとこの吉村って女も同じ…あ、傷害罪もついてるわね。
つまり何? 日本の警察じゃなしに連邦政府が逮捕するってこと?
「あなたたち、私の妹を売り払う企みに加わっていたでしょう。あとビューティーツインズというアニメに絡んだ企画で抜擢された女の子について、吉村さんは所属事務所の方から得た情報、中井義文さんに流しましたね?」
そんな証拠あるわけねぇだろ。
「馬鹿者めが。ではこれは何だ。お前が所属する事務所の端末から抜きださせたコピーデータを中井に渡している一連の姿だなぁ」
合成だろ!
「残念だが我々は過去に遡って客観的に状況を記録再現する技術があるのだ。例えば、ほれ」
いやああああああ!
何よこの泥棒猫!
「いや、なかなか激しいなぁ、あのヨシフミ・ナカイというやつの性交。ミユキ・ナカイ…お前とのものもあるのだが…失礼、半年ほど前の内容になるんだな。あとミユキ。お前は亭主の部下の料理人と親しいようだが、それも拝見させて頂いて構わないかね?」
なんだよてめぇら!何なんだよ!人のプライバシーほじくり返して面白いのかよ!
やめて!お願いだからやめてください!
「ああ。私も悪趣味な事はしたくはない。だが、お前たちが日本人としての扱いを要望するのを呑むとして、だ。これから日本の警察に引き渡す際に、ヨシフミ・ナカイとお前たちそれぞれの交友実態を調査した資料としてこれらの映像記録も提出するぞ。だから今からマリアヴェッラ陛下がお話になることを聞いてから、自分の処遇について希望を述べても遅くはないと思うのだがな」
「単純に言いましょう。あなたがたはこのままですと、地球以外の星に送られて強制労働することになります。それは中井さん、あなたの娘さんにも不憫なお話でしょうから、我が痴女皇国の流儀で裁かれることを承知いただけるのなら、あなたと娘さん…王冠さんの身柄を私が責任を持って預かります。吉村さん。あなたも同じですよ」
「お前たちは理不尽だと思っているようだが、痴女皇国上皇たるマリアリーゼ陛下の妹君2名に手を出す事を画策加担しただけで、日本の司法だけでは済まない話になるんだ。具体的には、日本の警察に君たちを引き渡したが最後、速やかに横田基地に送られてパリの連邦法務局刑事捜査部所轄の容疑者として取り調べを受けるだろう。またはグアンタナモ基地に収監するか…とりあえず、日本の警察の管轄ではなくなる。何なら私が警視庁またはチバ県警に引き渡してもいいんだが、最後は連邦法務局か、さもなくば宙兵隊警務部どちらかの扱いになる。それが嫌ならマリアヴェッラ陛下の采配に従いたまえ」
「うちのくににくるのがいちばんらくですよ。れんぽうならさいあくはじゅうさつ。ころされます」
あんたら一体なんなんだよ…。
この馬鹿、口の利き方に注意しろよ…私まで同類に思われるじゃないか…。
「中井さん、あなたは賢明であらせられる。どうやら我々に逆らったり歯向かうと地球連邦社会から不思議な力が働いて死にかねない、そう認識していただくのは正しいですよ。もっとも、あなたのご主人と…吉村さんはその認識をお持ちではないようですが…」
「陛下。さっきヨシザキがどうなったか、この者たちに見せて差し上げるのがよろしいかと」
「そうですね」
で、記憶共有。
あの…まさか主人もこのように…。
え…吉崎さん、女になっちゃったの? じゃヨシフミもこうなるの?
「なんのたいさくもせずにわたしたちとあるていどの時間、ふれあうと…女官種または痴女種といういきものになります」
「もっとも、アルトリーゼ閣下も私も元は女性だが、千人卒と呼ばれる痴女種特有の成長階級を超すとどうなるか…」
ぎゃああああああ。
「そんなにおどろかなくても」
「ま、とりあえず初期研修を受けて頂きましょう。アルトさん、高速学習お願いします」
は、はぁ…つまり、必要に応じて男性として女性を妊娠させることも出来ると…。
つまり何? そこの皇帝とか言ってるお姉さん一人で地球にいる人全員瞬殺できるの? だから連邦もNBも最高待遇で接してて、しかもあたしら普通の人には秘密にしてる?
信じられないけど本当みたいね…とりあえず物分かりが悪いと、この人たちも基本は女性だから絶対に同性に情け容赦しないはず。あとは娘ね…義文をつなぎ止めるために産んだようなもんだけど、どうも施設に預けてくれるようだし、実際にどんな暮らしなのか見せてもらいたいわ。
そうね、娘のためを思ってと、泣き落としてみましょうか…マリアヴェッラって人はまだ話がわかるみたいだしね、吉村のバカさっぷりに嫌な顔してるわ。ここは一つ話が通じるふりをしておきましょうか。
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はい。
皆さまにわかりやすいように、お二人の心中をご覧頂きました。
ああ、女の本音、だだ漏れ。
こんな腹の黒さではこのまま女官登用、絶対にさせられません。まだ若い娘さんの方が矯正は可能かなーどうかなー。
(このよしむらというひとは、いちどなぐればいうことはききそうですね。ただ、おくさまのみゆきさんはまっくろです)
(娘をダシにして泣き落としも躊躇なし。陛下、どうなさいます)
(どうするもこうするもありませんね…ふっふっふっ。ねーさん、このお二人ですけど、初期研修は聖院に頼んでいいですか?)
(うちでやってやれよ…あ、なるほどそういう思惑かっ。んじゃマリーをそっちに来させるわ。向こうの一週間でいいだろ。あとはイザベルさんから東洋系が欲しいって言われてたから、母娘ともども欧州地区本部経由で南欧支部配属しちまえ。吉村もモントルー送りでいいんじゃね?)
(鬼という単語が頭に浮かびました)
(ジョスリーヌさん…じつはまだマリーはましなのです。きょくたんなはなし、わたくしでも教えようと思えばできるのですよ)
(アルトさんがやると死ぬからだめですっ。あとジョスリーヌさん。どの道この人たち、このままだと女官種固定で早死にコース確定では?)
(ですね。つまり…)
あ、ちょっと注釈、必要ですよね。
実は、何も対策せずにあたしたち痴女種と接触し続けていると痴女種になる件がありますよね。
これ、姉がいらん事しました。
具体的には女官種になるようにしました。
つまり、痴女種より短命。
早ければ女官種転換から一週間以内で自己発火して死亡。
そして寿命決定に「因業」要因が加えられました。
つまり女官種になる前に悪行の限りを尽くしているほど余命、短くなるそうです。
ただ、男性から女官種に変わる場合は逆に余命を伸ばす方が生き地獄になると相手に思わせる効果があるからと、男性時代の罪深さが強いほど長生きさせられるようにしたと…。
それが嫌なら売春などの女官業務に邁進しろ。悔い改めて誠実に働くなら寿命伸ばしてやる。これが姉の主張です。
どの道女官になれば意識調整がかかりますし、いけにえ村事件以降は罪人女官カテゴリーが新設されまして、洗脳対策として罪環装着の上で女官業務をしてもらう事になったんですよ。
それも、駄洒落菌感染型。
ですから意味のないカイゼンじゃないかと思ったんですけどね。
ですが、改めてこの措置、こういう人たちには有効だって今、まさに思っています。
(え、つまり何、このままだとあたし、一週間たたずにおばあちゃんになって自分で勝手に焼けて死ぬわけ?)
(何でこんな事されるのよ!…って言ってもこの人たちが言う対策をしてもらわないと本当に焼け死ぬみたいね…娘はともかく私は余命1ヶ月なのか。これは言うこと聞いといて対策ってのをしてもらう方が良さそうね…)
はぁ。生かしておくのが良い事か、悩ましい方々ですね。
ですが。
生まれてきた事をきっちり後悔させる女というのが世の中にはいるのです。ジョスリーヌさんもその部類でしょうけど。
(陛下…ひどいです…私は確かにそれなりに色々やらせて頂けるなら30分で彼女たちにくっ、殺せと泣き叫ばせる自信はありますが…)
「これがマリアンヌ様やスザンヌ様に手を上げるのに加担された方々ですか。ふむ」
じろり、とお二人を睨むマリー。
聖院女官服姿なので、痴女宮女官よりは大人しめのはずなんですが…。
(うわ…何このキツそうなおねーちゃん…お嬢様風だけどめっちゃ陰険そうな…)
(あのー陛下、我々の間で隠し事できないと教えておられます? …そりゃ確かにわたくしキツいと皆に言われてますけどねっ)
「ああ、さっき少しだけね。改めて言っておきましょう。我々痴女種は女官種含めて同僚同士の隠し事、一切できませんよ。貴女方が考えている事、全て私たちに筒抜けになります。もっともこのマリーや私のように上位階級の女官の頭の中は許可しない限り貴女方には覗けませんけどね」二人を前に宣告しますと…。
「え、じゃあさっきまであたしが考えていたのって…」
「では皇帝…陛下、ですよね…には全て筒抜け…」
はい。黙って微笑んで差し上げます。武士の情けってやつです。
で、そこからの反応。
吉村さん、顔…真っ赤。
ですが中井さんの奥様、真っ青です。
そりゃそうでしょう。ある意味単純な吉村さんと違い、打算まで読まれたと知った美由紀さんは真剣にヤバいと思ってますね。
ですが、気配りの出来る女としての評価も決して低くないマリーさん。
「最初は誰でも慣れませんから。ただ…中井美由紀さん。あなたのような考えではいずれ先輩から睨まれますし、吉村美咲さん。貴女も少し性格や言動に問題がありますわねぇ。しごきがいはありそうですけど」
で、ここで元・ロレーヌ王国王女のマリアンヌ・ド・ロレーヌという方が痴女宮でどういう風に生き抜いてきたか。聖院での初期導入研修で使っているという例の映像を見てもらいました。
(な…何よこの暴力女…なんでこれでみんなで囲んでリンチとかしないのよ!)
(できるとお思い? 制限解除したらあたくし、千万卒でしてよ。百人卒までの女官千名くらいでしたら一瞬で倒せますわよ。それと…そういう事をした時点で「もっと恐ろしい方」が呼ばれますから、悪しからず)パキポキと拳を鳴らしてみせるマリーさん。腰のちんぽ柄の剣の輝きが嫌すぎますね。
(一応はりせんも携帯しておりますっ…あたくしも正直これ、嫌なんですのよ…使わざるを得ませんけど、柄の方)聖院でも使うような事、あるんですか…。
(あのね、吉村さん。そういう事した時点で、聖院なら聖院の地下にある非常警報装置のボタンが一瞬で押されます。そうなるとですね、百億卒のあたしや姉にも伝わるんですけどね、それ以前にもっと怖い人が来ますからね)
で、どういう風に怖いかを見てもらいました。
鬼汗国の騎馬軍団ですとか、数十隻のバイキング船団やらフランス戦列艦隊やら鯖挟国のイェニチェリ軍団がなす術もなく空を舞い船は沈み、インカの大軍勢やインディアンの騎馬軍団もちぎっては投げるがごとく、たった一人で壊滅させてしまうような方です。
鬼作戦の時は十万を越す龍皇国革命軍の李自成と一騎討ちするどころか、革命軍自体を崩壊させるわノモンハン事変の戦車軍団を数瞬のうちに全車スクラップに変えるわ、聖院世界でも痴女皇国世界でも、果ては連邦世界でも文字通りの最終兵器たる姿の動画を見せてみます。
(ついでに申し上げておきますと、あたしや姉のマリアリーゼ…聖院の方にはもう少し性格が丸いのがいますけど、だいたいこれと同じくらいの事はできます。あと、ここにいるアルトリーゼさんも、ですよ)
(あたくしはここまでなさけ容赦なくつぶしません!せいぜいよめにめいれいされて南洋王国の首都にぱんちいっぱつでつなみをおみまいしたくらいがせきのやまです!)
(アルトさんそれだけでも充分破壊力ありますから。ついでに言いますと、同じ事…東京にしたら多分、壊滅しますよ…しませんし、させませんけどね)
(うーん、ブリエンヌ館の判断は正しかったとしか。ほら、パリでエリゼー宮にTAPPS6が一個小隊、送り込まれて警備についておりましたでしょう。あれ…本当に出力20キロトンの対地戦術核ミサイルを一機につき4発、バックシェルランチャーに搭載していたそうです…もちろん実弾ですよ…)
(聖院時代ならまだしも、今のアレーゼおばさまとマイレーネさんならそれでも止まりませんよ…)
(もはやけがれだまのルドゥタブルでないとむりです。あたくしもですが)
(わかりましたわかりましたから逆らいません!あのお前のようなババァだけは呼ばないで!)
…あなたが配属予定になってる欧州地区本部にいるんですけどね、そのお前のようなババァな方。
(そりゃ…機密扱いにもしますね…というかですね、何でまたそれほど強いのに地球を制服しないんですか)
「簡単です。私たちには人間、特に男性が必要なんですよ。私たちからすると、人間の男性ってリンゴの木なんです。実をもいで食べても、注意して枯れないようにしさえすればまた実をつけてくれるリンゴ。あ、中井さんも吉村さんも、そうなりますからね。人間だけでなく生物全て、私たちが精気と呼んでる生体エネルギーを生成蓄積してるんですけど、それを頂くのが私たちの食事の代わりになるんです。で、男性から直接吸い上げる役目のために、聖院も痴女宮も常時千名以上の女官が売春のために働いています」
「それとミユキ・ナカイ。考えてもみろ。60億なら60億を直接統治する手間というものがあるだろう。痴女皇国も聖院も諸国の政治に強く干渉するが、政権主体はあくまでもその国の人間に与えている。もっとも、為政者の名に値しないようなら取り潰すのに躊躇はないそうだが」
「一応申し上げておきますが、お二人を受け入れるのは痴女宮ではなく聖院でしてよ。ですから、痴女皇国とは少し流儀が変わります。陛下、ジョスリーヌさんの女官モード、見て頂いた方がわかりやすいかと」
で、スッとジョスリーヌさんが痴女皇国の方の女官服に変わります。
ええ、うちの方が基本、露出度高めハイレグきつめ。
(ば、売春…って、ウリ…ですよね)
(明らかにマリーさんの方が大人しめですね…)
「えーとですね、これも少し注釈いるわね。基本的にうちの売春の場合、女官主導で事が進むんです。そして事前に伝染病検査めいた事をしてるのはもちろんなんですけど、する時の還流生体エネルギーを利用して男性を治療しちゃうんですよ。身体や精神の疾患とか戦争での後遺症とかも含めて。ですから一種の治療行為でもあるんです」
と、そこで言葉を区切ってから。
「聖院でも痴女宮でも、そちらで言う風俗店の扱いになる旅館めいたものがあります。そこで勤めている女官や女性については、そういう医療ではなく純粋な性欲処理という事で、着ている服が変わるのですよ。まぁ、あたしの場合は皇帝仕様で少し意匠が変わるんですけど」自分でも服装を変えてみせます。ええ、例のひも。
(えええええ、勝てない…あたし勝てない…あらゆる意味でこの人には絶対勝てない…)
(す、すごい過激な…こんなの着てるんですか普段…痴女の国なんですね、本当に…)
「ついでに言っておくが女官種は基本、若返る。だからこそ寿命が短くなってしまうのだが…」ジョスリーヌさんも悪ノリして黒薔薇仕様の戦闘服になってますね。
「痴女種になれば百人卒未満でだいたい200年。そこまで長生きしたくないなら還俗と言って一般の人間女性に戻る措置を受けてもらいますわ。…ま、痛い手術とかではありませんし一瞬で済みますけどね。ただ…その時の年齢を2で割ったくらいの人間年齢に戻りますけど」と、痴女宮勤務当時の乳上服白薔薇バージョンになってみせるマリーさん。
「ちなみにこのなかでいちばんとしうえ…あたくしですよね…」
(ええええええ!なんかアラブ系のモデルさんみたいなのに!)
(って美容整形とか不要なの?…そういえばマリアヴェッラ様とジョスリーヌって人はともかく、マリーって人とこのアルトさんだっけ…化粧っ気ない…わよね)
「ついでに言うと二番目はマリアンヌ殿下と…私だ…」
絞り出すような声で言うジョスリーヌさん。
うん、仕方ないよね。
「逆にあたしの実年齢、知ったら驚きますよ」
(え)
(ちょ、ちょちょちょちょちょっと待ってください!この生年月日だと絶対確実に年齢2桁行ってるか行ってないかじゃないんですか? …あ、娘もなんか成長してるな…)
「そうです。我々は成長速度を変更したり、急速に成人化できるんです。そして意識や記憶を共有できると言う事は…知識も共有できるんです。極端な話、私は出生直後に肉体年齢18歳程度にまで促成成長処置を受けました。以来、基本的にこの身体のままなんですよ」
(な、なんか…すごいズルを聞いた気になる…SK-○に貢いだあたしのお金を返して欲しい…)
(うるさいっうるさいっあたしなんかエステに整形…あ…)
「えっと。ジョスリーヌさん。ちょっとアジア系に変わってみて頂けますか」
「お前たち…女として気持ちはわかるんだが、生まれつきの身体を大事にはしろ…私は特殊任務に従事する関係で整形手術を受けざるを得なかったがな」
と、変化したジョスリーヌさんを見てお二人、ものすごく動揺しています。
(あ、あの…マリアヴェッラ…陛下…ですよね…もしかしておっぱいも…)
「変えられますよ。ただ、精気を消費するのである程度勤務して頂いた後に申請を受け付ける形になりますが」本当は出家時にもしてあげるんですけど、今は内緒で。いひひ。
「で、私なんですが…連邦宙兵隊将官の高木ジーナってわかりますかね。あの少年捕まえて結婚したの」
(んー、わかりません)
(あああああああああ!あのウェディングドレス着たまま年端もいかない旦那さんと二人で車で逃げ回ってたおっきい女の人!マリアヴェッラ陛下ってあの方の娘さんなんですか?)
「すみません…それ、私の実の母親です。私の名前ですけど、正式にはマリアヴェッラ・ボルジア・ワーズワース。で、日本国籍では高木マリアヴェッラです」
(え。日本人扱いなんですか?)
「一応、連邦政府事務局長のラッツィオーニ閣下の秘書官扱いで職員身分ももらってますけどね。あと、宙兵隊尉官軍属待遇も」ほれほれID見ろID。
「言っておくが特認扱いで自動車運転免許や航空機操縦免許も交付されているお立場だぞ。それも、試験を受験して合格した上での交付だからな」
「とりあえずお二人。美容や健康の点で聖院勤務を検討したい場合、今からマリーさんについて研修して来てください。就労意欲を認める場合は、人格初期化などの最終処置を取らずに勤務頂きますし、勤怠成績次第では…千人卒以上への登用昇格詮議がそれだけ早まります。言っておきますが痴女皇国でも聖院でも幹部登用は千人卒からです」
「そのかわりにちんちんはえます。ただ、ほとんどごはんたべなくてすみますけどね」
「アルトさんのお話をもう少しだけ詳しく申しますと、まずは十人卒からスタートします。そして勤務態度や聖院本宮または痴女宮本宮登院…つまり売春以外にも様々なお仕事がある女官業務をこなして頂きますわ。で、早ければ1年、おおむね勤続2年から5年で千人卒昇格の事前聞き取り調査が入ります。これは婚活を重視しているがために行うのですけど、ここで昇格した場合、昇進登用の代償として、百人卒未満の下級女官から吸い取って上に上貢する作業に必要な身体器官…つまり珍珍が生える事になりますの」
マリーさん、あなたとジョスリーヌさんの、あまり見せない方が…おっきいから。
(ベラ子陛下のラスプーチンちんには負けますわっ!ジーナ様ので散々暴威を味わいましたから!)
(マリアンヌ殿下に同じ。あれは核兵器級の凶器です)
(えーと、おちんちん生えると何か起きるんですか)
「吉村さん。あなた…中井さんと喧嘩して、勝てますか?」
(気に入らなかったら叩くくらいはしますけど、向こうが本気出したらあたしが負けます。実際に男の人ボコボコにしてるの見たの、一回や二回じゃありませんし)
(ああ、あの馬鹿…傷害事件にならないようにしろって言ってんのに…)
「ところがですね。十人卒でも、相手が男性一人なら…瞬殺ですよ。そして千人卒だと身体を使った喧嘩ではもちろん、ベッドの上でも相手が人間ならまず負けなくなります。で、男性への興味が薄れてしまうんですよ…」
(ええええええ?)
「これは真剣に言っておきますわ。本当に男性への興味が薄れますの。そして…わたくしの伴侶ですけど、聖院騎士団長のダリアリーゼ…この黒人と白人のハーフのスレンダーな感じのがそれです。ちなみに申し上げておきますけど、この方、孤児で…かなりの非行少女だったんですのよ」
「あたくしもよくしっております。聖院に入るまでに十人いじょうはぜったいにころしていますから。それもそこの娘さんくらいのねんれいのときに、ですよ」
「言っておくが聖院でも痴女宮でも聖院学院という学校を併設しているぞ。ここは孤児院の役目もあってな、本当に殺人経験のある少年少女の更生も積極的に行っているのだ。女官の任務には福祉女官…保母としてこうした少年少女が犯罪を重ねないように教育する業務も含んでいる」
「で、こうした非行更生ノウハウも連邦やNBに輸出しております。お気づきになりました? 私の名前にワーズワースが入っておりますのを…」
(つまり、NBともご関係が…あの義文の馬鹿、大方吉崎に乗せられたんだろうけど何でこんな人の親戚に手を出すような馬鹿な真似してんのよ…あぁああああ!)
(そりゃあたしたち二人とも連邦政府が島流しにするわけだ…ここでこうして話をしてくれてるのも、裏を返したらヨシフミたち含めてさ、もう二度と日本に帰さないぞって意味じゃんか、悟れよおばちゃん…)
「今あなたがたを乗せているこの宇宙船…テンプレス2世というのですが、NBのニューポーツマス造船所で建造されたお船です。それで関係をご理解頂けますか?」
(うちの旦那が底抜けのバカだと理解しました…)
(あたしも真剣に義文との絶縁を決意したいです…)
(マリーさん。気が変わらないうちに強制拉致連行願います。一週間後にこちらの時間軸に戻してください)
(承知いたしました。例の促成成長のやり方ですわね。ま、ちょっとしごいて来ますからごろうじろ)
で、無理やり二人を転送してしまいます。
まぁ、死にはしないでしょう。聖院流儀の研修ですし。
「はぁ、欲深いと言えば欲深い部類ですね」
「ああいうのは日本のせいふもいらんわと言うでしょうねぇ」
(おう、終わったか。ちょっとこっち来てくれ)
で、姉に呼ばれて格納庫に戻りますと。
「はぁ…宇賀神さん抑えるのに苦労したぜ…」
「いや高木さん、俺を褒めて下さいよ。殺しはしなかったんですよ?」
見れば宇賀神さん、金属バットを持っていますね。確かこの人の武装ではこれが一番最強だったはずです。
まぁ、大体の修羅場の状況は理解できました。手下の乗ってたらしい車がボコボコになっていますから。
「人にバットを使わなかったのを褒めるべきか…」
「父さん…いくら相手がナイフ持ってたからって三人まとめてボコボコにして投げ飛ばす?」ゆっきーの呆れた顔で、更に惨劇の詳細が理解できました。
「なぁに、この程度の修羅場は日常茶飯事ってもんだ。あ、高木さん…ここ…禁煙でしたっけ」
「いいよ。特別だ。はい」宇賀神さんのくわえたハイライトに、姉が火をつけてあげます。
「助かりますよ。しかし…俺も現役の制作総務の時はあんなのばっかり相手してたんですけどね。さすがにあの手の連中の抑えをする人種が世間からどんどんいなくなるの、ちょっとばかし懸念を持ちたいってところですか」紫煙を吐き出しながら宇賀神さんが申されます。
労働者の煙草というハイライトですけど、この方が吸うと本当にお似合いなんですよね。慶次郎さんもそうですけど、ただの人間の男性なのに不思議と「勝てない、勝ちたくない」という貫禄があるんですよ、姉が肩入れする男の人って。
(そりゃあベラ子お前、人間としての貫禄が違うよ。中井への啖呵、聞かせてやりたかったぜ。「お前が日本国民を名乗るのは仕方ねぇけどよ、日本人を名乗るのを許すんならそもそも大黒の時点でお前は逮捕されているべきだったんだよ。ここに連れて来られてる時点でてめぇらは日本人として否定されたんだよ」ってレイバンずらしながら金属バット片手にビシッと言ってくれてねぇ)
ええ、ヤクザの人にその怖い顔が欲しいというスカウトすら受けたおじさんです。さぞや中井一味も肝も冷やした事でしょう。
(ま、だからこそ、最低でもこの人は大往生させたげたいのよ)
「そこはあたしらが人類の発展と成長に対して責任を持つところだよ。少なくとも宇賀神さんの定年後は箱根に別荘構えてのんびり庭仕事して過ごさせるくらいはしてあげるからさ」
「うーん、俺としちゃあ、街住まいがいいかな。昼間から渋谷の裏手の洋食屋とか飲みに行きたいんですがね」
「こんの飲み助っ。ゆっきー、家のマッカラン隠しとけよ」
「そいつは勘弁だなぁ。それより、これで大体のカタはついたんですかい?」
「あとは中井と三人だね。ジョスリーヌさん、あいつらの処分は頼めるかい?…とりあえず祝杯を上げてからだな。陛下も殿下も付き合うって言ってくれてるし。うちの離宮の母親の部屋ならそれなりの酒、揃ってるぜ」
「いいんですかい、少将閣下の酒、勝手に空けて」
「あのおばはんはそれなりに稼いでるし、本気で手を付けたら危ない酒はあたしが把握してるから大丈夫だよ。それにもう少ししたら戻って来るから」
「ねーさん、それならジュネス行く方がいいんじゃないですか? どうせ痴女宮に戻って中井とかの引き取りをさせるんでしょ?」
「ジュネスか…まぁ、仕方ないか。あそこもそれなりの酒揃えてるしな。純子さんに連絡しておいてくれ」
「へいへい」やんごとないお方にあそこの惨劇をお見せして良いのかという気もしましたが、とりあえずはお越しになりたいのですから仕方ないでしょう。
ですが、アルトさんとあたしのコンビ。
ジュネスで暴走しそうな気がします。
…ま、今日くらいはいっか!
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マリア「普通の飲み会で終わらんかった」
アルト「ごめんなさいあばれました」
ベラ子「ごめんなさい店の外に出ました」
ゆきこ「沖縄でこれしたから怒られたのね…ベラちゃん…お父さんに合わせる顔、ある?」
ベラ子「謝っておいて!あたし当分渋谷も南青山も宇都宮も顔を出せません…!」
マリア「このベラ子とアルトの科白で大体何があったか悟ってくれ」
ジーナ「全くお前らわぁあああああ」
マリア「おばはんもこいつらを非難できるのか!あんたも淋の森で暴れただろ!」
ベラ子「端的に言います。かー様とあたしとアルトさん、淋の森警備本部の留置場に入りました…」
マリア「頼むから門前町警備本部の留置場も制覇とか、痴女島の警備本部の留置場全制覇挑戦とかしないでくれ」
ゆきこ「月間痴女宮の賞罰コーナー掲載確定です。あとマリア先輩が奥様とお嬢様に謝り倒していました」
ベラ子「ちなみに雅美さんも乱入してきて、後でめっちゃ怒られています」
マリア「お前ら反社作戦で捕まえた連中に説教できるかどうか、自分の胸に聞いてみろ…」
ゆきこ「どういう事が起きたのかは機会があればお話ししますねっ」
じょすりん「ちなみに私もついCoqを取り出して紙をですね突きで何枚破れるかとかですね」
ジーナ「で、触発されたベラ子とアルトがな…そしてその勢いで店の外に飛び出してな…」
ベラ子「障子紙を破るのはかーさまもしていましたよっ」
ジーナ「あれは勢いじゃ!」
マリア「あんたら一応痴女皇国の皇族とか幹部なんだからよ…」
じょすりん「ちなみにこの話は私の方の↓に続いたりするのですよ」
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/76/
アルト「ジョスリーヌさんはよっぱらってもしらふでもこわいひとなのです」
マリア(そして酔っ払った後の始末は色々とあるんだよ…特に雅美さんと初代様が抜けた後の人事の騒動がな!)
全員「というわけで2022年も話は続きますのでよろしくお願いします!」
いえ、Buon Anno! マリアヴェッラです。
まぁ、今回でとりあえず反社作戦は大体終わるという事です。
…天の声に聞きたいのですけど…本当に普通に終わるんですか? 何か、不安なのですが…。
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「はぁ…手間掛けさせんなよ…」
「とりあえず火は消しました。で…えいっ」
何ということでしょう。
さっきまで燃え盛っていたはずの変な形の便通が元の変な姿に。
「ふははははは。これで売れまっせ。名義はマリアねーさんに書き換えといたし車庫証明も池尻大橋のマンションの駐車場で上げといたし。ついでに中井さんが所有していた記録は抹消さしてもらいますたっ」
これ、火事場泥棒とか言わないんでしょうか。
ついでに宇賀神さんが呆れてますが。
「まぁ、今回のあれこれでかかった経費の相殺にゃ役立つだろ。せめてこいつらから回収するの、10億は引っ張らねぇと赤字も赤字だぜ…」
はいはい。とりあえずこいつらの始末に使う費用をできる限り節約するか元を取りたいのはわかりましたからっ。
(それより撤収して下さいよ、今、高速隊が向かってますから…)と加藤さんから連絡が入ります。
で、何でこうなったのか。
中井さんという方が突き合っていた女性を車に乗せて逃げようとしたのを追いかけたら、首都高速羽田トンネル内でスピンして車が燃えました。
で、燃える直前に乗員を助けた姉がエマちゃんを呼んで車を修復させたついでに「中井さんの車」じゃなくしてしまったようなんです。
そしてあたしですが。
どういう訳か吉崎さんの車のはずの黒と黄緑の乱暴ルギーニで追いかける羽目になりました。
と言っても、この変なドアの開き方する乱暴ルギーニ、大体同じ型をイタリアとドイツで何度か乗ったこと、あるんですよ。
あ、日本でもあるか。
そうです、にゅるにゅるした道でF1パイロットの方の数秒遅れのタイムを出したらえっらい驚かれたアレです。あれ。
ですので、とりあえずドアの開け方閉め方とかエンジンのかけ方はわかります。ドアはともかく、エンジンについてはあたしのと大体同じですし。
そして追いかけたの、あたしだけじゃなかったんですよ。
ええ、宇賀神さんのお父さんのマスタング…姉があげた物ですけど、ものすごく速いんですね。
(そりゃ重量で言えば、お前の乗ったのとかあの便通より200kg近く軽い上に同じくらいの馬力のエンジン積んでんだぞ。速くねぇ訳ねーだろ。ふははははは)
聞けば、本来このマスタングに載せたエンジンに付けているはずだったホーリーの4バレルキャブレターとかいう吸気装置に替えると、この車の本当の性能が出るそうです。馬力は普段の500馬力から700馬力超えになるそうで…。あたしの持ってる方の四駆の乱暴ルギーニと同じじゃないですか…。
「いやぁ速い速い怖い。何とかミッドナイトの黒いZ以上の馬力あるからなぁ、これ」と宇賀神さんが、広い額に浮かんだ汗を拭き拭き申されます。
まぁ、とりあえず事故現場はエマちゃんが片付けてくれたので、さっさとテンプレス2世に戻りましょう。
とりあえず例の便通マークがついた車、合計で4台。
更にはロールスロイスとフェラ ーリとさっきの乱暴ルギーニが格納庫に並んでいます。
あと、奥さんの車らしい便通のちっさいの。
これ全部、高木企画名義にして売るらしいですけど。
「だってこれ全部、ことごとく痴女皇国の地球で使いもんになるか? 石灘の開演とか中井のゲレンデくらいだし、かーさんが拒絶反応示してるじゃん。それに、お前の乱暴ルギーニ以上に変なカスタムしてオンロードしか走れねぇような感じにしてるからな。元に戻すのだけでも一苦労だぜ」
まぁ、それなら仕方ありませんね。
それはともかく、中井さんと突き合ってた…いえ、お付き合いしていた女性です。
見た目は派手っぽいですし身長も割とありますね。
ただ…体型が日本人だなぁ、と。細くて手足も長くてすらっとしてるんですけどね。
姉曰く「おーとさろんけい」だそうです。
ああ、いらっしゃいますね。とちぎメディアの車番組にも週替わりでゲストで呼ばれている、きゃんぎゃるとか言われてる女性の方々。
ちょうどあの方々に似た体型です。
どうも、石灘さんの伝手でお突き合いを始められたようで。
更には別室に隔離している中井さんの奥様、何やらこの方と似た印象です。
こういう方が好みなのですかね。
ま、この方の女の好みはなんとなく理解しましたが、この先、そういう女性を相手することは出来ないようになるのでしょう。
…気の毒と言えば気の毒ですが、石灘さんや吉崎さん同様に、男のままで罪人扱いにはしたくないですね。
その前に、姉に言われて中井さんの奥様と、まだ若い娘さんの処理をするように言われます。
で、テンプレス2世の船室へ。
あらかじめリモートドレインしておいてから聖環でロックを外し、少しだけ奥様を回復させておきます。
娘さんは寝たままで。
ええ、指定がかかっています。
かわいそうですが、現状の幼稚園児状態から、修学寮収容児童同様に12歳くらいまで成長促進させます。
そして人格消去と女官人格刷り込み…の前に。
そこに、ジョスリーヌさんとアルトさんがさっきの女の人を連れて来ました。
(既に罪環は装着済みです。まぁ…暴れさせはしませんけど)
「べらこへいか。なかいみゆきさんとてぃあらさんについてですが、まず…この女のひとがだれなのかをみゆきさんにおしえて上げてとよめがいいますねん」
はいはい。
「吉村美咲さん、ですか」その方がギョッとしています。
なんでこいつ、あたしが何も言ってないのに名前がわかんのよ。
確か見たことあるわね…義文がいやらしそうな目で見てた車の番組に出てた外人の子で、やたら高そうな車で乱入してくるいじられ役だったっけ。
「そうですよ。単にベラちゃんで番組では通していますけどね。で、中井美由紀さん。あなたはこの吉村美咲さんと同じように今、声を出せないようにさせてもらっています。そして中井さん、吉村さんをご存知でしょうか」
知りません。主人が好きそうな女性ですけど…まさか!
「ミユキ・ナカイ。なかなかに勘が鋭いな。陛下。よろしいですか?」
「仕方ありませんね。記憶共有、入れます…」
や…やっぱりあの男! それにあれもこれも買ってもらいやがって! それにあのホテルって…!
「ああ…奥様…義文さん、吉村さんに結構な金額の支出、されていたのですね。お気の毒様です」
「うわきはよくないですねぇ」
「いや、正妻にもきちんと愛を注ぎ与えるものを与えていれば良かったのでしょうけど…私の父親に該当する男もあれだったからなぁ…」
な、何よこいつら…あたしの頭の中見れるわけ? ひょっとして私の考えてる事も…。
「ほほほほほ。まるみえでっせ。あたくしたちはすこしばかり色々とふつうのおんなのひととはちがいましてね」
「まぁミユキ・ナカイ…確かにお前は気の毒な立場ではあるが、全くお前に非がないわけでもなさそうだな。ああ、ミサキ・ヨシムラ。我々はお前にインドウを渡すためにここに連れて来たのだ」
あたしが何したってんだよ。ヨシフミが血相変えてお前もヤバいから逃げるぞって荷物まとめさせられて成田まで向かうハメになっただけじゃん。
「ミサキ・ヨシムラ。お前は本当にやましいことはないのか。神に誓って清廉潔白なのだな?」
そうそう、ジョスリーヌさん…紺色の制服姿になっていますね。
(一応フランス国家憲兵の身分も持っていますからね)
「さて、ミサキ・ヨシムラ。自己紹介が遅れたが、私はジャンダルメリ・ナシオナル…フランス国家憲兵のジョスリーヌ・メルランという。現在は痴女皇国という異世界都市国家に出向して、マリアヴェッラ皇帝陛下の部下として仕える立場だ。そして、こちらのアルトリーゼ警務局長の指揮下にもあるのだが…まぁ、とりあえずこれを見てくれ。日本警察から回ってきた、お前の逮捕状だ」
えええ! 何でフランス人があたしを逮捕できるんだよ!
え? 連邦政府機密漏洩幇助罪? 何よこれ? ヨシフミの奥さんがしたんじゃないの? あたしも?
「では日本の警察に引き渡すが、それで本当によいのだな? そうだ、ミユキ・ナカイ。お前にも逮捕状は出ている。身体は動かせないだろうから…これで読めるか?」
えーと。人身売買に売春管理幇助。…ああ、千葉の民泊、あたしの名義だったわね…。あの馬鹿、どこで足を掴まれたのよ…。それとこの吉村って女も同じ…あ、傷害罪もついてるわね。
つまり何? 日本の警察じゃなしに連邦政府が逮捕するってこと?
「あなたたち、私の妹を売り払う企みに加わっていたでしょう。あとビューティーツインズというアニメに絡んだ企画で抜擢された女の子について、吉村さんは所属事務所の方から得た情報、中井義文さんに流しましたね?」
そんな証拠あるわけねぇだろ。
「馬鹿者めが。ではこれは何だ。お前が所属する事務所の端末から抜きださせたコピーデータを中井に渡している一連の姿だなぁ」
合成だろ!
「残念だが我々は過去に遡って客観的に状況を記録再現する技術があるのだ。例えば、ほれ」
いやああああああ!
何よこの泥棒猫!
「いや、なかなか激しいなぁ、あのヨシフミ・ナカイというやつの性交。ミユキ・ナカイ…お前とのものもあるのだが…失礼、半年ほど前の内容になるんだな。あとミユキ。お前は亭主の部下の料理人と親しいようだが、それも拝見させて頂いて構わないかね?」
なんだよてめぇら!何なんだよ!人のプライバシーほじくり返して面白いのかよ!
やめて!お願いだからやめてください!
「ああ。私も悪趣味な事はしたくはない。だが、お前たちが日本人としての扱いを要望するのを呑むとして、だ。これから日本の警察に引き渡す際に、ヨシフミ・ナカイとお前たちそれぞれの交友実態を調査した資料としてこれらの映像記録も提出するぞ。だから今からマリアヴェッラ陛下がお話になることを聞いてから、自分の処遇について希望を述べても遅くはないと思うのだがな」
「単純に言いましょう。あなたがたはこのままですと、地球以外の星に送られて強制労働することになります。それは中井さん、あなたの娘さんにも不憫なお話でしょうから、我が痴女皇国の流儀で裁かれることを承知いただけるのなら、あなたと娘さん…王冠さんの身柄を私が責任を持って預かります。吉村さん。あなたも同じですよ」
「お前たちは理不尽だと思っているようだが、痴女皇国上皇たるマリアリーゼ陛下の妹君2名に手を出す事を画策加担しただけで、日本の司法だけでは済まない話になるんだ。具体的には、日本の警察に君たちを引き渡したが最後、速やかに横田基地に送られてパリの連邦法務局刑事捜査部所轄の容疑者として取り調べを受けるだろう。またはグアンタナモ基地に収監するか…とりあえず、日本の警察の管轄ではなくなる。何なら私が警視庁またはチバ県警に引き渡してもいいんだが、最後は連邦法務局か、さもなくば宙兵隊警務部どちらかの扱いになる。それが嫌ならマリアヴェッラ陛下の采配に従いたまえ」
「うちのくににくるのがいちばんらくですよ。れんぽうならさいあくはじゅうさつ。ころされます」
あんたら一体なんなんだよ…。
この馬鹿、口の利き方に注意しろよ…私まで同類に思われるじゃないか…。
「中井さん、あなたは賢明であらせられる。どうやら我々に逆らったり歯向かうと地球連邦社会から不思議な力が働いて死にかねない、そう認識していただくのは正しいですよ。もっとも、あなたのご主人と…吉村さんはその認識をお持ちではないようですが…」
「陛下。さっきヨシザキがどうなったか、この者たちに見せて差し上げるのがよろしいかと」
「そうですね」
で、記憶共有。
あの…まさか主人もこのように…。
え…吉崎さん、女になっちゃったの? じゃヨシフミもこうなるの?
「なんのたいさくもせずにわたしたちとあるていどの時間、ふれあうと…女官種または痴女種といういきものになります」
「もっとも、アルトリーゼ閣下も私も元は女性だが、千人卒と呼ばれる痴女種特有の成長階級を超すとどうなるか…」
ぎゃああああああ。
「そんなにおどろかなくても」
「ま、とりあえず初期研修を受けて頂きましょう。アルトさん、高速学習お願いします」
は、はぁ…つまり、必要に応じて男性として女性を妊娠させることも出来ると…。
つまり何? そこの皇帝とか言ってるお姉さん一人で地球にいる人全員瞬殺できるの? だから連邦もNBも最高待遇で接してて、しかもあたしら普通の人には秘密にしてる?
信じられないけど本当みたいね…とりあえず物分かりが悪いと、この人たちも基本は女性だから絶対に同性に情け容赦しないはず。あとは娘ね…義文をつなぎ止めるために産んだようなもんだけど、どうも施設に預けてくれるようだし、実際にどんな暮らしなのか見せてもらいたいわ。
そうね、娘のためを思ってと、泣き落としてみましょうか…マリアヴェッラって人はまだ話がわかるみたいだしね、吉村のバカさっぷりに嫌な顔してるわ。ここは一つ話が通じるふりをしておきましょうか。
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はい。
皆さまにわかりやすいように、お二人の心中をご覧頂きました。
ああ、女の本音、だだ漏れ。
こんな腹の黒さではこのまま女官登用、絶対にさせられません。まだ若い娘さんの方が矯正は可能かなーどうかなー。
(このよしむらというひとは、いちどなぐればいうことはききそうですね。ただ、おくさまのみゆきさんはまっくろです)
(娘をダシにして泣き落としも躊躇なし。陛下、どうなさいます)
(どうするもこうするもありませんね…ふっふっふっ。ねーさん、このお二人ですけど、初期研修は聖院に頼んでいいですか?)
(うちでやってやれよ…あ、なるほどそういう思惑かっ。んじゃマリーをそっちに来させるわ。向こうの一週間でいいだろ。あとはイザベルさんから東洋系が欲しいって言われてたから、母娘ともども欧州地区本部経由で南欧支部配属しちまえ。吉村もモントルー送りでいいんじゃね?)
(鬼という単語が頭に浮かびました)
(ジョスリーヌさん…じつはまだマリーはましなのです。きょくたんなはなし、わたくしでも教えようと思えばできるのですよ)
(アルトさんがやると死ぬからだめですっ。あとジョスリーヌさん。どの道この人たち、このままだと女官種固定で早死にコース確定では?)
(ですね。つまり…)
あ、ちょっと注釈、必要ですよね。
実は、何も対策せずにあたしたち痴女種と接触し続けていると痴女種になる件がありますよね。
これ、姉がいらん事しました。
具体的には女官種になるようにしました。
つまり、痴女種より短命。
早ければ女官種転換から一週間以内で自己発火して死亡。
そして寿命決定に「因業」要因が加えられました。
つまり女官種になる前に悪行の限りを尽くしているほど余命、短くなるそうです。
ただ、男性から女官種に変わる場合は逆に余命を伸ばす方が生き地獄になると相手に思わせる効果があるからと、男性時代の罪深さが強いほど長生きさせられるようにしたと…。
それが嫌なら売春などの女官業務に邁進しろ。悔い改めて誠実に働くなら寿命伸ばしてやる。これが姉の主張です。
どの道女官になれば意識調整がかかりますし、いけにえ村事件以降は罪人女官カテゴリーが新設されまして、洗脳対策として罪環装着の上で女官業務をしてもらう事になったんですよ。
それも、駄洒落菌感染型。
ですから意味のないカイゼンじゃないかと思ったんですけどね。
ですが、改めてこの措置、こういう人たちには有効だって今、まさに思っています。
(え、つまり何、このままだとあたし、一週間たたずにおばあちゃんになって自分で勝手に焼けて死ぬわけ?)
(何でこんな事されるのよ!…って言ってもこの人たちが言う対策をしてもらわないと本当に焼け死ぬみたいね…娘はともかく私は余命1ヶ月なのか。これは言うこと聞いといて対策ってのをしてもらう方が良さそうね…)
はぁ。生かしておくのが良い事か、悩ましい方々ですね。
ですが。
生まれてきた事をきっちり後悔させる女というのが世の中にはいるのです。ジョスリーヌさんもその部類でしょうけど。
(陛下…ひどいです…私は確かにそれなりに色々やらせて頂けるなら30分で彼女たちにくっ、殺せと泣き叫ばせる自信はありますが…)
「これがマリアンヌ様やスザンヌ様に手を上げるのに加担された方々ですか。ふむ」
じろり、とお二人を睨むマリー。
聖院女官服姿なので、痴女宮女官よりは大人しめのはずなんですが…。
(うわ…何このキツそうなおねーちゃん…お嬢様風だけどめっちゃ陰険そうな…)
(あのー陛下、我々の間で隠し事できないと教えておられます? …そりゃ確かにわたくしキツいと皆に言われてますけどねっ)
「ああ、さっき少しだけね。改めて言っておきましょう。我々痴女種は女官種含めて同僚同士の隠し事、一切できませんよ。貴女方が考えている事、全て私たちに筒抜けになります。もっともこのマリーや私のように上位階級の女官の頭の中は許可しない限り貴女方には覗けませんけどね」二人を前に宣告しますと…。
「え、じゃあさっきまであたしが考えていたのって…」
「では皇帝…陛下、ですよね…には全て筒抜け…」
はい。黙って微笑んで差し上げます。武士の情けってやつです。
で、そこからの反応。
吉村さん、顔…真っ赤。
ですが中井さんの奥様、真っ青です。
そりゃそうでしょう。ある意味単純な吉村さんと違い、打算まで読まれたと知った美由紀さんは真剣にヤバいと思ってますね。
ですが、気配りの出来る女としての評価も決して低くないマリーさん。
「最初は誰でも慣れませんから。ただ…中井美由紀さん。あなたのような考えではいずれ先輩から睨まれますし、吉村美咲さん。貴女も少し性格や言動に問題がありますわねぇ。しごきがいはありそうですけど」
で、ここで元・ロレーヌ王国王女のマリアンヌ・ド・ロレーヌという方が痴女宮でどういう風に生き抜いてきたか。聖院での初期導入研修で使っているという例の映像を見てもらいました。
(な…何よこの暴力女…なんでこれでみんなで囲んでリンチとかしないのよ!)
(できるとお思い? 制限解除したらあたくし、千万卒でしてよ。百人卒までの女官千名くらいでしたら一瞬で倒せますわよ。それと…そういう事をした時点で「もっと恐ろしい方」が呼ばれますから、悪しからず)パキポキと拳を鳴らしてみせるマリーさん。腰のちんぽ柄の剣の輝きが嫌すぎますね。
(一応はりせんも携帯しておりますっ…あたくしも正直これ、嫌なんですのよ…使わざるを得ませんけど、柄の方)聖院でも使うような事、あるんですか…。
(あのね、吉村さん。そういう事した時点で、聖院なら聖院の地下にある非常警報装置のボタンが一瞬で押されます。そうなるとですね、百億卒のあたしや姉にも伝わるんですけどね、それ以前にもっと怖い人が来ますからね)
で、どういう風に怖いかを見てもらいました。
鬼汗国の騎馬軍団ですとか、数十隻のバイキング船団やらフランス戦列艦隊やら鯖挟国のイェニチェリ軍団がなす術もなく空を舞い船は沈み、インカの大軍勢やインディアンの騎馬軍団もちぎっては投げるがごとく、たった一人で壊滅させてしまうような方です。
鬼作戦の時は十万を越す龍皇国革命軍の李自成と一騎討ちするどころか、革命軍自体を崩壊させるわノモンハン事変の戦車軍団を数瞬のうちに全車スクラップに変えるわ、聖院世界でも痴女皇国世界でも、果ては連邦世界でも文字通りの最終兵器たる姿の動画を見せてみます。
(ついでに申し上げておきますと、あたしや姉のマリアリーゼ…聖院の方にはもう少し性格が丸いのがいますけど、だいたいこれと同じくらいの事はできます。あと、ここにいるアルトリーゼさんも、ですよ)
(あたくしはここまでなさけ容赦なくつぶしません!せいぜいよめにめいれいされて南洋王国の首都にぱんちいっぱつでつなみをおみまいしたくらいがせきのやまです!)
(アルトさんそれだけでも充分破壊力ありますから。ついでに言いますと、同じ事…東京にしたら多分、壊滅しますよ…しませんし、させませんけどね)
(うーん、ブリエンヌ館の判断は正しかったとしか。ほら、パリでエリゼー宮にTAPPS6が一個小隊、送り込まれて警備についておりましたでしょう。あれ…本当に出力20キロトンの対地戦術核ミサイルを一機につき4発、バックシェルランチャーに搭載していたそうです…もちろん実弾ですよ…)
(聖院時代ならまだしも、今のアレーゼおばさまとマイレーネさんならそれでも止まりませんよ…)
(もはやけがれだまのルドゥタブルでないとむりです。あたくしもですが)
(わかりましたわかりましたから逆らいません!あのお前のようなババァだけは呼ばないで!)
…あなたが配属予定になってる欧州地区本部にいるんですけどね、そのお前のようなババァな方。
(そりゃ…機密扱いにもしますね…というかですね、何でまたそれほど強いのに地球を制服しないんですか)
「簡単です。私たちには人間、特に男性が必要なんですよ。私たちからすると、人間の男性ってリンゴの木なんです。実をもいで食べても、注意して枯れないようにしさえすればまた実をつけてくれるリンゴ。あ、中井さんも吉村さんも、そうなりますからね。人間だけでなく生物全て、私たちが精気と呼んでる生体エネルギーを生成蓄積してるんですけど、それを頂くのが私たちの食事の代わりになるんです。で、男性から直接吸い上げる役目のために、聖院も痴女宮も常時千名以上の女官が売春のために働いています」
「それとミユキ・ナカイ。考えてもみろ。60億なら60億を直接統治する手間というものがあるだろう。痴女皇国も聖院も諸国の政治に強く干渉するが、政権主体はあくまでもその国の人間に与えている。もっとも、為政者の名に値しないようなら取り潰すのに躊躇はないそうだが」
「一応申し上げておきますが、お二人を受け入れるのは痴女宮ではなく聖院でしてよ。ですから、痴女皇国とは少し流儀が変わります。陛下、ジョスリーヌさんの女官モード、見て頂いた方がわかりやすいかと」
で、スッとジョスリーヌさんが痴女皇国の方の女官服に変わります。
ええ、うちの方が基本、露出度高めハイレグきつめ。
(ば、売春…って、ウリ…ですよね)
(明らかにマリーさんの方が大人しめですね…)
「えーとですね、これも少し注釈いるわね。基本的にうちの売春の場合、女官主導で事が進むんです。そして事前に伝染病検査めいた事をしてるのはもちろんなんですけど、する時の還流生体エネルギーを利用して男性を治療しちゃうんですよ。身体や精神の疾患とか戦争での後遺症とかも含めて。ですから一種の治療行為でもあるんです」
と、そこで言葉を区切ってから。
「聖院でも痴女宮でも、そちらで言う風俗店の扱いになる旅館めいたものがあります。そこで勤めている女官や女性については、そういう医療ではなく純粋な性欲処理という事で、着ている服が変わるのですよ。まぁ、あたしの場合は皇帝仕様で少し意匠が変わるんですけど」自分でも服装を変えてみせます。ええ、例のひも。
(えええええ、勝てない…あたし勝てない…あらゆる意味でこの人には絶対勝てない…)
(す、すごい過激な…こんなの着てるんですか普段…痴女の国なんですね、本当に…)
「ついでに言っておくが女官種は基本、若返る。だからこそ寿命が短くなってしまうのだが…」ジョスリーヌさんも悪ノリして黒薔薇仕様の戦闘服になってますね。
「痴女種になれば百人卒未満でだいたい200年。そこまで長生きしたくないなら還俗と言って一般の人間女性に戻る措置を受けてもらいますわ。…ま、痛い手術とかではありませんし一瞬で済みますけどね。ただ…その時の年齢を2で割ったくらいの人間年齢に戻りますけど」と、痴女宮勤務当時の乳上服白薔薇バージョンになってみせるマリーさん。
「ちなみにこのなかでいちばんとしうえ…あたくしですよね…」
(ええええええ!なんかアラブ系のモデルさんみたいなのに!)
(って美容整形とか不要なの?…そういえばマリアヴェッラ様とジョスリーヌって人はともかく、マリーって人とこのアルトさんだっけ…化粧っ気ない…わよね)
「ついでに言うと二番目はマリアンヌ殿下と…私だ…」
絞り出すような声で言うジョスリーヌさん。
うん、仕方ないよね。
「逆にあたしの実年齢、知ったら驚きますよ」
(え)
(ちょ、ちょちょちょちょちょっと待ってください!この生年月日だと絶対確実に年齢2桁行ってるか行ってないかじゃないんですか? …あ、娘もなんか成長してるな…)
「そうです。我々は成長速度を変更したり、急速に成人化できるんです。そして意識や記憶を共有できると言う事は…知識も共有できるんです。極端な話、私は出生直後に肉体年齢18歳程度にまで促成成長処置を受けました。以来、基本的にこの身体のままなんですよ」
(な、なんか…すごいズルを聞いた気になる…SK-○に貢いだあたしのお金を返して欲しい…)
(うるさいっうるさいっあたしなんかエステに整形…あ…)
「えっと。ジョスリーヌさん。ちょっとアジア系に変わってみて頂けますか」
「お前たち…女として気持ちはわかるんだが、生まれつきの身体を大事にはしろ…私は特殊任務に従事する関係で整形手術を受けざるを得なかったがな」
と、変化したジョスリーヌさんを見てお二人、ものすごく動揺しています。
(あ、あの…マリアヴェッラ…陛下…ですよね…もしかしておっぱいも…)
「変えられますよ。ただ、精気を消費するのである程度勤務して頂いた後に申請を受け付ける形になりますが」本当は出家時にもしてあげるんですけど、今は内緒で。いひひ。
「で、私なんですが…連邦宙兵隊将官の高木ジーナってわかりますかね。あの少年捕まえて結婚したの」
(んー、わかりません)
(あああああああああ!あのウェディングドレス着たまま年端もいかない旦那さんと二人で車で逃げ回ってたおっきい女の人!マリアヴェッラ陛下ってあの方の娘さんなんですか?)
「すみません…それ、私の実の母親です。私の名前ですけど、正式にはマリアヴェッラ・ボルジア・ワーズワース。で、日本国籍では高木マリアヴェッラです」
(え。日本人扱いなんですか?)
「一応、連邦政府事務局長のラッツィオーニ閣下の秘書官扱いで職員身分ももらってますけどね。あと、宙兵隊尉官軍属待遇も」ほれほれID見ろID。
「言っておくが特認扱いで自動車運転免許や航空機操縦免許も交付されているお立場だぞ。それも、試験を受験して合格した上での交付だからな」
「とりあえずお二人。美容や健康の点で聖院勤務を検討したい場合、今からマリーさんについて研修して来てください。就労意欲を認める場合は、人格初期化などの最終処置を取らずに勤務頂きますし、勤怠成績次第では…千人卒以上への登用昇格詮議がそれだけ早まります。言っておきますが痴女皇国でも聖院でも幹部登用は千人卒からです」
「そのかわりにちんちんはえます。ただ、ほとんどごはんたべなくてすみますけどね」
「アルトさんのお話をもう少しだけ詳しく申しますと、まずは十人卒からスタートします。そして勤務態度や聖院本宮または痴女宮本宮登院…つまり売春以外にも様々なお仕事がある女官業務をこなして頂きますわ。で、早ければ1年、おおむね勤続2年から5年で千人卒昇格の事前聞き取り調査が入ります。これは婚活を重視しているがために行うのですけど、ここで昇格した場合、昇進登用の代償として、百人卒未満の下級女官から吸い取って上に上貢する作業に必要な身体器官…つまり珍珍が生える事になりますの」
マリーさん、あなたとジョスリーヌさんの、あまり見せない方が…おっきいから。
(ベラ子陛下のラスプーチンちんには負けますわっ!ジーナ様ので散々暴威を味わいましたから!)
(マリアンヌ殿下に同じ。あれは核兵器級の凶器です)
(えーと、おちんちん生えると何か起きるんですか)
「吉村さん。あなた…中井さんと喧嘩して、勝てますか?」
(気に入らなかったら叩くくらいはしますけど、向こうが本気出したらあたしが負けます。実際に男の人ボコボコにしてるの見たの、一回や二回じゃありませんし)
(ああ、あの馬鹿…傷害事件にならないようにしろって言ってんのに…)
「ところがですね。十人卒でも、相手が男性一人なら…瞬殺ですよ。そして千人卒だと身体を使った喧嘩ではもちろん、ベッドの上でも相手が人間ならまず負けなくなります。で、男性への興味が薄れてしまうんですよ…」
(ええええええ?)
「これは真剣に言っておきますわ。本当に男性への興味が薄れますの。そして…わたくしの伴侶ですけど、聖院騎士団長のダリアリーゼ…この黒人と白人のハーフのスレンダーな感じのがそれです。ちなみに申し上げておきますけど、この方、孤児で…かなりの非行少女だったんですのよ」
「あたくしもよくしっております。聖院に入るまでに十人いじょうはぜったいにころしていますから。それもそこの娘さんくらいのねんれいのときに、ですよ」
「言っておくが聖院でも痴女宮でも聖院学院という学校を併設しているぞ。ここは孤児院の役目もあってな、本当に殺人経験のある少年少女の更生も積極的に行っているのだ。女官の任務には福祉女官…保母としてこうした少年少女が犯罪を重ねないように教育する業務も含んでいる」
「で、こうした非行更生ノウハウも連邦やNBに輸出しております。お気づきになりました? 私の名前にワーズワースが入っておりますのを…」
(つまり、NBともご関係が…あの義文の馬鹿、大方吉崎に乗せられたんだろうけど何でこんな人の親戚に手を出すような馬鹿な真似してんのよ…あぁああああ!)
(そりゃあたしたち二人とも連邦政府が島流しにするわけだ…ここでこうして話をしてくれてるのも、裏を返したらヨシフミたち含めてさ、もう二度と日本に帰さないぞって意味じゃんか、悟れよおばちゃん…)
「今あなたがたを乗せているこの宇宙船…テンプレス2世というのですが、NBのニューポーツマス造船所で建造されたお船です。それで関係をご理解頂けますか?」
(うちの旦那が底抜けのバカだと理解しました…)
(あたしも真剣に義文との絶縁を決意したいです…)
(マリーさん。気が変わらないうちに強制拉致連行願います。一週間後にこちらの時間軸に戻してください)
(承知いたしました。例の促成成長のやり方ですわね。ま、ちょっとしごいて来ますからごろうじろ)
で、無理やり二人を転送してしまいます。
まぁ、死にはしないでしょう。聖院流儀の研修ですし。
「はぁ、欲深いと言えば欲深い部類ですね」
「ああいうのは日本のせいふもいらんわと言うでしょうねぇ」
(おう、終わったか。ちょっとこっち来てくれ)
で、姉に呼ばれて格納庫に戻りますと。
「はぁ…宇賀神さん抑えるのに苦労したぜ…」
「いや高木さん、俺を褒めて下さいよ。殺しはしなかったんですよ?」
見れば宇賀神さん、金属バットを持っていますね。確かこの人の武装ではこれが一番最強だったはずです。
まぁ、大体の修羅場の状況は理解できました。手下の乗ってたらしい車がボコボコになっていますから。
「人にバットを使わなかったのを褒めるべきか…」
「父さん…いくら相手がナイフ持ってたからって三人まとめてボコボコにして投げ飛ばす?」ゆっきーの呆れた顔で、更に惨劇の詳細が理解できました。
「なぁに、この程度の修羅場は日常茶飯事ってもんだ。あ、高木さん…ここ…禁煙でしたっけ」
「いいよ。特別だ。はい」宇賀神さんのくわえたハイライトに、姉が火をつけてあげます。
「助かりますよ。しかし…俺も現役の制作総務の時はあんなのばっかり相手してたんですけどね。さすがにあの手の連中の抑えをする人種が世間からどんどんいなくなるの、ちょっとばかし懸念を持ちたいってところですか」紫煙を吐き出しながら宇賀神さんが申されます。
労働者の煙草というハイライトですけど、この方が吸うと本当にお似合いなんですよね。慶次郎さんもそうですけど、ただの人間の男性なのに不思議と「勝てない、勝ちたくない」という貫禄があるんですよ、姉が肩入れする男の人って。
(そりゃあベラ子お前、人間としての貫禄が違うよ。中井への啖呵、聞かせてやりたかったぜ。「お前が日本国民を名乗るのは仕方ねぇけどよ、日本人を名乗るのを許すんならそもそも大黒の時点でお前は逮捕されているべきだったんだよ。ここに連れて来られてる時点でてめぇらは日本人として否定されたんだよ」ってレイバンずらしながら金属バット片手にビシッと言ってくれてねぇ)
ええ、ヤクザの人にその怖い顔が欲しいというスカウトすら受けたおじさんです。さぞや中井一味も肝も冷やした事でしょう。
(ま、だからこそ、最低でもこの人は大往生させたげたいのよ)
「そこはあたしらが人類の発展と成長に対して責任を持つところだよ。少なくとも宇賀神さんの定年後は箱根に別荘構えてのんびり庭仕事して過ごさせるくらいはしてあげるからさ」
「うーん、俺としちゃあ、街住まいがいいかな。昼間から渋谷の裏手の洋食屋とか飲みに行きたいんですがね」
「こんの飲み助っ。ゆっきー、家のマッカラン隠しとけよ」
「そいつは勘弁だなぁ。それより、これで大体のカタはついたんですかい?」
「あとは中井と三人だね。ジョスリーヌさん、あいつらの処分は頼めるかい?…とりあえず祝杯を上げてからだな。陛下も殿下も付き合うって言ってくれてるし。うちの離宮の母親の部屋ならそれなりの酒、揃ってるぜ」
「いいんですかい、少将閣下の酒、勝手に空けて」
「あのおばはんはそれなりに稼いでるし、本気で手を付けたら危ない酒はあたしが把握してるから大丈夫だよ。それにもう少ししたら戻って来るから」
「ねーさん、それならジュネス行く方がいいんじゃないですか? どうせ痴女宮に戻って中井とかの引き取りをさせるんでしょ?」
「ジュネスか…まぁ、仕方ないか。あそこもそれなりの酒揃えてるしな。純子さんに連絡しておいてくれ」
「へいへい」やんごとないお方にあそこの惨劇をお見せして良いのかという気もしましたが、とりあえずはお越しになりたいのですから仕方ないでしょう。
ですが、アルトさんとあたしのコンビ。
ジュネスで暴走しそうな気がします。
…ま、今日くらいはいっか!
--------------------------------------------
マリア「普通の飲み会で終わらんかった」
アルト「ごめんなさいあばれました」
ベラ子「ごめんなさい店の外に出ました」
ゆきこ「沖縄でこれしたから怒られたのね…ベラちゃん…お父さんに合わせる顔、ある?」
ベラ子「謝っておいて!あたし当分渋谷も南青山も宇都宮も顔を出せません…!」
マリア「このベラ子とアルトの科白で大体何があったか悟ってくれ」
ジーナ「全くお前らわぁあああああ」
マリア「おばはんもこいつらを非難できるのか!あんたも淋の森で暴れただろ!」
ベラ子「端的に言います。かー様とあたしとアルトさん、淋の森警備本部の留置場に入りました…」
マリア「頼むから門前町警備本部の留置場も制覇とか、痴女島の警備本部の留置場全制覇挑戦とかしないでくれ」
ゆきこ「月間痴女宮の賞罰コーナー掲載確定です。あとマリア先輩が奥様とお嬢様に謝り倒していました」
ベラ子「ちなみに雅美さんも乱入してきて、後でめっちゃ怒られています」
マリア「お前ら反社作戦で捕まえた連中に説教できるかどうか、自分の胸に聞いてみろ…」
ゆきこ「どういう事が起きたのかは機会があればお話ししますねっ」
じょすりん「ちなみに私もついCoqを取り出して紙をですね突きで何枚破れるかとかですね」
ジーナ「で、触発されたベラ子とアルトがな…そしてその勢いで店の外に飛び出してな…」
ベラ子「障子紙を破るのはかーさまもしていましたよっ」
ジーナ「あれは勢いじゃ!」
マリア「あんたら一応痴女皇国の皇族とか幹部なんだからよ…」
じょすりん「ちなみにこの話は私の方の↓に続いたりするのですよ」
https://novel18.syosetu.com/n0112gz/76/
アルト「ジョスリーヌさんはよっぱらってもしらふでもこわいひとなのです」
マリア(そして酔っ払った後の始末は色々とあるんだよ…特に雅美さんと初代様が抜けた後の人事の騒動がな!)
全員「というわけで2022年も話は続きますのでよろしくお願いします!」
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