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アルトリーネの鬼退治・金閣銀閣を退治せよ編

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「違う!柱一本残さず焼かんと火災保険が降りへん方と違う!」

「ジーナ様、それは一体なんなのでしょう」

「いや、忘れてくれ…それより、ポーラに乗り込んだら話がある。わざわざ紺碧騎士団にあたしがついて来た理由やが」大講堂を出たわたくしと凛さんに追いついて来たジーナ様、一緒にポーラというイタリアのおふねに乗り込まれます。で、ラウラさんという、お姉さんにしか見えない方を紹介されました。

(ラウラ・ロレンツォ大佐。このポーラの艦長やけど、実はイタリア政府から派遣された痴女皇国移住プログラム従事者や)

(ふむふむ)

(そのような人が何でまた)

(うむ、ぶっちゃけ離婚して身体が空いてた…というのもあるが、聖院がらみの船だから痴女が艦長やってる方が良かろうというノリでな。現時点では百人卒級だからこちらから心話を繋がないと、うちらは覗くだけになるからな。作戦時は注意してくれ)どうやら百人卒ですが、イタリアからの外交官のような人でもあり、本宮の20階にお部屋があるそうです。

ですので、イタリアの人でありながら痴女宮におうちがあり、更にイタリアにしている方だと…。

(ややこしい人だが、ポーラという船の任務を考えると痴女の能力がある方が良いだろうとな。でないと、痴女皇国や聖院に来た際に任務そっちのけで遊ばれたら困るからこうしてくれとイタリア政府に頼まれてなあ…)すけべえが多い国だからしかたありませんね。

(鬼の奴らが来る一週間も前にここに来てもらった理由の一つな。打ち合わせや準備や訓練もあったけど、半舷上陸を二晩やって、宿坊4軒借り切って痴女宮にしてもろたから…)

(聖母様、差し出でがましいようですが、普通はそういう事はやることが成功してからやるん違いますやろか…)

(ああ、イタリア男対策や。こんな美女を吸血鬼や人食い鬼にされてもええんか君らと煽る方が、あいつらには効くのや…)

(な、なるほど…)

(それに奴等は集団だと何故か弱くなるが、11人揃えるか単独だと強い。更に言うと、下手に我慢さしたら、あいつらは勝手に船を抜け出して色街に行きかねん。ならこちらで面倒見てやる方が混乱せえへんねん。凛ちゃんのおうちでも、カチコミやタマ取りの前に若いもんに流川で芸者遊びさせたってへんか?)

(…聖母様が何故それを…ええ、死ぬ可能性が高い奴はわざわざ讃岐饂飩国か道後温泉国か中洲国まで連れて行ったってましたけど、親父が…ついでにおのれも遊んどりましたけどな!)

(やっぱしか。まぁそれの軍隊版と思うてくれ)

(ものごっつ納得しとうない例えやけど納得しましたわ)

(よし、ではラウラ艦長を交えて話をするで。今回の作戦のキモや。他は拿捕しても金角と銀角の二匹だけは逆に、何がなんでも上陸させなくてはならん。従って手引き役として、悦吏子ちゃんを臨時に紺碧騎士団に編入しておる。そして悦吏ちゃん、玉藻おばはんにかつての上司のよしみで金銀をたぶらかさして上陸を手引きする塩梅で行くぞ。他のみんなも、くれぐれもこの二匹だけは見逃して悦吏ちゃんに手引きさしてくれ)

(他はどないします? 適当なやつを操って目眩しに暴れさしてもよろしいで)

(うむ。その場合、見取り図のこことここを襲わせるのや。間違っても手引き役の色街組合長の店は襲わせたらあかんぞ。ここに金角と銀角を行かせる予定やからな)

(あー、サラヤンハッタのすけべいおぢさんのおみせですね)

(うむ、あのエロ猿め、奴の店は今晩が限りや…陸上班のマリーには上手く引き継ぐのやぞ…)

(なーるほどー、痴女皇国の言う事聞かないお店を取り潰してしまうから何人か逃すと…)

(ちなみにこいつら、潜入の際の目くらましの為の一種の焼夷弾すら携帯させられとるようでな。大麻樹脂と原油と木屑を火薬と組み合わせた代物でねぇ…あいつらが訓練で実際にタージマハールの近くの荒れ野で爆発させとったけど、半径20メートルくらいの火球ができよる。ついでに引火した大麻樹脂の破片やタール状の原油があちこちに飛び散ることで延焼も狙ってるわ。現代の火炎攻撃型手榴弾と原理的にはかなり似てるとエマ子も不思議がっとったな。んで、暴風雨のさなかにそれ爆発さして、火事騒ぎを起こされたこっちがあたふたしとる隙に潜入しよう思うとるな)

(なーるほどー。それ、鬼は全員持たされとりますの?)

(いや、幹部らしき奴だけ。全員合わせてせいぜい5発くらい。向こうも、焼き討ちより鬼を街に潜ませるのが目的やとは認識してて、守らん奴は食うと脅しとる)

(しかし携帯火器や武器さえ現代的なら、我々ですら防げない可能性がありますわね。戦術といい戦略といい、話を聞くにつけ狡猾姑息にしてよく練り込まれていると思えますわ)

(でしょ艦長。仮にこいつらが連邦社会に進出して来たら、タイミングによっては鬼細菌…としておきますが、それの感染を阻止できなければ連邦側の技術では防御不可能とすら言える脅威なんですよ。ま、それだけに、策士策に溺れさせなならん訳ですわ)

(作戦趣旨はよく理解致しました。ではそろそろ準備にかからせていただきます。閣下はあの特殊機…スケアクロウからご指揮を執られるのでしたね)

(あのめんどくさい飛行機、値段のせいでみんな怖がって、あたしが機長やらな嫌がりよるんですわ…とりあえずなんかあったら心話下さい。では)

あ、とりあえずへんせい表とやらが回って来ていましたので見てみます。あたくしが隊長で臨時に海の配置の方々を仕切るそうですが。

カリマンタン島(ボルネオ島・痴女皇国島)戦術水中鬼部隊迎撃隊編成図

隊長  アルトリーゼ
海班長 瀬戸凛(紺碧騎士団長)
魚介班 浪速のドサ健(舞鶴興業食客)
魚介班 オルカのじょーい君(アラスカ育ち)
魚介班 じょーい君のツレ数匹
魚介班 イルカのみなさん

ポーラ待機 鈴鹿御前
ポーラ待機 アルテローゼ
ポーラ待機 メーテヒルデ
ポーラ待機 ルクレツィア

空中監視班
班長 ジーナ
副長 エマ子(ベラ子と交代)
航空機関士 エマ子分体
航法士 ミカ子
対地攻撃 ダリア
対地攻撃 りええ
対潜攻撃 エマ子分体
対潜攻撃 外道丸

陸上班長 マリー
陸上班  ベラ子
陸上班  エレンファーネ(誘導担当)

なんでこうなったか。

どうも、せっかく手配した鬼を人に戻す薬ですがね。あれ、試したら効きすぎてですね、鬼の時におんなのひとになっていても「元が男なら男に戻してしまう」ふくさようがわかりまして…。

で、くすりを使わず精気を吸い取り、弱まったところをいんちゅう君で捕まえてはイルカの皆さんでおふねまで連れてくるというだんどりに変わりまして…。

で、ポーラ待機のうち、乳上とクレーニャ、そしてるっきーはこるべっと艦というふねに乗り込んで、引き上げられた鬼を見張る役目になりました。

更に、比丘尼国から来た鈴鹿御前というおねーさん。この人が大事な役目を与えられています。なんでも向こうに、風をあやつるおばはんがいてたいふうを呼び寄せているそうです。

ですが、そのらせつにょだのてっせんこうじょだのという天女のおばはんより更につよい鈴鹿さんが、ここぞという時にたいふうを吹き飛ばしてしまい、鬼を慌てさせる役だそうです。

(アルテローゼ、メーテヒルデ、るっきー、鈴鹿さん。酔い止めの薬は必ず飲むようにな? 出港したらなるべく早く潜ってくれるけど、港から出るまでは何分か水上航行します。特にクリストファーロ級コルベット艦に乗る三人、三半規管が適合するまではなるべく横になるか船と身体をくっつけて大人しくしててな)ジーナ様から船酔い注意の指示が飛びます。

既にたいふう接近の警告が門前町には出ており、要所要所に警備騎士と罪人が配置されています。目的は、風でたてものが吹き飛ばされたり潰されるのを防ぐか、巻き込まれた人を助けるためです。この騎士さん達はマリーの指揮で動きますが、なぜかベラ子陛下が「マリーの下についています」ね…。

(ふふふ、サラヤのしょうどくとやらにわたくしが必要なのです!)あのー。陛下なんかそれ違う気がしますがー。

(いいのです。それよりアルトさん。あなたは母様の愛人にしてわたくしとは竿姉妹の仲でしょ?陛下呼ばわりはもはや不要。ベラ子さんでよいです!)はぁ。

「艦長。航海艦橋収納完了しました。各艦潜水行動開始。指定深度10。潜航開始準備よし」

「艦長より各員に伝達。只今より本艦ポーラ並びに随伴艦3隻は潜水行動に移る。各員は所定配置につけ。副長、各部準備報告を受けてください」

「シー、フィオーレ。全部署潜航対応よし」

「各艦潜航開始!」

どうやらうみに潜り始めたようですね。ざばざばと水が流れ込む音がしますが、これはばらすとタンクというおふねの中のすいそうに水を入れている音だそうです。

「健さん、こないだはすまんかったのう、ヒレ」

「まぁわしら、ほんまのサメとちごて気合い入れたらすぐ生えますしな。それより今回の背負子ですか、これが陸の上やと邪魔で邪魔で」

「まぁ我慢しぃ。それよりすーぱーきゃびてーしょんか、泡吐き出して進む時は必ずこの面包を顔に当てるんやで。肺もエラも使えんようになるからな?」

「めっちゃ速いのはわかるんですけどなぁ。こんな速さ、ワシらでも出せる奴おりまへんで」

「せやから値打ちあんねんがな」背中に背負っている大きなすいしんポッドという仕掛けをポンと叩きながら凛ちゃんがどやがおしています。

勘のいい凛ちゃん、このそうちを早くも使いこなしており、大変気に入っているようです。

気に入っているのはよいのですが。

「なぁ、あると隊長。これ10台くらい瀬戸組に頂けまへんやろか…これあったらカチコミめちゃくちゃ便利ですねんけど…うちのヤサから四国まで半刻かからんと行けますやん…」やくざのあらそいにつかったらベラ子さんにおこられますよ。

「確かにねんりょうでんちせるとかばってりー言いますのか、一時間もたすもーどでも楽は楽ですけどな。濁っとる海でも先の先まで見える仕掛けも便利ですねんけど、音が」どさけんという目つきの悪いやくざの人がぼやいてはります。

なんでもあくてぃぶそなーという仕掛け、これはあたくしだと注意しないと普通のぴこーんという音にしか聞こえませんが、人魚族のみなさんにはかなり耳ざわりな音に聞こえるそうです。

で、あたくしたちの服装、がんつ服です。ただし全身を覆うかたちのものに変わっています。あたくしの故郷の南の方で真珠獲りが着ていた潜水服に似ていると言えば似ておりますね。

「水中では抜いてこないか、普通の短刀として使うてくると思いますが、ぐるかに伝わる短刀、あれに鬼の血を塗り付けて毒の代わりにしとるいう話なんで、なんか防ぐ手はないかと言うとまりや様がこれを。なんや、どらいすーついう服の代わりにもなるそうですわ」

「人魚になる時は脱げるいうか、邪魔んならんように縮こまるみたいで、便利なもん色々お持ちですなぁ」あ、海女さんふく、またしても着せられそうになりましたので。

で、あたくしのお部屋で寝ているマリア様のおへその下あたりに◎と線を組み合わせた図形と、「1回100円」と書いておけとジーナ様に言われましたが、おねだんはにしておきました。

(そろそろ水中組、転送入れるでー。凛ちゃん健さん、船の後ろからじょーい君らが来るからなー。もし、向こうがサメ引き連れて来てたらその子らに相手さしやー)

「こちらアルトー。いつでもどーぞー」で、ごーぐるとやらを顔にかぶせます。さんそマスクも準備完了。

ざばん。たいふうのせいか水がにごっていますね。ごーぐるに赤い光がいくつも写っています。

(遠慮はいらん。ドレイン入れたれ…あ、8割から9割を奪う感じで。完全に抜くなよ。特に先頭のマークつきの奴2つ)ジーナ様から指示が飛びます。

かち。

背中のすいしんポッドから出た握りのスイッチを押すとぽこぽこっとあわが前の方に噴き出しました。次の瞬間にどん、と体がポッドに引っ張られます。肩だけでなく胸やお腹までがっしりと固定される理由がよくわかります。

スイッチから手を離すと、あっという間に赤い光に近いところに着きました。あちらも水が濁っているせいかよくわからないようです。だからわざわざ嵐にしなくてもいいのに…。

どうもこのさくせんをたてた三蔵とかいう人は海についてよく知らなかったようですね。はいはい、という感じであっちウロウロこっちウロウロしている人影から軽く吸い取りを20人くらい、あっという間に片付けます。

(よしアルトくん凛ちゃん、台風にはあっち行ってもらったから水面に出てもええぞ。ここは健さんとシャチやイルカに任せて聖院港に向かってくれ。金銀二匹が前を必死で泳いどるから、泡出さずに噴射だけでついていき。バレんようにこそーっとな。あたしらは今から水面近くにまで降下して外道ちゃんとダリアを降ろす。凛ちゃんと協力して二人抱えて一緒に上陸してくれ)

(やつらのおふねはどうなりました?)

(あいつらが焙烙玉ほうろくだま…火炎爆弾を使って自分らで燃やそうとした。台風がまだおるときにやりよったから沈む前に火が消えたけどな。今はまだ浮いとるよ。後でイタリア海軍に頼んで引っ張って来てもらうわ)

(了解ー。あ、すけあくろう見えました)

(海面すれすれまで降ろすからな。羽根から空気出しとるさかいに注意してや)

(きょうかいそうせいぎょというあれですね。りょうかいー)

で、本当に海面すれすれを飛んでくるすけあくろう。

(ひぎいいい失速する失速するうううう)

(やかましいエマ子っ台風あっち行けした後で海も凪いどるわ!複葉モード時の低空低速STOL性能を信じれ!…っていうかスケアクロウのICD、フル積載で垂直離着陸全然クソ余裕な性能あんねんからよ…)

(ダリア降りますっ、アルトさんかもん!)

(はいー)機首横のドアから黒い影が身体を丸めてばしゃん。海中をそこに向けて接近します。

(背中のすいしんポッドに取手があるから摑むのですよ)ぐ、と重さが加わります。そうさレバーのあくせるを開けてスピード調節。

(こちらダリア。あー楽だなー。鬼はバシャバシャやって怪しまれないように速度下げましたね。上陸予想地点には黒蛇や紫が隠れてます。住民には建物から出ないよう要請済み)

(こちら悦吏子ー。玉藻さんが誘導中。海から上がってきたら合流してサラヤンハッタの店に引っ張って行きますわ。疑う様子もなく昔の上司の甘言に乗ってくれてます)色々大変だったようじゃのう、とりあえず懇意の淫売宿があるから紹介してやろうとかなぐさめてますね。

(こちら外道丸。凛ちゃんに無事に拾われてます。金銀は無事に上陸しよりました。悪さをした仲の玉藻はんがおった事で、むしろ、今から悪さをするから上手くすれば玉藻はんを味方に出来るかもとか考えてまんな)

(こちらアルト。まぁ、あの淫売屋の中限定ならあばれてもらった方がよいのですよね)

(こちらジーナ。海上側の鬼の拿捕は終了したと連絡が入った。最終的に30名か…思ったより少なかったかなぁ。どうもやはりその、道中で共食い…あと、弱体化させて正解やったわ。全員グルカかアサシンベースでもと男ばっかしの模様)

(こちらアルト。ダリアと一緒に上陸。すいしんポッド回収ねがいますー)

(こちらジーナ。今紫を行かしたから渡してな。あと、鬼切丸持ってるな?)

(こちらアルト。今、ぼうすい袋から出しました。無事をかくにん)

(こちらジーナ。よし、間隔を空けてサラヤンハッタの店に向かってくれ。ダリアも一緒に。ベラ子はマリーと一緒やな?)

(こちらベラ子。マリーと二人で近所の屋根からサラやを監視中。今、二匹と玉藻さん入りました)

(こちらジーナ。よーしよーし。うまくサラヤンハッタに味見させるのや。奴と鬼がおめこして鬼化した瞬間にベラ子とマリーは突入。アルトとダリアも支援に入れ)

(こちら悦吏子。サラヤンハッタはやはり奴隷商人と繋がりがあり、手紙で天竺方面から流れてくる上玉が来るかも知れないから雇う方がよいとか吹き込まれていた模様。そら、二人を見て話が早く進む訳ですわ…今、店主が店に出せるか確かめるとか言うてますね)

(こちらジーナ。よし、可能なら手紙とやらも押さえるのや。そもそも奴隷商人、しかもうちらと付き合いのない奴を知っとるだけでアウトじゃっ)

(こちらダリア、男の奴隷は罪人扱いで確保か解放ですからねー。女の人なら女官コースですし)

(こちらアルト、サラヤンハッタが赤くなりました。ベラ子さん突入確認。あたくし達も踏み込みます)で、窓から最上階に。

「むう、従者アルト!見ての通り鬼三匹は縛り上げています!」…タキシードなかめんのベラ子様が得意満面で立っておられるのですが…。

「さて鬼さん達。サラヤンハッタには、痴女皇国で聞きたい事が山のようにある模様なのでですね、ここなマリーとダリアが鬼から人に戻すとして…」くちからきばが生えたおっさんがうろたえてなんかわめいていますが、あたしから鬼切丸を借りたマリーが峰打ちでどついたら、きばが引っ込んで倒れ込んでしまいました。

「アルト。協力してください。さて金角銀角とやら、誰に頼まれてこんなことをしたとか聞く前に尋ねます。あなた方、これを選びますか」ベラ子様はマリーから鬼切丸を受け取って鬼の前に突き付けます。

「それとも、これが嫌ならですね、あたくしとアルトに突かれてみますか」

え。

「あら、アルトは鬼ちんぽの方がいいの?」

「えーと、なぜわたくしがこやつらとおめこ」

「勅命です」正体バレますって!

「いやその、わたしら鬼やのうて元・狐」

「で、わたしは狸で、姉者とは義姉妹の仲」

「まぁその辺はよろしい。私達が強ければ、あなたたちは我が強さにひれ伏してしまうでしょう。しかし、貴女たちが強ければ我々が貴女方のしもべとなるでしょう。如何」

「なぁ姉者。どのみちわたしら仕損じてますわな」

「そうじゃの妹者。玉藻様に騙された恨みはともかく」

「あほ。ちゃんと面倒見たる言うたわ。間違うとるかは、このたきしーど変態仮面さまがどなたか分かれば減らず口も利けぬぞ。むしろ訳を話せばおのれらの食い扶持に稼ぎ場くらい何とでもしてもらえるわぇ」

玉藻さんが前に出てきてものすごく偉そうな悦吏子ちゃんですが、実際にばけものの間ではものすごく強くて、外道さんと玉藻さんはお互いに「うちらで喧嘩したら迷惑の度合いが洒落ならんから平和に行きます」とおかみさまの前で無理矢理握手させられている仲だそうです。

要するにお互い、るどぅたぶるくらいの穢れ弾みたいな隠し手があるから、本気で戦ったら世界中が困ると…。

「…いやまさか、痴女皇国の皇帝さまやとは思いませんやん。普通やったら、うちのあの玄奘みたいにふんぞり返って人を顎でこき使うもんでっせ」ばれてーら。

「残念やけどなワレら。この国は偉い人ほどこき使われるんじゃ。金に銀とか言うたの。お前ら、うちが誰かわかるか」で、そこに、玉藻さんと喧嘩したくてもできない外道ちゃん登場。

「ひ…しゅしゅしゅ」

「わーだまれだまれその名前あかん駄目言うなっ」外道ちゃんが必死で鬼の口を押さえてます。まぁ今はあさぐろい女の人にしか見えまへんが。

「むごもごもごご」

「とりあえず君ら。この変態仮面さまとこちらのあるとさんとおめこ勝負しなさい。勝っても負けても生命は安堵してくれるし悪いようにはせえへんから」

(だからアルトさん、この者たち、完全に鬼をやめさせたら狐やタヌキに戻るのですよ…鬼状態で痴女化しなくてはならないのです。こやつらを痴女のとりこにするには、能力的にこの場で一番上の私と貴女が適任者なんですから…はい、ちゃっちゃと犯してしまいましょう)

「ぎひいいきなりとは不覚っ」

「しかたないですねぇ。ぎんさんでしたか。はいおまた開いて下さいね」

「へいへい。せやから姉者、ここで暴れても勝ち目はあらへんやろ。それよりはせっかくのまぐわいですやないか」なんか妹の方が頭が回りそうで。

「ふふふ、ぬかりましたな。アルトリーネはん。ほれ…え?こら反応せんかい!」見れば銀角とかいう鬼、腰の物入れから出した種子らしきを使おうとしていますが。

「あーわかった。お前ら情報古すぎるんや。あるとはん、このタネは人を食う草木のタネでしてな、名前に反応しますねん。ところがおたくは出家しとるから本名がわからんわ、おまけにまりやはんの嫁か旦那かわからん立場やさかいに、こいつらに従おうにも芽を出せんのですわ」と、床に叩きつけられた種を拾ったげどうさん、その種をおくちの中へ。

「うえ、まずっ」それ以前にばっちいですよ。

「ほほほほほ、せめてあたくしにそれを使うのでしたね。ですが使ったところで…」きんかくさんの持っていたたねを見せるベラ子様。なんかボロボロになってますが。

「それは私達、精気というか生命を有するもの全てから吸い取れましてよ」

「な、なななんちゅう反則な事を!」

「それは玄奘三蔵に言いなさい。私達からすればあなた方こそ生者への冒涜ですよ?同じような事が出来るとしても、私達は人を食べずに出来ますよ?」下半身の惨劇さえ見なければ、ベラ子様が神々しく見えるのですが。

で、あたくしと銀角。

「で、アルトはん。皇帝陛下の言われますことはごもっともですねんけど、わたしら鬼のままやと人を食わな生きてられまへんのですが」

「ああ、その対策ですよ、これ。ところであまり気持ちよくないのですか」

「いえいえ…なんか感じる場所が心なしか変わって来たようでして…」

「ふっふっふっ、効いてまいりましたね」

「ままままままさかやると死ぬ毒の身体とかっ」

「そんな訳ありませんよ。あなたは今、わたくしを食べたいですか。ほれ」おっぱいを押しつけてやりますが。

「ぬ…なんか食欲を感じませんな…さっきまで割と腹が減ってはおったのですが」

「あとちんぽ。魔羅、出してごらんなさい」

「え? …ぎえええええ」

「あれぇえええわしのわしの魔羅がないっないっあらへんっ」

「外道さん、どうでしょう、この二人」ベラ子様がお尋ねになられていますが…。

「ああ、金も銀も。お前ら、もう狗狸精やあらへんぞ。十人卒くらいか…ただの痴女種や」はい、外道ちゃんの無情なせんげんが。

「ええーっ!そそそそんなっ」

「殺生なあああ」

「お黙りなさい。ならキツネやタヌキに戻りますか?それにですねぇ…私もアルトも今、手加減しているのですよ?本気で犯せば貴女方は死ぬかも知れませんわよ? アルト、銀さんに…そうですねぇ、ジーナ母様と致した場合の快感、しみゅれーとして差し上げなさい。金さんは私の一端を見せて差し上げます」

次の瞬間。

二人とも口から泡吹いて倒れました。

気持ちが良すぎて気絶したみたいです。

「あーあーあー」

「言わんこっちゃない」皆さん呆れ顔です。

「では、この者たちは所定通り痴女化したので女官養成魔羅の穴コースに」

「それやめてあげましょうよ…普通に女官にするだけでもこやつらには充分罰ゲームですよ…今、劣化マイレーネ様と陰口叩かれ放題なあたくしが導入担当なので」そうでしたね、マリーに担当されるだけで毎日泣いてそうです。

(こちらジーナ。あー、そっち大体カタついたか?)

(はいお母様。サラ屋は消毒済み、女性は保護。物証はダリアが配下を呼んで確保中です。サラヤンハッタは捕縛、この後叩き起こして事情聴取の予定)

(よっしゃ。ベラ子、アルト、外道ちゃん、悦吏子ちゃん、凛ちゃん。今から転送してもらうからスケアクロウに来てくれ。作戦第二段階行くぞ)

(了解)次の瞬間、光景が一気に変わりました。すけあくろうの操縦室ですねここ。

「来たな。では我々は今から天竺に向かう。まずスケアクロウに積まれたミサイルと鬼解除爆雷の在庫処分をインドで行うが、インドは広いのでテンプレス2世から支援攻撃をやってもらう。エマ子。SSBM-020の用意、出来てるな?」

「はいお母様…あ、捕らえた鉄扇公主の処分を鈴鹿さんが聞いてますけど、どうします?」

「あー、あれはすぐに痴女化せーへんのやったよな…。外道ちゃん、そいつ、ここに連れて来て大人しくさせとける?」

「へい聖母様、鈴鹿はんからは羽根取り上げたいう連絡が来てますわ」

「よしエマ子、こっち来させろ。天竺の根城が完全壊滅するのを見てもらお」

そして、なんか陰険そうなおばちゃんがいんちゅうで縛られた状態で送られて来ました。

「おおおおのれっ殺せっ」

「これ羅刹。あんた殺すん簡単やけど、その前にやる事あるん違うんかのぅ…わちきが誰か見てみいゃ」悦吏子ちゃんがおばはんににじり寄ります。

「うちだけやおまへん。鬼頭と、人魚頭の娘さんもいたはりまっせ?何か言いたいことあるんか?」おばちゃん、首を横にぶんぶん振ってますね。

「とりあえずみんな座ろか。エマ子、ベラ子と交代してFEへ。アルトはベラ子の後ろ。外道ちゃんと悦吏ちゃんと凛ちゃんは後ろに行ってくれるか。そのおばはんは予備席出して座らしとくわ」立ち上がったジーナ様が席を決めます。あたくしとベラ子様の間の通路に、簡単ないすを出しておばはんを座らせます。

「よっしゃエマ子。目標、ダージリン以外の天竺全域。SSBM-020発射用意」

「エマ子了解。テンプレス2世VLSカバー部展開確認。うちーかたーはじーめー」

「うちーかたーはじーめー」

「な、ななな何をしよるのじゃ…」明け方の空に向かって、てんぷれすの前の方からはなびのようなものが次々とうちだされていきます。これがジーナ様が以前言っていた「やばいくらのなかみ」なんですかね。

「いやアルトくん、あれは今回レパルスで運んできたものをテンプレスから撃ってるんや。SSBM-020ドラメという滑空弾道ミサイルっちゅう奴やが、今回撃ち込んだのは穢れ弾ではない」

「ででででは何を」

隣のおばはんも真っ青です。あのはなびが天竺に向けて撃たれたのはジーナ様の話で確定しています。しかも1発や2発じゃありませんよ。何発撃ち込むんですか。

「四十八発。なあおばちゃん。あんたが捻じ曲げた台風、今天竺に近づいておってな」

「え」

「うちらにも天気いじれるお方がおってのう。で、今ぽんぽん打ち上げてる花火やが、これからあの台風を広げて天竺ほぼ全域に雨を降らせようと思う。その台風の上であの花火が爆発する」

「ななな何じゃ何をするつもりじゃっ」

「簡単や。アレの中身はお前らが使っとった鬼の血の薬、あれと似た奴でな。しかも水に触れたらアホみたいに増えよる。で、効き目は鬼やもののけを人に戻すのや。未来永劫、うちらが何かせんかったら草木も獣も魚も人も、二度と鬼にはならんぞ。ふふふアルトくん。あれの中身がわかったな?」

ああ、しろありくん1号のしんせきですね。木をぼろぼろに腐らせる代わりに鬼を元に戻したり、鬼になれないようにしてしまうと。

「そうそう。で、玄奘の本拠地とネパールからチベットにかけてはスケアクロウで同じことしに行くわけよ。では飛ぶぞ」

「な、何を貴様らは…あうっ」おだまり。あたくしが鬼切丸で一発どついて黙らせます。

「MIDIでしばいてもええねんけどな。MIDIはアレーゼさんとマイレーネさんが餃子男しばいた後なら使ってええいうから中原大陸全域浄化に使うわ。エマ子。起動承認だけ出しといて」

「了解ですっ」

「ほなベラ子。訓練の通りや。風向きや風速を確認してな。で、波浪センサーで波高確認。2m以上の場合は必ず垂直離水で行くのやぞ」

え。ベラ子様が飛ばすのですか。

「今回の飛行はベラ子の訓練を兼ねておる。あたしがおるから心配すな。では行くぞ」なんかベラ子様あたふたしてはりますけど良いのでしょうか…。

「壊したらおっさんに直させる。だいたいあたしがこんな一種の幽霊状態でマリ公の代わりを務める事態そのものが奴の責任でもあるのやっ」

「かーさまー。離水しますー。見ててくださいねー…」

「そーそー。スロットルレバーのテイクオフスイッチを押したら勝手に推力上がるからな。今回は聖院湖からやから楽なはずや。ほれV1、ローテーション。操縦桿はゆっくり引けよ…V2超えてギアアップサインが出たらそのスイッチを引いてフロートを引き込みなさい。で、フラップ角度表示を確かめながら操縦桿そのまま。ステアリングキューに従って操縦桿をゆっくり傾けて右足でペダル踏んで上昇しながら旋回。指示された飛行コースに乗せて行くんやぞ…」

「ひいいいい、おかー様、日頃よくこんなの飛ばしてますよね…」

「今は特に翼を一杯に伸ばしてるから操縦性が悪いのや、慌てず落ち着いて高度を上げて行きなさい。前方のレーダー監視画面に雲の表示が出た場合、黄色なら中に突っ込んだらあかんぞ。台風一過しとるからやばい積乱雲はないはずやが…」

「は、はいー」なるほど、途切れ途切れに雲が前の窓の向こうを流れて行きます。

「エマ子。念のために南洋王国から佛象国と言わず、東南アジアからパキスタンまで後でMIDIで鬼化阻止細胞情報照射しとこか。向こうはどないや」

「既にマイレーネさんが李自成を吹っ飛ばした上にアレーゼさんの峰打ちでとどめさしてます。政治に大した不満もないのに一揆を続けるのか聞いてる模様」

「よし、あらかた解決しそうやな。MIDI行かすタイミングはアレーゼさんの指示で決めてくれ。あ、ベラ子。あたしらはこのままマラッカ海峡上空を飛行しながら高度を上げてインドを目指すぞ」

「了解致しました。えと、オートパイロットですよね。これでいいかな…」

「よしよし。長距離飛行は初めてやからな。慌てず覚えて行きなさい。まぁエマ子に転送さしたら一瞬やけど、行った先で色々するとか、今回みたいに途中でなんかしたり道中の様子を見る場合はこれを使うことも多いよってな」

「ぬ…母様、玄奘のおばはん、部下や李自成から反応が返らないので何かあったと判断して山中の砦に隠れようとしていますね」

「厄介な事しよんな。ま、逃すかい。最悪、痴女化は諦めるか…百人は欲しかったんやけどなぁ」

「とりあえず行くだけ行ってみましょうよ。MIDI06、今、隣を随伴させてますし」右を見るといますね、かりばーん。

ただ、いつものかりばーんと違い、きたいの下にも大きなかばーがかぶさっています。更に大きなたいほうのようなものが下についてますね。

「低抵抗飛翔形態。大気圏内では主にこの形や。さて、鬼退治も佳境や。アルトくんとベラ子には玄奘をしばいてもらうぞ、ちんぽで」

えー。なんであたくし…。

「そら桃太郎役やからやがな」仕方ないんですよね…無事に終わるのを祈りたい気分ですが…。

--------------------------------------------

ベラ子「もー何なんですかあのめんどくさいもの」
ジーナ「気持ちはわかるが慣れろ。なおバンシーやババヤガーも基本だいたい同じくらいめんどくさい…いや、スケアクロウは実のところ自己チェックシステムなどに部分的にMIDIテクノロジーが入ってるから、付帯操作は割と簡単やな。ただ…」
アルト「正直に言います。ジーナ様の時より揺れてました」
ベラ子「例えば右旋回する時に操縦桿傾けたとしましょう。で、右足でペダルを踏んでえい曲がれってやったって、反応が鈍いんですよ。一拍か二拍くらい遅れて反応返ってくる感じなんで、つい強めにうおりゃあっと」
ジーナ「待てすまんベラ子。…あー、エマ子。お前…副操縦士席のコントローラーレスポンス、若葉マークモードのままやろ!普通に戻しとけ!…うん、ビビったエマ子が自分用にわざと反応鈍くしてた…」
ベラ子「そんな事できるんですか」
ジーナ「あれは操縦するために握るちんぽが棒やリンクで直接舵に繋がっておらん。翼を動かすリニアモーターやサーボモーターに電子的に信号を送るフライバイワイヤだのフライバイライトだのというてな、機械が仲立ちしているのだ。複葉機の時と、今のように単葉機として飛ぶ時で補助舵が自動的に動く挙動が違う。電動自転車でいうと、必ずパワーアシストや回生ブレーキが働いてると思うてくれ。更に後ろに子供や荷物を積んだ際にパワーアシストが勝手に強くなる類だと」
ベラ子「訳がわかったようなわからないような」
ジーナ「ベラ子。お前もいずれNBに行くかも知れないが、ワーズワース家のガレージにある中でマクラーレンと名がつくものは、勧められてもなるべく乗るな。特に横に3人座って乗る奴で真ん中にハンドルついてる奴。間違っても雨の日には絶対乗るな」
ベラ子「何やら変態な車の予感」
ジーナ「間違いなく変態や。飛行機飛ばせるくらい馬力あるエンジンの癖に、およそパワーアシストとというものがろくについとらん。ハンドルは重いしアクセルもブレーキもクラッチも重い。普通に運転するだけで筋力トレーニングやないかあれ」
ベラ子「それでれーさーなる人種はあんなにムキムキ」
ジーナ「それも昔のレーシングカーな。ベラ子の祖国にもフェラ   ーリF40という恐ろしい車が存在したが。というかフェラ  ーリでもあんな車滅多に作らなかったんやないかな」
アルト「なおジーナ様は何故かこういう、不必要に区切った発言を好みます」
ジーナ「個人的にはフィアットの小さいのとかで構わん。確かにあたしのスタイルや体格で乗ったらカッコいいとか言われるし、実際にイタリア軍警の一日署長企画されて、るっきー連れて行った時に乱暴ルギーニかなんかに乗せられた事あるが…」
るっきー「痴女になる前のあたくしなら絶対似合ってませんでした。個人的には、ませらってぃの後ろの椅子を要求します」
ジーナ「確かにあたしやるっきーが、あれのドアをバン、と上に跳ね上げて乗り降りするとかっこよく見えるには見えるのよ。そういう映像撮られて入隊促進ビデオの素材にされたし」
ベラ子「ではあたくしも、そういうものに乗ればかっこよく見えると」
ジーナ「というか、あたしらの見た目でこういう無骨な飛行機飛ばしてる時点で、世間の見る目は変わるぞ。あたしの実家でたまの手伝いとかで大型トラック乗って納品行ったら見られた見られた、周りから注目の的でなぁ…まぁ、あたしやるっきーやベラ子の見た目で、普通はこういうものには乗らん」
ベラ子「つまり、普通ではないから余計に見た目で注目の的と…」
ジーナ「はっはっはっそういう事だよベラ子くん。だから頑張って操縦をおぼ」
ベラ子「かーさま。次のあたくしの誕生日にらんぼぼぎーにかふぇらち…ふぇらーりを要求します。断られたらマリアねーさんに言って皇帝歳費から捻出します。確か現金資産だけで10台くらいは楽に買えると…」
ジーナ「ぬうっクレーゼさん以来の無駄遣いトップの予感。だがベラ子。うちの島だけではない。痴女皇国時代の地球のどこにあれが走れる道が…待てベラ子。らんぼぼぎーになら買ってやる。うん、カリマンタン島のプランテーションで使えるし、業務経費で落とす必要ないけど承認したる。エアコンも効くし連邦側のイタリアの公共放送も車内で見れるようにしたるから」
ベラ子「…何ですかこのやたら巨大な車輪がついた変な作業用車はっ」
ジーナ「やかましいっこの時代でもあそこの稼ぎ頭なんじゃ!それに農業界でも高級品扱いやねんぞ!値段見てみれ値段」
ベラ子「…確かに、値段だけなら…すぽーつかーより高いものが揃ってますわね」
ジーナ「更にこれは走らせると畑が出来る。ただ走るだけの車ではなく何かを産むのやっ。生産性という点では値段だけのことはあるのやっ」
マリア「…ベラ子…うちの母親、金にならんものにはとにかく財布きついから…後でスポーツ四駆、注文しといてやる。ただ、ワーズワースの爺さんに見つかるなよ。あのお祖父様なら密かに売り飛ばしてレンジローバーを届けかねんからな!」
ジーナ「あー、やるな、あの人はやる。しかも黙って」
ベラ子「まぁでもこの、うるすとかいう感じのならまだあたくしに似合いそうで」
ジーナ「更に懸念がある。あの会社とフのつく会社、一見お断りとか納期1年とか平気でやりかねんのに、ベラ子の注文なら1ヶ月未満で特別仕様車を届けそうでな…マリ公の財布から妹に買ってやるなら文句は言わんが、出来れば一般人が買ったようにしなさい」
マリア「かーさん多分それ無理。いずれバレる。日本法人から日本仕様買う方が騒がれねぇぞ」
ジーナ「日本で買うたらさらに割高やんか…」
マリア「うるさい日本人客向けの再点検手間賃やブランド代だから仕方ないじゃんか。納車時故障とか、昔のジャガーのような間抜けな事はさすがにないと思うが…」
ベラ子「馬車一台買うのでも大変なんですのねぇ」
マリア「まぁ、実際に買うかはまだ不明。かーさんの趣味で横槍を入れてフィアットの四駆にしろとか言い出すかもなぁ」
ベラ子「可愛いのもありますのね」
マリア(で、車の話が出たってことは…本編でなんか陸上移動を余儀なくされる話が出そうでなぁ…)
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